By Atsushi Ito
スタンダード最終戦。7勝3敗という崖っぷちラインからはフィーチャーマッチ常連のこの2人の対決をお送りしよう。
三原 「いやー中村さんにはいつも菊名合宿とかでお世話になってるからなー……」
中村 「から?」
三原 「全力で立ち向かわないと」
中村 「お、おぅ。しかしこのおっちゃんに勝った記憶あんまりないんだよな……デッキの相性も悪いし。朝から何回フリーデュエルしたかわからん」
などと軽口が飛び交う中、負けられない戦いが始まった。
Game 1
先手の三原が《エルフの神秘家》から《旅するサテュロス》と快調な動き。中村も《旅するサテュロス》に《稲妻の一撃》を当てるが、三原は構わず3ターン目《世界を喰らう者、ポルクラノス》を降臨させる。
さらにマリガンスタートな上に土地が2枚で詰まってしまった中村を尻目に、三原は《エルフの神秘家》《森の女人像》と展開してマナを伸ばした後、《書かれざるものの視認》を「獰猛」でプレイ!
三原 「控えめだね」
8枚見てもめくれたのは《クルフィックスの狩猟者》2体のみという結果。中村にとっては一安心というところ。
だが、続けてプレイされた《開花の幻霊》でドローを進めた三原がライブラリトップをめくるとそこには《ニクスの祭殿、ニクソス》がこんにちは。
場には《世界を喰らう者、ポルクラノス》、「信心」は十分。
中村 肇 |
中村 「あー良い勝負だったなー(棒)」
三原 1-0 中村
Game 2
《エルフの神秘家》から《森の女人像》と再びビッグアクションへの道を作っていく三原に対し、中村は《急報》をプレイするものの再び3枚目の土地に詰まる立ち上がり。だが《開花の幻霊》に対して《消去》を当てた返しで今度こそ3マナ目を引き当てる。
一方三原は《クルフィックスの狩猟者》から《旅するサテュロス》とつなげるが、マナフラッドに陥っているのか、2枚ほどの手札を抱えて8マナフルオープンでターンを返す。
この隙に中村は《クルフィックスの狩猟者》に《ジェスカイの魔除け》を撃ちこんでお茶を濁し、土地が伸びるまでの時間を稼ごうとするが、《クルフィックスの狩猟者》を出し直した三原が《思考囲い》で牽制。
《軍族童の突発》
《軍族童の突発》
《対立の終結》
《軽蔑的な一撃》
《急報》
《予知するスフィンクス》
という手札から《対立の終結》を抜き去り、続くターンには更なる《思考囲い》を手札に引き入れたところで、ついにトップに《書かれざるものの視認》が公開される。
三原の手札の《思考囲い》が見えているため、《軽蔑的な一撃》を構える意味がない中村はやむなくフルタップで《予知するスフィンクス》をプレイするのだが、《ニクスの祭殿、ニクソス》から《書かれざるものの視認》をプレイした三原が今度は一発で《世界を喰らう者、ポルクラノス》を降臨させる。
これで盤面は五分か……というところで。
三原 槙仁 |
三原 「で、もう1発」
さらにそのターン中に《旅するサテュロス》で《ニクスの祭殿、ニクソス》をアンタップし、手札から2枚目の《書かれざるものの視認》!
そう。三原はフラッドに陥っていたのではなく、中村の《軽蔑的な一撃》をかいくぐるべくずっと機を窺っていたのだ。
「獰猛」で降臨したのは《破滅喚起の巨人》が2枚。「-4/-4」で中村のトークンを薙ぎ払い、さらに4/6が2体でプレッシャーをかける。
中村も《軍族童の突発》に《世界を喰らう者、ポルクラノス》「怪物化」を使わせてからの《急報》で急場をしのごうとするが。
三原 「それ、このターンで死んでるね」
三原は前のターン、《思考囲い》を温存したまま《書かれざるものの視認》2発を通している。第1メインに撃たれると、《急報》を撃たざるをえなくなり……
もはやサイズのよくわからなくなった『怪物化』《世界を喰らう者、ポルクラノス》が、中村を一息で屠った。
三原 2-0 中村