メタゲームブレイクダウン
《悲嘆》がモダン環境から去って3ヵ月が過ぎようとしている。有力なデッキはたくさんあれど、「使用率」の観点からメタゲームを分析すればエネルギーデッキが圧倒的な一強であることに疑いの余地はないだろう。
そんななか、モダンに新しい風が吹き込んできた。そう、『ダスクモーン:戦慄の館』だ。
エネルギーが覇道を突き進むのか。それともニューカマーを迎え入れたデッキが新たな可能性を示すのか。参加者177名にて開催される『第28期モダン神挑戦者決定戦』のメタゲームに注目しよう。
デッキ | 使用者数 | 使用率 |
---|---|---|
ボロスエネルギー | 19 | 10.27% |
マルドゥエネルギー | 16 | 8.65% |
エルドラージ | 13 | 7.03% |
ディミーア眼魔 | 11 | 5.95% |
ジェスカイコントロール | 10 | 5.41% |
ルビーストーム | 8 | 4.32% |
ディミーアマークタイド | 8 | 4.32% |
エスパー御霊 | 6 | 3.24% |
青単ベルチャー | 6 | 3.24% |
アミュレットタイタン | 5 | 2.70% |
繁殖鱗コンボ | 4 | 2.16% |
ジャンドサーガ | 4 | 2.16% |
リビングエンド | 4 | 2.16% |
ハンマータイム | 4 | 2.16% |
脱出基地 | 3 | 1.62% |
ホロウワン | 3 | 1.62% |
黒単ネクロ | 3 | 1.62% |
ドメインズー | 3 | 1.62% |
ジャンド昂揚 | 3 | 1.62% |
ぐるぐるロータス | 3 | 1.62% |
ヨーグモス医院 | 3 | 1.62% |
イゼットウィザード | 3 | 1.62% |
エルドラージトロン | 3 | 1.62% |
ディミーアライブラリーアウト | 3 | 1.62% |
鱗親和 | 2 | 1.08% |
リアニメイト | 2 | 1.08% |
災厄の先触れ | 2 | 1.08% |
裂け目の突破 | 2 | 1.08% |
サムワイズフード | 2 | 1.08% |
クラガンウィックシュート | 2 | 1.08% |
感染 | 1 | 0.54% |
ドレッジ | 1 | 0.54% |
The Spy | 1 | 0.54% |
ゴブリン | 1 | 0.54% |
出産の儀 | 1 | 0.54% |
発見コンボ | 1 | 0.54% |
マーフォーク | 1 | 0.54% |
エレメンタル | 1 | 0.54% |
ネオブランド | 1 | 0.54% |
黒単ハンデス | 1 | 0.54% |
ラクドス昂揚 | 1 | 0.54% |
黒単貴重品室 | 1 | 0.54% |
クラブヴァイン | 1 | 0.54% |
スケープシフト | 1 | 0.54% |
ナヤエネルギー | 1 | 0.54% |
スゥルタイ御霊 | 1 | 0.54% |
グルール霊気池 | 1 | 0.54% |
ジャンドシャドウ | 1 | 0.54% |
レンアンドオムナス | 1 | 0.54% |
ボロスミッドレンジ | 1 | 0.54% |
カスケードクラッシュ | 1 | 0.54% |
ゴルガリミッドレンジ | 1 | 0.54% |
エスパーコントロール | 1 | 0.54% |
ティムールミッドレンジ | 1 | 0.54% |
イリーシアヴァラクート | 1 | 0.54% |
合計 | 185 | 100% |
(※提出されたリストをすべて掲載しています)
ディミーア眼魔 11名(5.95%)
新デッキながら使用者11名・使用率5.95%で第4位の人気となったのがディミーア眼魔だ。
新カード《忌まわしき眼魔》は3マナながら破格のマナレシオを持つ強力なクリーチャーだ。ただし、普通に唱えるには追加コストとして墓地のカード6枚を追放する必要があるため、フェッチランドがあるモダンといえども簡単ではない。
しかし、モダンには《超能力蛙》と《発掘》がある。唱えるのは難しくても、墓地に落として釣り上げるのはイージーだ。そもそも《超能力蛙》が強いし、いざとなれば《発掘》で蛙の方を釣り上げたってかまわない。1マナでこんなことができて良いのだろうか?
《忌まわしき眼魔》にしろ《超能力蛙》にしろ、戦場に定着したなら打ち消しを構えているだけで盤面はどんどん有利になるはずだ。モダンのカードパワーでクロック・パーミッションを遂行されたら、逆転できるデッキは少ないだろう。
ただし、誕生したばかりのデッキであり、粗削りな部分があることは否めない。ディミーア眼魔の進化はここからだ。
繁殖鱗コンボ 4名(2.16%)
パウパーの話?
おっと失礼。モダンで繁殖鱗コンボがデッキとして成立することはご存じだろうか。
《日を浴びる繁殖鱗》に《血の長の刃》を装備させれば準備完了。エルドラージ・落とし子を生け贄にすれば無限パンプアップ、無限マナが成立する。
《血の長の刃》は《サディスト的喜び》と違い、《ウルザの物語》からサーチできる点と《日を浴びる繁殖鱗》を対処されてもコンボパーツとして戦場に残り続ける点が優秀だ。
ちなみに勝ち手段もいくつかルートがある。《日を浴びる繁殖鱗》の攻撃が通るなら話は早いが、現実的には《まばゆい肉掻き》で無限ダメージを狙うのがオーソドックスだ。
《大いなる創造者、カーン》を採用している型であれば、ウィッシュボードから《歩行バリスタ》でも良い。それ以外では《コジレックの命令》で《まばゆい肉掻き》を確定サーチ(無限&占術X+1ドロー)できる。
妨害などでコンボが成立しなかった場合、フェアに戦って勝ちを目指そう。《ウルザの物語》もあるし、コンボ要素を薄くしてエルドラージに寄せても面白そうだ。
いろいろと調整しがいのあるコンボデッキといえるだろう。
ジャンド昂揚 3名(1.62%)
リアニメイトや《濁浪の執政》だけがモダンの墓地利用ではない。『ダスクモーン:戦慄の館』で大幅に強化された「昂揚」というアーキタイプに注目だ。
『ダスクモーン:戦慄の館』で新登場した《逸失への恐怖》はルーティング能力がそもそも昂揚と相性がよく、昂揚すると追加戦闘フェイズを得ることができる強力なクリーチャーだ。
おなじく新カードの《雑食性ハエトリグサ》はとにかくパワフルで、凄まじいクリーチャー強化能力を持つ。「昂揚」すればあっという間にゲームを支配するほど巨大なサイズへと成長するのだ。自身も、自身以外のクリーチャーも。
《邪悪鳴らし》は墓地肥やし、マナ加速、クリーチャー確保の3役を同時にこなすスペシャルな呪文だ。地味ながら《タール火》のような同族・インスタントを採用しているテクニックも見逃せない。
昂揚達成のついでに強くなる、これらのクリーチャーだって無視はできない。むしろ昂揚の方がついでだったりするのではないか?
飛行・速攻のダブルゴイフに追加戦闘フェイズまで加われば、対戦相手のライフは風前の灯だろう。
ちなみに安定性には欠けるが、昂揚を達成するだけなら《燃え立つ調査》も有用だ。こちらの道を選ぶなら、《虚ろな者》も忘れずに。
以上、『第28期モダン神挑戦者決定戦』のメタゲームブレイクダウンをお届けした。
勝つのはエネルギーか、それとも新勢力か。大会の行方に注目したい。