By Shin Tomizawa
Round6からは全勝テーブルの一幕を。
Game 1
先手小林は初手を見るなり即座にマリガンを宣言。マナトラブルに見舞われてしまったようだ。
対する正直は7枚でキープした。
さて、続く6枚の手札も土地が1枚しかなく、滑り出しはダブルマリガンの不調に見舞われてしまった小林。土地が2枚と《思考囲い》が見え、そう悪くない5枚を受け入れた。
早速正直のハンドを覗き見る小林。《稲妻》《雷口のヘルカイト》《修復の天使》《マナ漏出》といった正直の手札が明らかになり、ジェスカイコントロールであることが予想される手札から《雷口のヘルカイト》を選んで捨てさせる。
一見すると不自然だが、それもそのはず、3ターン目に小林は《未練ある魂》。小林のデッキは白黒トークンだったわけで、《雷口のヘルカイト》が場に出ては戦線が崩壊してしまうのだ。
正直はこの《未練ある魂》に《マナ漏出》で応えるが、フラッシュバックが待っていることを考えるとやや不安げだ。
土地を並べ続ける正直を小林が攻める展開になり、フラッシュバックの《未練ある魂》を受け入れた後、エンドステップに《ヴェンディリオン三人衆》。手札を見せようとする小林を制して、対象は自分で。どうやら手札が芳しくないらしい。
正直 知也 |
4枚の土地を揃え、小林のドローステップに《修復の天使》で《ヴェンディリオン三人衆》の明滅を試みるも、対応して《盲信的迫害》で《ヴェンディリオン三人衆》は墓地に送られてしまう。
しかし《修復の天使》が立っているため小林は攻撃できず。逆に《修復の天使》の攻撃を受け入れるしかない。
遮るもののなくなった戦場でスピリット達を攻撃に向かわせると、2枚目の《修復の天使》が1体を討ち取る。
小林は《幽体の行列》を続けるが、正直は意に介さず2体の天使で攻撃。さらには《台所の嫌がらせ屋》でライフを獲得し、殴り合いを制するプランを提示する。
ならばとダメージレースを一気に傾けうる《真面目な訪問者、ソリン》をプレイするも、正直の手札からは《マナ漏出》が。
正直は全軍アタックし小林はチャンプブロックで耐える。追加の《台所の嫌がらせ屋》が磨り減ったライフを取り戻し、削りきれないと判断した小林は「次へ行きましょう」と言って、カードを片付けた。
小林 0-1 正直
Game 2
小林は二度目の先手では7枚の手札をキープし、またも初動は《思考囲い》から。
《呪文貫き》、《マナ漏出》、《台所の嫌がらせ屋》の中から《マナ漏出》を落とす。
《呪文貫き》を構えず《天界の列柱》タップインから入った正直の隙をついて《無形の美徳》が着地。さらにはエンドステップに《急報》で《呪文貫き》を使わせてからの《未練ある魂》と華麗に白黒トークンを使いこなす小林。
そして正直が《台所の嫌がらせ屋》を呼び出した隙をついて《未練ある魂》をフラッシュバック。
正直は、小林の置いた《風立ての高地》を手札から《地盤の際》を出して即座に割って「秘匿」解除こそ許さないが、一手遅れている感は否めず。
帰ってきたターンに2枚目の《無形の美徳》が通ると、正直ここで投了。勝敗は3本目に委ねられた。
小林 1-1 正直
Game 3
先手が回ってきた正直。
お互い7枚の手札で第3ゲームが始まった。
小林、三度目の1ターン目《思考囲い》。
《マナ漏出》、《Wear》、《台所の嫌がらせ屋》、《機を見た援軍》の手札から《台所の嫌がらせ屋》を選択。
小林は静かに《風立ての高地》をセットし、正直も土地を並べて脅威に備える。
3ターン目の《未練ある魂》を《マナ漏出》し、ドローゴーを続ける正直。
続いてのフラッシュバックには完璧な回答《差し戻し》を見せられ、小林の後続は次のターンを待つことになってしまった。
1対1の交換で小林の攻めを受け流す正直だが、「そろそろカウンター以外がほしいな」とぼやいている。
続いて登場した《刃砦の英雄》にも《瞬唱の魔道士》からの《マナ漏出》して隙を見せずに念願のクロックを手に入れるも、しかし即座に《四肢切断》。
さらに小林は持っていた。《真面目な訪問者、ソリン》がついにカウンターを掻い潜って着地してしまう。
《天界の列柱》での攻撃を試みるもまたも《流刑への道》での除去が大きくテンポを奪う。
《真面目な訪問者、ソリン》が定着し、《幽体の行列》までもが通り、4体のトークンが正直を攻める。
《機を見た援軍》でライフと1/1トークンを獲得し、《溶鉄の雨》で《風立ての高地》を破壊しつつソリンの忠誠値を減らすが、それ以上の抵抗はできず。ソリンのプラス能力の恩恵を受けたトークン軍団が一気に9点のダメージを正直に浴びせる。小林がかなりの勝勢。
だがここで正直、起死回生の《雷口のヘルカイト》をトップデッキ!
小林のトークンをなぎ払い、兵士トークンでソリンを攻撃。《雷口のヘルカイト》はプレイヤーへ。
《急報》で迎え撃ち、なんとか《真面目な訪問者、ソリン》を守るものの、小林はトップした《思考囲い》を打ち込むことしかできず。勝利の女神は正直に微笑んだか、さらに《時を越えた探索》をトップデッキ!
ついに《真面目な訪問者、ソリン》をも落とし、X=0の《仕組まれた爆薬》を置いて磐石に見えた正直だが、ここまでの攻防で残りライフは4まで落ち込んでいる。うっかり殴り合うと致死圏内だ。
ヘルカイトの攻撃の間隙を縫って《エイヴンの思考検閲者》が登場すると「まじかよ!」と狼狽する正直。
これが正直の防御網を突破し、残りライフは2に。押し込めるか小林。
何を引いたか正直、自ターンで意を決してフェッチランドを起動。……してみるが《エイヴンの思考検閲者》がいることを忘れてライブラリを見ようとしてしまう。さすがに小林の待ったが入り、トップの4枚を検めるも土地はなし。それでも3色のマナで《仕組まれた爆薬》をプレイし、《エイヴンの思考検閲者》までも捌き切った正直。追加の脅威を、あるいは除去を引かれる前に《雷口のヘルカイト》があと2回殴ることができるのかという勝負にまで持ち込んだ。
ドローゴーの小林に対してもう1パンチ。残りライフは2。もう1度殴れれば勝利が正直を待っている。
しかし、なんとこの時点で小林はもう1枚の《エイヴンの思考検閲者》を持っていた。
あとは相手のターンエンドを待つのみだったはずの小林に、正直は勝利を概ね確定させる1枚をプレイした。
《台所の嫌がらせ屋》。
これでライフは《エイヴンの思考検閲者》だけでは足りない3まで浮上。
小林に要求された2ターン連続のトップデッキ。あの1枚を引くしかない。頼む。《盲信的迫害》!
小林 純 |
小林の最後のドロー。
手からこぼれ落ちたのは《無形の美徳》。
直前のドローが《エイヴンの思考検閲者》ではなく《急報》だったら。
2枚目のドローが《盲信的迫害》だったら。
わずかな勝ち筋を引き寄せたかに見えた小林のドローの、ほんの少しの噛み合わなさが勝敗を分けた。
小林 1-2 正直