ヘッドジャッジインタビュー

晴れる屋

By Seo Asako


 今大会のヘッドジャッジである牧野 充典さんにお話をうかがいました。

――まず、自己紹介をお願いします。

牧野 「2月末に日韓の地域コーディネーターに就任しました、牧野です」

――地域コーディネーターというのはどういう人なんですか?

牧野 「超えらい人です(笑) 簡単に説明するなら、世界を20あまりの地域に分けて、その中で地域のジャッジや店舗とのやりとりを仕切る人とでも言えばいいでしょうか。地方から世界全体へのつながりを作ったり、ジャッジからウィザーズへ伝えたいことをまとめたり、ジャッジを必要としている地域やお店があればそこへジャッジを派遣したり、といったいろいろな役目があります」

――なるほど、ジャッジのためのお仕事をしているということですね。

牧野 「僕はジャッジというマジックの遊び方がすごく楽しいと言うことを知っているので、それをもっと広めたいんです」

――ジャッジの楽しみと言いますと?

牧野 「ジャッジとして大きなイベントを仕切る楽しみというのは、だいぶ一般的に知られていることだと思うので、今日はマイナーなところを説明します」

――ぜひお願いします。

牧野 「ヨーロッパにはいろいろな言語がありますが、ヨーロッパ圏の人がみんな英語を話せるわけではありません。一方アメリカにはヨーロッパの言葉をしゃべりたい人がいます。そこで、“ランゲージバディ(言葉の相棒)”というプロジェクトがジャッジの間で生まれました。これはすごく面白いので、今後日本にも輸入します」

――それはどういうものなんですか?

牧野 「日本語は外国の人にとって人気の高い言語です。そして日本人にとっても、英語がしゃべれたり外国に友達がいたらすごくかっこいいですよね。そこで、日本人と外国人のジャッジが、Skypeで会話するんです。そのとき、日本人はつたない英語で、外国人はつたない日本語で、無理やりしゃべるんです。どうしてもわからなかったらグーグル翻訳に頼って、無理やりにでも自分の言語は使わない。でも、マジックの話をするのでコミュニケーションは成立するんですよ。そうやって実地で言語を覚えていくんです」

――なるほど、マジックのジャッジという仕事を通じて国際人になれちゃうわけですね。

牧野 「はい、それもジャッジの楽しみのひとつです。これに限らず、ジャッジを楽しくやりたいという方は、ぜひ僕に連絡をください」
(牧野さんの連絡先は makino@icacup.com です)

――それでは、今回の大会ではヘッドジャッジという立場でしたが、ヘッドジャッジというのはどんな仕事ですか?

牧野 「ヘッドジャッジするにあたってもっとも大切にしているのは、フェアであることです。参加者が目標に向かうことに集中できる、つまりルール違反とか余計なことに邪魔されない、フェアな環境を作るのが仕事だと思っています。それには参加者の協力も必要なので、皆さんも何か気になることなどを見つけたらジャッジに伝えてください」

――わかりました。今回のイベントに関してはどうでしたか?

牧野 「今回は、皆さんがこちらからのお願いに前向きに協力してくださって、ジャッジングも効率よくできましたし、運営に協力していただいてスムーズに進行できましたね」

――そうですか。参考までに、今の環境で、よくジャッジを呼ばれる原因になるシチュエーションやカードはありますか?

牧野 「ショックランドや《高原の狩りの達人》でお互いの記録したライフがずれてジャッジを呼ぶ、というパターンがかなりありますね。《スラーグ牙》はちゃんと書くんですが、《狩りの達人》はトークンを出して終わってしまったりする。お互いにライフの増減はきちんと確認し合ってください」

――はい、気をつけます。それではどうもありがとうございました。