【レガシー】Round 7:本川 智志(東京) vs. Benjamin Huang(シンガポール)

晴れる屋

By Daisuke Kawasaki



 レガシーを愛してやまないプレイヤーたちには「誤解を招くようなことを言うな!」と怒られてしまいそうではあるが、やはり筆者としては、レガシーの魅力がいわゆる「瞬殺コンボ」にあることは否定できないだろうと思う。

 《むかつき》を利用したANTや、《ゴブリンの放火砲》を使うチャーベルチャー、最近では《実物提示教育》からの《全知》と、瞬殺コンボのことを考えるだけでワクワクする人も少なくはないだろう。

 もちろん、過去のレガシートーナメントの結果を見る限り、瞬殺コンボがそう簡単に勝てないレギュレーションであることは理解しているし、逆に瞬殺コンボが強すぎてもおもしろくない環境になってしまうのは間違いない。

 というわけで、意外とこの会場にも瞬殺コンボを持ち込んでいるプレイヤーは少ない。

 できれば、瞬殺コンボ同士の抜き差しならない戦いが見たいなどと夢のようなことを考えつつ、そんな話とは関係なく、本川とHuangのマッチをお届けしよう。


Game 1



 ダイスロールで先手は本川。

 まずは、マリガン。そして、《水蓮の花びら》から《暗黒の儀式》……《地底街の密告人》!!

 そう、本川のデッキは、今をときめくレガシーデッキ、「The Spy」なのだ!

 なお、「The Spy」については昨日のこちらの記事でも触れているのでご参照願いたい。

 しかし、この《地底街の密告人》《Force of Will》でカウンターされてしまう。そして、この《Force of Will》のピッチのためにディスカードされた呪文が《狡猾な願い》

本川 「ハイタイドか!」

 そう、レガシーで《狡猾な願い》を使うメジャーなデッキなど、ハイタイドくらいしかないのだ。なんと、偶然にもここでレガシーらしいコンボデッキ対決が実現してしまったのだ。偶然にも。

 なんにしろ、初動を止められてしまった本川。続く機会をうかがって、ドロー、そしてノーセットランドでゴーを繰り返す。対するHaungも、本川の手札が整う前に、《瞑想》を使ってターンを与えつつ、手札を充実させる。

 そしてHaungが《Candelabra of Tawnos》をプレイしたところで、再び本川が勝負をしかける。《召喚士の契約》をプレイ。

 しかし、この《召喚士の契約》《狼狽の嵐》でカウンターするHuang。さらに、続くターンに《商人の巻物》をプレイ。持ってくるカードは……《Force of Will》

Haung 「安全第一!」

 《Elvish Spirit Guide》を2枚リムーブしての《魔力変》を再び《狼狽の嵐》でカウンターした後に、ついにHaungがコンボスタート。

 《High Tide》でマナが2マナ出るようになった《島》《Candelabra of Tawnos》《転換》でアンタップし、《直観》から3枚の《時のらせん》を選び、1枚を手札に加える。

 もはや、マナの心配が無くなったHaungに対して本川にできることは、せめてドロースペルが途切れてターンが終了してくれるのを祈ることと、Haungのマナ・ストーム管理をすること、そしてHaungが《直観》で持ってきた同名ドロースペル3種類の中からどれを選ぶかに頭を悩ませることぐらいだった。

Haung 1-0 本川


Game 2



本川 「惜しいな……」

 そう言いつつ、本川はマリガンを選択。対するHaungは、《島》が1枚という不安要素はありつつも、2枚の《渦まく知識》で土地を探しつつ、1ターン目の瞬殺を封じる《Force of Will》、そしてそれ以降の守りを固めてくれる《狼狽の嵐》のある手札をキープする。

 続く本川の初手は、《陰謀団の儀式》《金属モックス》《欄干のスパイ》《召喚士の契約》《猿人の指導霊》など一見動き出せそうに見えるものの、マナが足りない。仕方なくマリガン。

 最後の5枚の手札はキープした本川。そして、何もせずにターンを終了する。

 だが、Haungも2枚目の《島》を引けないままターンを終了する。そして、その1枚の《島》はドロー呪文のためにタップしてしまっているのだ。

 この機を逃したくない本川。そして、そんな本川の思いに応えるように、このターンのドローが《否定の契約》。意を決して《召喚士の契約》をプレイする本川。サーチを行ったのは、《Elvish Spirit Guide》。(注1)

本川 「さぁ、どっちにしろこのターンで終わるよ!」

 当然、次のターンに《召喚士の契約》のマナなど払えるわけはない。《陰謀団式療法》《金属モックス》に刻印し、そこからの黒マナを元にマナ加速を行い、《欄干のスパイ》をプレイ!

 ここに《Force of Will》を合わせるHaungだったが、もちろん本川は《否定の契約》でカウンター!

 しかし、Haungの手札にはもう1枚の《Force of Will》が握られているのであった。

Haung 2-0 本川

注1:本文中に「《召喚士の契約》をプレイし、《欄干のスパイ》をサーチする本川。」という表記がありましたが、カバレージスタッフ側での確認ミスでした。
本川氏が本来サーチ出来ない《欄干のスパイ》をサーチした事実は無く、サーチの対象は《Elvish Spirit Guide》です。
記事の訂正をさせて頂くと同時に、本川氏、読者の皆様にお詫び申し上げます。