Just Nowスタンダード!vol.28 -新デッキが躍進!「白単」が優勝&連続入賞-

紳さん

はじめに

こんにちは。晴れる屋メディアの紳さんです。

先週なかば、MOの強豪・Hamuda氏がアゾリウスアグロを使用し、『Standard Challenge』で立て続けに優勝しました。

ひよっこ捜査員遠眼鏡のセイレーンマネドリ威厳あるバニコーン鋼の熾天使地底のスクーナー船

召集系のデッキでおなじみの1マナクリーチャーと《威厳あるバニコーン》の組み合わせが想像以上に強力です。《マネドリ》は実質的に飛行を持った《バニコーン》として運用ができ、《鋼の熾天使》は状況に応じて《バニコーン》に飛行や絆魂を付与するなど、対処が難しいクロックを押しつけます。

有力な新アーキタイプが続々と登場するなか、週末の大会ではどんなデッキが活躍したのでしょうか。気になる結果をチェックします!

8/16(金)『Standard Challenge 32』#1

8/16(金)は『Standard Challenge 32』が2回開催されました。まずは40名が参加した1回目の結果から。

前回の記事で注目デッキとして取り上げたTulio_Jaudy氏の《忠実な馬、フォーチュン》を採用した白単ミッドレンジが準優勝しています。

Tulio_Jaudy氏はパイオニアでも白単で優勝しており、現在、ノリに乗っているプレイヤーです。

安定した強さをキープしているディミーアミッドレンジが優勝しましたが、ここでは3位に入賞したグルール雄姿に注目したいと思います。

グルール雄姿

こちらが3位に入賞したデッキのリストです。なんと、この構成で《精鋭射手団の目立ちたがり》が不採用です。どんな意図があるでしょうか。

心火の英雄熾火心の挑戦者亭主の才能

爆発的な攻撃力を誇る《精鋭射手団の目立ちたがり》ですが、《亭主の才能》とより相性が良いのは《心火の英雄》《熾火心の挑戦者》といった「雄姿」持ちのクリーチャーです。手札が尽きた状態でも《亭主の才能》さえあれば毎ターン能力を誘発させることができ、アグロデッキでありながら継戦能力が高い構成となっております。

多様な鼠弱者の力岩面村

ハツカネズミに二段攻撃やトランプルを付与できる《多様な鼠》をはじめとし、《弱者の力》《岩面村》などハツカネズミ・シナジーを持つカードが各4枚フル投入され、《精鋭射手団の目立ちたがり》を解雇するのに十分なバリューを持たせているようです。

蛇皮のヴェール痛烈な質問

《蛇皮のヴェール》によってクリーチャーを守りつつ強化するムーブは雄姿とも相性がよく、《痛烈な質問》は雄姿を誘発させながらブロッカーを排除できる強力な除去となります。

精鋭射手団の目立ちたがり亭主の才能

一見すると従来の《精鋭射手団の目立ちたがり》を採用したグルール果敢とほぼ同じコンセプトのデッキに思えますが、《亭主の才能》のカードパワーをより活かすために開発された新しいアーキタイプともいえるでしょう。地味ながら《亭主の才能》がもたらす護法1も、ハツカネズミたちの大躍進に一役買っていそうです。

8/16(金)『Standard Challenge 32』#2

つづいて、63名が参加した2回目の結果です。

優勝はボロス召集、準優勝は版図ランプとなりました。ラクドスリザードも2名入賞と安定した成績を残しています。

ここでは、同プレイヤーが1回目の大会でも入賞していた8位のボロスハツカネズミを紹介していきます。

ボロスハツカネズミ

2大会連続入賞となったnumberonenoob氏のデッキです。

意図せずハツカネズミデッキの紹介がつづいてしまいましたが、現在、リザード(トカゲ)と並ぶ大注目の種族です。

花足の剣豪渓間の冒険呼び岩山炎の後継者、メイブル

ハツカネズミ全体を強化するカードが3種類採用され、「雄姿」を持つクリーチャーも多く、岩山炎・トークンを強く運用することができます。

狂気の一齧り多様な鼠イラクサの護衛

《狂気の一齧り》はいかにもハツカネズミ・シナジーがありそうなイラストですが、能力的なボーナスはありません。とはいえ、雄姿を誘発させながら除去ができる強力なカードです。

《多様な鼠》は自軍のほとんどのクリーチャーを対象にとることができ、このデッキの鍵となるシステムクリーチャーです。《イラクサの護衛》はハツカネズミの枠を減らさずに置き物対策ができる優秀なクリーチャーです。

亭主の才能世話人の才能ウラブラスクの溶鉱炉

現環境は《亭主の才能》《世話人の才能》《ウラブラスクの溶鉱炉》が強く、置き物に触れないと不安です。今回のデッキには《イラクサの護衛》がサイドにも2枚採用され、今後も注目のメタカードとなりそうです。

1マナを立たせておく必要はありますが、《一時的封鎖》を対処できるのも大きいですね。

8/17(土)『Standard Challenge 32』

それでは最後に、73名が参加した土曜日の大会結果をチェックしていきます。

今度はしっかりとディミーアミッドレンジを倒し、Tulio_Jaudy氏の新しい白単コントロールが優勝となりました。

白単が強いのか、Tulio_Jaudy氏が強いのか。おそらく両方ですが、安定した成績を残し続けています。

白単コントロール

こちらが優勝したデッキのリストです。《開拓地の探求者》《忠実な馬、フォーチュン》が不採用となり、「喊声」を持つ《血滾りの福音者》が4枚フル投入されました。全体的にクリーチャーの採用枚数が見直され、コントロールよりの構成となっております。

世話人の才能血滾りの福音者大天使エルズペス永遠の放浪者

土地を含め、デッキ内の大半のカードがなんらかのトークンを生成することができ、《世話人の才能》が定着すればリソースに困ることはなさそうです。

人参ケーキ優雅な談話室噴水港

ただし、逆に考えると《世話人の才能》はどうしてもプレイしたいカードです。《人参ケーキ》の占術や《優雅な談話室》の諜報、《噴水港》のドローを駆使し、早めに《世話人の才能》にたどり着くためのプレイングが求められます。

ウラブラスクの溶鉱炉

気になるボロスコントロールとの差別化ですが、メタゲーム的にどのデッキも《ウラブラスクの溶鉱炉》対策をしてくると考えた場合、この白単コントロールの構成が活きてきます。《血滾りの福音者》や各種プレインズウォーカーは《ウラブラスクの溶鉱炉》と違い、戦場に出て即座に破壊されたとしても、確実にトークンを生成することができます。

噴水港ミレックス跳ねる春、ベーザ大天使エルズペス

また、《噴水港》《ミレックス》を合わせて6枚採用しながら、4ターン目に《跳ねる春、ベーザ》《大天使エルズペス》をプレイするためのWWを安定して確保できるのも白単ならではです。

戦場の鍛冶場稲妻のらせん軍備放棄

ボロスの場合、マナベースをどうしても《戦場の鍛冶場》に頼ることになりますが、現スタンダード環境はアグロデッキが多く、土地からダメージを受けているとライフがもたない可能性が高いです。

失ったライフに関しては《稲妻のらせん》でカバーできるかもしれませんが、《亭主の才能》が大暴れしている現状、3点ダメージによる除去の信頼度にも疑問が残ります。《軍備放棄》はソーサリータイミングという弱点があるものの、1マナであらゆるクリーチャーを追放できる点が魅力です。

この白単コントロールの台頭が今後、どのようにメタゲームに影響してくるか注目したいですね。

おわりに

偉大なる統一者、アトラクサイーオスの遍歴の騎士フェアリーの黒幕裏切りの棘、ヴラスカ

今回は比較的新しいデッキを中心に紹介してきましたが、「版図ランプ」「ボロス召集」「ディミーアミッドレンジ」「ゴルガリミッドレンジ」といったデッキも健在で、安定した成績を残しています。

アグロからコントロールまでさまざまなアーキタイプが活躍しており、飛びぬけて優位なデッキはまだ存在しておらず、とてもバランスが取れたメタゲームが構築されていると考えて良さそうです。

今度はどんなデッキが活躍するでしょうか。次回の大会結果もお楽しみに!

この記事内で掲載されたカード

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紳さん マジック愛に生きるフリーライターです。モダン、パイオニア、スタンダードでローグデッキを使い、勝利を目指す! 至って真剣勝負の毎日です。 紳さんの記事はこちら