浅原×渡辺「2次元か3次元か」

浅原 晃


とある居酒屋(※1)にて

1.「2次元」か「3次元」か


AA 「それでは、ナベこと、渡辺雄也こと、ユウヤくんをお呼びしました」

ナベ 「よろしくお願いします」

AA 「わぁい、コンボー」

ナベ 「ですね」

AA 「じゃあ、乾杯で」

AAナベ 「ヤソのGP神戸優勝おめでとー」

AA 「とりあえず、今回の議題はズバリ2次元か3次元かということにしますか」

ナベ 「相変わらず謎な展開しますね(笑)」

AA 「まあ、細かいことは気にせず(笑)」

ナベ 「普通に2次元ですね。画面の向こうに入る方法があればぜひコメント欄で教えて欲しいくらいですね」

AA 「最近の中でのおすすめのアニメとかどう?」

ナベ 「一つ前ではまどかマギカとISですかね」

AA 「まどかマギカは俺も見たよ、話の構成がすごかったね。公式の記事のネタに使えるかもね、カーンとか交えて」

ナベ 「そういうのパロディにするの好きですよね」

AA 「ちなみに、アニメかマジックかだと?」

ナベ 「それはかなり難しいです」

AA 「《目覚ましヒバリ》とアニメの好きなキャラが同時に溺れてたらどっち助ける?」

ナベ 「全力で2人とも助けて俺が溺れます」

AA 「なるほど」


2.マジック的次元思考

AA 「2次元が好きなら、1次元とかはどうなの、線とかに萌えたりしないの?」

ナベ 「さすがに1次元は方向性が存在しないので厳しいですね、少なくともベクトルの概念は必要です。例えばかねぴー(※2)なら妹とか、カカオ(※3)ならよう、、、いや、若い女の子が好きとか、それぞれの属性を方向性として持ち、さらにそれの強さを主張していくのが一般的ですね。その中で、ある程度の強さを持つとカカオやかねぴーのような一流のへんた……いや、紳士になれると思います。1次元だと線の長さのようなポイントしか無いので、個性が無いですし。マジックでもそれぞれの色に特徴があってそれぞれが相容れない部分があるから面白いですよね、もし1色しかないゲームだったら、数値の強さを競うだけになっちゃうかもしれませんね。萌えもゲームも2次元が一番バランスがいいんですよ」

AA 「3次元は駄目なの?」

ナベ 「現実は厳しいですね」

AA 「AKBのマジすか学園とか雅也(※4)くんとか大澤(※5)くんとか好きだけど」

ナベ 「5分で駄目でした」

AA 「なるほど、そこは人それぞれかもね」

ナベ 「生きている世界が違うとも言えますね」

AA 「次元と言えばって話ちょっと変わるけど、マジックのプレイングにもいろいろ次元があるような気がするんだけど。例えば、あんちゃんの記事にあった《精神を刻む者、ジェイス》の話はどう思う?フェッチランドがあるときに、トップを見て上に置けばシャッフルしてくれるから、引かれて困るカードでも置くべきって話だけどね」

ナベ 「僕は上には置かないです。100%シャッフルしてくれるとして考えることをしないかな。相手の思考をどちらかに読んで、のるかそるかみたいな選択をわざわざすること自体が、マジックの殆どのゲームでは不必要だと思っているので」

AA 「これに関しては使わないって人も結構多いし、ヤソもツイッターでやることはあるけど、推奨はしないって言ってたね。ナベの言うことももっともだけど、個人的にはマジックのプレイは絶対的なものと相対的なものに区分できるんじゃないかなって思う、簡単に言うと、場合分けとそれらのリターンとリスク、引ける確率を照らし合わせたのが絶対的な考え方で、対戦相手の思考を考えるのが相対的な考え方かな。絶対的な確率や計算が2次元、対戦相手を含めた相対的な思考が3次元って考えると分かりやすいかも。もし、絶対的に下に置くのが正しいとしても、相対的な思考を加えるとそれが変化することもあるしね」

ナベ 「下に置くかどうかを考えにいれるかどうかは確かに相手の思考が関わってきますね。ナックさん(※6)やコムロさん(※7)、コガモもやらない、みたいなこと言ってましたけど、その論拠は大体みんな同じで2次元的に考えれば、置いたときのメリットと引かれたときのデメリットが明らかに等価でないってことなんだと思います。もし相手が、100%下に置いてくれるなら上に置いてもいいんですが、それを考える必要があるのかというのは疑問です。」

AA 「普通はそう考えるね。上に置く選択を考えない人は置くメリットがそもそも理解できないんじゃないかなとは思う。例えば、100%置いたらシャッフルしてくれるって前提なら、メリットは理解できるってのはナベも言っていたとおりだけど」

ナベ 「それはそうですけど、その前提自体が無理があるんじゃないですかね。それを判断できるのは主観だし、思考の部分を確定的に考えるようなことは、少なくともそうしなければ勝てないという状況以外ではしないですね。結果的にもしその選択を取らないと勝てなかったってことであっても、9対1の1の道を探す必要はないと思うんですよね。ある局面で90%勝てる選択と10%勝てる選択、があれば90%の選択を選び続けて、10%で負けたら仕方ないわけで」

AA 「そこは、プレイヤーとしてどういった要素を情報として捉えていくかってことも変わりそうだね。プレイヤーとしての取りうる考え方の次元を広げていくと、捉えられる情報量が変わるから、最適な行動も変わると思う。個人的な定義であれなんだけど、マジックでの2次元を『確率』、3次元を『思考』と定義すると、2次元的な最適解も3次元的な考え方を取り入れることで最終的な最適解が変わると思う。例えば、2次元の視点では90%勝てる選択でも、3次元的な視野を持てばそれは上下するんじゃないかな。簡単に言えば相手の頬を叩くときはいいカード持ってるとか(笑)」

ナベ 「それは気合入れてるだけっす(笑) 相手の思考を読み取れるなら確かに情報量は増えるっていうのは分かりますけど、状況に依存した考え方なら僕もするんですが、それも結局、2次元よりの考え方ですよね。《マナ漏出》をマナを立てて警戒させるとか。相手の思考云々よりも場合分けや定石に近い。持っている持ってないを読むんじゃなくて、持ってたときのリスクが高いからこっちから行動を起こさないってだけですね。先に《精神を刻む者、ジェイス》を出して仕掛けないっていう青の定石は場合分けにおいて、先に動いた方が不利というだけですし」

AA 「そうだね、そこは2次元的な考え方だと思う。そうそう、例えば簡単な思考実験として、こっちのライフが1で相手が赤単バーンで手札0、火力は何を引かれても負け。相手の戦場にはフェッチの土地が1枚あり山の上を見たら《稲妻》があったとしよう。それで、こっちが4ターン後、相手にカードを4枚引かれて生き残れば勝てる設定。このとき上に置くかどうかって話ならどう?」

ナベ 「下に置きますね」

AA 「なるほど、この局面なら俺は上に置いてもいいかなと思うんだよね。不利な局面においてこそフェッチを使わせることに価値があるかなと。下に置いても、火力のどれでもいいっていう状況だとトップデッキの確率はほぼ変わらないし、このときのフェッチランドの価値はヴァラクートの例よりも遥かに高いから、火力を引かれる確率、つまり運の部分で負ける要素を最大源下げるには最初にフェッチランドを使わせたい。フェッチを使わせることは相手の思考を考えれば読み取れる部分であるかもしれない。引かれるリスクを考えれば、負けるカードを上に置くっていうことが有り得ないとは思うけど、すごい不利なときには置いてシャッフルさせるっていう動作は有効なときがあるね。ただ、引かれたら負けのカードを置くときには相対的な考え方が必要で、引かれないって可能性を高く見積もれないと実行に移せないわけだし」

ナベ 「それでも、やっぱり僕はしないかな。かつくん(※8)ならそういったプレイを絶対しますね。相手がそのまま引く奴なら下に置く、フェッチを使う奴なら上に置くって普通に考えてると思います。そういう意味では、上に置くって考え方を取り入れている人は違う次元でプレイしているのかもしれないですね」

AA 「モリカツはそうだね。明らかに超次元でプレイしてる(笑)。勝つために利用する情報がすごい多いんだろうね、あんちゃんに聞いたら元はそのテクニックもモリカツから習ったって言ってたし(笑)」

ナベ 「それは納得です(笑)」

AA 「そういう意味ではナベは2次元的なプレイヤーかなーと思うね。」

ナベ 「そうかもしれませんね、カードは2次元だし、カード以外の情報を考えるのはあまり好きじゃないです」

AA 「ナベは盤面を冷静に考えられるし、プレイの正確さという点では俺よりも遥かにうまいしね。ただ、ブラフとか、そういう割り切ったプレイをするイメージはそんなに無いかな。ブラフもブラフを使わないと勝てないってときにはチャンプアタックとかも使うけど、普通は使わなそう」

ナベ 「ブラフ云々もそうですが、~が無ければ勝てるってプレイはリスキーですし、そもそも、それをする必要のないプレイを探すことや、そういった状況に持っていく方が大事だと思います。」

AA 「盤面の状況を的確に読んでいくってのは基本的なことだけど、一番重要だからね。」

ナベ 「まず、それが出来ないと勝てないですから。相手の行動を読むってちょっと背伸びだと思いますし。ていうか、マジックも盤面こと2次元めちゃくちゃ大事ですよ!」

AA 「やはり2次元なのかー」

AA 「まあ、明確にマジックの情報を次元で分けるってのは難しいけど、情報を取り入れるところを増やしていく=高次元って概念は嵌りそうな気がする。というかモリカツとかそうだけど、理解不能なプレイをする人って次元が高いことが多い。」

ナベ 「そこを追い求めるのは難しいんじゃないですかね」

AA 「俺とかヤソは座る場所を間違ったとか平気で言うけどね(笑)」

ナベ 「オカルト(笑)」

AA 「いや、マジック的に4次元を定義するなら『運命』だと思うんだよね。ペアリングのどっちに座るかで因果関係が確定的になって、その後の運命が変わるはずなんだよね、それを知りうる方法が今のところ自分には無いってだけで。どっちかに座ったら勝てるって考えて行動してると結構面白いよ。あっちの席に座った、平行世界の俺なら勝ってんじゃん!みたいな。いつか、勝つ方のイスが光って見えたりするかもしれないし」

ナベ 「浅原さんも相当超次元な考え方してますよね……」

AA 「いや、それほどでも」

3.「3次元」へ進むにはまず「2次元」から?

ナベ 「となると、前の記事のコメントを見るとあんちゃんやJBさん(※9)は次元の高いプレイヤーを目指しているってことであってますかね?《精神を刻む者、ジェイス》で上に置くって選択肢を考えているわけだし。」

AA 「どうだろうね、3次元的な考え方の延長なのか、それとも、ただの1つのテクニックとして捉えているだけかもしれないし。個人的にはただのテクニックとしてはよりも、そういったことを考えるってこと自体は推奨したいし、あんちゃんもそういったことを言っていたから、そうだとは思うよ」

ナベ 「確かに記事でそういってましたね、考える範囲を広げていくっていうのはプレイヤーとして強くなるには必要だと思います」

AA 「まあ、結局は正確にプレイするっていう2次元的なことの方が遥かに重要なんで、まずはナベみたいにしっかりとプレイできることを目指すべきだとは思うんだけど」

ナベ 「2次元を愛せずして何が3次元か」

AA 「だね」

ナベ 「まあ、個人的にはまだまだだと思ってるんで、しっかりと2次元プレイできるようになりたいです」

AA 「そろそろ次のお友達紹介に入りますか」

つかちゃん(※10) 「えええええええーーーーやだーーーー」

AAナベ 「いきなり出てくるな(笑)。まあ、一緒に飲んでたわけだけどさ(笑)。」

AA 「次はとりあえずなかしゅーの予定なんだけど」

ナベつかちゃん 「ええええええーーーーやだーーーー」

AA 「なかしゅー、殿堂入り出来んのかな(笑)」



※1 町田にある海鮮系屋:リーズナブルだが、1個頼んだものがよく2個出てくる。
※2 金子真実:かつてマジック界の神と呼ばれたプレイヤー 
※3 中村肇:カカオのニックネームで知られる。最近結婚が決まったそうです。本当におめでとうございます。
※4 北山雅也:ちょっと前の日本王者
※5 大澤拓也:リミテッドの記事、書いてます。
※6 中村修平:説明不要
※7 小室修:ニコ生放送を始めたPTチャンプ
※8 森勝洋:異次元プレイで有名
※9 JB:デジタルモンスターペアレント
※10 塚本詩樹:つかちゃん。渡辺教。公式で記事を連載中。