Round 7:彌永 淳也(東京) vs. 澤田 健(愛知)

晴れる屋

By Atsushi Ito

 たった2人の全勝。

 スタンダード4回戦にレガシー2回戦という過酷な戦いの末に、6戦全勝となったのは2人の真の強者。

 かたや、ご存じ2011年世界王者の彌永。先週のグランプリ・静岡14でもトップ8入りしたばかりだというのに、やはりこの男、どこまでも強い。

 対するは愛知からこのThe Last Sunのためにわざわざ遠征してきている澤田。

澤田 「友達が行くって言ったもので……w」

 と参加理由は消極的だが、さすがにここまで勝てると楽しくて仕方がないだろう。

 そんな2人のデッキは、レガシーの華、瞬殺コンボデッキ対決。

 彌永がANTに対し、澤田はスニークショウ。

澤田 「普段はANTが大好きでそればっかり使ってるんですが、今回は別の友人に『これを使え』と勧められまして……」

 使い慣れたデッキからあえてトップメタのデッキに乗り換えた、その判断が功を奏するか。



Game 1

 マリガンの澤田に対し、《ギタクシア派の調査》

《目くらまし》
《Force of Will》
《誤った指図》
《引き裂かれし永劫、エムラクール》

 という手札を覗き見る彌永。さらに続くターンにも《ギタクシア派の調査》を重ねるが、ここで澤田はしっかりと《渦まく知識》を引き込んでおり、フェッチランドと合わせてエンド前に新鮮な手札内容に入れ替えていく。

 カウンターのあるスニークショウに対し、ANTにはそれがない。いつが仕掛けるべき好機なのか?



 悩ましい問いだが、彌永は迷わなかった。

 まずは露払いの《陰謀団式療法》《Force of Will》を澤田の手札から刈り取ると、次のターンには引き込んだ《冥府の教示者》《ライオンの瞳のダイアモンド》の2枚目を引っ張ってくる。

 そして一旦ターンを返すと、次のターン、3枚の不確定情報を抱えた澤田に対し、ついに仕掛ける。

 すなわち、《水蓮の花びら》《暗黒の儀式》とプレイしてから、《炎の中の過去》!!

 彌永、ここで残りの手札は3枚。

 澤田は悩む。悩むということは……やはり持っていた。意を決してこれを《Force of Will》!!

 しかし。

 それこそが彌永の狙いだった。

 《ライオンの瞳のダイアモンド》を一挙3枚(!)プレイから、《炎の中の過去》をフラッシュバック!!

 澤田、スタックで《渦まく知識》をプレイ。最後の望みに賭けるのだが。

 手札にやってくるのは、今頃になって《実物提示教育》ばかりなのだった。

彌永 1-0 澤田


Game 2

 《思案》《ギタクシア派の調査》でお互いの手札を知り合ったところで、彌永にある異変が。

 《島》《Tropical Island》と置いて《渦まく知識》を撃つが、フェッチを見つけられず、黒マナが出ないまま既知のライブラリーを引き続ける羽目に陥り、手の進みが止まってしまう。

 《ライオンの瞳のダイアモンド》を置いてはみるが、さすがにこの黒マナは有意なマナとは言えない。

 そうこうしているうちに澤田が順調にドロースペルを連打すると、彌永に動きがないと見るや、《騙し討ち》をハードキャスト。

 既に《グリセルブランド》を見ている彌永、起動を待たずに投了。

彌永 1-1 澤田

Game 3

 彌永の《思案》でゲームがスタート。

 慎重にプランを検討し、シャッフルを選択する。

 だが。

 そもそも彌永には、悠長に考えていられる時間などなかったのだ。

 返す澤田の1ターン目。

澤田 「セット。プレイ」

 《古えの墳墓》《水蓮の花びら》

 スタンダードであれば即座に禁止されるであろう、掟破りの超絶マナ加速。

 その結果、1ターン目にして3つものマナが生み出される。すなわち。

 ショータイム。



 《実物提示教育》!!

 無慈悲にも1ターン目に降臨する《グリセルブランド》。彌永も《実物提示教育》の効果で《ザンティッドの大群》を出してはみるが、返すドローを合わせても、手札が全く整っていない。

 無理もない。何せまだ2ターン目なのだ。

 しかし、2ターンあれば澤田には十分だった。

 ターンが返ってくるなり、《ネクロポーテンス》さながらにライフ14点を支払って14枚ものカードを手に入れると、さらなる《実物提示教育》《騙し討ち》を設置。

 マナコストという概念を無視して戦場を走ったのは、彌永の希望を欠片も残さず『滅殺』し尽くす《引き裂かれし永劫、エムラクール》!!

 澤田、華麗なる2ターンキルでただ一人の全勝者へ!!

彌永 1-2 澤田