Round 7: 江川 雄介(東京) vs. 国吉 真木朗(東京)

晴れる屋

By Daisuke Kawasaki


  スイスラウンドも最終戦。このラウンドが終われば、トップ8が決定する。

 スタンディングを見た結果、勝ち点16、つまり、5勝1敗1分以上の成績があればトップ8を確定させることができるため、この時点で15点以上あるプレイヤーは最終ラウンドをID(合意の上の引き分け)することができる。

 だが、そんななかで、IDする事ができない15点のプレイヤーが存在した。13点の江川 雄介とマッチアップされた国吉 真木朗だ。江川も、このラウンドで勝てば16点、つまりトップ8安全圏内になるため、最終ラウンドでトップ8をかけたマッチが行われることとなった。

国吉 「一応、聞いておきますけど……引き分けには……しないですよね?」

江川 「そうですね……」

 この最終ラウンドで国吉が使用するのは、今、レガシーでもホットなデッキである青黒緑の《破滅的な行為》入りのランドスティル、通称、ディードスティル。対する江川のデッキは、今やレガシーの代名詞とも言えるクリーチャー、《石鍛冶の神秘家》の入ったバントだ。

 最後の最後、このマッチアップを制し、トップ8に進出するのはどちらか。


Game 1

 後手の国吉はマリガンしたものの、デッキの代名詞と言える《破滅的な行為》《行き詰まり》、そして《Force of Will》の揃った初手を手に入れる。

 ファーストアクションは先手、江川の2ターン目《石鍛冶の神秘家》。この《石鍛冶の神秘家》《殴打頭蓋》をもたらすが、慌てず国吉は《破滅的な行為》を戦場に出す。

 これが《Force of Will》によるカウンター合戦の末、戦場に出る事になり、江川は非常に面倒くさいゲームを強いられる事が決定してしまう。

 とにかく、国吉のターンエンドに《殴打頭蓋》《石鍛冶の神秘家》の能力で戦場に出し、国吉のライフを削っていく江川。2枚目の《石鍛冶の神秘家》で今度は《饗宴と飢餓の剣》を手に入れる。

 続くターン。ついに《破滅的な行為》が場を破滅させる。江川のターンエンドにX=3で起動され、全てのクリーチャーを流すと、続く自分のターンに《行き詰まり》をプレイする。

 この《行き詰まり》はすぐさま《聖遺の騎士》で破壊され国吉に3枚の手札を与える。そして、《聖遺の騎士》《喉首狙い》され、国吉の手札には2枚目の《破滅的な行為》がもたらされる。

 これによって完全に行動を制限されてしまった江川。《ヴェンディリオン三人衆》《Force of Will》をつかわさせ、なんとかX=3の《仕組まれた爆薬》を通したものの、2回能力を使えるだけのマナが無い状況で《殴打頭蓋》を手札に戻そうとしてしまうという痛恨のミス。X=5の《破滅的な行為》によって《殴打頭蓋》を失ってしまう。

 しかし、この時点で国吉の4枚の手札は全て《精神的つまづき》。レガシーでも最強クラスのこのカウンターも、単体では何もできない。

 江川は3枚目の《石鍛冶の神秘家》によって《梅澤の十手》を手札にいれると、この《石鍛冶の神秘家》《饗宴と飢餓の剣》《梅澤の十手》という饗宴ならぬ装備品の夢の共演によって江川のライフを削っていく。

 《渦まく知識》で解答策を求める国吉だったが、ライブラリーのトップは2枚の《不毛の大地》《渦まく知識》。そして、2枚目の《渦まく知識》も、土地しか国吉にもたらさないのだった。

江川 1-0 国吉


Game 2

 1ターン目に《思考囲い》からゲームを始める国吉。この《思考囲い》《精神的つまづき》でカウンターする江川。

 だが、2ターン目に、《ミシュラの工廠》をセットしながらの《行き詰まり》がプレイされてしまう。なんとか《ミシュラの工廠》《不毛の大地》で処理した江川だったが、ここから不毛な土地の並べあいが始まってしまう。

 ここでポイントになるのは、《行き詰まり》状況下でプレッシャーを与えることができる《ミシュラの工廠》と、それを対処できる《不毛の大地》をどちらが多く引けるか、である。

 先に《不毛の大地》を、続いて《ミシュラの工廠》を引き当てたのは国吉。だが、国吉は土地自体が止まり気味で枚数を並べることができない。

 一方、江川は十分な枚数の土地を引き当て、さらに《ミシュラの工廠》を実質無効化できる《Maze of Ith》を引き当てる。《不毛の大地》をこれに使ってしまっては江川が《ミシュラの工廠》を引いた時に圧倒的に不利になってしまうため、結局にらみ合いの様相に。

 江川も1枚は《ミシュラの工廠》を引くのだが、決定打となるカードを引けないまま、土地が並び続ける。一方の国吉は土地を追加で引く事ができず、5マナで止まってしまう。

 ならば、相手の土地が止まっている今こそが好機と江川は判断したのか、《行き詰まり》体制を終了させるべく《翻弄する魔道士》をプレイ。これは《呪文嵌め》でカウンターされるが、続く《聖遺の騎士》を着地させる。

 しかし、《悪魔の布告》で対処。

 3枚の《もみ消し》によって、マナに不安のある国吉の《汚染された三角州》《不毛の大地》の起動を打ち消し、マナが伸びるのを妨害していた江川だったが、《精神を刻む者、ジェイス》の着地を阻止することができない。

 この《精神を刻む者、ジェイス》が土地と、《行き詰まり》と、《ミシュラの工廠》と、《不毛の大地》と、カウンターと、つまりは望むもの全てをもたらしてくれる。

 完全に盤面を掌握したもののあ後に、《精神を刻む者、ジェイス》の上に毎ターン2つずつカウンターが載り始めると、江川は大量に並んだ土地を片付けた。

江川 1-1 国吉


Game 3

 この時点で、残り時間はあと、5分をきる。

 そして、この時間が無い状況で、互いにマリガン。

 結果、後手国吉の1ターン目、《思考囲い》をプレイしたところで終了のアナウンスがされる。

 延長ゼロターン目となるこのターンに公開された江川の手札は、3枚の《剣を鍬に》と、土地。

 あと、3ターンしか猶予のない江川が、この手札で国吉のライフを削りきれるはずは無かった。

江川 1-1-1 国吉

江川 「2戦目、もっと早く投了してれば良かった……」

 結果的に勝ち点1を手に入れた国吉が、トップ8ラウンドに駒を進める。