【レガシー】Round 1: 市川 ユウキ(Magic Online) vs. 盛下 瑞樹(神奈川)

晴れる屋

By Atsushi Ito


 『The Last Sun2013』予選もいよいよ残り少なくなってきた。

 しかし、ここに。

 本戦の権利を獲得するべく、いまだ奮闘を続ける男がいた。

 レガシー選手権2連覇、最強のRUG Delver使い。MOPTQ突破の常連、”triosk”。

 市川ユウキだ。

 これまで5回もの予選に出場し、バブルマッチ負け、バブルマッチ負け、オポ落ち、オポ落ち、オポ落ちと、とことん『The Last Sun2013』の権利に縁がないらしい市川。

盛下 「この前のラストサン予選でも当たりませんでした?一回戦で」

市川 「あ、そうですね。あれ勝ってたら抜けてたなーw」

 《真の名の宿敵》の登場によりレガシー環境的には向かい風のRUG Delverだが、はたして市川は持ち前のテクニックで逆境を跳ね返すことができるか。


Game 1

 先手の市川が《敏捷なマングース》スタートを切ると、対して盛下は《島》を置いてターンを終える。

 レガシー環境で、基本地形の《島》

 《実物提示教育》か、はたまた青白『奇跡』か。想像力をかきたてられるセットランドだ。

 これに対し市川、動じることなくフェッチランドをセットしてからの《渦まく知識》で手札を整えておく。

 すると、続く盛下のアクションは《アトランティスの王》。これにより盛下のデッキがマーフォークであることが判明する。

 即座に市川は《目くらまし》しようとするが、ここに盛下の《Force of Will》が突き刺さる。対応でフェッチを起動し、さらなる《渦まく知識》をプレイするも回答がなく、一匹目の魚が着地する。




 返すメインフェイズに市川は三たび《渦まく知識》をプレイするが、フェッチランドで新鮮なライブラリトップを見続けているにもかかわらず、無情にも土地ばかりが手札に溜まっていく。

 それでも市川、《メロウの騎兵》が追加されたところでようやく引き込んだ《思案》で『スレッショルド』を達成し、《敏捷なマングース》で3点アタック。さらに《変わり谷》《不毛の大地》で割ってターンを終える。

 だが。

 市川の動きが鈍いと見るや、ここで盛下は虎の子の《真の名の宿敵》を投下!!

 これが通ってしまうと、RUGデルバーとしてはさすがに厳しいか。

 この小さな《大祖始》のようなマーフォークをいかんともしがたい市川、速やかに投了。

市川 0-1 盛下


Game 2

 市川、今度は1ターン目《秘密を掘り下げる者》のロケットスタート。これは即座に変身こそしなかったものの、続くターンに《思案》《目くらまし》を引き込みつつ《紅蓮破》をトップに積んで、クロックパーミッションの準備は万端だ。

 対する盛下、まずは小手調べと《銀エラの達人》を着地させるが、市川は意に介さず予定調和で《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》へと変身させ、3点アタック。手札に《不毛の大地》を2枚抱えていたが、盛下の特殊地形セットを誘うためにあえてセットせずにターンを終える。

 ここで盛下、3枚目の《島》を置きつつ、《梅澤の十手》、さらに《呪い捕らえ》と展開。市川に対応を迫る。

 市川、待ってましたとばかりに《乱暴/Rough》で一掃!




 しかし。

 それこそが盛下の狙いだった。

 《呪い捕らえ》の能力で市川を一時的にフルタップに追い込むと、返すターンに盛下が4枚目の土地を置いてからキャストしたのは、《基本に帰れ》!!

 何とか《目くらまし》《Volcanic Island》1枚だけは救いだすものの、基本地形が入っていないRUG Delverでは、ゲーム終了までに市川が使えるマナは著しく限られてしまう。《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》がアタックを続けてはいるが、果たして削りきれるのか。

 盛下の《残響する真実》は狙いすました《赤霊破》で弾き、ついに残り4点まで追い詰める。

 が、《梅澤の十手》をまとってアタックしてきた《銀エラの達人》には抱えていた《稲妻》をさすがに撃たざるをえず、ついに《Volcanic Island》が場に3枚ともタップ状態で沈んでしまう。

 さらに盛下が《幻影の像》で《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》をコピーしてブロッカーに立たせると、市川のクリーチャーも土地も、微動だにしなくなってしまい。

 市川、あと1点が遠かった。

市川 《基本に帰れ》は完全にハマりましたね。あーそんなカードあったなーって。3ターン目に《不毛の大地》セットしておけば……」

 市川の権利獲得への道のりは、どこまでも険しいようだ。

市川 0-2 盛下