ここまで2連勝と順調なスタートを切り、3回戦目にフィーチャーテーブルに呼ばれたのは、ご存知『スタンダードの貴族』相澤。デッキはトリコロールを好んでいたイメージだが、環境的に逆風すぎてジャンドに乗り換えたとのこと。
対するはこちらも強キャラ、Finalsチャンプ岡田。《ルーン唱えの長槍》の強さを表舞台に見せつけた立役者として知られる彼だが、それだけでなく、実はかなりのオリジナルデッキビルダーである。今日もぱっと見は普通の赤白黒のミッドレンジだが、《ファルケンラスの貴種》は採用されておらず、『岡田スペシャル』としか言いようがない独特なチューンが色々施されているようだ。
スタンダードには一家言ある強豪2人が、火花を散らす。
Game 1
例によって相澤愛用の奇怪な形状のダイスにより後手となった相澤が、《漸増爆弾》の返しでジャンド最強のムーヴ《遥か見》をプレイ。戦場に嵐の舞台を作り上げていく。
対して岡田はエンド前にカウンターを載せず。《高原の狩りの達人》を見据えた好プレイだ。
ここで相澤は岡田の読み通りの3ターン目《高原の狩りの達人》。これは変身→《漸増爆弾》でトークンごと処理されるが、続けて《原初の狩人、ガラク》。ドローエンジンにもなるこのカードを放置できない岡田、《戦慄掘り》をしっかりと合わせる。
すると、2枚の脅威を立て続けに捌かれたこのタイミングで次なる脅威を展開できない相澤。《ケッシグの狼の地》を3/3トークンに起動して6点を入れるものの、手詰まり感が否めない。
それとは対照的に《オリヴィア・ヴォルダーレン》《冒涜の悪魔》《生命散らしのゾンビ》《幽霊議員オブゼダート》と高カロリーな手札の岡田。まずは《幽霊議員オブゼダート》、続くターンに《冒涜の悪魔》とキャストし、《処刑者の要塞》で速攻を持たせて短期決戦を目論む。
かたや相澤も、3/3トークンを《冒涜の悪魔》に捧げると《悲劇的な過ち》で《幽霊議員オブゼダート》を処理すると、自分のメインに《戦慄掘り》で《冒涜の悪魔》をも除去。綺麗に盤面をイーブンに戻しにいく。
だが、相澤の抵抗はそこまでだった。
続く《生命散らしのゾンビ》で明らかになった相澤の手札は、《破滅の刃》と土地。挙句の果てに、ダメ押しの《オリヴィア・ヴォルダーレン》も着地してしまう。
『ジャンドあるある』なマナフラッドに陥ってしまった相澤は、横に広く並んだ土地を丁寧に片付けた。
相澤 0-1 岡田
Game 2
相澤が2ターン目の《漁る軟泥》で口火を切ると、対して岡田がトーナメントシーンではあまり見かけない《とげの道化》(!)で激しく攻め立てる。
しかしそこは『貴族』相澤、落ち着いた所作で続く岡田の《ボロスの反攻者》を《化膿/Putrefy(RAV)》すると、《紅蓮の達人チャンドラ》で《とげの道化》を爪弾き、除去単であるジャンドの本領を見せる。
一方、土地が3枚で止まってしまった岡田。仕方なく《ボロスの反攻者》の2体目を出すが、プレインズウォーカーが生み出すアドバンテージに対してテンポが追いつかない。相澤が0能力を起動すると、更なるアドバンテージを生み出す《高原の狩りの達人》がめくれ、4マナを払ってそのまま戦場に降臨する。
岡田も何とか《戦慄掘り》で《紅蓮の達人チャンドラ》だけは処理するものの。
返すターンに相澤の《戦慄掘り》で唯一のブロッカーだった《ボロスの反攻者》があっさり処理されてしまうと、マナトラブルを抱えていた岡田は引き際よく次のゲームに移ることを決断した。
相澤 1-1 岡田
相澤 「《紅蓮の達人チャンドラ》の0能力って何だか《血編み髪のエルフ》に似てない?値段上がりそうだよね。そっちのデッキにも入りそう」
岡田 「僕も試したんですけど、負けてる盤面で弱いので、このデッキだと《イニストラードの君主、ソリン》の方が良いんですよね」
相澤 「ソリン入ってるんだ!よし、情報を引き出したぞ(笑)」
Game 3
色マナに不安はない土地2枚に、
《テューンの戦僧》
《漸増爆弾》
《幽霊議員オブゼダート》
《ラクドスの復活》
《ラクドスの復活》
と、かなり重めの手札を覚悟を決めてキープした岡田。ファーストドローの《強迫》で、
《沼》
《突然の衰微》
《悲劇的な過ち》
《悲劇的な過ち》
《ラクドスの魔鍵》
《紅蓮の達人チャンドラ》
《スラーグ牙》
という相澤の手札からプレインズウォーカーを叩き落す。
しかし、続くターンにも3枚目の土地が引けない岡田。仕方なく《漸増爆弾》を置いてエンドするが、相澤に3枚目の土地をしっかり引き込まれて《ラクドスの魔鍵》を設置されてしまうと、今度はカウンターを載せざるをえないが、その隙に相澤に《高原の狩りの達人》をトップからキャストされ、どうにもちぐはぐな感じが否めない。
さらに「そろそろ引いてよー」とぼやきながらの次のドローも、このタイミングで何らゲームに貢献しそうにない《とげの道化》。
対し相澤は《遥か見》でついに5マナに到達。ひとまず《漸増爆弾》を《突然の衰微》し、《ラクドスの魔鍵》を守ってマナ差を磐石なものとする。
悲壮感が漂ってきた岡田、ドローはあろうことか3枚目の《ラクドスの復活》で、思わず苦笑い。
結局、相澤の《高原の狩りの達人》にそのまま殴り殺されてしまったのだった。
相澤 2-1 岡田