準々決勝: 遠藤 亮太(埼玉) vs 細川 侑也(東京)

晴れる屋

By Yohei Tomizawa



 次回行われるプロツアーサンファン、その予選のフォーマットはエクステンデットであり、既に何人かのプレイヤーは権利を獲得していることだろう。
 細川もその中の一人であり、予選から一貫してドレッジを使い続けている。サイドボードを含め、試合の反省とメタゲームを生かしたものとなっている。一つ一つのプレイが早く、それでいて正確である。環境の理解度、練習量からデックとの親和性もバッチリなようだ。
 対戦相手である遠藤は埼玉で四本 悠葵(埼玉)を中心としたグループで練習を積むプレイヤー。グループ内の練習でも好感触だったというMOで流行中の《台所の嫌がらせ屋》《血染めの月》を採用したZooを調整し、今大会に持ち込んできた。
 『後一勝。』
 そうすることで来月下旬に行われるグランプリ横浜の3byeを獲得することが出来得る。ここまで来たら何が何でも勝ちたい、誰もがそう思っているはずだ。
 果たして、その一勝をもぎ取るのは一体どちらだろうか?


Game 1

 遠藤はセオリー通りにフェッチランドからショックランドをサーチし、《貴族の教主》《野生のナカティル》《タルモゴイフ》と強力なクリーチャー達を次々と呼び出す。観戦していたプレイヤーと筆者は、そしてプレイしていた遠藤も、このままかなり有利な試合運びになるのでは、そう感じていたはずだろう。
 細川はマリガンながらも、2ターン目に《留まらぬ発想》をキャストし、《エメリアの盾、イオナ》《ゴルガリの墓トロール》《恐血鬼》とキーカード達を墓地に送りこむ。
 次のターンから発掘を開始するわけだが、手札からキャストした《溺れたルサルカ》、セットされたフェッチランドと墓地から舞い戻る《恐血鬼》が強烈なシナジーを生み、あっという間に墓地にカードが溢れだす。
 こうなってしまったドレッジには、もう手がつけられない。《タルモゴイフ》で形ばかりの攻撃を行うが、《黄泉からの橋》によってトークンが生みだされ、逆に攻められなくなってしまう。
  たった1ターンの間に3度の発掘を終えた細川の墓地は30枚近くに膨れ上がっており、コンボに必要なカードは全て揃っている。生みだされたトークンを使い、《戦慄の復活》によって《エメリアの盾、イオナ》が戦場に舞い降りると、これ以降一切のダメージが入らないとなり、遠藤は投了。

遠藤 0-1 細川

 流石にメインボードのドレッジは強く、またプレイヤーの腕良かったために、成す術なくGame1を取られてしまった遠藤。しかし「サイド後が勝負。」と秘策があるようだ。一体、どんなものなのだろう?
 逆に細川は何種類かある対策カード(例えば《虚空の力線》《大祖始の遺産》)を的確に読み切り、または相手を誤誘導し、対策カードを無駄に消費させたい所だろうか。


Game 2

 遠藤のサイドプランが早くも明らかになる。《ガドック・ティーグ》《戦慄の復活》を止め、《タルモゴイフ》《梅澤の十手》で盤面を制圧していく。コンボが決まらないとドレッジ側のクリーチャーはサイズが小さいためだ。
 Game1が終わった時、遠藤は一言
遠藤 「GP神戸と、同じかぁ。」
 と洩らした。
 実は去年のGP神戸にて二人は対戦があった様子で、その思い出話に花が咲く。その時も遠藤はZooだったらしいが、対する細川はエルフコンボ。
遠藤 《野生のナカティル》が3枚初手にあって、楽勝だな、そう思ったんですけどね。」
 いくら《野生のナカティル》が序盤にダメージを稼ごうとも、一度エルフがコンボをスタートしたのなら、盤面には無数のクリーチャーが出ることになる。
 出てくるトークンが虫かゾンビかの違いはあれど、自分の初手、相手のデックと動きはほとんど同じといっていいだろう。
 細川は再びマリガン。
 遠藤は《ガドック・ティーグ》《戦慄の復活》を防ぎ、《タルモゴイフ》《梅澤の十手》といったカードで勝負に持ち込むようだ。手札も狙い通りのものが。
 2ターン目に《ガドック・ティーグ》《不可思の一瞥》と互いのキーカードをキャストする立ち上がり。
 《戦慄の復活》《恐血鬼》《臭い草のインプ》《暗黒破》《黄泉からの橋》《ナルコメーバ》と落ちたカードは大あたり。特に《暗黒破》《ガドック・ティーグ》も対処することが出来る、この意味は大きい。
 遠藤の追加のクロックは《聖遺の騎士》。手札に控える《稲妻》《流刑への道》《梅澤の十手》《タルモゴイフ》。通常のクリーチャーデック同士のマッチアップならば、十分ともいえる手札だが、細川の墓地を考えると心もとない。
 細川は《留まらぬ発想》をキャストするが、墓地に大量の発掘カードがあるにも関わらず、全てドローを選択。一体何故だろう。
 よくよく見ると場に黒マナを供給できる土地は1枚きり。そう黒マナ不足から《ガドック・ティーグ》を対処出来ないのだ。
 遠藤は愚直に戦闘を繰り返し、気がつけば細川のライフは7。逆転をかけ、自身の《恐血鬼》《暗黒破》をキャストし、生成されるトークンを利用して逆転を目論むが・・・
 それすらもスタックしての《稲妻》で、逆に墓地から3枚の《黄泉からの橋》をリムーヴされることとなってしまう。
次のドローを見ると、細川は投了した。

遠藤 1-1 細川


Game 3

 細川長考の末、3度目のマリガン。
 前環境のドレッジというと多少強引にマリガンしても、デックパワーの高さから、全く問題はなかった。だが現在のドレッジはックパワーが下がっているため、こうも続いてはと、細川が嘆きたくなる気持ちもよくわかる。
 いつも通りフェッチランドを経て《貴族の教主》《ガドック・ティーグ》がキャストされ、そこに《暗黒破》を見舞い盤面の脅威を追い払うと共に、墓地を肥やす。
 墓地に《臭い草のインプ》がある状況で《留まらぬ発想》をキャスト、この発掘が次々と新たな発掘持ちを墓地へと届けるが、他の必要パーツ、具体的には《黄泉からの橋》《恐血鬼》が一向に落ちない。
 新たにキャストされた《血編み髪のエルフ》でクロックサイズを5までアップさせると、フェッチランドで減っていた細川のライフは13となる。
 その間も必死に発掘を繰り返し、墓地を肥やそうとするが、落ちるのは無関係なものばかり。
 《血編み髪のエルフ》が続唱したカードは現状ではマイナスに働くものばかりで、ただの速攻付きの3/2クリーチャーでしかなかったが、最後に勝利を届けてくれることとなった。

遠藤 2-1 細川

遠藤win!