97名による激闘も、いよいよ決勝ラウンドに突入した。
準々決勝の4つのマッチはいずれ劣らぬ好カードだが、その中から町田と鈴木の対決をお送りしよう。
町田のデッキは、プロツアーパリで17位に入賞した行弘 賢(福岡)がデザインしたボロスデッキの完コピという話だ。町田は行弘と直接面識はないが、行弘が精力的に行っているニコニコ生放送を見て使用を決めたとのことである。
対する鈴木は何と現役高校生。とはいえ、byeなしでここまで勝ち上ってきたというから、その実力は折り紙つきだ。デッキはタッチ赤のCaw-Bladeである。
次世代を担う若き才能。その勢いを、町田が止められるか。
Game 1
先手は鈴木。土地が1枚の初手をマリガンすると、今度はオールランドでダブルマリガンとなってしまう。それでも5枚ながら3色揃った初手をキープした鈴木、まずは《広漠なる変幻地》から《平地》をサーチ。これに対し、町田は《ステップのオオヤマネコ》。手札には十分なフェッチランドもある。
鈴木は2ターン目に《石鍛冶の神秘家》で《饗宴と飢餓の剣》を持ってくるが、町田はフェッチをセットし、4点アタックから《戦隊の鷹》。ディスカードしないよう2体のサーチに留める。
ここで鈴木は《沸騰する小湖》から《山》をサーチ、《稲妻》を《ステップのオオヤマネコ》に撃ち込んで攻勢を押しとどめつつ、2マナを立てて《石鍛冶の神秘家》の能力を構える。
これを放置すると次のターンには《饗宴と飢餓の剣》が装備されてしまう町田は《電弧の痕跡》で《石鍛冶の神秘家》を焼き、忘れ形見として《饗宴と飢餓の剣》が場に出るにとどまる。
やむなく鈴木が土地を置くのみでターンを返すと、町田はここが勝機と見たか、行弘ボロスの大きな特徴の1つである《刃砦の英雄》をプレイ。これはカウンターされることなく無事着地するも、鈴木は《審判の日》で盤面を一旦リセット。
しかし町田は即座に2体目の《刃砦の英雄》を出し、なおも鈴木に回答を迫る。
ダブルマリガンが響いたか、ここで対応策を持たない鈴木はターンを返すしかない。
《刃砦の英雄》の7点アタックを受けて鈴木のライフはわずかに4。さらに町田が盤面に《石鍛冶の神秘家》を追加したところで、鈴木は挽回不可能と見て投了を宣言した。
町田 1-0 鈴木
町田は《躁の蛮人》をサイドイン。一方鈴木は《呪文貫き》《マナ漏出》を全部と《精神を刻む者、ジェイス》《石鍛冶の神秘家》を1枚ずつサイドアウトし、《コーの火歩き》《失脚》《神への捧げ物》といったカードをサイドインした。
Game 2
続く2回目のアタックで《ゴブリンの先達》がめくったのは《神への捧げ物》で、素で《饗宴と飢餓の剣》を引いていた町田は若干苦い顔。それでも戦闘後に町田も《戦隊の鷹》を鏡打ち。ここから何行連続で「鷹」という文字が並ぶか心配になる展開だ。
鈴木は2体目の《戦隊の鷹》を出して2体とも立たせると、町田は《ゴブリンの先達》と自分の鷹でアタック。鈴木の鷹2体が《ゴブリンの先達》と交換となり、戦闘後の鷹プレイで町田の場にのみ2体の鷹が並ぶ格好となった。
しかし鈴木は3体目の《戦隊の鷹》で4体目の鷹をサーチ、それもそのままプレイ。返しの町田の鷹2体のアタックについては、鈴木が今度は2体ともスルー。町田が3体目の鷹をプレイしてターンを返す。盤面の鷹の数は鈴木2対町田3だ。
鈴木の5ターン目は少考の後に《進化する未開地》をセットしてから3マナで《饗宴と飢餓の剣》を置いてターンエンド。《戦隊の鷹》のみであった盤面に一気に緊張が走るが、町田は気にせず《ぐらつく峰》で鷹の1体を強化して3体でアタック。鈴木は剣の装備先を残すために鷹の1体を残して町田の強化された鷹のみ相討ちにとるが、戦闘後に町田は《躁の蛮人》で剣を破壊する。
ここで鈴木は《天界の列柱》をタップインの後、5マナオープンのままターンを返すしかできない。町田はここぞとばかりにブロッカーとして立った鈴木の4体目の《戦隊の鷹》にエンド前の《稲妻》を打ち込む。
《躁の蛮人》と2体の《戦隊の鷹》の4点アタックを受けて既に鈴木のライフは7。その上で町田は鈴木にカウンターがないと読んだか、行弘ボロスの2つ目の大きな特徴である《エルズペス・ティレル》をキャスト。通常のボロスを想定してカウンターをすべてサイドアウトしてしまった鈴木はこれを通すしかない。町田は忠誠値を6へ引き上げる方を選択する。
なんとかエンド前の《稲妻》+《天界の列柱》のアタックで《エルズペス・ティレル》は落とすが、《神への捧げ物》を抱えた鈴木に1マナしか残りマナがないこの局面で、町田は初手から抱えていた《饗宴と飢餓の剣》をプレイし即装備でアタック。残り少なくなった鈴木のライフを、アンタップした土地からプレイされた町田の2枚目の《稲妻》が削りきった。
町田 2-0 鈴木