【スタンダード】Round 1: 渡辺 雄也(神奈川) vs. 檜垣 元秀(東京)

晴れる屋

By Kazuya Hirabayashi

昨日開催されたレガシー杯の人数を上回る、定員いっぱい300人が集まったこのスタンダード杯。その一回戦フィーチャーマッチに選ばれたのは、こういう時の定番中の定番、というぐらいにはフィーチャーされ続けてきた渡辺雄也。

しかし渡辺のデッキが妙に分厚い……?
これは、完全に、バベルですありがとうございました。


243枚のあずにゃんスリーブを楽しそうにシャッフルする渡辺。243枚のあずにゃんスリーブを積み上げる渡辺。プロツアーで活躍する渡辺とは違った面が見られることもまた、こういうトーナメントの醍醐味と言えるだろう。


Game 1

さてどんな手札になるかも楽しみなバベル、渡辺の手札を追ってゲームを見ていこう。

渡辺の初手:《平地》《アゾリウスのギルド門》《アゾリウスの魔除け》《捨て身の狂乱》《対抗変転》《終末》《思考を築く者、ジェイス》

まずはマナベースの確立、次いで多数のドロースペルから長期的なゲームを望む渡辺だが、実際のゲーム展開はそうならなかった。

先手の檜垣が《寺院の庭》アンタップイン《林間隠れの斥候》プレイ、続けて《氷河の城砦》セットからの《復活の声》。どう見ても呪禁バントである。

現状オーラは登場していないが、1ターン目から立て続けに呼び出されるクリーチャー、しかも《復活の声》付き。インスタントアクションがメインの渡辺には制約が多いことこの上ない状態だ。

これには《拘留の宝球》を引き込むことで対応の目処を立てるのだが、そこから続いた《聖トラフトの霊》がきつかった。

返しで渡辺が《拘留の宝球》《復活の声》を処理している間に《ひるまぬ勇気》装着、何もなければ5ターンキルの構え。こうなると未来の見えない渡辺は《終末》がプレイできるマナ域まで辿り着かなければならない。

何もなければ《アゾリウスの魔除け》で天使トークンを対象にすることで1ターンが稼げる算段だが、檜垣の《怨恨》プレイで万事休す。

最後は《終末》奇跡を願うだけだが、200枚以上のライブラリーにそんな思いが届くわけも無かった。

渡辺 0-1 檜垣


Game 2

渡辺の初手:2《島》3《山》《スフィンクスの啓示》《ボーラスの占い師》

二本目は渡辺の《ボーラスの占い師》から開始された。公開されたカードは《中略》、ファーストドローの《対抗変転》と合わせて、時間を稼いでからの《スフィンクスの啓示》という青写真が描ける手格好だ。

先程のゲームは攻めまくる檜垣に追いつけないまま終わってしまったわけだが、テイクマリガン&2ターン目《不可視の忍び寄り》スタートということもあってイメージ通りのゲームが出来る運びとなった。

《天上の鎧》は通し、《幽体の飛行》《中略》。続けての《幽体の飛行》《雲散霧消》してクロックを抑える。

追加された《不可視の忍び寄り》二体目ごと《ミジウムの迫撃砲》超過で吹き飛ばし、《捨て身の狂乱》《予言》《紅蓮の達人チャンドラ》とドロースペルを連発するのだがここで一つの誤算が。

クロックは抑えているし、マナは伸びている。フィニッシャーはいずれ引いてくればいい。そのための手段である《スフィンクスの啓示》を持っているのにそれがプレイできない!バベルである以上引きむらは付き物だが、ここまでドローを連発してもどうしても手に入らない白マナ発生源。




一方呪禁バントの檜垣はどちらにせよクロックを展開していくしかない。《ミジウムの迫撃砲》超過の返しで都合三枚目となる《不可視の忍び寄り》を召喚し、そのまま《天上の鎧》を装着。手札を空にしながら《怨恨》とオールインし続ける。

《怨恨》はさすがに《対抗変転》した渡辺だが、 続けてトップデッキから叩き付けられた《ひるまぬ勇気》には対応策が無い。何しろ全体除去を使おうにも肝心の白マナが無いし、《ミジウムの迫撃砲》の圏内からももはや逃れてしまった。

《紅蓮の達人チャンドラ》《終末》をめくってみても何が起こるわけでも無く。

渡辺 0-2 檜垣