皆さんこんにちは。
GP横浜2013のメインイベントは参加者2000人を超える大盛況ぶりでしたね。日本レガシー選手権2013・春もサイドイベントの一つとして開催されていましたが参加された皆さんの成績はいかがでしたか?
さて今回の記事ではStarCityGames.com Open Series(SCGO) Las Vegasの上位入賞デッキの解説と、おまけとしてMO(Magic Online)のLegacy Daily Eventで優秀な成績を収めたリストの解説をしていきたいと思います。
SCGO Las Vegas トップ8デッキアーキタイプ
2013年3月3日
1位 UWr Helm Peace/白青奇跡
2位 Reanimator/リアニメイト
3位 Sneak and Show/スニーク・ショー
4位 Sneak and Show/スニーク・ショー
5位 Dredge/発掘
6位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
7位 UWr Miracles/白青奇跡
8位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
SCGO Las Vegasは、Grand Prix Denver 2013の優勝者Vidianto Wisjaya(今大会最終成績14位)も参加していてレベルの高い大会でした。
前回SCGO Cincinnatiのほぼ青いデッキ一色の結果から考えると、今大会はその青いデッキに強い「Jund」あたりが復権してくると思いましたが、蓋を開けてみると今回の入賞デッキは「Sneak and Show」や《浅すぎる墓穴》を使った新しいタイプの「Reanimator」等コンボが多目でした。そしてコンボに対して相性の良い《相殺》+《師範の占い独楽》を搭載した「UWr Helm Peace」の優勝で幕を閉じました。昨年12月に行われたSCGO Las Vegasでも優勝が「Sneak and Show」で、「ANT」等のコンボが多数上位に入賞していた事からも、コンボが人気の地域のようです。
SCGO Las Vegas デッキ解説
「白青奇跡」「リアニメイト」「カナディアン・スレッショルド」
2 《平地》 5 《島》 3 《Tundra》 1 《Volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 2 《汚染された三角州》 1 《沸騰する小湖》 1 《乾燥台地》 2 《霧深い雨林》 1 《Karakas》 -土地(22)- 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《造物の学者、ヴェンセール》 -クリーチャー(2)- |
4 《剣を鍬に》 2 《悟りの教示者》 3 《安らかなる眠り》 3 《終末》 2 《天使への願い》 4 《渦まく知識》 1 《思案》 1 《対抗呪文》 4 《Force of Will》 2 《相殺》 1 《血染めの月》 1 《拘留の宝球》 1 《遍歴の騎士、エルズペス》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 4 《師範の占い独楽》 1 《Helm of Obedience》 -呪文(37)- |
1 《ヴェンディリオン三人衆》 3 《聖トラフトの霊》 1 《Moat》 1 《謙虚》 1 《相殺》 1 《ジェイス・ベレレン》 3 《赤霊破》 1 《拘留の宝球》 1 《真髄の針》 1 《大祖始の遺産》 1 《墓掘りの檻》 -サイドボード(15)- |
2 《平地》 4 《島》 2 《Tundra》 2 《Volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 3 《汚染された三角州》 1 《沸騰する小湖》 1 《乾燥台地》 2 《秘教の門》 2 《Karakas》 -土地(23)- 1 《瞬唱の魔道士》 3 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《造物の学者、ヴェンセール》 -クリーチャー(5)- |
3 《剣を鍬に》 3 《終末》 2 《天使への願い》 4 《渦まく知識》 3 《呪文貫き》 1 《対抗呪文》 2 《Force of Will》 2 《誤った指図》 4 《相殺》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 1 《至高の評決》 4 《師範の占い独楽》 -呪文(32)- |
1 《硫黄の精霊》 1 《造物の学者、ヴェンセール》 1 《解呪》 3 《安らかなる眠り》 1 《法の領域》 1 《天使への願い》 1 《Force of Will》 1 《誤った指図》 2 《赤霊破》 1 《紅蓮破》 1 《真髄の針》 1 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード(15)- |
「白青奇跡」系のアーキタイプは、天敵である《突然の衰微》を使った「Jund」や「BUG/黒青緑」がコンボデッキの活躍で下火になってきた中、復権してきました。
優勝したJack Colwellのリストは《Helm of Obedience》+《安らかなる眠り》のコンボを搭載しています。《安らかなる眠り》をメインに採用しているので墓地をリソースとしたデッキに対して有利です。特殊地形に頼っている「Jund」や「BUG」に対して高い効果が望める《血染めの月》がメインに採用されている等、環境に合わせて進化しています。メインに採用されている《造物の学者、ヴェンセール》は《実物提示教育》デッキに対して有効で、同系に対しても奇跡スペルを手札に戻せる等環境的に強いカードです。
同様のデッキでコンスタントに入賞している「白青奇跡」のエキスパートJoe Lossettのリストは、優勝者と異なりオーソドックスな構成です。《Hymn to Tourach》等を跳ね返せる《誤った指図》を2枚メインに採用して「Jund」や「BUG」を対策する事も忘れていません。《造物の学者、ヴェンセール》だけでなく3枚の《ヴェンディリオン三人衆》や2枚の《Karakas》をメインに採用している等、《実物提示教育》の対策もしっかりしています。
両プレイヤー共にサイドボードに採用している《赤霊破》は同系と《実物提示教育》に対して有効なので環境的に良チョイスです。
1 《沼》 1 《Tundra》 2 《Underground Sea》 1 《Scrubland》 4 《汚染された三角州》 4 《湿地の干潟》 -土地(13)- 2 《コーリスの子》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 2 《グリセルブランド》 -クリーチャー(5)- |
1 《沈黙》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《陰謀団式療法》 2 《思考囲い》 4 《暗黒の儀式》 4 《納墓》 1 《再活性》 4 《浅すぎる墓穴》 3 《御霊の復讐》 1 《苦悶の触手》 4 《水蓮の花びら》 2 《金属モックス》 -呪文(42)- |
2 《沈黙》 2 《永遠からの引き抜き》 2 《蒸気の連鎖》 1 《残響する真実》 1 《ハーキルの召還術》 3 《外科的摘出》 2 《虐殺》 2 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
惜しくも優勝こそ逃したものの今大会で最も注目を集めていたのはこのデッキだったと思います。「Reanimator」のバリエーションとされていますが主な勝ち手段は《苦悶の触手》です。デッキの基本的な動きは《暗黒の儀式》や《水蓮の花びら》でマナブーストし、《納墓》で《グリセルブランド》をサーチし、《浅すぎる墓穴》や《御霊の復讐》で《グリセルブランド》を釣ってカードを大量に引いて、《コーリスの子》で支払ったライフを回復させこれを繰り返してストームを溜めて《苦悶の触手》でフィニッシュします。
《思案》と《渦まく知識》等ドロー操作も採用されているので動きも見た目より安定しています。相手の妨害手段に対してもハンデスがあるので無理やりコンボを決める事も可能です。
サイドの《永遠からの引き抜き》は面白いアプローチです。相手の《外科的摘出》でリムーブされた《グリセルブランド》等を回収できます。今後は対策をどう乗り越えるか楽しみです。
3 《Volcanic Island》 3 《Tropical Island》 4 《沸騰する小湖》 4 《霧深い雨林》 4 《不毛の大地》 -土地(18)- 4 《秘密を掘り下げる者》 1 《瞬唱の魔道士》 4 《敏捷なマングース》 4 《タルモゴイフ》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(14)- |
4 《渦まく知識》 1 《思考掃き》 4 《思案》 4 《もみ消し》 3 《呪文貫き》 3 《目くらまし》 4 《Force of Will》 1 《外科的摘出》 4 《稲妻》 -呪文(28)- |
1 《硫黄の精霊》 1 《精神壊しの罠》 4 《水没》 1 《外科的摘出》 1 《赤霊破》 2 《紅蓮破》 2 《古えの遺恨》 2 《乱暴+転落》 1 《壌土からの生命》 -サイドボード(15)- |
《ヴェンディリオン三人衆》や《瞬唱の魔道士》がメインに採用されている特徴のある構成です。「Reanimator」を意識していたのか《外科的摘出》がメインに採用されています。サイドには「Esper Stoneblade」の使う《未練ある魂》からのトークン対策に《硫黄の精霊》が採用されています。
MO Legacy Daily デッキ解説
「白青石鍛冶」「ソプターコントロール」「リアニメイト」
1 《平地》 1 《島》 1 《沼》 1 《Tundra》 2 《Underground Sea》 2 《Scrubland》 1 《Bayou》 2 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 4 《湿地の干潟》 3 《不毛の大地》 -土地(22)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《石鍛冶の神秘家》 3 《瞬唱の魔道士》 4 《闇の腹心》 -クリーチャー(15)- |
4 《剣を鍬に》 3 《未練ある魂》 4 《渦まく知識》 2 《強迫》 2 《思考囲い》 2 《コジレックの審問》 2 《名誉回復》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 1 《殴打頭蓋》 1 《梅澤の十手》 -呪文(23)- |
2 《墓忍び》 3 《被覆》 2 《外科的摘出》 2 《強迫》 2 《非業の死》 1 《盲信的迫害》 2 《真髄の針》 1 《梅澤の十手》 -サイドボード(15)- |
「Esper Stoneblade/白青黒石鍛冶」に《死儀礼のシャーマン》の起動型能力のため緑をタッチしたリストです。《Force of Will》がメイン、サイド共に採用されておらずコンボよりも「Jund」等の中速デッキとのマッチアップを意識しているようです。その分コンボ対策としてメインにハンデス6枚体制で、サイドにも追加で《強迫》が積まれています。《被覆》は《実物提示教育》等致命的なスペルに対してたったの1マナでカウンターできます。
2 《平地》 5 《島》 4 《Tundra》 4 《溢れかえる岸辺》 2 《汚染された三角州》 1 《乾燥台地》 2 《霧深い雨林》 1 《Karakas》 1 《アカデミーの廃墟》 -土地(22)- 2 《石鍛冶の神秘家》 -クリーチャー(2)- |
4 《剣を鍬に》 2 《終末》 1 《天使への願い》 4 《渦まく知識》 2 《思案》 2 《呪文貫き》 1 《対抗呪文》 4 《Force of Will》 2 《相殺》 4 《精神を刻む者、ジェイス》 1 《拘留の宝球》 4 《師範の占い独楽》 3 《飛行機械の鋳造所》 1 《弱者の剣》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(36)- |
2 《翻弄する魔道士》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《謙虚》 2 《終末》 1 《遍歴の騎士、エルズペス》 2 《水流破》 1 《相殺》 1 《ジェイス・ベレレン》 2 《墓掘りの檻》 2 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード(15)- |
《飛行機械の鋳造所》+《弱者の剣》のコンボを搭載した「UW Miracles/白青奇跡」。《石鍛冶の神秘家》は《弱者の剣》をサーチできるので《飛行機械の鋳造所》コンボも揃い易くなっています。
サイドには同系対策に追加のPW《遍歴の騎士、エルズペス》《ジェイス・ベレレン》が採用されています。コンボに対しても、《相殺》以外に《ヴェンディリオン三人衆》や《翻弄する魔道士》が採用されているので有利です。
1 《島》 1 《沼》 3 《Underground Sea》 1 《湿った墓》 2 《汚染された三角州》 3 《湿地の干潟》 3 《沸騰する小湖》 -土地(14)- 2 《コーリスの子》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 3 《グリセルブランド》 -クリーチャー(6)- |
4 《渦まく知識》 4 《入念な研究》 3 《思案》 2 《陰謀団式療法》 3 《思考囲い》 4 《暗黒の儀式》 4 《納墓》 2 《再活性》 4 《浅すぎる墓穴》 3 《御霊の復讐》 1 《苦悶の触手》 4 《水蓮の花びら》 2 《金属モックス》 -呪文(40)- |
2 《青霊破》 2 《蒸気の連鎖》 2 《精神壊しの罠》 3 《外科的摘出》 1 《強迫》 1 《死の印》 2 《虐殺》 2 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
SCGO Las Vegasで準優勝したコンボデッキはMOでも大活躍しているようです。準優勝者Jacob Koryのリストと異なり、デッキを掘り進む手段であり《グリセルブランド》を墓地に落とせる《入念な研究》が採用されています。その為《グリセルブランド》も3枚と元のリストよりも多目に採用されています。
総括
SCGO Las Vegasは「UWr Helm Peace/白青奇跡」の優勝で幕を閉じました。今回準優勝した《浅すぎる墓穴》を使った高速コンボデッキはMOの大会でも入賞している事から、今後の流行が予想できます。今後はこれまで以上に墓地対策が重要になると思います。
以上、SCGO Las Vegasの解説でした。
次回の記事ではSCGO IndianapolisとSCGO Washington, DCを解説します。Indianapolisには筆者もプレイヤーとして参加予定です。今から楽しみです。
それでは楽しいレガシーを!