皆さんこんにちは。
12月21日にはGP静岡14がありますが、皆さんは参加されますか?
さて、今回の記事ではStarCityGames.com Open Series(SCGO) Providence, GP Albuquerque, そしてGP Viennaの解説をしていきたいと思います。
まずはSCGO Providenceから見ていきましょう。
SCGO Providence トップ8 デッキアーキタイプ
2013年11月24日
1位 Jund/黒赤緑ビッグマナ
2位 WR Aggro/白単ビートダウン
3位 Mono Blue Devotion/信心青単
4位 Mono Blue Devotion/信心青単
5位 RW Aggro/赤単
6位 Mono Blue Devotion/信心青単
7位 GB Aggro/黒緑ビートダウン
8位 Mono Blue Devotion/信心青単
Mono Blue Devotionがトップ8の半分を占める中で優勝したのは、プロツアー・闇の隆盛でもトップ8に入賞していた強豪プレイヤー、Matthew Costaの操るJundでした。
SCGO Providence デッキ解説
「Jund」「RW Aggro」
5 《沼》 3 《森》 1 《山》 4 《血の墓所》 4 《草むした墓》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《奔放の神殿》 -土地(25)- 4 《森の女人像》 3 《漁る軟泥》 3 《荒野の収穫者》 2 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 4 《嵐の息吹のドラゴン》 -クリーチャー(16)- |
3 《思考囲い》 4 《突然の衰微》 2 《ラクドスの復活》 1 《ミジウムの迫撃砲》 4 《英雄の破滅》 3 《骨読み》 2 《神々の憤怒》 -呪文(19)- |
2 《霧裂きのハイドラ》 2 《強迫》 2 《破滅の刃》 2 《ゴルガリの魔除け》 2 《神々の憤怒》 2 《地下世界の人脈》 1 《狂気の種父》 1 《思考囲い》 1 《ラクドスの復活》 -サイドボード(15)- |
今大会のデッキテクとしても紹介されています。
現在のスタンダード向けに調整されたJund Midrange。フィニッシャーや除去を各3色から採用したグットスタッフのようです。《世界を喰らう者、ポルクラノス》は《波使い》対策になり、《荒野の収穫者》は《ミジウムの迫撃砲》《破滅の刃》《究極の価格》といった現在の環境で広く使われている除去では落ちないクリーチャーで、《嵐の息吹のドラゴン》は黒い除去スペルには弱いものの『速攻』持ちで奇襲性があります。
《森の女人像》は前環境の定番ランプスペルの《遥か見》と比べてクリーチャーなのでスイーパーに巻き込まれやすく、《神々の憤怒》との相性の悪さが気になりますが、タフネス3は速攻デッキの多くのクリーチャーを止められます。必然的に相手もクロックを稼ぐためにクリーチャーを並べる事になるので、《神々の憤怒》や『超過』キャストの《ミジウムの迫撃砲》でアドバンテージを取りやすくなります。《地下世界の人脈》や《拘留の宝球》など、現環境では3マナ以下のエンチャントを多く目にするので、《突然の衰微》は優秀な除去です。《ラクドスの復活》は他の中速デッキやコントロールに対して高い効果が望めます。《骨読み》は状況に応じたカードを調達するのを手助けするとともに、中盤以降のマナフラッドを緩和します。
除去を多く採っているので、クリーチャーを並べる各種『信心』デッキに対して有利がつきます。その分Esper Control等のコントロールに対しては除去カードが無駄になりやすく、メインでは苦戦しそうです。そのため、サイドには追加のアドバンテージ獲得手段の《地下世界の人脈》、対処されにくい《霧裂きのハイドラ》、ハンデスの《強迫》等、コントロール対策を多く採用しています。最近はあまり見ませんが、《狂気の種父》もコントロールにとって致命的なカードです。
10 《山》 4 《聖なる鋳造所》 4 《凱旋の神殿》 1 《ボロスのギルド門》 4 《変わり谷》 -土地(23)- 4 《ラクドスの哄笑者》 4 《火飲みのサテュロス》 4 《流血の家の鎖歩き》 4 《炎樹族の使者》 4 《チャンドラのフェニックス》 1 《瓦礫帯のマーカ》 -クリーチャー(21)- |
4 《ショック》 4 《稲妻の一撃》 2 《ミジウムの迫撃砲》 4 《岩への繋ぎ止め》 2 《紅蓮の達人チャンドラ》 -呪文(16)- |
4 《ボロスの反攻者》 3 《ボロスの魔除け》 3 《峰の噴火》 3 《神々の憤怒》 2 《ミジウムの迫撃砲》 -サイドボード(15)- |
赤単に白を足した型です。《火飲みのサテュロス》等の1マナクリーチャーが多く採られており《チャンドラのフェニックス》が《ボロスの反攻者》よりも優先されて採用されているなど、速攻で相手のライフを削ることを重視しています。赤単にとっては悩みの種だった《波使い》も、白を足すことで《岩への繋ぎ止め》で対処することが可能になりました。
サイドには《ボロスの反攻者》や《神々の憤怒》など、他のアグロデッキ対策を多く搭載しています。また白を足したもう一つのメリットとして、追加の火力スペルでありながら相手の除去からクリーチャーを護ることができる《ボロスの魔除け》にアクセスできることがあります。
GP Albuquerque トップ8 デッキアーキタイプ
2013年11月24日
1位 Mono Black Devotion/黒単
2位 Mono Blue Devotion/信心青単
3位 Mono Black Devotion/黒単
4位 Mono Blue Devotion/信心青単
5位 Mono Blue Devotion/信心青単
6位 Mono Black Devotion/黒単
7位 Naya Midrange/白赤緑ビートダウン
8位 Mono Black Devotion/黒単
SCGO Providenceと同週末に行われたGP Albuquerqueでは見事に『信心』祭りでした。SCGO Providenceでもトップ8の半分を占める活躍を見せていたMono Blue Devotionは、ここでもトップ8に3名送り込む活躍を見せています。そんな中優勝したのは、今大会のトップ8の半分を占めていたMono Black Devotionでした。
GP Albuquerque デッキ解説
「Mono Black Devotion」「Mono Blue Devotion」
19 《沼》 3 《欺瞞の神殿》 4 《変わり谷》 -土地(26)- 4 《群れネズミ》 4 《夜帷の死霊》 4 《冒涜の悪魔》 1 《死者の神、エレボス》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(17)- |
4 《思考囲い》 2 《肉貪り》 2 《究極の価格》 1 《破滅の刃》 4 《英雄の破滅》 4 《地下世界の人脈》 -呪文(17)- |
3 《生命散らしのゾンビ》 3 《闇の裏切り》 3 《強迫》 3 《ファリカの療法》 1 《死者の神、エレボス》 1 《破滅の刃》 1 《減縮》 -サイドボード(15)- |
19 《沼》 2 《欺瞞の神殿》 4 《変わり谷》 1 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地(26)- 2 《群れネズミ》 4 《夜帷の死霊》 4 《冒涜の悪魔》 1 《死者の神、エレボス》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(15)- |
4 《思考囲い》 3 《破滅の刃》 2 《肉貪り》 4 《英雄の破滅》 1 《究極の価格》 4 《地下世界の人脈》 1 《エレボスの鞭》 -呪文(19)- |
3 《生命散らしのゾンビ》 3 《強迫》 3 《減縮》 2 《群れネズミ》 1 《死者の神、エレボス》 1 《闇の裏切り》 1 《肉貪り》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
今大会の優勝でGP Washington DCから2週連続優勝と絶好調のアメリカのプロプレイヤー、Owen TurtenwaldはMono Black Devotionを持ち込みました。同様のデッキで入賞していたTodd Andersonのリストと比較すると、細かいところで違いが見られます。
Owenのリストには《群れネズミ》がメインに4枚採用されています。同系対決において重要なカードであり、また現環境のトップメタであるMono Blue Devotionも青単色であるためクリーチャー除去は《急速混成》のみなので、容易に場を支配することが可能です。《思考囲い》から《群れネズミ》の流れはこのデッキにとって最も強い動きの一つです。また、Owenは《ニクスの祭殿、ニクソス》の代わりに追加の占術ランドである《欺瞞の神殿》を採っています。他のバージョンより少しでも《夜帷の死霊》等をキャストしやすくするため、安定して黒マナを出せるように調整したようです。
両プレイヤーともに速攻デッキを意識していたようで、小型クリーチャーをまとめて除去できる《減縮》がサイドに積まれています。同カードは特に白ウィニーに対して有効で、マイナス補正なので《ボロスの魔除け》で弾かれる心配もありません。一時凌ぎではありますが《軍勢の集結》のトークン対策にもなります。《ファリカの療法》も赤単などの小型クリーチャーを展開してくるデッキに有効な除去で、ライフゲインもライフを支払うことが多いこのデッキでは重要です。
20 《島》 4 《変わり谷》 1 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地(25)- 4 《雲ヒレの猛禽》 4 《審判官の使い魔》 4 《潮縛りの魔道士》 4 《凍結燃焼の奇魔》 4 《海の神、タッサ》 4 《夜帷の死霊》 4 《波使い》 -クリーチャー(28)- |
1 《急速混成》 2 《サイクロンの裂け目》 2 《タッサの二叉槍》 2 《思考を築く者、ジェイス》 -呪文(7)- |
4 《反論》 2 《急速混成》 2 《思考を築く者、ジェイス》 2 《記憶の熟達者、ジェイス》 1 《払拭》 1 《否認》 1 《サイクロンの裂け目》 1 《解消》 1 《タッサの二叉槍》 -サイドボード(15)- |
20 《島》 4 《変わり谷》 -土地(24)- 4 《雲ヒレの猛禽》 4 《審判官の使い魔》 4 《潮縛りの魔道士》 4 《凍結燃焼の奇魔》 4 《海の神、タッサ》 4 《夜帷の死霊》 4 《波使い》 -クリーチャー(28)- |
2 《サイクロンの裂け目》 2 《解消》 2 《タッサの二叉槍》 2 《思考を築く者、ジェイス》 -呪文(8)- |
3 《急速混成》 3 《反論》 3 《家畜化》 2 《思考を築く者、ジェイス》 1 《否認》 1 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -サイドボード(15)- |
Sam Blackはプロツアー・テーロスとGP Louisvilleでも同デッキで入賞しています。《タッサの二叉槍》はこのデッキの小粒のクリーチャーをマスト除去の脅威へと変えてくれます。《変わり谷》との組み合わせはコントロールに対して特に有効です。サイドに採られている《記憶の熟達者、ジェイス》はコントロールに対して異なる軸から攻めることを可能にさせます。《霊異種》よりマナコスト的にプレイしやすいのも魅力です。
今回4位に入賞したValentin Macklのリストは《解消》がメインに採用されています。メインからカウンターを積んでいるMono Blue Devotionは少なく、相手にとっても想定外だったことが予想されます。サイドには同系対策になる《家畜化》が3枚と多めに採用されています。相手の《夜帷の死霊》を奪うことで青への『信心』を一気に5まで増加させることが可能で、また《波使い》を奪えば相手のエレメンタルトークンを一掃することができます。また、こちらが《海の神、タッサ》をコントロールしている際に相手の《海の神、タッサ》を奪って、レジェンドルールによって奪った相手の《海の神、タッサ》の方をサクリファイスするといったこともできます。
GP Vienna トップ8 デッキアーキタイプ
2013年12月1日
1位 Mono Blue Devotion/信心青単
2位 Esper Control/白青黒コントロール
3位 WR Aggro/白単ビートダウン
4位 Mono Blue Devotion/信心青単
5位 UW Control/白青コントロール
6位 RW Devotion/赤単
7位 RW Devotion/赤単
8位 Mono Blue Devotion/信心青単
先週のGP AlbuquerqueとSCGO Providenceでも多くの入賞者を出したMono Blue Devotionは、今大会でも優勝者を含めて3名のトップ8入賞者を出しました。改めてMono Blue Devotionの強さを確認させられた週末でした。一方、GP Albuquerqueで優勝しトップ8の半分を占めるパフォーマンスを見せたMono Black Devotionは今回のトップ8では不在で、代わりにGP Albuquerqueの上位では少数だったEsper ControlやRW Devotionが結果を残しました。
GP Vienna デッキ解説
「Mono Blue Devotion」「Esper Control」「UW Control」「RW Devotion」
20 《島》 4 《変わり谷》 1 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地(25)- 4 《雲ヒレの猛禽》 4 《審判官の使い魔》 4 《潮縛りの魔道士》 4 《凍結燃焼の奇魔》 4 《海の神、タッサ》 4 《夜帷の死霊》 4 《波使い》 -クリーチャー(28)- |
1 《急速混成》 2 《サイクロンの裂け目》 2 《タッサの二叉槍》 2 《思考を築く者、ジェイス》 -呪文(7)- |
4 《反論》 3 《家畜化》 2 《急速混成》 1 《霊異種》 1 《否認》 1 《サイクロンの裂け目》 1 《タッサの二叉槍》 1 《漸増爆弾》 1 《思考を築く者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
今大会5人もの初日全勝者を出し、優勝者も含めてトップ8に3人送り込む活躍を見せたMono Blue Devotion。今回優勝したMarcinのリストはメインは比較的オーソドックスで、サイドには《家畜化》や《漸増爆弾》《反論》など、同型対策を多めに採っているのが印象的です。コントロール対策は最近よく目にする《記憶の熟達者、ジェイス》ではなく《霊異種》になっています。
4 《島》 4 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《湿った墓》 3 《神無き祭殿》 4 《欺瞞の神殿》 4 《静寂の神殿》 -土地(27)- 2 《霊異種》 -クリーチャー(2)- |
2 《思考囲い》 1 《中略》 3 《アゾリウスの魔除け》 1 《肉貪り》 1 《究極の価格》 1 《ディミーアの魔除け》 1 《破滅の刃》 1 《遠隔+不在》 4 《スフィンクスの啓示》 2 《解消》 2 《英雄の破滅》 4 《至高の評決》 4 《拘留の宝球》 4 《思考を築く者、ジェイス》 -呪文(31)- |
3 《群れネズミ》 3 《鬼斬の聖騎士》 3 《反論》 2 《ヴィズコーパの血男爵》 1 《思考囲い》 1 《破滅の刃》 1 《減縮》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
7 《島》 6 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《アゾリウスのギルド門》 2 《欺瞞の神殿》 2 《静寂の神殿》 2 《変わり谷》 -土地(27)- -クリーチャー(0)- |
4 《今わの際》 4 《アゾリウスの魔除け》 2 《本質の散乱》 4 《解消》 4 《スフィンクスの啓示》 4 《至高の評決》 4 《拘留の宝球》 4 《思考を築く者、ジェイス》 3 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(33)- |
4 《反論》 3 《鬼斬の聖騎士》 3 《万神殿の兵士》 2 《テューンの大天使》 2 《否認》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
GP Albuquerqueでは少数だった青白系のコントロールも今大会ではトップ8に2人送り込むという活躍を見せました。今大会惜しくも準優勝となりましたが、RobinのEsper Controlのリストは他のリストと比較して非常に特徴のある構成になっています。通常のEsperのリストはメインに《霊異種》が1枚と《太陽の勇者、エルズペス》が1-2枚、最近ではMono Black Devotionをメタってメインから《ヴィズコーパの血男爵》を採っているリストも見かけますが、Robinはメインのフィニッシャーは《霊異種》2枚のみで、《太陽の勇者、エルズペス》が不採用です。そして、サイドにはなんと《群れネズミ》が3枚採用されています。カバレージによれば主にMono Blue Devotion相手にサイドインされたようですが、Mono Black Devotionや場合によってはコントロールミラーでもサイドインできるかもしれません。相手からみてもEsper Controlから《群れネズミ》が出てくるのは想定外だったと思うので、サイド後除去を減らした相手に対して有利に立ち回れたであろうことが予想できます。Mono Blue Devotionがサイドインしてくる《反論》や《否認》でカウンターされないのも強みです。
プロツアー・ラヴニカへの回帰での優勝経験がある強豪プレイヤーのStanislav Cifkaも、今回《スフィンクスの啓示》コントロールデッキを持ち込んで入賞していました。準優勝したRobinと異なり青白の2色です。まず印象的なのはメインにフル搭載されている《今わの際》です。MOCS Season11で準優勝していた山本さんも採用していた白い除去スペルで、前回の記事でも解説したように《波使い》、《夜帷の死霊》、《変わり谷》、早い段階での《群れネズミ》等、現環境にはこのカードで除去できるクリーチャーが多数存在します。《エレボスの鞭》を気にせずに《アスフォデルの灰色商人》を除去できるのも魅力です。
また、メインに4枚の《解消》に加えて2枚の《本質の散乱》と、カウンターを多めに採っています。メインのフィニッシャーは青いコントロールデッキの定番の《霊異種》が不採用で、代わりに《太陽の勇者、エルズペス》が3枚採用されています。GP AlbuquerqueでトップメタだったMono Black Devotionに対しては《英雄の破滅》で除去される可能性がありますが、単体除去が中心のMono Blackにとってはトークンをばら撒く能力は非常に厄介です。
2色ですがドローの質を高める目的で『占術』ランドが採用されています。サイド後に 《万神殿の兵士》、《鬼斬の聖騎士》、《テューンの大天使》と、クリーチャーを多く投入する変形サイドボードプランが取られています。
12 《山》 4 《聖なる鋳造所》 4 《凱旋の神殿》 1 《ボロスのギルド門》 4 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地(25)- 4 《灰の盲信者》 4 《炎樹族の使者》 4 《凍結燃焼の奇魔》 4 《ボロスの反攻者》 4 《モーギスの狂信者》 2 《鍛冶の神、パーフォロス》 4 《嵐の息吹のドラゴン》 -クリーチャー(26)- |
3 《ミジウムの迫撃砲》 3 《岩への繋ぎ止め》 2 《パーフォロスの槌》 1 《紅蓮の達人チャンドラ》 -呪文(9)- |
4 《ボロスの魔除け》 3 《神々の憤怒》 2 《戦導者のらせん》 2 《軍勢の集結》 1 《摩耗+損耗》 1 《岩への繋ぎ止め》 1 《パーフォロスの槌》 1 《燃え立つ大地》 -サイドボード(15)- |
今回Mono Black Devotionと入れ替わる形で活躍していたRW Devotion。《岩への繋ぎ止め》は現環境では優秀な除去スペルで、特にエンチャントに触れないMono Black Devotionや、《サイクロンの裂け目》でバウンスできるものの基本的に置物に触れる手段に乏しいMono Blue Devotionに対して有効です。メインに《ニクスの祭殿、ニクソス》を4枚搭載しており、『信心』による爆発力を重視した構成です。《灰の盲信者》や 《炎樹族の使者》 《ボロスの反攻者》など、赤のマナシンボルを多く含んだクリーチャーを並べて『信心』を集め、《ニクスの祭殿、ニクソス》で大量のマナを生産しつつ《モーギスの狂信者》で相手のライフを大量に削ります。
《嵐の息吹のドラゴン》は黒い除去スペルに対しては無力ですが、Stanislav Cifkaが今回使用していたUW Controlに対しては、カウンターを除いて《至高の評決》と《太陽の勇者、エルズペス》の-3能力以外で対処されず、『速攻』持ちなので最低一回はアタックすることが可能です。《鍛冶の神、パーフォロス》は《パーフォロスの槌》との組み合わせが強力で、サイドに積まれている《軍勢の集結》の毎ターントークンを生み出す能力との相性も抜群です。《パーフォロスの槌》は不要な土地をクリーチャーに変換させることができるので、中盤以降は毎ターン脅威を展開し続けることが可能で、Esper ControlやMono Black Devotionに対して有利に立ち回ることができます。
サイドの《神々の憤怒》はこのデッキよりも軽い構成の赤単やWR Aggroに対して投入されます。《戦導者のらせん》や追加の除去である《岩への繋ぎ止め》を採っていることから、ビートダウンに対してはサイド後は中速寄りにシフトするようです。コントロールやMono Black Devotionに対して除去対策兼追加の火力として活躍が期待できる《ボロスの魔除け》もしっかり4枚採用されています。
総括
SCGO Providence, GP Albuquerque, そしてGP Viennaの紹介した3大会すべてでMono Blue Devotionが3人以上も入賞していました。SCGO ProvidenceとGP Albuquerqueでは多くの入賞者を出しながらトロフィーまではあと一歩届きませんでしたが、GP Viennaでは5人の初日全勝者を出し、その中の一人であるMarcin Staciwaが優勝しました。他方で、GP Albuquerqueでトップ8の半分を占めていたMono Black Devotionは、GP Viennaではメタられていたようでトップ16にも残れませんでした。代わりに《軍勢の集結》や《パーフォロスの槌》等Mono Blackにとっては対処の困難なカードを多数搭載したRW Devotionが結果を残していました。
今回の解説は以上です。現在のスタンダードのトップメタは間違いなくMono Blue Devotionです。ミラーマッチ対策にサイドに《家畜化》が多めだったり、他のデッキもSCGO Providenceで優勝したMatthew CostaのJund Midrangeのように、各自の工夫が見られます。
スタンダードで競われるGP静岡14が残り2週間弱に迫っています。次回の記事ではSCGO Oaklandと、今年最後のSCG 開催のイベントであるSCGO Las VegasとSCG Invitational Las Vegasの解説を予定しています。GP静岡14本戦直前のイベントの結果の解説になるので、皆さんのお役に立てるようにベストを尽くしていきたいと思います。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!