ここまで5戦全勝、堂々の1番テーブルからフィーチャーエリアに呼ばれたのは、押しも押されぬ強豪、永井。
昨年のグランプリ名古屋でのトップ4入賞も記憶に新しいが、実は彼にはこのワールドマジックカップ予選に浅からぬ因縁があった。
昨年の東京大会では、決勝戦で熱戦の末に田中 陽に惜敗し、あと一歩というところで代表の座を逃したのだ。
それだけに、今年こそはという思いだろう。
そんな永井が駆るのはトリコロール。堅実派の永井らしいデッキ選択だ。
対する中道はPWCを中心に活動する草の根勢で、相棒には今では少し懐かしい感じを覚えるラクドスミッドレンジをチョイスしている。
だが、ジャンクリアニメイトとトリコロールがトップメタとなっているこの大会では、ラクドスミッドレンジはグランプリ名古屋以来の絶好機を迎えていると言っていいかもしれない。その意味で、中道の選択は慧眼だろう。
永井のリベンジを中道が阻むことができるか。
Game 1
ランダムデッキチェックが挟まるも両者ともに気勢を削がれることなく、先手の永井がワンマリガンでゲーム開始。
まずは中道の後手3ターン目に置かれた、《魂の洞窟》「ゾンビ」指定からの《ゲラルフの伝書使》が、このゲームの実質的なファーストアクションとなる。
一方永井は淡々と《熟慮》をフラッシュバックし、4枚目の土地である《蒸気孔》を2点払ってアンタップインしてターンエンド。これを中道は意に介さず《ゲラルフの伝書使》をレッドゾーンに送り出すと、永井は少考ののちスルー。エンド前に《修復の天使》が降臨する。
中道 大輔(東京)
だが、中道は2枚目の《魂の洞窟》を置き、「ドラゴン」指定から《雷口のヘルカイト》!!これぞラクドスミッドレンジというかのごとく、不可避の強烈なクロックを突きつける。
永井は2体目の《修復の天使》を出して《ゲラルフの伝書使》をブロックするが、既に残りライフは4。
グランプリ名古屋当時のトリコロールなら、この時点で挽回はほぼ不可能だっただろう。それほど圧倒的な攻勢だ。
しかし返すターン、永井は6枚目の土地を2点払ってアンタップイン。すなわち……
ゲートクラッシュがもたらした、トリコロールの新兵器。
《戦導者オレリア》で一挙18点!!
中道 0-1 永井
Game 2
後手土地1枚の手札をキープした永井だったが、2ターンのドローで土地を引けずディスカードになってしまう。それでも、3枚目のドローでどうにか土地を引き入れることに成功する。
一方、3ターン目に《吸血鬼の夜鷲》をプレイし、4ターン目には2体の《悪名の騎士》を並べて攻め立てる中道。賛美含みのコンバットは《灼熱の槍》で阻まれるが、続くターンに永井がメインに《熟慮》をプレイして土地を探しにいったことで、中道は妨害されることのない1ターンを得る。
すぐさま《雷口のヘルカイト》をプレイする……かと思いきや、まずは《至高の評決》ケアで《脳食願望》をプレイする中道。
しかし慎重さが裏目に出たか、公開された永井の手札は《アゾリウスの魔除け》《拘留の宝球》《ボーラスの占い師》2枚、《瞬唱の魔道士》《イゼットの静電術師》で残念ながらスカとなってしまう。
ん、《イゼットの静電術師》?
そう、あろうことか中道の盤面には、おあつらえむきに2体もの《悪名の騎士》がいるのだ。
絶望を見せつけられた中道は、それでも1ターン遅れの《雷口のヘルカイト》を出すが、予定調和気味に《イゼットの静電術師》が出てきて《悪名の騎士》がまとめて処理され、ドラゴンも5点を与えただけで返しにすぐさま《拘留の宝球》されてしまう。
永井 守(神奈川)
だが、完全にコントロールされた格好の中道だったが、《ゲラルフの伝書使》をトップデッキ。これは簡単に処理されてしまうものの、「不死」と合わせて永井のライフを残り7まで追い詰める。中道の手札には《灼熱の槍》。
そしてドローは2枚目の《灼熱の槍》!あと1点……!!
しかし永井も手札に《スフィンクスの啓示》を抱えており、猶予は少ない。
祈るように引きつけた中道のドローは……
……それはしかし、《竜髑髏の山頂》で。
完全に態勢を立て直した永井がX=3、続けてフラッシュバックでX=2で《スフィンクスの啓示》をプレイすると、ライフは遥か遠い圏外へ……
中道、あと1点届かず。
中道 0-2 永井