『サンダー・ジャンクションの無法者』を好きに語ろう!
みなさんこんにちは、晴れる屋メディアチームです。
いよいよ『サンダー・ジャンクションの無法者』のプレリリースが始まり、来週には発売を迎えます。全世界のマジックプレイヤーがカードリストとにらめっこし、新たなデッキを組もうとしていることでしょう。
最新エキスパンションの紹介記事としては「神が選ぶ」がおなじみですが、メディアチームも各々の好きなカードを勝手にオススメしていきたいと思います!
それではメディアチームが独断と偏見で選ぶ『サンダー・ジャンクションの無法者』スタートです。
登場人物紹介
いってつ:ライター。好きなフォーマットは統率者戦。統率者戦の知識はメディアチーム内で群を抜いており、新旧含めて知らぬカードはない。コジレック野郎。
紳さん:晴れる屋ニュースを書いている人。たまにスタンダードやパイオニアの大会結果をまとめる記事を書く。マジックリーグ信者。
やまお:編集担当。主にスタンダードで遊んでいる。変なカードや重くて派手なカードを使ったデッキが好き。最近では《沈黙の蜘蛛、琴瀬》にハマっていた。
さいとうD:動画チーム所属。全フォーマット遊ぶが、特に好きなのはモダン。最近の刺激的な禁止改定に翻弄されている。直近では、お気に入りの猫のイラストのカードが禁止された。
いってつのオススメ
晴れる屋メディアのいってつです。主な担当はコジレックとアーティファクトです。
- 2023/12/14
- コジレック野郎いってつの統率者《大いなる歪み、コジレック》解説
- いってつ
『サンダー・ジャンクションの無法者』のプレビューが始まってすぐに僕の予想は間違いだったとわかりました。新たな次元、サンダー・ジャンクションはアーティファクトの名産地だったのです。
この調子ならオーコたちが探し求めていた宝物庫には、とびっきりすごい再録や新規アーティファクトがあるに違いない……そんな僕の予想はまたも裏切られます。
まさか宝物庫そのものがこんなに強いなんて!!!!
土地
:を加える。
, , カード1枚を捨てる:あなたのライブラリーの一番上にあるカードをX枚見る。Xは、あなたがコントロールしているアーティファクトの数に等しい。それらのカードのうち1枚をあなたの手札に、残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。
アンタップインで無色マナが出る土地(及第点)に手札入れ替え能力がついています(合格点)。無色単デッキなら《眷者の居留地》《作戦室》と同じ3マナで、ライブラリーを10枚ほど掘ることができます!!(花まる💯)
《大いなる歪み、コジレック》なら対戦相手のアクションにあわせて打ち消しを探すことができます。《フォモーリの宝物庫》を構え続けて、特に相手に動きがなければコンボパーツを探しにいけるのです。手札を捨てるコストはダブった土地を捨てればヨシ!ドローじゃないから《オークの弓使い》や《フェアリーの黒幕》も関係ナシ!
SNSでは「コジレックのオリカだ!」だの「いってつはウィザーズと癒着している」だの言われていますが、コジレック以外にもアーティファクトを散らかすデッキはたくさんあり、そうしたデッキでも試されるでしょう。
そう、コジレックのオリカは《フォモーリの宝物庫》ではありません。
《サボテン保護区》こそコジレックのオリカです。
土地 ― 砂漠
サボテン保護区はタップ状態で戦場に出る。
:あなたがコントロールしている土地が生み出すことのできるマナのタイプのうち望むタイプのマナ1点を加える。
:ターン終了時まで、サボテン保護区は到達を持つ緑のX/Xの植物・クリーチャーになる。Xは、あなたの統率者の中のマナ総量の最大値に等しい。これは土地でもある。
タップインのテンポロスは厳しいのですが、たった3マナで10/10になれる破格の性能を持ちます。《溜め込み屋のアウフ》がいても起動は容易なので、アウフを出したプレイヤーに「アウフがいなくなるまで殴り続ける。俺はお前ごと除去してもかまわんのだぞ」と言いながら殴り続けることができます。
環境に《溜め込み屋のアウフ》《無のロッド》が増えてきたら選択肢になりそうです。ストンピィ型ならクロックとして即採用!
6月にはエルドラージが再登場する『モダンホライゾン3』が控えており、今後ますます無色統率者デッキは盛り上がっていくことでしょう!無色統率者に興味があるなら、カードを集めるのは今のうちだぞ!
紳さんのオススメ
《灰毛の天才、オーロック博士》
伝説のクリーチャー ― 熊・ドルイド
あなたがあなたの墓地や追放領域から呪文を唱えるためのコストは少なくなる。
あなたがあなたの手札から計画を行うためのコストは少なくなる。
30年というマジックの歴史において数々の「マナコスト減少カード」が登場してきました。
すべて忘れてください。このカードがブッチギリで最強です。
過去の類似カードを探そうとしても比肩しうるものがなく、ここまでお手軽に呪文コストをも減少させるカードがまず見当たりません。
そもそも「墓地から唱える場合・追放領域から唱える場合・手札から計画する場合」と、コストを減少する範囲があまりにも広すぎます。フラッシュバック・奇襲・脱出・出来事・衝動的ドロー、すべてが減少です。
これほどの能力をわずか2マナのクリーチャーが所持していいと思いますか?完全なるブッ壊れカードです。
比較的カードプールが狭いスタンダードですら該当するカードがたくさんあり、トップメタのデッキでも頻繁に見かけます。さらに「計画」カードまで新しく追加されるのです。
色こそ合いませんが、《極悪非道の盗人》で相手のデッキから奪った呪文はすべて減少します。これを軸にしたコントロールデッキが誕生してもおかしくないレベルです。
《退廃的なドラゴン》に関しては出来事面で奪ったカードはおろか、後に唱えるドラゴン本体ですら減少です。色こそ合いませんがね。
スタンダードより下の環境になると、もう知りません。この世の終わりです。
この組み合わせに熊が合わさると、自分の呪文は減少し、相手は呪文を唱えられなくなります。
スタンダード 採用デッキ候補「ティムールランプ」
- 2024/4/3
- ティムールランプ
-大量マナから一撃必殺を叩き込め!-
現スタンダード環境ではなぜか、《記憶の氾濫》と《強靭の徳目》を4枚ずつ採用しているデッキがトップメタです。
《好奇心の神童、ケラン》も2マナで唱えられますし、とりあえず採用してもよいのではないでしょうか。《記憶の氾濫》をフラッシュバックしたときに見れるカードが5枚に減りますが、微々たるものでしょう。
相手が《灰毛の天才、オーロック博士》に除去を向ければ《事件現場の分析者》や《復活した精霊信者、ニッサ》が生き残りやすくなりますし、いざとなれば《強靭の徳目》の出来事面で回収できます。
こんなに強いのにアンコモンというのも嬉しいですね!100枚買いましょう!
やまおのオススメ
《最後の決戦》
インスタント
放題(以下から1つ以上の追加コストを選ぶ。)
+ ― ターン終了時まで、すべてのクリーチャーはすべての能力を失う。
+ ー あなたがコントロールしているクリーチャー1体を選ぶ。ターン終了時まで、それは破壊不能を得る。
+ ― すべてのクリーチャーを破壊する。
また増えましたね、ラスが。
《最後の決戦》は『サンダー・ジャンクションの無法者』で新登場した能力「放題」を持つカードで、支払う追加コストによって効果が得られます。
5マナ支払えば全体除去になりますが、なんとインスタントタイミングで唱えることが可能!現在のスタンダードは、ほぼ毎セットなにかしらの全体除去が収録されており、今回も優秀なのが加わりました。
ソーサリータイミングでしか唱えられない多くの全体除去にとってミシュラランドは悩みの種。ただ《最後の決戦》を構えていれば、いざとなったときにまとめて流せます。かつての《残骸の漂着》や《宿命的報復》を思い出しますね。
マナさえあればほかのモードも付け足せるので、計8マナで相手の破壊不能持ちを無力化しつつ、こちらのクリーチャーに破壊不能を付与して全体除去することで、自分だけクリーチャーを残すといったことができます。現スタンダードに蘇った《砂塵破》はどれくらい活躍するでしょうか。新環境が楽しみですね。
最後にスタンダードに存在する白の全体除去をまとめてみました。いや~多いですね😇
さいとうDのオススメ
《潜入者、悟》
伝説のクリーチャー ― 人間・忍者・ならず者
威迫
潜入者、悟やトークンでもこれでもない1体以上のクリーチャーがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、それらのうちいずれも唱えられていないか、それらを唱えるためにマナが支払われていない場合、カードを1枚引く。
このカードの真の価値を見極めるべく、さっそくトロピ大塚の「エスパー御霊」と対戦してきました!粗削りな自作デッキをぶつける形でしたが、強さのイメージと現実とのズレや《潜入者、悟》をより強く使うコツも見えてきました。
デッキの紹介と対戦結果、得た知見をお届けしていきたいと思います!
(※さいとうDはMTG大好きおじさん。昔神決の決勝卓にいたり、プレイヤーズコンベンションのフィーチャー席で惨敗を晒した経歴を持つ)
トロピ大塚との対戦に使用したデッキはこちら!
悟アスモースキャムサーガ
エスパー御霊
大塚さんの「エスパー御霊」は今をときめくトップメタ。詳細は割愛します。
僕の使用した「悟アスモースキャムサーガ」の構成は、《潜入者、悟》のドロー能力がトリガーするカードと《潜入者、悟》を呼び込むカード、
そしてモダン最凶コンボのひとつ「スキャム」パッケージを仕込んで急造した悪魔のキメラデッキです。
それぞれ単体でも《潜入者、悟》のドローが誘発しますし、《潜入者、悟》がいなくても強い。つまり最強という形になっています。
しかし、対戦結果は1-2。1勝はかなりスムーズに勝利し、2敗のうち1回は惜敗でした。この対戦の中で《潜入者、悟》を実際に使用したとき、明確に“違う”と感じた点が2点ありました。
1点目は、スキャムパッケージと相性が良いようで完璧ではない点です。《悲嘆》《まだ死んでいない》コンボは、第1ターン目に勝負を決定付けられるレベルのことが起きるので、初手にあれば必ず決めるコンボです。
ですが、第1ターン目に《潜入者、悟》はもちろん場にいないので最強のスキャムコンボが初手にあるときは特に活躍せず。逆に《潜入者、悟》がいるときにはスキャムコンボの旬の時間は過ぎているという形に。スキャムコンボ自体が強力ですので、ムリなく組み込めるという意味合いでは悪くないのですが「強く使えているか?」というとモヤっとした感じになりました。
2点目は、前世が《豆の木をのぼれ》のような《潜入者、悟》ですが性質が異なる点です。
場に1体しか定着できない点が想像よりも大きいです。かつての「豆の木デッキ」では序盤に損をしてもしっかり捌けば、場に溜まった《豆の木をのぼれ》で一気にリソースを回復して押し切れました。
《潜入者、悟》はその点、常に1枚ずつのドローになるのでより長期的にじっくり戦う必要があり、前のめりに戦うスキャムコンボとは若干ミスマッチかも?と思えました(※強い使い方が発見されるといいな!)
以上を踏まえると、過去の「指輪豆の木オムナスデッキ」のように強力なアドバンテージ源が次のアドバンテージ源に連鎖するような、アドアドしいミッドレンジにこそ「悟」は相応しいかも!?
実際、過去に活躍した《断片無き工作員》で《豆の木をのぼれ》を出す構築のように《潜入者、悟》を出すとドローできますし、この方法で《潜入者、悟》2号機が出ても2枚ドローは可能です。《断片無き工作員》の2枚目以降が腐らないので、《豆の木をのぼれ》の後継として機能するかも?(※レジェンドルールの状況起因処理で死亡するがドローは誘発はする)。
また、最近流行りの《ドラコの末裔》の効果で《潜入者、悟》に呪禁をつけて定着させるのも、じっくり戦うことで強く使えるデザインに合っていそうです!ついでに《ギルドパクトの力線》とコンボしてもいいですしね!!
《潜入者、悟》は雑に使っても強そうに見えて、実は工夫した専用構築でこそ輝きそう!というのがさいとうDの所感となりましたが、これから試されてベストな形が見つかるのが楽しみな1枚です。工夫しがいのあるカードですので、ぜひ4枚あつめていじり倒したいなと思いました!!
『サンダー・ジャンクションの無法者』まもなく発売!
フォーマットの垣根を取っ払って、個人の好きを全面に押し出して語ってきました。カードの効果も気になるところですが、イラストや物語もマジックの魅力の一つ。『サンダー・ジャンクションの無法者』の楽しさが伝われば幸いです。
晴れる屋では現在、ボックスやシングルカードなど各種商品の予約を受付中ですのでぜひご利用ください!