まずは3-0と快調に滑り出したのは、モダンフォーマットで開催された昨年のグランプリ横浜でトップ8に入賞した気鋭の四本。昨年末の関東Finalsでのトップ8入りも記憶に新しく、今では主にプロツアーへと活躍の舞台を移した遠藤 亮太や角岡 利幸とも親交があることから、次は四本の番か、と期待させる。
対してこちらも3-0のLee、デッキはプロツアー以降すっかりメジャーとなった《ボロスの反攻者》入りのトリコフラッシュを使用している。
四本のデッキは《ネファリアの溺墓》をフィニッシャーに据えたエスパーコントロール。カウンターを絡めた高度な心理戦が期待できそうだ。
Game 1
先手は四本。お互い《アゾリウスの魔除け》のわずかなキャントリップ以外はドローゴーを続ける静かな立ち上がり……だったが、4マナオープンでターンを返したLeeに対し、四本はカウンターなどどこ吹く風と言わんばかりに《月の賢者タミヨウ》を叩きつける！……が、これはあっさり《イゼットの魔除け》で弾かれる。
さらに四本、続けて《記憶の熟達者、ジェイス》を送りだすが、これはLeeが《瞬唱の魔道士》からの《イゼットの魔除け》フラッシュバックで再び撃退。
しかし、四本が3たびメインフルタップで《スフィンクスの啓示》X=3をプレイすると、さすがにこれが通り、ノーガードプレイが講じてアドバンテージ差をつけることに成功する。
Leeも続く四本の《ボーラスの占い師》こそ《本質の散乱》するが、《熟慮》2連打からの《予言》と四本がどんどんアドバンテージ差を広げていくのに対し、《修復の天使》を引けずに決定打となる十分なクロックを用意できない。
そのわずかなクロックも《至高の評決》で流されると、Leeも一応《ボロスの反攻者》を出してはみるが、四本はもはやエンドに《ネファリアの溺墓》を起動しだす始末。
それでも《熟慮》の隙をついてようやく《修復の天使》を送り出すLeeだったが、これには当然《究極の価格》が合わさる。何とか《ボーラスの占い師》から《スフィンクスの啓示》を引き入れるも、既にライブラリを数え始めている四本に対してあまりに遅い。
いかなる量のXで撃とうとも、《ネファリアの溺墓》の方が絶対に早い。いやむしろ、撃つことで自らの死期を早めてしまうというジレンマ。
さらに程なくして2枚目の《ネファリアの溺墓》が置かれると、Leeのライブラリーは儚く消え去ってしまった。
四本 1-0 Lee
Game 2
土地が3枚で詰まってしまったLeeに対し《強迫》が撃ち込まれると、
《修復の天使》×2
《否認》
《払拭》
《瞬唱の魔道士》
《イゼットの魔除け》
《収穫の火》
という高カロリーの手札から《イゼットの魔除け》が墓地送りに。そのままLeeの土地が詰まってくれれば、四本の狙いが効を奏しそうだ。
しかし、そんな四本の目論見に反してあっさり4枚目の土地を引き込んだLee。手札で燻っていた《修復の天使》を送り出すことに成功する。
一方、順調に見えた四本の方も土地が4枚で止まっており、《アゾリウスの魔除け》をドローで2連打するも一向に5枚目の土地にたどり着けない。
さらに決死の覚悟で《予言》を放った四本だったが、無情にも土地は引けず、ディスカードが続いてしまう。
そしてライフの詰まった四本がようやく引いたのは……
もちろん《神無き祭殿》なのであった。
四本 1-1 Lee
Game 3
3ゲームすべてマリガンスタートとなった四本。
それでもLeeの《ボーラスの占い師》が占いを外し、対して四本が《熟慮》を表裏で撃ったことで、アドバンテージ的には五分の勝負となる。
さらにエンド前に降臨した《修復の天使》への《究極の価格》は《払拭》するが、再び占いが外れると思わず苛立たしげな舌打ちが漏れるLee。
すかさず四本は《瞬唱の魔道士》からの《究極の価格》フラッシュバックで《修復の天使》を処理。Leeは立て続けに2体目の天使を送り出すが、《ボーラスの占い師》は一向にカードを引き当てない。
そしてこの2体目にも《究極の価格》が突き刺さると、攻め手を緩めるわけにいかないLeeは《ボロスの反攻者》を送り出すが、この隙に四本は《雲散霧消》のバックアップを受けて《スフィンクスの啓示》X=3をLeeの《払拭》の上から無理矢理通しにいく。
が、ここまで強気にメインフルタップを繰り返してきた四本の戦略がついに裏目に出てしまう。
無抵抗の四本に対し、Leeがキャストしたのは《記憶の熟達者、ジェイス》！
すぐさま「10枚」と宣言して四本を追い詰めにかかる。
対し、圧倒的にカードを引いている四本なのだが、返すアクションは何故かキャントリップを繰り返すばかり。そして無情にも土地ばかり手札にたまっていく。
わずかな希望に縋り、2回目の+0能力を起動された後で墓地を確認するのだが。
そこにはこの状況に対する唯一の回答である《記憶の熟達者、ジェイス》が、既に2枚とも墓地に落ちていたのだった。
四本 1-2 Lee
