第2回晴れる屋×龍王戦のベスト8に残った8人から、お届けするのは堀VS槙島のマッチアップ。
二人ともバントカラーのデッキを使ってはいるが、構成は大きく違う。
いわゆるアグロバントを操る堀だが、かなり特殊というかマニアックなカードが仕込まれている。
対する槙島は、《土を食うもの》が4枚入ったタイプの、デイヴィットプライス謹製の”ニューホライズン”を持ち込んでいる。
準決勝へと駒を進めるのは果たしてどちらなのだろうか?
Game 1
後手2ターン目の堀の《貴族の教主》からゲームが始まる。
対する槙島も《渦まく知識》で手札を整理しつつ、《タルモゴイフ》を設置。
バントカラー同士の静かな戦いである。
返しで堀が《聖遺の騎士》を通そうとすれば負けじと《渦まく知識》からの《Force of Will》で迎撃をする。
だがここで《師範の占い独楽》を通して長期戦となりそうな様相。
堀 「バントにも見えるけど、、違う気もするな。。」
バントカラーであることは間違いないのだが、その先の肝心な細かなアーキタイプが判別出来ない。
槙島は《仕組まれた爆薬》x=1で《貴族の教主》をなぎ倒し、《タルモゴイフ》でアタック。堀は《トロールの苦行者》を出して防御網を構築しようとする。
しかし、このマナを食うクリーチャーは即ブロックに参加できるわけではなく、《タルモゴイフ》の更なるアタックでライフは槙島18:堀11と差がつき、槙島は駄目押しとばかりに《土を食うもの》を戦線に追加する。
堀も《タルモゴイフ》を戦場へと送り出し、徹底抗戦の構えを見せるが、槙島も豪腕を唸らせながら山の上から《土を食うもの》をそのまま戦場に送り込み、盤面の優位を崩さない。
一見膠着しているように見えるこの盤面。《師範の占い独楽》で《剣を鍬に》を手にし、《土を食うもの》に退場願った堀だったが、豪腕槙島の《聖遺の騎士》の追加を見ると、もはや1枚のカードではひっくり返せないほどの圧倒的な盤面になってしまったため、次のゲームへと意識を切り替えた。
堀 0-1 槙島
Game 2
先手堀。お互いマリガン無しで、《師範の占い独楽》、《クァーサルの群れ魔道士》ときれいに動く堀に対して、静かに土地を並べるのみの槙島。
対する槙島は《渦まく知識》で手札を整理して、そこから繰り出すのは《タルモゴイフ》。
堀はこれを即座に《流刑への道》し、《タルモゴイフ》を盤面に追加しようとするが《Force of Will》×2で綺麗に裁ききり、盤面の優位を維持に成功した槙島だが、一気に4枚もの手札を失ってしまう。
そして槙島の手札に控えるは《思案》、《タルモゴイフ》、《聖遺の騎士》という非常に強力なもの。さらに唱えた《思案》の先には《土を食うもの》が控えているという重厚さである。
これを小考の末ライブラリーのトップにつむと、2体目の《タルモゴイフ》を盤面に追加し、一気に槙島が勝負を決めるかと思ったのだが。
この圧倒的な展開を想像させる盤面は一枚のカードで一気に振り出しに戻ってしまう。
堀がプレイしたのは《ルーンの光輪》。勿論指定は《タルモゴイフ》。槙島の戦線で戦闘態勢にあった《タルモゴイフ》は無力化されてしまう。
さらに堀は《タルモゴイフ》、《聖遺の騎士》と追加し、盤面はファッティ達が睨み合う膠着した場となり、本格的な長期戦の様相を呈する。
ここで堀は《貴族の教主》を戦線に加え、賛美の後押しとこっそりとセットランドしていた《ヤヴィマヤのうろ穴》のバックアップで《タルモゴイフ》をレッドゾーンへと送り出すことに成功する。
一方的に《タルモゴイフ》を討ち取られた槙島は打開策を探すが見つからない。
それを尻目に《聖遺の騎士》と《師範の占い独楽》でライブラリートップを新鮮なものに循環させ続ける堀の場にはいつの間にか《タルモゴイフ》が2体、《聖遺の騎士》、《クァーサルの群れ魔道士》、《貴族の教主》と並び、場は少しづつ堀に傾いていく。
しかし、万全の場を構築するために慎重を期しているのか、堀はこの後アタックを躊躇してしまうことになる。
何を待っているのだろうと思っていたら、ここで堀がプレイしたのは《石鍛冶の神秘家》。当然サーチされる装備品は《梅澤の十手》。どの環境でも悪魔のような強さを発揮した、日本伝統の鉄の棒である。これによって一気にゲームが終結に向かうかと思われるが、まだ攻めない堀。真綿でクビを閉めるように、絶対挽回不可能な場の構築に精をだす。
ドローゴーが続いた数ターン後、長考した上で意を決した堀は自らのトレードマークとも言うべき《的盧馬》を《タルモゴイフ》にプレイ。ダメージレースを一気に動かそうと画策するが、互いにある程度のカードを引いているため、このアタックは《剣を鍬に》で未遂に終わってしまう。
お互いに好機を逸してしまい完全に膠着している。
ここで場を整理しよう。
堀の場は《聖遺の騎士》、《タルモゴイフ》、《石鍛冶の神秘家》、《貴族の教主》、《師範の占い独楽》、《ルーンの光輪》(指定=《タルモゴイフ》)、《梅澤の十手》カウンター2個。
槙島は《聖遺の騎士》×3、タルモゴイフ。
墓地の土地の枚数は槙島9、堀7枚。
エクストラターンへの突入まであとわずかとなったここで、痺れを切らした槙島が意を決して槙島が攻勢にでる。《聖遺の騎士》2体でアタックし、4対目となる《聖遺の騎士》を追加する。
しかしここで堀がプレイしたのは2枚目の《ルーンの光輪》。当然指定は《聖遺の騎士》。
この輪を何とかしなければ、堀のライフを削る手段を、事実上槙島は持たない。十手のカウンター分を考えると、ライフサドンデスに入ればこのゲームはほぼ負け。3ゲーム目を先にライフを削った(増やした)方が勝ちという不毛な争いに突入してしまう。
このまま3ゲーム目に突入するかと思われたエキストラターン3ターン目。
槙島が、10ターン以上待ち焦がれていた《仕組まれた爆薬》を引き込み、一気に試合の行方を左右する権利を得る。
長考の末、全てのクリーチャーでアタックを宣言すると、堀は素直に投了を宣言した。
槙島、準決勝へと駒を進める。
堀 0-2 槙島