【レガシー】Round 4:馬場 大樹(滋賀) vs. 齋藤 悠(東京)

晴れる屋

By Daisuke Kawasaki

馬場 「1敗でフィーチャーなんてさらしものじゃないですか!」

 そう語る馬場と対戦するのは、「ANTの化身」齋藤 悠。レガシーをやるのは2ヶ月ぶりという齋藤が使用するのは、やはりというかなんというかのANT。

 対する馬場は、レガシーの醍醐味ともいえる5色のZoo。

 一時はレガシー最強であったコンボに、レガシー最強の対応力とクロックを持つデッキはどう戦うのか、注目してみていきたい。


Game 1



 ダイスロールで先手は齋藤。

 齋藤の《強迫》によって公開された手札は、《稲妻》《渦まく知識》に、《野生のナカティル》《タルモゴイフ》そして土地が3枚というもの。齋藤は《渦まく知識》のディスカードを指定した後に、馬場の手札のメモをとる。

 馬場は《乾燥台地》からフェッチした《Taiga》から《野生のナカティル》をプレイ。手札にはさらにフェッチランドがあるので、これで3点のクロックは確定である。

 齋藤は《霧深い雨林》をセットして静かにエンド。対して馬場は《Savannah》のフェッチから……《野生のナカティル》をプレイ。そして、3枚目の《野生のナカティル》。齋藤は、自身が知らない2枚のカードの正体を思わぬ形で知ることとなり、軽く笑みを浮かべる。

 なんにしろ、これで馬場のクロックは9点に。かなり長く見積もっても齋藤の残りターンは2ターン。齋藤は、《渦まく知識》をプレイした後にフェッチをプレイ、さらにマナを支払っての《ギタクシア派の調査》によって手札を整理するとターンを返す。

 ターンを渡された馬場は《野生のナカティル》3体で9点のアタック。これによって齋藤のライフは6、そして《稲妻》で3に。馬場はさらに《タルモゴイフ》をプレイする。

馬場 「《タルモゴイフ》の上に、カウンターではないですけど、パワータフネスがわかるようにサイコロおいていいですか?」

齋藤 「いや、ターンを返したら負けなんで、そのままでいいですよ」

 自己申告の最終ターン。齋藤はまず、2点のライフを支払って《ギタクシア派の調査》をプレイ。そして《渦まく知識》。この1枚目のドローで念願の《ライオンの瞳のダイアモンド》を見つけた齋藤、俄然残り2枚のドローをする手が早くなる。

 ここで、《渦まく知識》で戻すカードを考えるべく、複雑な計算をはじめる齋藤。何せ、ライフは残り1なのだ。

 残すカードを決めた齋藤は、まず、《冥府の教示者》をプレイ。手札の《暗黒の儀式》を見せると、山札から2枚目の《暗黒の儀式》をサーチしてくる。これで、土地はタップアウト。

 続いて、《水蓮の花びら》をプレイし、そこから生み出した黒マナで《暗黒の儀式》を2回仕様。黒マナが5マナ残った状態で、《ライオンの瞳のダイアモンド》をプレイ。そして《冥府の教示者》のプレイにスタックして《ライオンの瞳のダイアモンド》を起動する。

 ここまでに齋藤がプレイした呪文は、

1.《ギタクシア派の調査》
2.《渦まく知識》
3.《冥府の教示者》
4.《水蓮の花びら》
5.《暗黒の儀式》
6.《暗黒の儀式》
7.《ライオンの瞳のダイアモンド》
8.《冥府の教示者》

 の合計8枚。そして、残ったマナは6マナ。

 《冥府の教示者》《冥府の教示者》をサーチし、これで《苦悶の触手》をサーチしてプレイすると、残りはきれいにゼロマナ。ぴったり9個のストームで、20点のライフロス。

齋藤 1-0 馬場


 見事な手腕で、コンボを決めた齋藤。だが、コンボデッキのマッチはサイドボード後が本番。果たして、馬場のとる対策とは。


Game 2



 Game 1は後手の1ターン差で敗北した馬場。今回は先手をとるが、初手を見て少考の末にマリガンをする。さらに、続く、6枚の手札もマリガンする。

馬場 「土地も《野生のナカティル》もある手札なのに、なんでマリガンしないといけないんだ……」

齋藤 「土地と《野生のナカティル》ならキープできるんじゃないですか?」

馬場 「いや、妨害無いとさすがに勝てないですよ」

 そして、続く手札は、《思考囲い》こそあるものの、今度はクロックの無い手札。再びマリガンする馬場。続く4枚の手札は2枚の土地と、《Chain Lightning》が2枚。

馬場 「これ以上は減らせないかな……いや、無理。マリガンするしかない」

 ついに、馬場の手札は3枚。齋藤も「3枚で何とかなるのかな?」とつぶやく。

 そして、馬場の3枚はすべて土地。

馬場 「マリガン!」

齋藤 「2枚?」

馬場 「1枚になってもマリガンしますよ」

 土地が2枚と、1枚だけの手札が《野生のナカティル》、どちらが有利か、などとという話をしながら、馬場が2枚の手札を得るために、60枚のデッキをシャッフルしている。

馬場 「2回目のマリガンがちょっと贅沢だったのかな……」

齋藤 「こんだけマリガンするんだし、《精神壊しの罠》でも入ってるのかな……」

馬場 「キープ!」

 馬場はついに満足する2枚の手札を見つけ出し、自分の第1ターンを開始する……前に、1枚のカードを戦場に。

神聖の力線


 《神聖の力線》!!

齋藤 「サイドボードを確認していいですか?」

齋藤 1-1 馬場


馬場 「抜いてくれてると信じてた!」

 Zooに類するデッキは、置物系の対策ではなく青い対策が入ってくると予想し、パーマネント対策をサイドインしていなかった齋藤。改めてサイドボーディングをし直し、Game 3へと望む。


Game 3

 今度は先手の齋藤がダブルマリガン。そして、1ターン目の前に、馬場は戦場に《神聖の力線》を降臨させる。

 齋藤は1ターン目に《思案》。対する馬場は《Taiga》フェッチからの《稲妻》本体というスタート。

 2枚目の土地にたどり着けない齋藤を前に、馬場は《Chain Lightning》をさらに本体に。

 続くターンにも齋藤は土地を引けない。だが、しかし、《ライオンの瞳のダイアモンド》を引き当てる。ここから齋藤は、《暗黒の儀式》から《陰謀団の儀式》を3枚プレイ、そして、《ライオンの瞳のダイアモンド》からの《冥府の教示者》で、伝家の宝刀《むかつき》をサーチする。

 ここで齋藤はライフが2になるまで《むかつき》の効果を使用する。なんとか《残響する真実》は見つけ出したものの、十分な青マナと勝ち手段を確保できるとは言い切れない状況だ。ここから綱渡りのドロースペル連打モードに齋藤は突入する。

 青マナと黒マナが共に1マナ残っている状態の齋藤。まずは《暗黒の儀式》をプレイして、黒マナを3マナにすると、《渦まく知識》をプレイ。そして、フェッチをして青マナを生み出すと、今度は《思案》

 そして、3枚のカードを見た上で、シャッフルを選択。そして、シャッフル後のカードをドローすると、齋藤は、一言宣言した。

齋藤 「投了です」

齋藤 1-2 馬場

 フィーチャーマッチ終了後の齋藤に、ギャラリーが声をかける。

「さすがにバウンス全部抜くのはないんじゃない?」

齋藤 「でも、相手青系の対策入れてくると思ったし」

「でも、さすがに《蒸気の連鎖》は入れるんじゃない?最悪自分の土地戻してストーム稼げるし」

齋藤 「あ、ほんとだ。っていうか、オレいつも入れてた。…やっぱ久々だと駄目だな」