皆さんこんにちは。
待ちに待った新セットの「ギルド門侵犯/Gatecrash」がリリースされました。皆さんプレリリースや発売記念イベントは楽しみましたか? 新セットの発売直後はデッキの構築を考えるのが一番楽しい時期でもあります。
さて今回は「StarCityGames.com Open Series(SCGO) Atlanta」の上位入賞デッキ解説と、おまけとして「Magic Online Championship Series(MOCS) Season 1」の入賞デッキの解説をしていきたいと思います。
SCGO Atlanta トップ8デッキアーキタイプ
2013年2月3日
1位 Punishing Jund/ジャンド
2位 Belcher/ベルチャー
3位 Punishing Jund/ジャンド
4位 Punishing Jund/ジャンド
5位 Omni-tell/実物提示教育+全知
6位 UW Helm Peace/白青奇跡
7位 Merfolk/マーフォーク
8位 Esper Stoneblade/白青石鍛冶+黒
SCGO Atlantaは上位入賞デッキの中でも最大勢力だった「Punishing Jund」の優勝で幕を閉じました。「Punishing Jund」は今回トップ8に3名のプレイヤーを送り込む大活躍でした。また、青いデッキに強い構成の「Jund」が苦手な青系のデッキを駆除した結果からか、「Belcher」等のコンボデッキも上位に見られます。青系のデッキもトップ8に残りましたが「Jund」相手には分が悪かったようでプレイオフ初戦で敗れていました。
SCGO Atlanta デッキ解説
「Punishing Jund」「Belcher」「UW Helm Peace/白青奇跡」「Omni-tell/実物提示教育+全知」
1 《沼》 1 《森》 3 《Badlands》 2 《Bayou》 3 《血染めのぬかるみ》 2 《樹木茂る山麓》 4 《新緑の地下墓地》 4 《燃え柳の木立ち》 3 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《闇の腹心》 4 《タルモゴイフ》 3 《血編み髪のエルフ》 -クリーチャー(15)- |
4 《思考囲い》 3 《Hymn to Tourach》 4 《ヴェールのリリアナ》 2 《稲妻》 3 《罰する火》 1 《壌土からの生命》 1 《森の知恵》 3 《突然の衰微》 1 《大渦の脈動》 -呪文(22)- |
1 《血編み髪のエルフ》 3 《強迫》 1 《Chains of Mephistopheles》 3 《仕組まれた疫病》 3 《紅蓮破》 1 《古えの遺恨》 2 《トーモッドの墓所》 1 《梅澤の十手》 -サイドボード(15)- |
1 《沼》 1 《山》 1 《森》 2 《Badlands》 1 《Taiga》 2 《Bayou》 2 《血染めのぬかるみ》 2 《樹木茂る山麓》 4 《新緑の地下墓地》 4 《燃え柳の木立ち》 3 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《闇の腹心》 4 《タルモゴイフ》 3 《血編み髪のエルフ》 -クリーチャー(15)- |
4 《思考囲い》 3 《Hymn to Tourach》 4 《ヴェールのリリアナ》 3 《稲妻》 3 《罰する火》 1 《森の知恵》 3 《突然の衰微》 1 《梅澤の十手》 -呪文(22)- |
2 《フェアリーの忌み者》 1 《外科的摘出》 2 《強迫》 2 《紅蓮破》 1 《罰する火》 1 《古えの遺恨》 1 《窒息》 1 《突然の衰微》 2 《破滅的な行為》 2 《罠の橋》 -サイドボード(15)- |
3 《Badlands》 1 《Taiga》 2 《Bayou》 4 《血染めのぬかるみ》 2 《樹木茂る山麓》 4 《新緑の地下墓地》 4 《燃え柳の木立ち》 4 《不毛の大地》 -土地(24)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《闇の腹心》 4 《タルモゴイフ》 3 《血編み髪のエルフ》 -クリーチャー(15)- |
4 《思考囲い》 3 《Hymn to Tourach》 4 《ヴェールのリリアナ》 3 《稲妻》 4 《罰する火》 3 《突然の衰微》 -呪文(21)- |
1 《血編み髪のエルフ》 3 《精神壊しの罠》 2 《強迫》 1 《Hymn to Tourach》 3 《仕組まれた疫病》 3 《紅蓮破》 2 《虚無の呪文爆弾》 -サイドボード(15)- |
今大会での勝ち組のアーキタイプ「Jund」。《血編み髪のエルフ》はモダンで禁止カードに指定されました。その高いカードパワーはオールスターフォーマットのレガシーにおいても一線級です。その「Jund」のミラーマッチや、GP Denverでも優勝していた「Esper Stoneblade」に対して少しでも有利に立ち回れるように《罰する火》が追加されたバージョンが今大会で大躍進を果たしました。
優勝者のTony Chuはその「Punishing Jund」のミラーマッチでも有利に立ち回れるように、《森の知恵》は勿論の事、相手の《燃え柳の木立ち》を破壊できる《不毛の大地》を使い回し長期戦になればアドバンテージを獲得できる《壌土からの生命》をメインに採用しています。
3位のOwen Laufersweilerのリストはサイドに《破滅的な行為》や追加の《突然の衰微》等除去が多めに取られています。「Sneak and Show」も意識しているようで《罠の橋》が採用されています。青いデッキ対策の《窒息》も面白いアプローチです。
4位のBrian Braun-Duinのメインボードは3名の中で1枚刺しカードが無いオーソドクスなリストです。Brian のリストについてはデッキテクでも紹介されています。サイドボードはコンボ対策に《精神壊しの罠》までも採用されている徹底ぶりです。「Punishing Jund」はミラーマッチや中速デッキに対して有利になるように構築されている為、コンボに対しては今までよりも更に不利になっています。相手側もこちらが対策手段をサイドインする事は想定内なので、このように能動的な対策の手札破壊と受動的な対策の《精神壊しの罠》等、異なる種類の対策を用意する事は重要です。
1 《Taiga》 -土地(1)- 4 《猿人の指導霊》 4 《Elvish Spirit Guide》 4 《ほくちの壁》 -クリーチャー(12)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《炎の儀式》 4 《捨て身の儀式》 4 《発熱の儀式》 4 《煮えたぎる歌》 4 《燃え立つ願い》 3 《巣穴からの総出》 4 《土地譲渡》 4 《ライオンの瞳のダイアモンド》 4 《水蓮の花びら》 4 《金属モックス》 4 《ゴブリンの放火砲》 -呪文(47)- |
4 《ザンティッドの大群》 1 《冥府の教示者》 4 《紅蓮破》 1 《ゴブリンの集中攻撃》 1 《破壊放題》 1 《紅蓮地獄》 1 《巣穴からの総出》 1 《恭しき沈黙》 1 《外殻貫通》 -サイドボード(15)- |
惜しくも決勝戦で敗れてしまった「Belcher」ですが、青いデッキよりも「Jund」や緑黒系のデッキが多くなるメタでは良い選択だったと思います。メインはオーソドクスな構成ですがサイドには《巣穴からの総出》プランをサポートする《ゴブリンの集中攻撃》が採用されている等、細かい調整が見られます。
2 《平地》 5 《島》 1 《山》 2 《Tundra》 1 《Volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 1 《乾燥台地》 1 《Karakas》 -土地(21)- 1 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(1)- |
4 《剣を鍬に》 2 《悟りの教示者》 3 《安らかなる眠り》 3 《終末》 1 《天使への願い》 4 《渦まく知識》 1 《思案》 1 《対抗呪文》 4 《Force of Will》 2 《エネルギー・フィールド》 2 《相殺》 1 《血染めの月》 1 《拘留の宝球》 1 《遍歴の騎士、エルズペス》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 4 《師範の占い独楽》 1 《Helm of Obedience》 -呪文(38)- |
1 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《翻弄する魔道士》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《斑岩の節》 1 《浄化の印章》 1 《謙虚》 2 《狼狽の嵐》 1 《相殺》 2 《赤霊破》 1 《トーモッドの墓所》 1 《大祖始の遺産》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
《突然の衰微》を使用する「Jund」やBUG/黒青緑の増加で最近は肩身が狭くなっていた「UW Helm Peace」ですが、それらのデッキは3色で色拘束が強いスペルを多く採用している為、特殊地形に依存します。Brian Plattenburgの「Helm Peace」は、特殊地形に依存したデッキに刺さる《血染めの月》をメインから採用しています。サーチ手段の《悟りの教示者》で水増しもされています。
追加のPWに《遍歴の騎士、エルズペス》を採用する事でコントロールや中速デッキに強くなっています。《遍歴の騎士、エルズペス》は《赤霊破》等に引っかからないので良チョイスです。
6 《島》 2 《Tundra》 2 《溢れかえる岸辺》 3 《汚染された三角州》 1 《沸騰する小湖》 1 《霧深い雨林》 4 《古えの墳墓》 -土地(19)- 3 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(3)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 3 《定業》 2 《親身の教示者》 1 《直観》 1 《狼狽の嵐》 4 《Force of Will》 4 《実物提示教育》 4 《ドリーム・ホール》 4 《全知》 4 《無限への突入》 3 《水蓮の花びら》 -呪文(38)- |
4 《神聖の力線》 4 《もみ消し》 2 《狼狽の嵐》 1 《サイクロンの裂け目》 3 《拭い捨て》 1 《決断の手綱》 -サイドボード(15)- |
惜しくもトップ8には残れませんでしたが、「ギルド門侵犯」から新たに印刷された《無限への突入》を早速使用していたデッキなので紹介したいと思います。
4枚ずつ採用された《ドリーム・ホール》と《全知》を利用して《無限への突入》をキャストし《引き裂かれし永劫、エムラクール》で勝つという豪快なデッキです。《実物提示教育》経由で《引き裂かれし永劫、エムラクール》や《全知》を出して勝つのが基本ですが、《ドリーム・ホール》は他の《実物提示教育》系のキーカードと比較して軽く、素で出してコンボを発動させる事も可能です。
サイドの《決断の手綱》は興味深いチョイスです。ミラーマッチで相手の《実物提示教育》に合わせる事ができれば面白そうです。
MOCS Season 1 トップ8デッキアーキタイプ
2013年2月2日
1位 Reanimator/リアニメイト
2位 Sneak and Show/スニーク・ショー
3位 Team America/チームアメリカ
4位 Team America/チームアメリカ
5位 Esper Stoneblade/白青石鍛冶+黒
6位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
7位 Jund/ジャンド
8位 Elves/エルフ
先週末に行われたMagic Online Championship Series(MOCS) Season 1のフォーマットはレガシーでした。MOCSとは、Magic Onlineのトーナメントで入賞したときに貰えるポイント(QP)によって招待される重要な大会です。約4週間を1シーズンとし、シーズン毎に異なるフォーマットで開催されます。今回はボーナストピックとして、MOCS Season 1のトップ8入賞デッキの解説をしていきたいと思います。Season 1は、オンラインで使用可能なプロモ仕様の《Force of Will》が貰えるという事でいつもより盛り上がっていました。これをきっかけにMagic Onlineでもレガシーが流行すると良いですね。(2月2日の時点で、MOでは「ギルド門侵犯」が発売されていなかったので、新カードの入ったデッキはありません。)
MOCS Season 1 デッキ解説
「Reanimator」「Jund」
2 《島》 1 《沼》 4 《Underground Sea》 4 《汚染された三角州》 1 《湿地の干潟》 1 《沸騰する小湖》 1 《新緑の地下墓地》 2 《霧深い雨林》 -土地(16)- 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 1 《エメリアの盾、イオナ》 1 《潮吹きの暴君》 4 《グリセルブランド》 -クリーチャー(7)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《入念な研究》 2 《実物提示教育》 4 《Force of Will》 2 《思考囲い》 4 《納墓》 3 《再活性》 4 《死体発掘》 2 《動く死体》 4 《水蓮の花びら》 -呪文(37)- |
2 《裏切り者の都》 2 《Karakas》 1 《呪文貫き》 1 《狼狽の嵐》 1 《撤廃》 2 《実物提示教育》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 2 《思考囲い》 2 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
《死儀礼のシャーマン》を使ったデッキが流行しているリアルでも数は減らしたものの、未だに根強い人気がある「Reaniator」。墓地対策の《死儀礼のシャーマン》がメインボードにいる環境に対抗する為、このリストはメインから 《実物提示教育》を採用しています。
ほとんどのデッキが墓地対策をサイドインしてくる2ゲーム目以降は軸をずらした戦略が取れるように、《精神を刻む者、ジェイス》や追加の《実物提示教育》がサイドに取られています。また、これらのスペルをスムーズにキャストできるように《裏切り者の都》も採用されています。
サイドには主に対消滅用の《Karakas》を2枚も取っています。対消滅以外にも「Sneak and Show」相手やミラーマッチで高い効果が望めるので有効な選択だと思います。
1 《沼》 1 《森》 2 《Badlands》 1 《Taiga》 1 《Savannah》 1 《Scrubland》 2 《Bayou》 3 《血染めのぬかるみ》 2 《樹木茂る山麓》 4 《新緑の地下墓地》 1 《ドライアドの東屋》 4 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《闇の腹心》 4 《タルモゴイフ》 1 《漁る軟泥》 4 《高原の狩りの達人》 -クリーチャー(17)- |
4 《思考囲い》 4 《コジレックの審問》 3 《ヴェールのリリアナ》 1 《森の知恵》 4 《緑の太陽の頂点》 4 《突然の衰微》 -呪文(20)- |
1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《ガドック・ティーグ》 3 《未練ある魂》 2 《強迫》 3 《仕組まれた疫病》 1 《赤霊破》 3 《紅蓮破》 1 《古えの遺恨》 -サイドボード(15)- |
リアルでよく見る「Jund」と様々な面で異なるOneStepBehindのリスト。最大の特徴はサイドの《未練ある魂》《ガドック・ティーグ》《クァーサルの群れ魔道士》の為に白を足している所です。《未練ある魂》は同系や他の中速デッキに対して強く、コンボ対策の《ガドック・ティーグ》は《緑の太陽の頂点》でサーチする事も可能です。《緑の太陽の頂点》を採用している関係で続唱を上手く活かせない為《血編み髪のエルフ》は採用されていません。代わりに《高原の狩りの達人》が採用されています。
総括
SCGO Atlantaでは優勝者も含めて計3名が「Punishing Jund」を使用していて、RTRの産物である《死儀礼のシャーマン》と《突然の衰微》の影響の大きさを改めて実感する結果となりました。しかし、その裏番組のMOCS Season 1では《死儀礼のシャーマン》の流行する環境に対応し調整された「Reanimator」が優勝していました。相変わらず混沌とした環境ですが次回は一体どのようなデッキが結果を残すのか楽しみです。
以上、SCGO AtlantaとMOCS Season 1の解説でした。
次回の記事ではSCGO EdisonとSCGO Cincinnatiの解説を予定しています。
それでは次回の記事で会いましょう。楽しいレガシーを!