スイスラウンド1位という好成績への見返りとして、TOP8によるシングルエリミネーションでのフォーマットの選択権を得た澤田。
対するは、ギリギリのOppMW%を制した斉藤。
準々決勝での土俵を決めるべく、3分間という限られた時間で対戦相手のデッキリストを食い入るように見つめる両者。
リストの閲覧可能時間を少し残して、デッキリストを伏せた澤田。
フォーマット宣言の指示がジャッジからされた瞬間に「スタンダードで。」と迷いなく宣言。斉藤も「そりゃそうですよね。」と返す。
澤田のデッキはスタンダード:青単信心、レガシー:スニークショウ。
斉藤のデッキは、スタンダード:黒単、レガシー:BUGDelver。
特に有利なマッチアップを選択したというよりは、レガシーでの相性差を嫌った形に見える澤田の選択。
スイスラウンド1位の称号により得られたアドバンテージは、どう勝負へと影響していくのか?
Game 1
ダイスロールの結果、澤田が先手。
《急速混成》、《審判官の使い魔》、《変わり谷》×2を含む土地5枚をキープした澤田。
ここに、1ターン目に斉藤の《思考囲い》が突き刺さり、《急速混成》が墓地へと送られ、澤田の手札は間の抜けたものに。
《思考囲い》の露払いで除去が無い事を確認した斉藤は2ターン目に《群れネズミ》をプレイ。
やることが無い澤田、《変わり谷》と《審判官の使い魔》で細々とライフを削りに行くが、斉藤はさらに《夜帷の死霊》を戦線へと加えて、ゆっくりと、イニシアチブを握っていく。
これに対して、4ターン目にご都合主義的に《波使い》を引き込んだ澤田。盤面に《変わり谷》が2枚有る事を考えると、場に登場したトークンが2体しかいないとはいえクロックはバカに出来ない。
《波使い》が出たことで、ドロー後に逡巡する斉藤。相手が有効牌をひかずにイージーウィン。といった目論見は崩れ、もう一度ゲームプランを練り直す。
戦略立案のための牽制として、まずは《思考囲い》をプレイ。これによって、澤田のハンドが《変わり谷》、《島》2枚であることが判明。これをみた斉藤は、3枚の土地を立たせたままターンエンドを宣言し、《群れネズミ》増殖プランを取る。
土地だけのハンドがばれた澤田としては、ネズミゲーをされては勝ち目がない。《波使い》の加護で3/2となる《変わり谷》2体をレッドゾーンへと送り込み《群れネズミ》が増殖する前に勝負を決めにかかる。
これをテイクする斉藤。澤田の《審判官の使い魔》によるジャブと、二度の《思考囲い》でライフが減少している為、斉藤のライフはこれで既に6。
癌である《波使い》への回答策が特にないのか、斉藤は守勢に回り、ターンエンド。ゲームを長引かせようとする。
しかし、ここで澤田がライブラリトップから引き込んだのは、《家畜化》!!
盤面を確認して、正着であることを確認すると、これを《夜帷の死霊》にプレイ。唯一空へとにらみを利かせていた《夜帷の死霊》が裏切ってはゲームが終わってしまう為、斉藤はたまらず自身を対象にとって《肉貪り》。
《夜帷の死霊》を生け贄にささげ、《家畜化》を無効化すると共にライフを9として延命を図る。
だが、《家畜化》をされなかったからと言っても、ブロッカーが減ったことに変わりはない。
《変わり谷》、エレメンタルトークン×2、《審判官の使い魔》をレッドゾーンへ送り込む澤田。《変わり谷》は《群れネズミ》(自身の《変わり谷》起動により2/2)で相打ちを取るものの、斉藤のライフは4へ。
次のターン、除去を引き込めなかった斉藤を、澤田の航空戦力が蹂躙する。
澤田 1-0 斉藤
相手のデッキ75枚を既に知っている二人。幾度となく行ったであろう青単信心vs黒単というマッチアップ。
特に迷う事無くサイドボードを行う二人。
澤田は以下のようなサイドボード。トップスピードを落として、消耗戦を狙いに行く。
in
1《豚の呪い》
2《家畜化》
1《漸増爆弾》
1《タッサの二叉槍》
out
4《雲ヒレの猛禽》
1《護民官のサーベル》
Game 2
斉藤の先手。再び《思考囲い》でゲームは開幕する。
公開された澤田の手札は《審判官の使い魔》2枚、《潮縛りの魔道士》、《豚の呪い》、《急速混成》、《島》2枚というもの。
ここで悩みながら《急速混成》を指定。手札の《群れネズミ》を匂わせる。
返す澤田は《審判官の使い魔》。
露払いを前ターンに行っていた斉藤は、満を持しての《群れネズミ》。
だが、澤田はトップデッキしていた《急速混成》で、《群れネズミ》をカエルへと即変化。
出鼻をくじかれてしまった斉藤だが、攻め手を緩めず、《夜帷の死霊》プレイ。
澤田は《波使い》を引き込んでいるものの、4枚目の土地へとアクセスできず、《潮縛りの魔道士》でカエルトークンを寝かせてお茶を濁しつつ、信心を高める。
動きが思わしくない澤田を尻目に、2枚目の《夜帷の死霊》を戦線に加える斉藤。
だが、4枚目の土地を引き込んだ澤田は、ここで《豚の呪い》をプレイ。《夜帷の死霊》2枚を、豚へと変えてしまう。
攻めっ気を少し削がれてしまった斉藤だが、自身のターン、《潮縛りの魔道士》は《破滅の刃》で退けて、カエルトークンををアクティブにして、さらに《群れネズミ》プレイ。
ネズミ、カエル、豚2匹という何とも和やかな戦線で、澤田へとプレッシャーをかけにいく。
だがここで、澤田は《漸増爆弾》をトップデッキして即プレイ!これには斉藤も苦笑いしてしまう。
一応アタックしてみる斉藤だが、当然起動される《漸増爆弾》。
カエルと豚2匹がはじけ飛ぶ。
残った《群れネズミ》で戦線を再構築すべく、ターンを返して、ネズミの増殖を始める斉藤。
澤田は《波使い》を出して盛り返そうとするが、これは《英雄の破滅》で即退場。
有効牌をひけない澤田をしり目に、何を引いても関係なく《群れネズミ》へと変換していく斉藤。星を取り返す。
澤田 1-1 斉藤
Game 3
《島》が1枚しかないハンドをマリガンする澤田。
《潮縛りの魔道士》、《審判官の使い魔》2枚、《海の神、タッサ》、《島》、《凍結燃焼の奇魔》という悩ましいハンドを熟考する澤田。このハンドも嫌ってダブルマリガン。
《審判官の使い魔》、《海の神、タッサ》、《急速混成》、《島》2枚をキープ。ダブルマリガンにしては上々と言ってもよい手札だろう。
占術ランド、《変わり谷》から、《漸増爆弾》と、今までとは一転してゆっくりとした立ち上がりの斉藤。
《審判官の使い魔》でゆっくりクロックを刻む澤田は、3枚目のランドを引き込んで、《海の神、タッサ》をプレイ。こっそりと引き込んでいた《タッサの二叉槍》で、4枚目のランドを引ければ大逆転劇が見える。
しかし、これはタイミングバッチリの《思考囲い》で、未遂となってしまう。
相手の手札を覗いた上で、《群れネズミ》をプレイしてターンを返す斉藤。《急速混成》は見えているが、ダブルマリガンによる物量差を活かすべく、消耗戦へと澤田を誘う。
澤田は《海の神、タッサ》の加護によってライブラリトップを占術。強いが現状にマッチしていない《波使い》ボトムに。持っていた《急速混成》で《群れネズミ》をカエルにかえつつ、トップデッキした《潮縛りの魔道士》で寝かせて、手札を0枚にしながらも、盤面上のイニシアチブを握る澤田。
対する斉藤。ここまでのやり取りは予定調和と言わんばかりに、斉藤は《冒涜の悪魔》を盤面へと降臨させる。序盤にこっそりと置いておいた《漸増爆弾》のカウンターは2個にしてあり、《海の神、タッサ》の攻撃へもしっかりと牽制がされている。
だが、澤田のライブラリトップに鎮座しているのは《夜帷の死霊》。これで、《漸増爆弾》によって《潮縛りの魔道士》が死んでも、《海の神、タッサ》はクリーチャーとして存続でき、ダメージレースを仕掛ける希望を残す澤田だが、ハンドがまだ5枚もある斉藤は物量で押しつぶしにかかる。
手始めに、澤田虎の子の《夜帷の死霊》を《英雄の破滅》で退場させると、《冒涜の悪魔》とカエルで攻撃し澤田のライフを11へと落とす。
何とか対抗策を探しにかかる澤田。トップの《家畜化》を見つけるのだが、土地に目をやると3枚しかない。泣く泣くボトムへと送り込むが、引いてくるのは盤面に影響をあたえない《タッサの二叉槍》。
ダブルマリガンのビハインドは、いかんともし難く。
斉藤が、準決勝へとコマを進める。
澤田 1-2 斉藤