皆さんこんにちは!
年内最後の大規模なイベントのThe Last Sun 2014も終了し2014年も残りわずかです。皆さんは今年は思う存分マジックを楽しめましたか?
さて、今回の記事ではSCG Invitational Seattle、SCGO Seattle、Players’ Championship 、そしてThe Last Sun2014の結果を見ていきたいと思います。
SCG Invitational Seattle
~年内最後のInvitationalを制したのはJeskai Tokens~
2014年12月14日
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1位 Jeskai Tokens/トークン
2位 Abzan Midrange/白黒緑プレインズウォーカー
3位 UW Control/白青コントロール
4位 UW Heroic/英雄ビートダウン
5位 RW Tokens/赤白アグロ
6位 Abzan Whip/白黒緑ビートダウン
7位 Mardu Tokens/トークン
8位 BG Midrange/緑信心
UW Heroic、UW Control、Abzan Midrange、RW Tokensなど様々なアーキタイプが上位入賞する中、優勝したのは世界選手権2014で渡辺雄也選手が使用しトップ4に入賞を果たしたことにより一躍有名となったJeskai Tokensでした。
SCG Invitational Seattle デッキ解説
「Jeskai Tokens」「UW Control」「RW Tokens」
2 《平地》 2 《山》 1 《島》 3 《溢れかえる岸辺》 4 《神秘の僧院》 4 《凱旋の神殿》 1 《天啓の神殿》 4 《シヴの浅瀬》 3 《戦場の鍛冶場》 -土地(24)- 4 《道の探求者》 4 《ゴブリンの熟練扇動者》 -クリーチャー(8)- |
4 《稲妻の一撃》 4 《急報》 4 《軍族童の突発》 2 《ジェスカイの魔除け》 4 《かき立てる炎》 4 《宝船の巡航》 4 《ジェスカイの隆盛》 2 《紅蓮の達人チャンドラ》 -呪文(28)- |
4 《軽蔑的な一撃》 3 《弧状の稲妻》 2 《静翼のグリフ》 2 《消去》 2 《異端の輝き》 1 《否認》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 -サイドボード(15)- |
今回見事に優勝を収めたDylan Donegan のJeskai Tokensのリストは、メインは《天啓の神殿》が4枚目の 《シヴの浅瀬》に差し替えられている以外は世界選手権のリストと同じですが、サイドには変化が見られます。
《対立の終結》と《神々の憤怒》の代わりに《静翼のグリフ》、《弧状の稲妻》、《否認》が採用されています。サイド後もコントロール寄りにシフトせずにトークンによるビートダウンプランにカウンターを追加する戦略のようです。ETB能力を無力化する《静翼のグリフ》はWhip系のデッキに対して有効で「瞬速」であるためカウンターを構える戦略にも合っています。対象を割り振れる火力の《弧状の稲妻》は同系戦で活躍します。
5 《島》 2 《平地》 4 《溢れかえる岸辺》 2 《汚染された三角州》 2 《進化する未開地》 4 《啓蒙の神殿》 4 《平穏な入り江》 4 《光輝の泉》 -土地(27)- 1 《真珠湖の古きもの》 -クリーチャー(1)- |
3 《軽蔑的な一撃》 3 《無効化》 2 《今わの際》 4 《解消》 2 《貪る光》 2 《予言》 3 《対立の終結》 3 《ジェイスの創意》 3 《時を越えた探索》 4 《払拭の光》 3 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(32)- |
3 《オレスコスの王、ブリマーズ》 3 《消去》 3 《否認》 2 《前兆語り》 1 《今わの際》 1 《異端の輝き》 1 《圧倒的な波》 1 《宿命的報復》 -サイドボード(15)- |
打消し、除去、カウンター、スイーパーと一通り揃った現スタンダードの青白コントロール。前環境のように《至高の評決》や《スフィンクスの啓示》といった強力なスペルは存在しないもののAbzan Midrange, Whip系など重いスペルを多数採用したミッドレンジが人気の現環境ではカウンターが強く、このタイプのデッキが苦手としていた《嵐の息吹のドラゴン》や《歓楽者ゼナゴス》を主力としたデッキが少なかったのも勝因だと思います。
サイドの 《オレスコスの王、ブリマーズ》は1/1トークンや《ゴブリンの熟練扇動者》を止められるためJeskai Tokensとのマッチアップで活躍が期待できそうです。
9 《山》 4 《平地》 2 《進化する未開地》 4 《凱旋の神殿》 4 《戦場の鍛冶場》 1 《マナの合流点》 -土地(24)- 1 《僧院の速槍》 4 《道の探求者》 3 《ヘリオッドの巡礼者》 3 《万戦の幻霊》 4 《風番いのロック》 -クリーチャー(15)- |
1 《消去》 3 《急報》 2 《稲妻の一撃》 4 《軍族童の突発》 4 《かき立てる炎》 4 《岩への繋ぎ止め》 1 《ドラゴンのマントル》 2 《紅蓮の達人チャンドラ》 -呪文(21)- |
4 《異端の輝き》 3 《灰雲のフェニックス》 3 《消去》 2 《弧状の稲妻》 2 《紅蓮の達人チャンドラ》 1 《稲妻の一撃》 -サイドボード(15)- |
毎回ユニークな構成のデッキを持ち込むアメリカのプロSam Black は今回RW Tokensを選択しました。現環境のトークン戦略の定番の《急報》、《かき立てる炎》に加えて《ヘリオッドの巡礼者》によるシルバーバレット戦略も採られています。
環境に対象となるエンチャントが多いからか《消去》がメインから採用されています。トークンデッキであり「強襲」の条件を満たすのも容易なため《風番いのロック》が4枚と多めに採用されています。現在の緑系のミッドレンジは飛行を止める手段に乏しく一度に3/4飛行クリーチャーが2体対処するのは困難です。サイドの 《灰雲のフェニックス》も同様で《英雄の破滅》や《残忍な切断》といった単体除去に強く緑系のミッドレンジ戦で重宝します。
SCGO Seattle
~入賞デッキの半分がWhip系のミッドレンジ。優勝はSidisi Whip~
2014年12月14日
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1位 Sidisi Whip/青黒緑ビートダウン
2位 RW Aggro/赤白ビートダウン
3位 UW Heroic/英雄ビートダウン
4位 RG Monsters/赤緑ビートダウン
5位 Abzan Whip/白黒緑ビートダウン
6位 Abzan Whip/白黒緑ビートダウン
7位 Temur Monsters/青赤緑ビートダウン
8位 Abzan Whip/白黒緑ビートダウン
世界選手権2014でも優勝したSidisi Whipの優勝で幕を閉じたSCGO Seattle。トップ8入賞デッキの半分が《エレボスの鞭》を使ったデッキでした。
現在のミッドレンジの多いメタでは《女王スズメバチ》や《イニストラードの魂》といった重く強力なクリーチャーを使い回してアドバンテージを得る戦略が強力です。ロングゲームを前提としたこれらの戦略は立ち上がりが遅いため、軽いクリーチャーを展開していきWhip側の準備が整う前に決着を付けようとするRG MonstersやTemur Monstersのようなテンポ寄りのアグロデッキやUW Heroicも見られました。
SCGO Seattle デッキ解説
「RG Monsters」「Temur Monsters」「Abzan Whip」
7 《山》 6 《森》 4 《樹木茂る山麓》 4 《奔放の神殿》 3 《マナの合流点》 -土地(24)- 4 《エルフの神秘家》 4 《荒野の後継者》 4 《ゴブリンの熟練扇動者》 4 《ゼナゴスの狂信者》 4 《加護のサテュロス》 3 《灰雲のフェニックス》 1 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 4 《嵐の息吹のドラゴン》 -クリーチャー(28)- |
4 《稲妻の一撃》 4 《火口の爪》 -呪文(8)- |
4 《弧状の稲妻》 4 《宿命的火災》 3 《破壊的な享楽》 2 《歓楽者ゼナゴス》 2 《紅蓮の達人チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
3 《山》 2 《森》 4 《開拓地の野営地》 1 《天啓の神殿》 4 《樹木茂る山麓》 4 《ヤヴィマヤの沿岸》 3 《マナの合流点》 2 《シヴの浅瀬》 -土地(23)- 4 《エルフの神秘家》 4 《荒野の後継者》 2 《爪鳴らしの神秘家》 4 《ゴブリンの熟練扇動者》 2 《クルフィックスの狩猟者》 4 《凶暴な拳刃》 3 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 4 《嵐の息吹のドラゴン》 -クリーチャー(27)- |
3 《頑固な否認》 3 《ティムールの魔除け》 4 《火口の爪》 -呪文(10)- |
3 《再利用の賢者》 3 《軽蔑的な一撃》 3 《神々の憤怒》 2 《引き剥がし》 2 《かき立てる炎》 1 《頑固な否認》 1 《時を越えた探索》 -サイドボード(15)- |
Jeff Hooglandは青を足していますが両プレイヤー共に《エルフの神秘家》から最速2ターン目に《ゴブリンの熟練扇動者》や 《ゼナゴスの狂信者》、 《凶暴な拳刃》といったクリーチャーを展開し早い段階から相手にプレッシャーをかけるテンポ寄りの構成になっています。相手の守りも固まってくる中盤以降はXダメージスペルの《火口の爪》で止めを刺します。《世界を喰らう者、ポルクラノス》はJeskai Tokensに強いカードで、マナクリーチャーを経由すれば3ターン目に出すことも可能です。
Jeff Hooglandのリストのように青を足す最大のメリットはカウンターの《頑固な否認》や《ティムールの魔除け》、《軽蔑的な一撃》にアクセス可能になる所です。これによりミッドレンジやコントロールとのマッチアップがかなり有利になります。
4 《森》 1 《平地》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《疾病の神殿》 3 《静寂の神殿》 1 《砂草原の城塞》 4 《ラノワールの荒原》 2 《コイロスの洞窟》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(24)- 4 《サテュロスの道探し》 4 《森の女人像》 4 《クルフィックスの狩猟者》 2 《再利用の賢者》 4 《包囲サイ》 3 《破滅喚起の巨人》 1 《イニストラードの魂》 3 《女王スズメバチ》 -クリーチャー(25)- |
2 《思考囲い》 3 《英雄の破滅》 3 《残忍な切断》 3 《エレボスの鞭》 -呪文(11)- |
4 《悲哀まみれ》 3 《異端の輝き》 2 《再利用の賢者》 2 《思考囲い》 2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》 1 《破滅喚起の巨人》 1 《苦悶の神、ファリカ》 -サイドボード(15)- |
Gerry ThompsonとGlen JonesがSCGO Portlandで入賞を果たしたAbzan Whipは今大会でも人気で多数の入賞者を出しました。アドバンテージを稼ぐ手段は《血の暴君、シディシ》を搭載しているSidisi Whipよりは若干劣りますが、《包囲サイ》が使えることがAbzanの魅力で、序盤の立ち上がりが悠長なWhip系のデッキをメタったアグロデッキに対してはAbzanの方が相性が良さそうです。
《クルフィックスの狩猟者》、《破滅喚起の巨人》、 《エレボスの鞭》、《ジェスカイの隆盛》等現環境には強力なエンチャントメントが多数存在するため《再利用の賢者》がメインから2枚と多めに採用されています。《破滅喚起の巨人》はトークン戦略が人気の現環境では必須で、メイン・サイドと合わせて4枚採用されています。サイドにも 《悲哀まみれ》が4枚とJeskai Tokens対策に多くのスペースを割いています。
SCG Players’ Championship
~SCG最強プレイヤーを決定するPlayers’ Championshipを制したのはSidisi Whip~
2014年12月21日
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1位 Sidisi Whip/青黒緑ビートダウン
2位 Sultai Reanimator/青黒緑ビートダウン
3位 Sultai Reanimator/青黒緑ビートダウン
4位 Abzan Aggro/白黒緑ビートダウン
SCGのトーナメントシーンにおいて年内で最も活躍した16名のプレイヤーが総額$50,000の賞金とSCGトーナメントシーン最強のプレイヤーという称号を賭けて競い合うPlayers’ Championship。参加したプレイヤーの多くは現環境のベストデッキとされるSidisi Whipかそれに有利が付くデッキを選択しました。そんな中優勝を収めたのはSCGメンバーの中でもメタゲームの解析力に優れ、今大会のメタに合わせて調整されたSidisi Whipを駆るBrad Nelsonでした。
SCG Players’ Championship デッキ解説
「Sidisi Whip」「Abzan Aggro」
3 《森》 2 《沼》 1 《島》 2 《汚染された三角州》 1 《進化する未開地》 4 《華やかな宮殿》 2 《疾病の神殿》 1 《神秘の神殿》 4 《ラノワールの荒原》 2 《ヤヴィマヤの沿岸》 1 《マナの合流点》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(24)- 4 《サテュロスの道探し》 4 《森の女人像》 4 《クルフィックスの狩猟者》 2 《苦悶の神、ファリカ》 1 《再利用の賢者》 4 《血の暴君、シディシ》 2 《破滅喚起の巨人》 1 《イニストラードの魂》 2 《女王スズメバチ》 -クリーチャー(24)- |
3 《思考囲い》 2 《スゥルタイの魔除け》 4 《残忍な切断》 3 《エレボスの鞭》 -呪文(12)- |
3 《軽蔑的な一撃》 3 《胆汁病》 3 《悪夢の織り手、アショク》 2 《英雄の破滅》 2 《荒ぶる波濤、キオーラ》 1 《再利用の賢者》 1 《悲哀まみれ》 -サイドボード(15)- |
世界選手権を制したSidisi Whip。今大会でもこのデッキを選択したプレイヤーも多くBrad Nelsonは今大会用に調整されたSidisi Whipを使用し見事に優勝を収めました。
同系とのマッチアップが多くなることを想定していたようで《苦悶の神、ファリカ》がメインから2枚と多めに採用されています。 《スゥルタイの魔除け》は《エレボスの鞭》や 《ジェスカイの隆盛》といったエンチャントに触れることから《英雄の破滅》よりも優先して採用されています。その代わり多色のクリーチャーを除去する手段が減らされているため 、《先頭に立つもの、アナフェンザ》を採用したAbzan Aggroとの相性がかなり悪くなっています。
サイドには《悪夢の織り手、アショク》と《荒ぶる波濤、キオーラ》の2種類のPWが採用されており、サイド後はSultai Walkerにシフトしてエンチャント対策や墓地対策が導入される2ゲーム目以降に備えます。《荒ぶる波濤、キオーラ》は1体のクリーチャーを強化してプレッシャーをかけて来ることの多いUW Heroicとのマッチアップでも活躍が期待されます。
2 《平地》 1 《森》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《砂草原の城塞》 3 《疾病の神殿》 3 《静寂の神殿》 3 《ラノワールの荒原》 3 《コイロスの洞窟》 2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(25)- 4 《ラクシャーサの死与え》 4 《羊毛鬣のライオン》 4 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 4 《包囲サイ》 4 《風番いのロック》 -クリーチャー(20)- |
4 《思考囲い》 4 《胆汁病》 3 《アブザンの魔除け》 3 《英雄の破滅》 1 《残忍な切断》 -呪文(15)- |
4 《悲哀まみれ》 3 《異端の輝き》 3 《自然に帰れ》 2 《真面目な訪問者、ソリン》 2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》 1 《残忍な切断》 -サイドボード(15)- |
《羊毛鬣のライオン》や《ラクシャーサの死与え》といった多色の優秀なクリーチャーでビートダウンしていくデッキ。中盤以降も《包囲サイ》や《風番いのロック》があり、ドロースペルにもなる《アブザンの魔除け》の助けもあって息切れしにくい構成になっています。《先頭に立つもの、アナフェンザ》は現在のメタでは強力なので、伝説のクリーチャーであるのにも関わらずメインから4枚採用されています。除去もメインから《胆汁病》が4枚とJeskai Tokensも意識しています。
サイドには追加のトークン戦略対策として4枚の 《悲哀まみれ》、星座やWhip系等エンチャントを多く採用したデッキに対してはスイーパーの様な働きも期待できる 《自然に帰れ》、追加されるクリーチャー除去に対して異なる方向から攻められるPWの《世界を目覚めさせる者、ニッサ》や《真面目な訪問者、ソリン》も見られます。
The Last Sun 2014
~強豪揃いの招待制トーナメントを制したのはSidisi Whip~
2014年12月21日
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1位 Sidisi Whip/青黒緑ビートダウン
2位 Sultai Midrange/青黒緑ビートダウン
3位 Ascendancy Combo/ジェスカイの隆盛コンボ
4位 Abzan Midrange/白黒緑プレインズウォーカー
5位 Abzan Aggro/白黒緑ビートダウン
6位 Abzan Control/白黒緑コントロール
7位 Abzan Aggro/白黒緑ビートダウン
8位 RG Aggro/赤緑ビートダウン
スタンダードとモダンの混合フォーマットで行われたThe Last Sun 2014。アメリカのメタと異なり、Sidisi Whipを初めとしたWhip系のデッキよりもAbzan AggroやAbzan MidrangeなどAbzanデッキの活躍が目立ちます。
The Last Sun 2014 デッキ解説
「Ascendancy Combo」「Abzan Control」
1 《島》 1 《森》 1 《平地》 4 《吹きさらしの荒野》 1 《溢れかえる岸辺》 4 《開拓地の野営地》 3 《神秘の神殿》 4 《マナの合流点》 1 《ヤヴィマヤの沿岸》 1 《シヴの浅瀬》 -土地(21)- 4 《サテュロスの道探し》 4 《爪鳴らしの神秘家》 4 《森の女人像》 -クリーチャー(12)- |
4 《撤回のらせん》 1 《白鳥の歌》 4 《テイガムの策謀》 3 《神々との融和》 4 《時を越えた探索》 2 《宝船の巡航》 4 《ジェスカイの隆盛》 4 《贈賄者の財布》 1 《群の祭壇》 -呪文(27)- |
4 《否認》 3 《白鳥の歌》 2 《僧院の速槍》 2 《龍の眼の学者》 2 《スズメバチの巣》 1 《消去》 1 《マグマのしぶき》 -サイドボード(15)- |
Jeskai Tokensと異なり環境初期から存在する4色のコンボ特化型の《ジェスカイの隆盛》デッキ。Austin Hatfield は初日を全勝で終え、スタンダード部門を6-1という優秀な成績を収めてトップ8に入賞を果たしました。
環境に多く存在するミッドレンジ系に対して相性が良く特に最近はWhip系のデッキは消耗戦においてトップデッキの質を高めるためにメインの《思考囲い》の枚数が減少傾向にあるので有利が付きます。サイドにはコントロール対策に《否認》が4枚、 《白鳥の歌》が3枚とカウンターが多めに採られています。
2 《平地》 2 《森》 1 《沼》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《砂草原の城塞》 4 《疾病の神殿》 4 《静寂の神殿》 3 《ラノワールの荒原》 1 《コイロスの洞窟》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(26)- 4 《クルフィックスの狩猟者》 2 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 4 《包囲サイ》 1 《小走り破滅エンジン》 -クリーチャー(11)- |
4 《思考囲い》 2 《胆汁病》 4 《英雄の破滅》 3 《アブザンの魔除け》 3 《完全なる終わり》 2 《残忍な切断》 1 《対立の終結》 1 《リリアナ・ヴェス》 3 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(23)- |
3 《悲哀まみれ》 2 《骨読み》 2 《小走り破滅エンジン》 1 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 1 《消去》 1 《胆汁病》 1 《信者の沈黙》 1 《対立の終結》 1 《宿命的報復》 1 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》 1 《頂点捕食者、ガラク》 -サイドボード(15)- |
今大会でも最も人気のあったアーキタイプのAbzan。佐々部 悠介さんのリストは《森の女人像》は不採用でメインからWhip系対策の 《先頭に立つもの、アナフェンザ》やスイーパーの《対立の終結》が採用されているなど現在のメタに合わせた構成です。
しかし、彼のリストで最も印象に残ったのはメイン・サイドに合計3枚採用されている《小走り破滅エンジン》です。1/1のトークンや《森の女人像》、《クルフィックスの狩猟者》によるブロックを許さず、破壊されても6点のダメージを本体に与えることが可能なので《太陽の勇者、エルズペス》への回答として、そしてフィニッシャーとして十分な性能です。
総括
今回は4つの大会結果を見ていきましたがSidisi WhipやAbzan Whipといった《エレボスの鞭》を使ったデッキが高い勝率を出しています。しかし、Whip一強というのには程遠くJeskai Tokens、UW Heroic、Temur Monsters、 Abzan Aggro、Mardu Midrangeなど様々なデッキにチャンスがあります。
SidisiやAbzanは効果的に飛行を止められる手段が限られているためWhip系を倒す場合は《風番いのロック》や《嵐の息吹のドラゴン》が頼りになるフィニッシャーとなります。 《先頭に立つもの、アナフェンザ》を採用したAbzan Aggroも有効な戦略です。
今回の解説は以上です。
次回の記事ではSCGO ColumbusとSCGO Philadelphiaの入賞デッキを見ていきたいと思います。
それでは、次回の記事でまた会いましょう。皆さん良いお年を。楽しいスタンダードライフを!
※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『StarCityGames.com』
http://www.starcitygames.com/index.php