皆さんこんにちは。
GP北九州が今週末に開催されます。併催イベントの一つにレガシー選手権がありますが、皆さんは参加されますか?
残念な事にSCGOレガシーが2週間連続でお休みだったので、今回の記事ではいつものSCGOの入賞デッキ解説の代わりにSCG Invitational Qualifier Greenvilleの入賞デッキとMOのレガシーDaily Eventで入賞したデッキの紹介、そして筆者のお勧めのデッキの紹介をしていきたいと思います。
SCG Invitational Qualifier Greenville トップ8 デッキアーキタイプ
2013年7月28日
1位 Shardless BUG/続唱青黒緑
2位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
3位 The Epic Storm/むかつきストーム
4位 Reanimator/リアニメイト
5位 Goblins/ゴブリン
6位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
7位 UB Tezretter/テゼレッター
8位 Marverick/ 緑白アグロ
先月末に行われたSCG Invitational Qualifier。SCG Invitational QualifierはPTQのようにトップ8入賞者に特製プレイマットが与えられ、さらに優勝者には同年に行われるSCG Invitationalへの参加権が与えられます。
優勝はShardless BUGで、他の入賞デッキもコンボのThe Epic Storm、テンポデッキのRUG Delver、部族デッキのGoblins、中速デッキのMaverick等バラエティに富んだトップ8でした。
SCG Invitational Qualifier Greenville デッキ解説
「Shardless BUG」「Goblins」「Maverick」
4 《Underground Sea》 2 《Tropical Island》 2 《Bayou》 4 《霧深い雨林》 4 《新緑の地下墓地》 2 《汚染された三角州》 2 《忍び寄るタール坑》 2 《不毛の大地》 -土地(22)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《タルモゴイフ》 2 《悪意の大梟》 4 《断片無き工作員》 -クリーチャー(14)- |
4 《祖先の幻視》 4 《渦まく知識》 3 《Force of Will》 2 《思考囲い》 2 《Hymn to Tourach》 4 《突然の衰微》 1 《大渦の脈動》 1 《ヴェールのリリアナ》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(24)- |
2 《思考囲い》 2 《ゴルガリの魔除け》 2 《虚無の呪文爆弾》 2 《悪意の大梟》 1 《外科的摘出》 1 《Hymn to Tourach》 1 《大渦の脈動》 1 《精神壊しの罠》 1 《梅澤の十手》 1 《ヴェールのリリアナ》 1 《情け知らずのガラク》 -サイドボード(15)- |
Starcityのプレミア記事のライターをしているアメリカのプロプレイヤー・Gerry ThompsonもSCG Invitationalで使用していたShardless BUG。《断片無き工作員》のCascadeや各種PWでアドバンテージを稼いで《タルモゴイフ》や《精神を刻む者、ジェイス》で勝利を目指すデッキです。
今回優勝したZachary Wilsonはサイドに追加のPWに《情け知らずのガラク》を採用しています。4マナと重いものの毎ターントークンを生み出し、《死儀礼のシャーマン》等厄介な小型クリーチャーを除去する能力もあるので同系やDeathblade戦で活躍が期待できそうです。《梅澤の十手》もこのデッキが苦手とする部族デッキ相手に有効です。
5 《山》 1 《Plateau》 4 《沸騰する小湖》 3 《乾燥台地》 4 《魂の洞窟》 4 《不毛の大地》 -土地(21)- 4 《ゴブリンの従僕》 1 《スカークの探鉱者》 1 《軍勢の忠節者》 3 《ゴブリンの群衆追い》 2 《モグの戦争司令官》 2 《棘鞭使い》 4 《ゴブリンの女看守》 4 《ゴブリンの戦長》 4 《宝石の手の焼却者》 1 《ゴブリンの酋長》 1 《ゴブリンの名手》 4 《ゴブリンの首謀者》 1 《タクタクの潰し屋》 1 《群衆の親分、クレンコ》 2 《包囲攻撃の司令官》 -クリーチャー(35)- |
4 《霊気の薬瓶》 -呪文(4)- |
3 《紅蓮操作》 3 《スレイベンの守護者、サリア》 2 《摩耗+損耗》 2 《赤霊破》 2 《トーモッドの墓所》 2 《虚空の杯》 1 《絶望の天使》 -サイドボード(15)- |
レガシーが出来たばかりの頃から存在する、部族デッキの代表格Goblins。
《軍勢の忠節者》は面白い試みです。《ゴブリンの群衆追い》との組み合わせは強力で相手にチャンプブロックで時間を稼ぐ猶予すら与えません。
メインは赤単色のGoblinsですがサイドにはコンボ対策に《スレイベンの守護者、サリア》が採られています。《虚空の杯》はコンボ対策だけでなく、《敏捷なマングース》《稲妻》《渦まく知識》など1マナ呪文を多数採用しているRUG Delverにも効きます。
1 《森》 1 《平地》 2 《Savannah》 1 《Bayou》 1 《Scrubland》 1 《ドライアドの東屋》 4 《吹きさらしの荒野》 2 《新緑の地下墓地》 1 《魂の洞窟》 1 《地平線の梢》 1 《Karakas》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 4 《不毛の大地》 1 《Maze of Ith》 -土地(22)- 3 《ルーンの母》 3 《死儀礼のシャーマン》 2 《貴族の教主》 1 《森を護る者》 3 《スレイベンの守護者、サリア》 2 《石鍛冶の神秘家》 1 《漁る軟泥》 1 《スクリブのレインジャー》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 4 《聖遺の騎士》 2 《エイヴンの思考検閲者》 1 《調和スリヴァー》 1 《最後のトロール、スラーン》 -クリーチャー(26)- |
4 《剣を鍬に》 4 《緑の太陽の頂点》 1 《森の知恵》 1 《情け知らずのガラク》 1 《梅澤の十手》 1 《饗宴と飢餓の剣》 -呪文(12)- |
2 《コジレックの審問》 2 《窒息》 2 《忘却の輪》 1 《輪作》 1 《壌土からの生命》 1 《未練ある魂》 1 《情け知らずのガラク》 1 《殴打頭蓋》 1 《漁る軟泥》 1 《スレイベンの守護者、サリア》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《ボジューカの沼》 -サイドボード(15)- |
《漁る軟泥》や《スレイベンの守護者、サリア》、《ガドック・ティーグ》といった環境の優秀な緑と白のクリーチャーで相手の行動を妨害しつつビートダウンしていく中速デッキです。
今回入賞したRobert Temenakのリストはメインから除去耐性の高い《最後のトロール、スラーン》を採用しています。メインに採用されている装備品との相性も抜群で、特に《饗宴と飢餓の剣》を付ければShardless BUG等の中速デッキを圧倒する事ができます。
サイドは装備品と相性の良い《未練ある魂》や追加の装備品の《殴打頭蓋》、追加のPWの《情け知らずのガラク》、ハンデスの《コジレックの審問》、そして青対策の《窒息》等非常に多様な構成です。
レガシーDaily Event 入賞デッキ解説
「Depths Reanimator」「4Color Delver」「Maverick」
13 《沼》 3 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 1 《死の溜まる地、死蔵》 1 《烏羅未の墳墓》 4 《暗黒の深部》 -土地(22)- 4 《吸血鬼の呪詛術士》 1 《鷺群れのシガルダ》 1 《グリセルブランド》 1 《エメリアの盾、イオナ》 -クリーチャー(7)- |
4 《暗黒の儀式》 4 《納墓》 3 《大霊堂の戦利品》 4 《思考囲い》 3 《再活性》 4 《死体発掘》 4 《女王への懇願》 4 《水蓮の花びら》 1 《真髄の針》 -呪文(31)- |
4 《精神壊しの罠》 4 《虚空の力線》 3 《Chains of Mephistopheles》 1 《消耗の儀式》 1 《真髄の針》 1 《Helm of Obedience》 1 《Karakas》 -サイドボード(15)- |
《暗黒の深部》+《吸血鬼の呪詛術士》のコンボを搭載した、ハイブリッド型のReanimator。リアニメイト対象も定番の《グリセルブランド》は勿論の事、Omni-tell等のデッキを完封する《エメリアの盾、イオナ》、レガシーではあまり見かけないものの相手の《ヴェールのリリアナ》の-2能力から自軍のクリーチャーを護る《鷺群れのシガルダ》と多彩です。
サーチスペルも、定番の《納墓》に加え《女王への懇願》、《大霊堂の戦利品》と多目に積んでいます。《死儀礼のシャーマン》等を対策する為に《真髄の針》もメインに採用されています。
サイドには《暗黒の深部》のコンボと相性の良い《消耗の儀式》が採用されています。《Chains of Mephistopheles》はリアルではカードの値段と入手の困難さからあまり見かけませんが、《渦まく知識》《精神を刻む者、ジェイス》等を使用するデッキへの対策に使えます。また、サイドには《Helm of Obedience》+《虚空の力線》のコンボも搭載されています。
2 《Tropical Island》 2 《Underground Sea》 2 《Volcanic Island》 4 《霧深い雨林》 4 《沸騰する小湖》 4 《不毛の大地》 -土地(18)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《死儀礼のシャーマン》 3 《敏捷なマングース》 2 《タルモゴイフ》 -クリーチャー(13)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《もみ消し》 4 《目くらまし》 3 《呪文嵌め》 4 《Force of Will》 4 《稲妻》 2 《突然の衰微》 -呪文(29)- |
4 《水没》 3 《外科的摘出》 3 《呪文貫き》 2 《Fire Covenant》 1 《狼狽の嵐》 1 《赤霊破》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 -サイドボード(15)- |
RUG Delverに黒を足したバージョン。ジャーマンスレッショルドとも呼ばれています。黒を足す事により《突然の衰微》にアクセスが可能になり、相手の《タルモゴイフ》の処理が楽になりました。4色デッキで土地が18枚という欲張りな構成も《死儀礼のシャーマン》の存在が可能にします。
サイドには珍しいカードの《Fire Covenant》が採用されています。ペイライフが痛い事もありますが上手く使えばアドバンテージを取れます。部族デッキなど小型のクリーチャーを並べてくるデッキに対して有効そうです。
1 《島》 1 《山》 4 《Volcanic Island》 4 《沸騰する小湖》 4 《汚染された三角州》 4 《不毛の大地》 -土地(18)- 4 《秘密を掘り下げる者》 2 《渋面の溶岩使い》 4 《瞬唱の魔道士》 4 《若き紅蓮術士》 -クリーチャー(14)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《渦まく知識》 2 《思案》 4 《もみ消し》 2 《呪文貫き》 4 《目くらまし》 3 《Force of Will》 4 《稲妻》 1 《四肢切断》 -呪文(28)- |
4 《水没》 3 《外科的摘出》 3 《赤霊破》 2 《はらわた撃ち》 2 《狼狽の嵐》 1 《Force of Will》 -サイドボード(15)- |
Starcityのプレミア記事のライターでアメリカのプロプレイヤー・Todd AndersonもMOレガシーのDaily Eventで調整していたようです。M14の新カード《若き紅蓮術士》を軸にした青赤のテンポデッキです。
デッキの動きはRUG Delver等と同様に《秘密を掘り下げる者》等軽いクロックを展開しつつ《もみ消し》や《不毛の大地》で相手の展開を妨害していきます。《若き紅蓮術士》とデッキに多数搭載されている軽いスペルを利用してトークンを並べることが可能で、《精神を刻む者、ジェイス》や《ヴェールのリリアナ》を使用する他の青いデッキに対してもリードを保つ事ができます。既に使用済みのカードも、メインに4枚採られている《瞬唱の魔道士》で再利用してアドバンテージを得たり《渋面の溶岩使い》の燃料として使用する事ができます。
《渋面の溶岩使い》は《死儀礼のシャーマン》等環境に溢れる厄介な小型クリーチャーを除去したり、《タルモゴイフ》のサイズをダウンさせたり、相手のPWの忠誠度を削ったりと多方面で活躍します。上記の理由から相手もこのカードに除去を積極的に使ってくる事が予想されるので結果このデッキのキーカードである《若き紅蓮術士》が生き残り易くなります。
筆者のお勧めデッキ
最後におまけとして、レガシーの大会に参加する際のお勧めデッキを紹介します。
4 《Tundra》 3 《Volcanic Island》 4 《霧深い雨林》 4 《沸騰する小湖》 4 《不毛の大地》 -土地(19)- 4 《秘密を掘り下げる者》 2 《渋面の溶岩使い》 3 《石鍛冶の神秘家》 2 《聖トラフトの霊》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(12)- |
4 《渦まく知識》 3 《思案》 4 《もみ消し》 2 《呪文貫き》 4 《目くらまし》 3 《Force of Will》 4 《稲妻》 3 《剣を鍬に》 1 《梅澤の十手》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(29)- |
2 《狼狽の嵐》 2 《赤霊破》 2 《翻弄する魔道士》 1 《外科的摘出》 1 《剣を鍬に》 1 《摩耗+損耗》 1 《水没》 1 《Force of Will》 1 《安らかなる眠り》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《大祖始の遺産》 1 《饗宴と飢餓の剣》 -サイドボード(15)- |
以前も紹介したUWR Delverです。デッキをチューニングしたErik SmithはSCG Invitational Somersetのレガシー部門を7-0-1でプレイオフに進み、このデッキをシェアされたGerard FabianoはInvitationalと併催されSCGOレガシー史上最多の参加者を出したSCGO Somersetでプレイオフも含めて12-0-1で優勝という驚異的な成績を残しました。
《Force of Will》、《呪文貫き》《目くらまし》等メインに多数のカウンターを搭載しており《秘密を掘り下げる者》を筆頭とした軽い優秀なクロックがあるのでコンボに対して有利です。また、環境に多く存在する多色の中速デッキに対しても《不毛の大地》と《もみ消し》によるマナ否定戦略を駆使する事で互角以上に戦うことができます。
対処の困難な《聖トラフトの霊》を使用できる点、レガシー最上級の除去である《剣を鍬に》と《稲妻》を両方使用できる点もこのデッキの魅力です。特に《稲妻》は環境に多く存在する《死儀礼のシャーマン》、《石鍛冶の神秘家》、《秘密を掘り下げる者》等を除去し火力スペルなので本体に当てる事も可能で中盤以降はPW対策になり、エンドカードにもなる優秀なスペルです。
《石鍛冶の神秘家》パッケージはテンポデッキにとって難しい中盤以降のゲームで活躍します。《秘密を掘り下げる者》テンポデッキとStonebladeの二つの異なる戦略がハイブリットされている為、相手としては対策が困難です。サイド後も《クローサの掌握》《古えの遺恨》といったStonebladeに有効な対策も《秘密を掘り下げる者》や《聖トラフトの霊》に対しては死にカードになります。しかし、使用者にも状況に応じた臨機応変な対応が求められるデッキでもあるので、このデッキを持ち込む際は充分な練習をすることをお勧めします。
このデッキを回していて気がついた点を挙げておきます。
それは、普通のテンポデッキと異なりマナを多く必要とする《石鍛冶の神秘家》パッケージを採用しているにも拘らず、デッキの土地の総数が僅か19枚である点です。デッキの土地全てがフェッチランドと特殊地形なので、相手に《不毛の大地》で壊される事も考えると少なくともあと1枚は土地が欲しいところです。
今回挙げたリストには《聖トラフトの霊》と相性が良い《Karakas》が採用されていないので、20枚目の土地としてメインに追加しても良さそうです。このデッキにとって厄介な伝説のクリーチャーである《スレイベンの守護者、サリア》対策にもなるので、できればサイドにも1枚追加で採用したいところです。
総括
SCG Invitational Qualifier Greenvilleの結果を見る限り、《死儀礼のシャーマン》を使った青い中速デッキはDeathbladeよりもShardless BUGの方が人気があるようです。トップ8の入賞デッキをアーキタイプ毎に見てみると、中速デッキ、部族デッキ、コンボと揃っておりレガシーらしい結果でした。
また、新カードの《若き紅蓮術士》が今後《石鍛冶の神秘家》や《瞬唱の魔道士》のようなレガシーを代表する強力な2マナクリーチャーとして活躍するのかも興味深いところです。
以上、SCG Invitational Qualifier GreenvilleとMOのレガシーDaily Eventの入賞デッキの解説でした。次回の記事ではSCGO BaltimoreとCincinnatiの解説を予定しています。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいレガシーを!