準決勝:Austin Hatfield(東京) vs. 林 隆智(東京)

晴れる屋



By Shin Tomizawa


今大会最も注目されたであろうHatfield Austinと、カードショップ「アメニティドリーム」の店員である林 隆智が決勝進出を賭けて争う。

初日全勝から危なげなく2日目も勝ち進み、1位通過したAustinにフォーマットの選択権があるため、Austinはモダンを選択し、林の青赤デルバーとAustinのノリン・シスターズの対決となった。

「5時くらいには帰る予定だったんですが、ここまで来ちゃいました。そろそろ帰れそうですね(笑)」

下馬評ではノリン・シスターズが有利であるが果たして。





Game 1

デッキ選択は譲ったが先手は林が確保。
オープニングハンドをお互いにキープしゲームスタート。

林はまず《血清の幻視》で手札を整える。対するAustinは《教区の勇者》を。

2ターン目にも《血清の幻視》を唱えるが、占術で大いに悩む林。
2枚ともをトップに置くが、クロックを提示できずにターンを過ごした。

その分火力は豊富に抱えている。続いて登場した2体目の《教区の勇者》を共に《稲妻》で焼き尽くし、Austinの攻撃を許さない。
しかしながら《魂の管理人》《魂の従者》が定着し、彼女たちがじわじわとライフを削っていく。



Austin Hatfield 



林は3度目の《血清の幻視》を使い、溜まった墓地を「探査」に充て《宝船の巡航》《僧院の速槍》を引き込むも、ここは我慢のターンとし、エンドに《思考掃き》で失った墓地リソースを再び肥やす。

マナが起きてから相手に2点ライフを与えつつも《僧院の速槍》を出すが、即座に《流刑への道》
《秘密を掘り下げる者》も同様に排除されるが、続く《二の足踏みのノリン》に対応して《電解》でシスターズを焼き尽くしたところで流れが大きく変わる。

シナジーがなくては《二の足踏みのノリン》はやはり最弱クリーチャーでしかない。

二の足踏みのノリン


ライフ回復の心配もなくなり、《僧院の速槍》2体を召喚する林。潤沢な手札からスペルを続け、ペースを掴んで離さない。

《若き紅蓮術士》をも場に送り込み、しかしこれには《稲妻》を食らったが、Austinは以降土地を引き続けて何もできずにいる。

林はじっくりと計算し、3度目の《宝船の巡航》を。

3体目の《僧院の速槍》までを引き当て、ドローと火力をチェインさせると、気がつけば林のコントロールするクリーチャーのパワー合計はAustinのライフを上回っていた。


Austin 0-1 林



Game 2

先手をもらったAustinは《魂の管理人》で立ち上がる。
林は先ほどのゲーム同様、《血清の幻視》で手札を整えにかかる。

Austinが《魂の洞窟》でHumanを指定し、《オーリオックのチャンピオン》が場に出ると、林は苦笑い。

オーリオックのチャンピオン



《若き紅蓮術士》を場に出すが、《魂の管理人》までもを追加され、何か唱える度に2点のライフを供給してしまうのは余りにも手痛い。

さらにAustinは2体目の《魂の管理人》を召喚しライフゲイン体制を敷くが、この2体を林の《二股の稲妻》が狙い打つ。

Austinは4枚目の土地をセットし、《イーオスのレインジャー》《二の足踏みのノリン》《軍勢の忠節者》を引き連れてやってきた。

《瞬唱の魔道士》からの《二股の稲妻》《イーオスのレインジャー》を焼いて7点の攻撃。だが削りきるにはAustinの残りライフはあまりに遠く、《教区の勇者》までもが場に揃った。

巨大化しきる前にこれを《二股の稲妻》《電解》の合わせ技で処理し、攻撃を続けるが、続いてトップは《魂の従者》。ライフ回復速度に追いつけるか。


Austin勝勢に見えたが、3枚目の《僧院の速槍》を出し、林はAustinの手札がないことを確認すると全軍でアタック。

《オーリオックのチャンピオン》がトークンをブロックするのを見届けてから、手札の《電謀》を。そしてそれに向かって《マナ漏出》を。

それぞれが3体の《僧院の速槍》を「果敢」させる《巨大化》となり、Austinのライフを奪い尽くすことに成功した。

僧院の速槍僧院の速槍僧院の速槍



Austin 0-2 林



Game 3

Austin、ここで痛恨のダブルマリガン。決勝ラウンドに入ってからというもの、どうにも彼は初手に恵まれない。
一方林の7枚には《電謀》《イゼットの静電術師》といったサイドカードの姿が。

林はクロックがないことだけが不安要素だったが、《思考掃き》と通常ドローで《僧院の速槍》を引き当てた。

Austinの初動は《魂の洞窟》から《スレイベンの守護者、サリア》。対応して林は《稲妻》を本体に。
満を持して登場する《イゼットの静電術師》がサリアを落とすが、《稲妻》で対応され、1対2の交換に留まった。



林 隆智 



リソースの交換を行った後は《宝船の巡航》で手札を補充すると、2体目の《僧院の速槍》から《血清の幻視》を続ける。

さらには本体に《稲妻》。青赤デルバーのお手本のような動きにAustinのライフは風前の灯。

《起源室》から《軍勢の忠節者》で抵抗するも、《電謀》を「超過」するとAustinはカードを片付け、握手を求めるのだった。


Austin 0-3 林


林の長い休日はあと少しだけ続く。