By Yusuke Kanazawa
「どのアーキタイプにもチャンスがある」と言われる現スタンダード。
正しく戦国。正しく群雄割拠。
スタンダードの覇を唱える氏族を中心に、この環境のメタゲームを眺めていこう。
●アブザン-47名
やはりと言うべきか。総使用者数最多を誇るのは環境筆頭のアブザン。今大会では約36%という数字を出している。
何より特筆すべきはアグロ、ミッドレンジ、PWコントロール、リアニメイトといった小分類の多彩さである。
黒白緑という配色の持つ総合力の高さが窺える。
●ジェスカイ-26名
世界選手権2014の影響からか《カマキリの乗り手》が入った従来の形を選んだプレイヤーは少なく、内訳としてはトークンがほとんどのシェアを占めるジェスカイ。
《ジェスカイの隆盛》を絡めた爆発力には目を見張るものがある。
●マルドゥ-24名
マルドゥの強みは《岩への繋ぎ止め》と《はじける破滅》の軽く強力な除去を擁する点にある。
トークン生成カードが《真面目な訪問者、ソリン》《風番いのロック》《軍族の解体者》といった面々と相性が良く、意外なほどにシナジーが詰め込まれている。
●スゥルタイ-12名
頭角を現してきたシディシウィップ。
使う、もしくは使われてみると分かるが、《血の暴君、シディシ》のバックアップを受けた各種「探査」呪文は驚異的なコストパフォーマンスを叩き出す。スゥルタイのキーワード能力を体現するカンと言えるだろう。
除去呪文のバックアップにより《血の暴君、シディシ》が速やかに盤面を制圧することも可能な一方、長期的なアドバンテージ確保で粘り強く戦える戦術の幅も魅力的だ。
●ティムール-7名
氏族別では不遇な結果となっているティムール。
しかしながら、赤緑の突破力をベースに《頑固な否認》のような軽量カウンターを構える動きは、環境がより重くシフトする時に真価を発揮するだろう。
氏族が覇権を競い合うこの環境。
次期エキスパンション『運命再編』の発売も控えており、更なるメタゲームの進化に期待したい。