フィーチャリングマッチでは、マッチ開始前に恒例となっていることがある。たいしたことではないのだが、それは、互いにフルネームの名前と所属の都道府県を書いてもらうというものだ。
さて、この作業の最中に吉森が市川に声をかける。
吉森 「あれ?神奈川なんですか?千葉の方だと思ってた」
市川 「いや、実は神奈川なんですよ。まぁ、電脳世界(Magic Online)の方が多いですけどね」
と、こんなきっかけで、シャッフルをしながら会話をする二人。
市川 「レガシーは結構やるんですか?」
吉森 「まぁ、やりますけど、グランプリの二日目が多いですね。普段はスタンダード・スタンダード、EDH(統率者戦)、スタンダードって感じですね」
市川 「あぁ、なるほど」
吉森 「EDHはやらないんですか?」
市川 「EDHは……老後の楽しみにとっておいてますよ」
老後までマジックを楽しむつもり満々の二人。とりあえずは、目の前のゲームを追いかけていこう。
Game 1
ダイスロールで先手は吉森。
《新緑の地下墓地》から《沼》をサーチしてターンを終了する吉森。
市川 「《もみ消し》気にして?」
吉森 「まぁ、たしなみとして」
対して市川は《Volcanic Island》のサーチから《秘密を掘り下げる者》をプレイする。
吉森は2枚目の《沼》をフェッチすると、《Hymn to Tourach》
これで《タルモゴイフ》と土地をランダムにディスカードさせられた市川。《秘密を掘り下げる者》こそ変身しなかったものの、2枚目の土地をセットしつつ、《敏捷なマングース》をプレイする。
ここで今度は《平地》をフェッチしてきた吉森は《苦花》をプレイするが、これは《呪文貫き》でカウンターされてしまう。さらに、市川の《秘密を掘り下げる者》は《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》変身してしまう。
そして、追い打ちをかけるように、市川は《タルモゴイフ》をプレイ。墓地には……
1.各種フェッチで土地。
2.《Hymn to Tourach》でソーサリー。
3.それによって捨てさせられた《タルモゴイフ》でクリーチャー。
4.《苦花》をカウンターした《呪文貫き》でインスタント。
5.その《苦花》そのものでエンチャント。
6.そして、さらに《苦花》で部族。
と6種類のカードタイプが。
市川 1-0 吉森
Game 2
フェッチからの《沼》で《コジレックの審問》をプレイする先手の吉森。ここで公開された市川の手札が《目くらまし》が2枚に《渦まく知識》と《呪文嵌め》、そして《Force of Will》と《不毛の大地》を含む土地2枚。ここから《渦まく知識》をディスカードさせる吉森。
市川は《秘密を掘り下げる者》をプレイ。
《Karakas》から《剣を鍬に》をプレイする吉森。いったんは通そうとした市川だったが、考え直して《呪文嵌め》をリムーブしての《Force of Will》。返すターンに市川は《Karakas》を《不毛の大地》で破壊する。
《秘密を掘り下げる者》の変身こそないものの、2体目の召喚に成功した市川。対して、吉森は《Scrubland》をセットしてターンを終了する。
2体の《秘密を掘り下げる者》のアップキープの誘発。1体目を処理した後に、インスタントがトップになかったために、フェッチを起動して山札を刷新するというプレイを見せる市川だったが、ここに《剣を鍬に》を打ち込む吉森。
だが、吉森は土地を引かない。《Scrubland》を《不毛の大地》で破壊され、吉森の土地は1枚。そして、市川のライブラリートップにもインスタント・ソーサリーが来ない。
この不毛なめくりあいで先手をとったのは市川だった。ついに《秘密を掘り下げる者》が《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》へと変身を遂げる。そして、1手遅れて吉森も土地を引き当て《苦花》をプレイ。
さらに《無形の美徳》によって、フェアリートークンをサイズアップする吉森だったが、このトークンは《二股の稲妻》で除去されてしまい、ライフが危険水域に。ここで吉森は意を決して2枚目の《無形の美徳》をプレイする。吉森の残りライフは3。
吉森 「《稲妻》あったら負け!」
市川の手には《稲妻》はなかった。だが、市川の山札のトップは《稲妻》。
市川 2-0 吉森