By Takamasa Sato
350人以上を集めた今年の日本レガシー選手権も、残すところあと二人。
前評判では「スニーク・ショー」、《石鍛冶の神秘家》系、「カナディアン・スレッショルド」の3つのデッキが有力視されていた今大会であったが、決勝に進んだのは意外や意外、「マーフォーク」(伊藤)と「エンチャントレス」(松本)だった。
さあ、どちらが王にふさわしいか。最後のゲームをはじめよう。
ゲーム1
先手の松本は《繁茂》と、「エンチャントレス」定番の第1ターン。
伊藤は《呪い捕らえ》でこれを迎え撃つ。
2ターン目、松本は《セラの聖域》に《繁茂》しつつ《女魔術師の存在》。
さらに3枚目の《繁茂》で早くも7マナに到達した。
松本 雄一
伊藤も2ターン目には《アトランティスの王》。
続く3ターン目には伊藤は《変わり谷》をセットしつつの、《ヴェンディリオン三人衆》で、キーカードである《空位の玉座の印章》を抜き取り、ビートダウン。
ここで、既にライフを一桁に追い詰められた松本はしばし考え、ライフを3に落としてフェッチを起動。
《真の木立ち》をプレイして可愛いエンチャントたちを守ると、
《忘却の輪》で《呪い捕らえ》を掴み取る。
さらに、送りだしたのはビートダウンにとって悪夢にも等しい《独房監禁》。
勝負を決められなくなった伊藤は、《珊瑚兜の司令官》を置いてターンエンド。
松本は《独房監禁》の維持費を賄うべく、
《真の木立ち》から《女魔術師の存在》をサーチする。
ここからは、マジック・ザ・パズリング。
《セラの聖域》に後押しされた大量のマナが
《退去の印章》《女魔術師の存在》《真の木立ち》とループしていく。
やがて《真の木立ち》からついにフィニッシャーである《空位の玉座の印章》へと辿りつくと、慎重にマナを数えつつプレイ。
手札からの《補充》を合わせ、もはやライブラリーの全てか、と思うほどのエンチャントを戦場に並べていく。
伊藤も《Karakas》をセットし、戦場の《ヴェンディリオン三人衆》と合わせて、自分の手札をリフレッシュ。
対抗策を探ってはみるが、無限にも思える松本のループから逃れられぬまま、ゲーム2へ。
伊藤 0-1 松本
ゲーム2
互いにマリガンのハンドから、ゲームスタート。
後手ながら《楽園の拡散》をプレイする松本に対し、伊藤は2ターン目、《虚空の杯》をX=1で。
さらに、《女魔術師の存在》を《Force of Will》(《Force of Will》追放)で弾くと、《メロウの騎兵》を送り出す。
伊藤 史人
1マナ域を止められた松本は《セラの聖域》をセットし、《真の木立ち》だけを置いてターンエンド。
伊藤はこの隙にと《メロウの騎兵》と《変わり谷》でライフを削る。
しかし、盤面では押しているものの、マリガンもあって手札は尽きてしまった。
松本は《女魔術師の存在》を着地させ、《謙虚》。
伊藤の魚たちを無気力な1/1へと変化させる。
さらに、続くターン。《忘却の輪》で《虚空の杯》を追放すると、
手札に余っていた一マナのエンチャントである《繁茂》《ミリーの悪知恵》を展開。
大量の手札とエンチャントを手にした。
伊藤は《行き詰まり》で松本の行動を制限しようとするが、松本はおかまいなしに展開。
残りライフこそ2まで追い詰められているが、《セラの聖域》による潤沢なマナとエンチャントたちを使って、大量のドロー。
《独房監禁》まで辿りつく。
そして……ひねり出された15マナから飛び出したのは現在のレガシーで良く見るあのカード。
伊藤 0-2 松本
松本「エンチャントレスはオワコンじゃない!」
そう、始まったばかりだ!
「日本レガシー選手権2012」優勝は、松本 雄一!