【ヴィンテージ】Round 6:久保宏之(東京都) vs. 北野孝俊(東京都)

晴れる屋

By Takamasa Sato



本戦に負けぬ熱狂渦巻くヴィンテージトーナメントも、ついに最後の一試合。
ここはもちろん、優勝をかけた試合をお届けするしかないだろう。

たった一人の全勝者たる久保は、本人いわく「スタックス寄りのMUD」を狩り、対戦相手を絞め殺してきた剛腕。
《Mishra's Workshop》で加速されたマナを武器に、

からみつく鉄線煙突抵抗の宝球


《からみつく鉄線》《煙突》《抵抗の宝球》などで中盤を縛り、

露天鉱床不毛の大地


《露天鉱床》《不毛の大地》などで土地を破壊。
最後には《ワームとぐろエンジン》《鋼のヘルカイト》で蹂躙という、豪快なデッキだ。

対する北野は一敗ながら、相性の悪い相手を破ってきた技巧派。

実物提示教育全知


《実物提示教育》から《全知》へと繋げ、

燃え立つ願い無限への突入


《燃え立つ願い》からの《無限への突入》で勝つという、最新デッキである。

空いたスロットに《噴出》《Fastbond》のコンボや、《精神の願望》《空召喚士ターランド》などの勝ち手段を突っ込み、柔軟性を強化している。

「MUD相手は分が悪い」と語るが、ここでも相性差をひっくり返せるだろうか。


Game 1


ダイスロールの結果、北野が先手。
一瞬で二人ともマリガンを選択する。
最速・最古の環境であるためか、ヴィンテージプレイヤーは全ての局面での判断が早く感じる。
二度目の手札には満足したようで、ゲームスタート。

北野、《沸騰する小湖》から《Volcanic Island》をサーチ。
《Mox Pearl》を置いての《定業》《Mox Ruby》を引き込み、
《燃え立つ願い》から、早速《実物提示教育》を持ってくる。

久保は《Mishra's Workshop》から《抵抗の宝球》で、最初の一絞め。

北野はこれが効いたのか、ドローゴーを繰り返す。

その間にも久保は《煙突》で二絞め。
《世界のるつぼ》《不毛の大地》を回して三絞め。
ついには、《鋼のヘルカイト》まで送り込むと、北野はもはや何もできない……。

久保 1-0 北野


勝ちはしたものの相手のデッキが見えない久保は、少々悩んで《伝染病エンジン》を追加。
北野は久保の束縛を逃れるべく《鋳塊かじり》を大量投入。


Game 2

再びの先手は北野。

Mox SapphireTime Walk


《Mox Sapphire》からの《Time Walk》
そして、《神秘の教示者》で積み込んだ《Ancestral Recall》に繋げ、最後は《トレイリアのアカデミー》と、先手ならではの完璧な動き。
後手では縛られてしまうため、こんなに鮮やかには動けなかっただろう。

久保も負けじと《Mox Emerald》とワークショップからの《磁石のゴーレム》
このまま縛りつけたい所存。

そこに火を吹く《鋳塊かじり》(想起)。
北野はさらに、《燃え立つ願い》から《実物提示教育》を用意してフィニッシュに備える。

時間のなくなってきた久保は《不毛の大地》《トレイリアのアカデミー》を破壊し、
二枚目の《磁石のゴーレム》
しかし、これも当然のように《鋳塊かじり》

だが、まだまだ久保には縛り手がある。
続く《煙突》は戦場に残ってしまい、《露天鉱床》が北野の土地を奪う。
一気に縛られ始める北野だが、《煙突》は互いのパーマネントを奪う。
久保は仕方なく《虚空の杯》を1で置くが、これには《ハーキルの召還術》
久保の持つパーマネントは《Mishra's Workshop》のみとなる。

北野は、未来のために《燃え立つ願い》《外殻貫通》をサーチ。
ついに、秘密兵器である《空召喚士ターランド》も追加して、一気に久保を追い詰める。

久保の《からみつく鉄線》をカウンターし、トークンが並び始める。

ライフを一桁に追い詰められた久保は、仕方なく二枚目の《煙突》
これにより続くターンに互いのすべてのパーマネントが生贄となる。

仕切り直しとなってから最初に動いたのは久保。
《Black Lotus》を置いて、後続を待つ。
北野もまた、《Underground Sea》を引き込み、《吸血の教示者》
必要な土地を積みこんで《燃え立つ願い》

ここで北野が持ってきたのは《Timetwister》

戦場に続いて、手札と墓地がリセットされる。

こうなると、マナを残す北野の圧倒的優位である。
《外殻貫通》で久保の唯一のパーマネントである《Black Lotus》を破壊。
《ヨーグモスの意志》を使って、再びの《Timetwister》
《Mox Sapphire)》を追加しつつ《定業》で手札を整える。

一度は久保にターンを渡し、《Mox Ruby》を置かれるが、北野は通常プレイの《鋳塊かじり》でこれを破壊。
北野はさらに《Time Walk》を唱え、3/3が殴り始めると、ゲームセット。

久保 1-1 北野


北野のデッキが判明したため、久保は更なる「縛り手」として《無のロッド》を追加。


Game 3



ようやく先行を手にした久保は少々迷いつつもキープ。
対する北野はダブルマリガンと厳しい状況。

久保、《Mishra's Workshop》からの《無のロッド》
これにより、MOXシリーズはただの置物となる。
その上で、北野がセットした《Tropical Island》《不毛の大地》
順調に縛り始める。

北野も久保の《世界のるつぼ》《Force of Will》(コストは《全知》)、
《磁石のゴーレム》《鋳塊かじり》(想起)と対応するのだが、
ダブルマリガンのせいで手数が足らない。

そうこうしているうちに久保は《ニンの杖》に辿りつく。

この2ドローが久保に大量の《からみつく鉄線》をもたらし《ワームとぐろエンジン》まで辿りつくと、
もはや北野に逃れるすべはなかった。

久保 2-1 北野

久保宏之、優勝!