By Shin Tomizawa
世界選手権2014の影響を色濃く受けたであろうモダンラウンドの使用デッキ一覧を以下に。
様々なアーキタイプが乱立し難解を極めるモダンメタゲームを読み解き、ブレイクスルーを見出してほしい。
●バーン-21名
赤単、《宝船の巡航》のみをタッチしたバージョンや白を足して《ボロスの魔除け》を追加した物も含めて今回僅差で最多勢力となったバーン。
モダン最強カードの呼び声高い《稲妻》は当然4枚が標準装備。環境を定義するデッキにまでのし上がったようだ。
●黒緑白ジャンク-20名
『タルキール覇王譚』から《包囲サイ》を得た黒緑白。
このインパクトは相当に大きかったようで、純正緑黒を使用するプレイヤーはただの一人もいなかった。
●出産の殻-18名
《スパイクの飼育係》+《テューンの大天使》や《シルヴォクののけ者、メリーラ》の無限コンボを搭載するかは意見が分かれる。《台所の嫌がらせ屋》に加えて、やはり《包囲サイ》を得て強化されたアーキタイプだ。火力隆盛の時代にマッチしたデッキ選択と言えるだろう。
●青緑赤デルバー-17名
火力耐性のある生物として《タルモゴイフ》を採用した火力デッキ。
軽量かつ《稲妻》耐性を持つ生物が強いのは当然といえば当然。
世界選手権2014で日本のプラチナプロたちが揃って選択したこのアーキタイプは、今大会でも有名プレイヤーの多くが選択していたようだ。
●赤青デルバー-9名
純正二色版は青緑赤デルバーという血を分けた兄弟に今回大きく水をあけられてしまった。
対策が進んだ結果選択を避けられたということだろうか。
●親和-9名
《宝船の巡航》が跋扈する現在のモダン環境でもデッキパワーの高さは健在。
メタに左右されやすいデッキだが、今回の風向きは追い風?向かい風?。
●欠片の双子-8名
タルモツイン、テンポツイン、トリコツインなどの各種バリエーションを含む。四強の一角とまで呼ばれていた双子だが、現在はTier1.5といったところか。
●風景の変容-7名
《宝船の巡航》と共にモダンにインパクトを与えた《時を越えた探索》。
コンボデッキの使うこのカードの凶悪さときたら。リソース枚数を多く使うコンボだけに手札破壊には悩まされてきたが、強力な回答を得て勢力を伸ばしているようだ。
●青白赤コントロール-6名
風景の変容と同じく、《宝船の巡航》よりも《時を越えた探索》が優先されるデッキ。
初動を捌き、軽い《スフィンクスの啓示》感覚でアドバンテージを取り、本体火力と《天界の列柱》を用いて、見た目以上に速やかにゲームを終わらせることができる。
●白黒トークン-6名
『タルキール覇王譚』前はほとんどメタ外と言って良いほどのデッキだったが、これもまた単体火力が飛び交う環境にマッチした結果、存在感を増したのだろう。
●ウルザトロン-5名
《秘密を掘り下げる者》、《若き紅蓮術士》に《紅蓮地獄》が、「探査」スペルに《大祖始の遺産》が刺さるはずだが、元々速いデッキや軽量カウンターを苦手としているだけに大幅有利とは言えないアーキタイプ。出産の殻や緑黒白といった上位勢力に有利なデッキだけに、これからに期待。
●マーフォーク-5名
前環境では対黒緑系デッキの旗手としてメタゲームに躍り出たと記憶しているが、『タルキール覇王譚』の旋風を受けた現在のメタでも使用者数の割合はあまり減っていない。緑黒白の流行ぶりを見ればそれも納得だ。そして大量のロードにバックアップされたパワフルな部族群はこの火力環境すら乗り越え得る力を持っている。
●その他-35名
環境を破壊すると言われた《ジェスカイの隆盛》コンボは駆逐され尽くしたのか今回1名のみ。
それも《命運縫い》を使用した新型ではなく、マナクリーチャーを活用するタイプ。世界選手権2014でインパクトを与えたデッキの一つだけに、0人というのは予想外だった。
全体的にコンボデッキの数が少なめで《秘密を掘り下げる者》に締め出されている感がある。
だが、呪禁オーラやソウルシスターズ、ストームなどコンボ・シナジー重視のアーキタイプは、環境が合えば一線級なだけにいつ流行が来ないとも限らない。現に唯一の初日全勝を飾ったのは、会場にたった1人のノリンシスターズだったのだ。