2014年を彩ったプレイヤーたち

晴れる屋



By Yoshihiko Ikawa


2014年も残すところあとわずか。

一年の総決算ともいえるこの「The Last Sun 2014」に出場している選手たちの中から、今年のマジック界を盛り上げてくれたプレイヤーたちをご紹介しよう。



■ 津村健志 (大阪→東京)



プロツアートップ8進出回数なんと6回、日本のプレイヤーの中でもトップクラスの実績と実力を持つ「マジック・プロツアー殿堂」顕彰者、津村 健志。

学業を優先していたため近年は比較的活動を抑えていたが、2014年に「晴れる屋」運営会社である株式会社GoodGamesに就職、オーナーの齋藤 友晴とともにHareruyaProsを結成しプロプレイヤー活動を再開した

happymtgに掲載される数々のコラムブログ、公式サイトで再開した「津村健志の『先取り!』スタンダード・アナライズ」。そしてhappymtgチャンネル上で毎週2回放送している「津村健志のゴキゲン!MO生活」など幅広い活動を行い、幅広いプレイヤー層から支持を集めている。

残念ながら今年は、齋藤 友晴(東京)・渡辺 雄也(神奈川)とチームを組んだグランプリポートランド2014以外は目立った成績を残すことができなかったが、来年以降の活躍に期待したい。



■ 朴 高志 (名古屋)



4月に行われたグランプリ名古屋2014。そこで見事準優勝を飾ったのが若き新鋭、朴 高志だ。

地元開催のグランプリ。岡本 尋(名古屋)、加藤 一貴(東京)、大塚 高太郎(東京)をはじめとして数々の強豪を輩出した地・名古屋で友人たちとマジックを楽しみながらも研鑽を積み、そしてついには栄光のフィーチャーテーブルにたどり着いたのだ。

グランプリで手にした切符で8月には初のプロツアーにも参戦。10月の第2回BIG MAGIC OPEN(BMO)では、参加者で唯一スタンダード・レガシーの両フォーマットでトップ8進出。その幅広くかつ確かな技術を日本中に知らしめることとなった。



■ 瀧村 和幸 (写真左・東京) 河浜 貴和 (写真右・東京)



草の根大会下位卓から始まったサクセスストーリー。それがリーダー河浜 貴和、エース瀧村 和幸をはじめとする「チーム豚小屋」だ。

2013年の末に、2014年の目標を「チームメイトからプロツアー出場者を出すこと」として定めた彼ら。1月のPTQ『ニクスへの旅』で松原 一郎(東京)が初優勝したのを皮切りに、瀧村が、田中 陽(東京)が、河浜が、そして再び瀧村がと、一年間で実にのべ5名がプロツアーの権利を獲得。

また、他の大型イベントでもPWCC2014で金子 佑(神奈川)が優勝、第1回BMOスタンダードで山本 康平(埼玉)が優勝、グランプリ台北2014で瀧村がトップ8入賞と、「チーム豚小屋」の名を国内に轟かすメモリアルイヤーとなった。



■ 中村 肇 (写真左・神奈川) 中村 さら (写真右・神奈川)



数々のトッププレイヤーの活躍の陰に、彼らの姿あり。
新エキスパンション発売の週末に、中村邸を開放して開催されるドラフト合宿、通称「菊名合宿」。その主催がこの中村夫妻だ。

発売直後に開催されるこの菊名合宿には渡辺 雄也(神奈川)や三原 槙仁(千葉)、八十岡 翔太(東京)をはじめするプロプレイヤーたちがこぞって参加しており、これまでにプロツアートップ8入賞者を多数輩出している。

トッププレイヤーの活躍を支えるだけでなく、彼ら自身も確かな実力を持つ強豪。この「The Last Sun 2014」も、難なく予選を突破し夫婦揃って参戦している。



■ 三原 槙仁 (千葉)



プロツアートップ8入賞5回。世界選手権06優勝。世界選手権11団体戦優勝。
数々の実績を持つ国内有数のプロプレイヤーが、圧倒的な支持を得て「プロツアー・マジック殿堂」に選出された

プライベートでも奥様がご懐妊されたとのことで、マジック・私生活ともに充実した一年となった三原 槙仁。来年以降も、誰よりも楽しそうにマジックをプレイしてくれるだろう。



■ アリャビマ・アウリア・ラーマン (東京)



グランプリ名古屋2012で決勝のテーブルに着いた「まゆゆTシャツ」を覚えているだろうか。
当時流行していたミッドレンジタイプではなく、自分のスタイルにあったアグロタイプのラクドス(赤黒)ビートダウンを用い、準優勝に輝いたのがアリャビマ・アウリア・ラーマンだ。

そんな日本の文化をこよなく愛する彼が、過酷なトーナメントを制し見事日本代表の座を掴み取った

ワールド・マジック・カップで国籍の壁を越え、日本代表としてチームメイトと切磋琢磨し奮闘する彼の姿は、誰よりも輝いていた。



■ 山本 賢太郎 (埼玉)



2013年の活躍から引き続きプロツアーやグランプリで安定してプロポイントを獲得した山本 賢太郎。最高位であり、自身の目標でもあった「プラチナレベルプロプレイヤー」へと見事到達した。

プラチナレベルへの到達と前後して、晴れる屋とプロプレイヤー契約し「Hareruya Pros」に所属することに。これまで比較的露出の少ない彼だったが、日本を代表するプロプレイヤーの一人として新たに活動をスタートした。

世界最高峰の大会、世界選手権2014では並み居る強豪を抑えて見事にトップ4入賞。2014-2015年シーズンもプラチナレベルを維持できるのか、彼のこれからの活躍に是非注目してほしい。



■ 市川ユウキ (Magic Online)



2013年にプロツアー初出場を果たし、GPでも安定してマネーフィニッシュをしたものの、まだ一介の強豪プレイヤーに過ぎなかった市川 ユウキ。

だが、PTQを優勝して出場した自身3度目になるプロツアー『ニクスへの旅』で見事トップ4に入賞すると、なんと続くプロツアー『マジック2015』でもトップ8入賞!この「連続PTトップ8」という快挙により、ゴールドレベルを飛び越え、世界でもほんの一握りしかいない「プラチナレベルプロプレイヤー」へ。

8月には記事を寄稿していた縁からBIG MAGICとプロプレイヤー契約。24人しか参加できない世界最高峰の大会、世界選手権2014にも出場と、今や日本を代表するプロプレイヤーの一人となった。



■ 渡辺 雄也 (神奈川)



最後を飾るのはこの人。現在の日本マジック界を背負って立っているトッププレイヤー、渡辺 雄也だ。

2013-2014年シーズンは前半こそ苦戦したが、猛練習の末たどり着いた黒単信心でグランプリ北京14を優勝。あのカイ・ブッディに並ぶ「グランプリ7勝」という大記録を打ち立てると、そこから猛チャージ。最終的には日本プレイヤーで最多のプロポイントを稼ぎ、昨年同様、世界選手権2014の権利とワールド・マジック・カップ2014の日本代表キャプテンの座を射止めることとなった。

2014-2015シーズンもプロツアー『タルキール覇王譚』で自身3度目となるプロツアートップ8入賞を果たすと、続く世界選手権2014でもトップ4入賞と絶好調。これまでも、そしてこれからも。きっと渡辺は日本のトップを走り続けてくれるに違いない。





「The Last Sun 2014」はまだ始まったばかり。

今年最後の大型イベントを優勝で飾るのは、いったい誰になるのだろうか。

このカバレージページ、そしてニコニコ生放送での実況生中継で、大会の模様を余すところなくお届けしていくので、是非注目してほしい。