皆さんこんにちは!
先週末、アメリカIndiana州で大規模なゲームの祭典「Gen Con(ジェンコン)」が開催されました。その一環として、マジック世界一を決める国別対抗戦「2012ワールド・マジック・カップ」が行われ、熱戦をご覧になった方も多いのではないでしょうか。
「Gen Con」では毎年、レガシープレイヤーにとって特別な大会である「レガシー選手権」が開催されています。今回の記事では、8月18日に行われた「2012レガシー選手権」と、その前週8月12日に行われた「StarCityGames.com Open Series(SCGO) Kansas City」の上位入賞デッキを解説していきたいと思います。
2012レガシー選手権 トップ8デッキアーキタイプ
2012年8月18日
1位 Sneak and Show/スニーク・ショー
2位 Zoo/ズー
3位 Hive Mind/集団意識
4位 Goblins/ゴブリン
5位 Esper Stoneblade/白青石鍛冶+黒
6位 Maverick/マーベリック+青
7位 Maverick/マーベリック
8位 Lands/土地単
350人以上の参加者を記録した大規模なレガシートーナメントの勝者は「スニーク・ショー」でした。デッキパワーが高く、苦手な「カナディアン・スレッショルド」や「マーフォーク」が勝ち残らなかったのもこのデッキの優勝した要因のひとつでしょう。
「スニーク・ショー」や「マーベリック」などメジャーなアーキタイプから、久々に上位入賞した「Zoo」や「集団意識」、部族デッキを代表する「ゴブリン」など、バラエティに富んでいて現在の多様なレガシーを再確認できる結果となりました。
またトップ8に入ったプレイヤーを見ると、SCGOで連続入賞しているMatt Hoey、「SCGO Detroit」の優勝者Bobby Kovacsや、「SCGO Indianapolis」の優勝者Brad Campbellなど、SCGO Legacyの強豪が多数いました。
2012レガシー選手権 デッキ解説
「スニーク・ショー」「集団意識」「Zoo」「マーベリック+青」
3 《島》 1 《山》 4 《沸騰する小湖》 2 《汚染された三角州》 2 《溢れかえる岸辺》 1 《霧深い雨林》 3 《Volcanic Island》 2 《古えの墳墓》 2 《裏切り者の都》 -土地(20)- 1 《猿人の指導霊》 4 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 3 《グリセルブランド》 -クリーチャー(8)- |
4 《思案》 4 《渦まく知識》 2 《直観》 3 《圧服》 3 《呪文貫き》 4 《Force of Will》 4 《実物提示教育》 4 《騙し討ち》 4 《水蓮の花びら》 -呪文(32)- |
2 《Karakas》 2 《拭い捨て》 2 《水没》 1 《赤霊破》 1 《古えの遺恨》 1 《真髄の針》 2 《大祖始の遺産》 4 《防御の光網》 -サイドボード(15)- |
「2012レガシー選手権」を制したのは環境トップレベルのカードパワーを誇る《グリセルブランド》を使ったコンボデッキ「スニーク・ショー」でした。
Chris Bergesonのリストはなんと《圧服》を3枚もメインに採用しています。思い切った構成に見えますが、レガシーの大きな大会ではほぼ確実に青いデッキと当たるのでカウンターを気にせずに《実物提示教育》をキャストでき、最悪キャントリップなのでカウンター呪文を搭載していないデッキとの対戦時も死に札にならず、メインに入れていても問題ないと思います。
サイドにも追加の青対策に《防御の光網》を4枚採用しています。こういった小さな工夫が今回彼を優勝に導いたと言えるでしょう。
4 《島》 3 《沸騰する小湖》 3 《霧深い雨林》 3 《Underground Sea》 4 《古えの墳墓》 2 《裏切り者の都》 -土地(19)- -クリーチャー(0)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 1 《定業》 4 《直観》 3 《リム=ドゥールの櫃》 4 《Force of Will》 4 《否定の契約》 4 《タイタンの契約》 1 《殺戮の契約》 1 《召喚士の契約》 4 《実物提示教育》 4 《集団意識》 3 《厳かなモノリス》 -呪文(41)- |
1 《殺戮の契約》 2 《狼狽の嵐》 4 《思考囲い》 4 《仕組まれた疫病》 4 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
最近の《実物提示教育》系のデッキと言えば「スニーク・ショー」か、《全知》を使ったものですが、今回久々に「集団意識」が上位入賞しました。驚くことにBen Steinerのバージョンはクリーチャーが採用されていません。《集団意識》と契約呪文のコンボが唯一の勝ち手段のようです。非常に思い切った構成です。
1 《山》 1 《森》 1 《平地》 4 《樹木茂る山麓》 2 《吹きさらしの荒野》 4 《乾燥台地》 2 《Taiga》 1 《Savannah》 2 《Plateau》 4 《不毛の大地》 -土地(22)- 4 《密林の猿人》 4 《渋面の溶岩使い》 1 《農芸師ギルドの魔道士》 4 《野生のナカティル》 4 《タルモゴイフ》 2 《漁る軟泥》 2 《クァーサルの群れ魔道士》 3 《聖遺の騎士》 3 《スレイベンの守護者、サリア》 -クリーチャー(27)- |
3 《剣を鍬に》 4 《稲妻》 4 《Chain Lightning》 -呪文(11)- |
1 《農芸師ギルドの魔道士》 1 《聖遺の騎士》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《剣を鍬に》 3 《精神壊しの罠》 3 《紅蓮破》 2 《古えの遺恨》 3 《トーモッドの墓所》 -サイドボード(15)- |
レガシーを代表するビートダウンデッキ「Zoo」が帰ってきました!1ターン目《野生のナカティル》、2ターン目《スレイベンの守護者、サリア》の展開は多くのデッキにとって脅威となります。
メインから無理なく入る墓地対策でもある《漁る軟泥》の採用や、「マーベリック」や《瞬唱の魔道士》系などタフネス1クリーチャーの多いデッキに対して有効な《農芸師ギルドの魔道士》の採用と、最近のレガシー環境に合わせた構成です。惜しくも優勝は逃してしまったものの、350人以上の参加者を出した大会で入賞したことにより今後の流行が予想されます。
1 《森》 1 《平地》 3 《吹きさらしの荒野》 3 《霧深い雨林》 3 《Savannah》 3 《Tropical Island》 1 《Tundra》 1 《地平線の梢》 1 《ドライアドの東屋》 3 《不毛の大地》 1 《Maze of Ith》 1 《ガイアの揺籃の地》 1 《Karakas》 -土地(23)- 4 《貴族の教主》 4 《ルーンの母》 2 《スクリブのレインジャー》 1 《獣相のシャーマン》 2 《漁る軟泥》 1 《永遠の証人》 2 《クァーサルの群れ魔道士》 4 《聖遺の騎士》 3 《スレイベンの守護者、サリア》 2 《聖トラフトの霊》 1 《静寂の守り手、リンヴァーラ》 -クリーチャー(26)- |
1 《森の知恵》 4 《緑の太陽の頂点》 4 《剣を鍬に》 2 《梅澤の十手》 -呪文(11)- |
1 《ボジューカの沼》 1 《エーテル宣誓会の法学者》 1 《金粉のドレイク》 1 《三角エイの捕食者》 1 《ガドック・ティーグ》 2 《流刑への道》 2 《悟りの教示者》 3 《呪文貫き》 1 《輪作》 1 《光と影の剣》 1 《世界のるつぼ》 -サイドボード(15)- |
「マーベリック」に青を足して、対処されにくいクロックの《聖トラフトの霊》を追加し、サイドからの《金粉のドレイク》《呪文貫き》で「スニーク・ショー」など苦手なコンボデッキに耐性をつけています。
同系や「エルフ」に対して有効で、《グリセルブランド》がカードを大量に引くことも阻止できる《静寂の守り手、リンヴァーラ》がメインに採用されているなど、SCGOでよく見かけるデッキリストとは大きく異なるアプローチをしています。
SCGO Kansas City トップ8デッキアーキタイプ
2012年8月12日
1位 UWr Stoneblade/白青奇跡+赤
2位 Lands/土地単
3位 Esper Stoneblade/白青石鍛冶+黒
4位 Esper Stoneblade/白青石鍛冶+黒
5位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
6位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
7位 UW Stoneblade/白青石鍛冶
8位 Dredge/発掘
前回の「SCGO Washington DC」とは異なり、上位に「マーベリック」は(トップ16に1人を除いて)見当たりません。前回優勝した「カナディアン・スレッショルド」は変わらず上位入賞を続けています。
今回、再び優勝トロフィーを獲得した「石鍛冶」デッキは上位に多数入賞しており、今大会で最も成功したアーキタイプでした。「石鍛冶」使いの筆者としては参考になることが多いトーナメントでした。
他にも比較的めずらしいアーキタイプの「土地単」が決勝戦まで勝ち残るなど、参加人数の多いSCGOならではの面白さが伝わってきます。
SCGO Kansas City デッキ解説「白青石鍛冶」系
4 《島》 2 《平地》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 4 《Tundra》 2 《Volcanic Island》 1 《アカデミーの廃墟》 -土地(21)- 4 《石鍛冶の神秘家》 2 《瞬唱の魔道士》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(8)- |
4 《渦まく知識》 2 《対抗呪文》 4 《Force of Will》 2 《呪文貫き》 4 《剣を鍬に》 4 《思案》 3 《終末》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 1 《殴打頭蓋》 1 《仕組まれた爆薬》 3 《師範の占い独楽》 -呪文(31)- |
4 《相殺》 2 《解呪》 2 《流刑への道》 2 《紅蓮破》 3 《外科的摘出》 1 《終末》 1 《梅澤の十手》 -サイドボード(15)- |
優勝をなし遂げたKobie Spaethのリストは、最近流行のエスパーカラーではなく、サイドからの《紅蓮破》のために赤を足したバージョンでした。
そもそものデッキ構成自体、《渦まく知識》の他にも《思案》《師範の占い独楽》と多目のライブラリー操作を入れ、《終末》をメインに採用するなど、「白青石鍛冶」デッキと言うよりは、「白青奇跡」に《石鍛冶の神秘家》パッケージを足したような構成になっています。
サイドを見ると、前述の《紅蓮破》は同系や「マーフォーク」、《実物提示教育》系のコンボデッキに有効です。また、同系やコンボ、「カナディアン・スレッショルド」に有効な《相殺》を採用しています。
《相殺》は、《緑の太陽の頂点》でマナコストの調整をしてくる「マーベリック」や、《魂の洞窟》《霊気の薬瓶》などでカウンターを無視してくる部族デッキに対して効果が薄く、アメリカの大きな大会ではこれらのデッキは非常に人気があるので、サイドに落としているのも納得です。
全体的に綺麗にまとまったリストで、僕も早速コピーしてローカルのレガシー大会で試してみましたが、安定した強さで全勝することができました。
2 《島》 1 《平地》 1 《沼》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 2 《湿地の干潟》 3 《Tundra》 2 《Underground Sea》 1 《Scrubland》 1 《黄塵地帯》 1 《アカデミーの廃墟》 1 《Karakas》 -土地(23)- 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《瞬唱の魔道士》 1 《粗石の魔道士》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(11)- |
4 《渦まく知識》 1 《対抗呪文》 4 《Force of Will》 3 《呪文貫き》 4 《剣を鍬に》 3 《コジレックの審問》 1 《思考囲い》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 1 《殴打頭蓋》 1 《梅澤の十手》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《師範の占い独楽》 -呪文(26)- |
1 《解呪》 1 《根絶》 1 《狼狽の嵐》 2 《流刑への道》 2 《非業の死》 1 《思考囲い》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 1 《饗宴と飢餓の剣》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《真髄の針》 1 《トーモッドの墓所》 1 《虚無の呪文爆弾》 1 《墓掘りの檻》 -サイドボード(15)- |
「SCGO St. Louis」優勝の強豪Matt Hoeyは、今回も「白青石鍛冶+黒」で上位入賞しました。黒を足す理由のひとつである《未練ある魂》が採用されておらず、黒いカードはメインの手札破壊とサイドボードの《根絶》《非業の死》《思考囲い》のみとなっています。
メインには《粗石の魔道士》とそのサーチ対象に《仕組まれた爆薬》《師範の占い独楽》を1枚ずつ採用しており、サイドボードの《真髄の針》や《墓掘りの檻》などの水増しにもなっています。《仕組まれた爆薬》を《アカデミーの廃墟》で使い回す手段も持ち合わせており、コントロール要素の高いバージョンです。追加の単体除去《流刑への道》がサイドにあり「マーフォーク」などのクリーチャーデッキを意識しています。
この大会の1週間後に開催された「2012レガシー選手権」でも同リストでトップ8に入賞していることから、彼の安定したスキルと、デッキの高いポテンシャルがうかがえます。
3 《島》 2 《平地》 4 《溢れかえる岸辺》 3 《霧深い雨林》 2 《沸騰する小湖》 3 《Tundra》 1 《氷河の城砦》 3 《不毛の大地》 1 《Karakas》 -土地(22)- 4 《瞬唱の魔道士》 4 《石鍛冶の神秘家》 1 《聖トラフトの霊》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(11)- |
4 《渦まく知識》 1 《対抗呪文》 1 《目くらまし》 4 《Force of Will》 4 《呪文貫き》 4 《剣を鍬に》 1 《流刑への道》 1 《神の怒り》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 1 《殴打頭蓋》 1 《梅澤の十手》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《大祖始の遺産》 -呪文(27)- |
2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《セファリッドの女帝ラワン》 2 《解呪》 3 《水没》 2 《外科的摘出》 1 《饗宴と飢餓の剣》 1 《世界のるつぼ》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《大祖始の遺産》 -サイドボード(15)- |
上のふたつのバージョンと異なり、Chris Bechtoldtのリストは他の色をスプラッシュしていない青白の純正で、《聖トラフトの霊》が採用されているなどクロックが多めです。
「白青石鍛冶」にとって厄介な、「カナディアン・スレッショルド」の《敏捷なマングース》のスレッショルドを邪魔できる《大祖始の遺産》がメイン採用されていて特徴的です。
このリストも《仕組まれた爆薬》をメインに採用しています。《仕組まれた爆薬》は今のレガシー環境にマッチしたカードで、苦手な《敏捷なマングース》や、2マナのロードを多数展開してくる「マーフォーク」に高い効果が望めます。「白青奇跡」の勝ち手段である《天使への願い》の天使トークンに対しても牽制できます。
サイドには追加の《仕組まれた爆薬》や「マーフォーク」対策の《セファリッドの女帝ラワン》、「白青石鍛冶」にはめずらしく《水没》を採用しています。サイド後は、特殊地形を多用する中速デッキに有効な、《不毛の大地》+《世界のるつぼ》コンボも可能になっています。
SCGO Kansas City デッキ解説
「土地単」「カナディアン・スレッショルド」
1 《森》 2 《樹木茂る山麓》 2 《新緑の地下墓地》 1 《霧深い雨林》 1 《Savannah》 1 《Bayou》 3 《Tropical Island》 3 《トレイリア西部》 2 《平穏な茂み》 1 《忍び寄るタール坑》 1 《ミシュラの工廠》 4 《不毛の大地》 4 《リシャーダの港》 1 《幽霊街》 1 《Glacial Chasm》 4 《Maze of Ith》 1 《Karakas》 1 《アカデミーの廃墟》 1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 -土地(35)- -クリーチャー(0)- |
4 《踏査》 2 《マナ結合》 3 《悟りの教示者》 3 《直観》 4 《壌土からの生命》 1 《呪われたトーテム像》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《罠の橋》 1 《Zuran Orb》 1 《世界のるつぼ》 4 《モックス・ダイアモンド》 -呪文(25)- |
1 《ミシュラの工廠》 4 《闇の腹心》 3 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《虚空の杯》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《忘却石》 1 《トーモッドの墓所》 -サイドボード(15)- |
「SCGO Detroit」での優勝も記憶に新しい「土地単」。
今回のAlex Olsonのバージョンはメインから《呪われたトーテム像》や《罠の橋》を採用していて、元から相性の良いクリーチャーを主体とするデッキとのマッチが更に良くなっています。これらのアーティファクトや、キーカードである《踏査》《マナ結合》をサーチできる《悟りの教示者》を採用しています。
メインでクリーチャーデッキをメタっているぶん、サイドボードには《スレイベンの守護者、サリア》や《虚空の杯》など、苦手なコンボデッキを対策するカードが多く採用されています。得意なマッチアップの取りこぼしを極力避けて、苦手なマッチアップはサイドボードからの対策カードで対抗する戦略のようです。
4 《霧深い雨林》 4 《沸騰する小湖》 3 《Tropical Island》 3 《Volcanic Island》 2 《燃え柳の木立ち》 3 《不毛の大地》 -土地(19)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《敏捷なマングース》 1 《漁る軟泥》 3 《タルモゴイフ》 -クリーチャー(12)- |
4 《渦まく知識》 3 《思考掃き》 4 《思案》 4 《目くらまし》 4 《呪文貫き》 3 《Force of Will》 4 《稲妻》 2 《罰する火》 1 《壌土からの生命》 -呪文(29)- |
2 《古えの遺恨》 3 《撹乱》 4 《水没》 3 《外科的摘出》 1 《緑の太陽の頂点》 2 《呪われたトーテム像》 -サイドボード(15)- |
4 《霧深い雨林》 4 《沸騰する小湖》 3 《Tropical Island》 3 《Volcanic Island》 4 《不毛の大地》 -土地(18)- 4 《秘密を掘り下げる者》 2 《渋面の溶岩使い》 4 《敏捷なマングース》 4 《タルモゴイフ》 -クリーチャー(14)- |
4 《渦まく知識》 2 《思考掃き》 4 《思案》 4 《目くらまし》 4 《呪文貫き》 4 《Force of Will》 4 《稲妻》 1 《二股の稲妻》 1 《Fire+Ice》 -呪文(28)- |
3 《フェアリーの忌み者》 1 《金粉のドレイク》 2 《硫黄の精霊》 1 《古えの遺恨》 1 《自然の要求》 2 《紅蓮破》 4 《水没》 1 《壌土からの生命》 -サイドボード(15)- |
今回もトップ8に2人勝ち残り、安定した勝率を誇る「カナディアン・スレッショルド」。
5位のAndrew Lozanoのリストは、伝統的なリストとは異なり、《燃え柳の木立ち》+《罰する火》コンボを採用しています。《壌土からの生命》は《燃え柳の木立ち》を回収するだけでなく、《不毛の大地》で土地を破壊し合うことが多くなるミラーマッチで強力なアドバンテージエンジンとして活躍します。
「カナディアン・スレッショルド」にほとんど4枚採用されている《不毛の大地》を3枚に減量していたり、サイドボードにめずらしいカードである《撹乱》を採用していたり、特徴のあるリストです。
6位のStephan Hinkのリストは、前回の「SCGO Washington DC」で優勝した《渋面の溶岩使い》をメインに採用したリストです。今回の入賞により、前回の優勝がフロックでなかったことを証明しました。
ボーナスデッキリスト Legacy MOCS
今回のボーナストピックは、8月18日にレガシーフォーマットで行われた「Magic Online Championship Series(MOCS) Season 8」の入賞デッキをお届けします。
「MOCS」とは、Magic Online(MO)のトーナメントで入賞したときに貰えるポイント(QP)によって招待される大会です。約4週間を1シーズンとし、シーズン毎に異なるフォーマットで開催されます。
MOのレガシーは、《Force of Will》の値段が実際のカードより高いこともあってリアル大会ほど人気があるとは言えませんが、賞品の多い「MOCS」は例外で353人ものプレイヤーが参加しました。
2 《島》 2 《溢れかえる岸辺》 1 《汚染された三角州》 4 《沸騰する小湖》 2 《Underground Sea》 4 《Volcanic Island》 3 《古えの墳墓》 2 《裏切り者の都》 -土地(20)- 2 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 2 《グリセルブランド》 -クリーチャー(4)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《定業》 2 《親身の教示者》 4 《燃え立つ願い》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 3 《実物提示教育》 4 《全知》 2 《水蓮の花びら》 -呪文(37)- |
1 《実物提示教育》 1 《洞察力の花弁》 1 《思考囲い》 3 《虐殺》 3 《赤霊破》 1 《ぶどう弾》 1 《紅蓮地獄》 2 《真髄の針》 2 《墓掘りの檻》 -サイドボード(15)- |
優勝は《全知》入り「実物提示教育」デッキ。日本の大規模なレガシートーナメント「AMC」でトップ8の内6人が《全知》デッキだったことも皆さんの記憶に新しいと思いますが、世界中のプレイヤーが競い合うMOでも優勝という結果を残しました。
アメリカを代表するトッププロのLuis Scott-Vargas(LSV)も自身の動画記事で「このデッキは強くて面白い」と評していて、今後も世界的に流行することが予想されます。
7 《森》 2 《島》 3 《吹きさらしの荒野》 4 《霧深い雨林》 1 《Savannah》 2 《Tropical Island》 -土地(19)- 4 《フェアリーの大群》 4 《アルゴスの女魔術師》 2 《永遠の証人》 -クリーチャー(10)- |
4 《退去の印章》 2 《気流の言葉》 1 《精神壊しの罠》 2 《花の絨毯》 4 《繁茂》 4 《楽園の拡散》 4 《エレファント・グラス》 1 《原基の印章》 4 《女魔術師の存在》 4 《緑の太陽の頂点》 1 《金属モックス》 -呪文(31)- |
1 《ガドック・ティーグ》 1 《調和スリヴァー》 2 《寒け》 1 《エネルギー・フィールド》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 2 《精神壊しの罠》 1 《花の絨毯》 1 《たい肥》 1 《原基の印章》 1 《木化》 1 《クローサの掌握》 1 《トーモッドの墓所》 -サイドボード(15)- |
普段よく見かける緑白の「エンチャントレス」と大きく異なり、青を足して《気流の言葉》エンジンを採用しています。《気流の言葉》のバウンスで《フェアリーの大群》を使い回してコンボに必要なマナを出し、《繁茂》などの低コストのエンチャントを回収し続けて相手側のパーマネントをバウンスしてしまうことが可能です。
「ベルチャー」などの高速コンボデッキに対して相性が悪いこともあり、メインから《精神壊しの罠》を採用しています。サイド後、コンボ対策された際のバックアップになる《精神を刻む者、ジェイス》も面白いアプローチです。
総括
「SCGO Kansas City」は、優勝者も含めてトップ8の半分が「石鍛冶」デッキを使用していて、《石鍛冶の神秘家》の強さを改めて実感する結果となりました。
しかしその翌週に「Gen Con」で開催されたレガシーの一大イベントである「2012レガシー選手権」では、メインから《圧服》を採用して青いデッキを徹底的にメタった「スニーク・ショー」が優勝を勝ち取りました。その裏番組の「MOCS Season 8」でも、《全知》を使った《実物提示教育》デッキが優勝していることから、今後更に《実物提示教育》デッキが流行する可能性があります。
《実物提示教育》系デッキの対策として、デッキ的に有利なチョイスは「カナディアン・スレッショルド」「マーフォーク」など、序盤から素早くクロックを展開し、《目くらまし》や《Force of Will》、《呪文貫き》でコンボを妨害できるクロックパーミッションです。
しかしながら《実物提示教育》デッキ側もカウンター対策に《圧服》を採用しているので過信は禁物です。対策カードとして、青白デッキなら《翻弄する魔道士》がクロックになることもあり有効です。「マーベリック」にも青を足すことによって採用できます。
以上、「2012レガシー選手権」「SCGO Kansas City」の入賞デッキ解説でした。
《実物提示教育》系デッキがこのまま勝ち続けるのか、今後の動向に要注目です。
それでは次回の記事で会いましょう。楽しいレガシーを!