はじめに
こんにちは。Hareruya Prosの平山(@sannbaix3)です。
11月15日(金)に『ファウンデーションズ』がリリースされます。《強迫》や《否認》のような鉄板カードのみが収録される地味なセットを予想していましたが、蓋を空けてみると《ラノワールのエルフ》《審判の日》のようなしばらく敬遠されていた強力なカードの再録や、《深淵の収穫者》のような面白い効果を持った新録のカードまで、多数のカードが追加されました。
『ファウンデーションズ』は特殊な扱いのセットでもあり、スタンダードでなんと5年もの間使えることもあって、今後のスタンダードの基盤になりそうです。
今回は新デッキの紹介や、個人的に注目しているカードをいくつか紹介します。
デッキ紹介
まずは恒例のHareruya Wayfinderの代わりに、『ファウンデーションズ』のカードを用いたデッキをいくつか紹介します。
ボロスバーン
《ギトゥの溶岩走り》《ヴィーアシーノの紅蓮術師》は、かつて2019年ごろにスタンダードの赤単系デッキで大活躍したカードです。それに加えて、《噴出の稲妻》や《ボロスの魔除け》、新《溶岩の撃ち込み》こと《稲妻波》が収録されているので、これらを用いたバーンデッキを組んでみました。
そのころの赤単のキーカードであった《実験の狂乱》こそないものの、《真紅の鼓動の事件》や今回のリストでは採用していないですが、《勇気の徳目》などで代用できるでしょう。使われているカードは、かつてのモダンや現在のパイオニアで使われるほどカードパワーが高いものばかりなので強そうです。
唯一の欠点はマナベースです。優秀なアンタップイン土地である境界ランドはまだ友好色しかないので、マナベースにはまだ難があります。今回は仕方なく《スランの門》を採用しました。
ディミーアリアニメイト
《ゾンビ化》は『ダスクモーン:戦慄の館』の《蛾の儀式》と違い、白をいれる必要のないリアニメイト呪文です。また「最終カウンター」がのらないので、場に戻したクリーチャーが除去されても、すぐ次の呪文で出しなおすことができます。
《上げ潮、キオーラ》は注目の新規カードです。出たときのルーティング能力で墓地を整えつつ、「スレッショルド」を達成していれば8/8を生み出す無視できない脅威になります。このデッキなら《ファラジの考古学者》や《ベイルマークの大主》などで墓地の枚数も確保しやすいので、スレッショルドしやすいはずです。
ラクドスサクリファイス
《復讐に燃えた血術師》は、《血の美食家》《ズーラポートの殺し屋》の亜種で、これらはサクリファイス系デッキの鉄板カードです。《ズーラポートの殺し屋》と違い、《復讐に燃えた血術師》は相手を対象にとるので、《見捨てられた鉱夫》が誘発します。
《イマースタームの捕食者》で《見捨てられた鉱夫》を生贄に捧げる→《復讐に燃えた血術師》の能力で《見捨てられた鉱夫》を場に返すを繰り返せば、黒マナの数だけライフをドレインすることが可能です。《見捨てられた鉱夫》はスケルトンなので、デッキのそれ以外の部分はスケルトンでまとめて《迷いし者の骸》を強く使える構成にしています。
ゴルガリミッドレンジ
大注目の再録カード《ラノワールのエルフ》を用いたデッキとして、既存のゴルガリミッドレンジを紹介します。
ゴルガリミッドレンジは、もともと優秀な3マナ域が多い代わりに、2マナ域の選択肢が《苔森の戦慄騎士》以外貧弱でした。
黒ミッドレンジの鉄板2マナ域である《大洞窟のコウモリ》も、《永劫の好奇心》や少し前の構成に採用されていた《亭主の才能》など、コウモリ自身を活かせるカードがないと少しパワー不足です。
そこで1→3のジャンプができる《ラノワールのエルフ》は、このデッキにとって大きなアップグレードになることは間違いないでしょう。
買い切り型《変わり谷》こと《魂石の聖域》も、《不浄な別室/祭儀室》と相性がよく、いいアップグレードです。
追加のデーモンとして《冒涜の悪魔》も採用しました。もともと入れるつもりはなかったのですが、このデッキを組んでいるときに近くにいたMTGおじさんが10年前いかにこのカードが強かったか熱弁してきたので、マジックのインフレを実感するために1枚採用してみました。ほかのカードでもいいと思います。
ボロスと同じく、境界ランドがない分マナベースは弱めです。ここは次以降のセットに期待です。
そのほかの注目カード
上のデッキで使っていないカードのなかで、いくつか注目カードを紹介します。
《審判の日》
最近のセットでは、《証人隠滅》のようなデメリットつきの4マナ全体除去はたびたび作られていましたが、ついにデメリットがなくなりました。とはいえ、現スタンダードには《太陽降下》という非常に優秀な全体除去もあるため、どちらを採用するかは考えどころです。
《過去立たせ》
《先祖の結集》を思い出すカードです。《復讐に燃えた血術師》と《バルトロメ・デル・プレシディオ》とそのほか諸々を一気に釣りあげればワンショットキルも現実的です。
《全知》
マジックの踏み倒したいカードで《引き裂かれし永劫、エムラクール》に並ぶ人気カードです。
似た能力として《陰謀の解明者》がすでにスタンダードにありますが、これと比較すると、クリーチャーである分《陰謀の解明者》のほうが場に出しやすい(《ゾンビ化》のようなカードが使える)かわりに、軽いカードを連打できないので、盤面に出たあとの勝ちやすさでは《全知》が勝ります。
《多元宇宙の突破》を連打するようなデッキであれば《陰謀の解明者》を、《手練》や《選択》のようなカードで勝ち筋を探しにいくなら《全知》を使うのがいいでしょう。
《忘れ去られし伝承のスフィンクス》
攻撃するたびに墓地のインスタントかソーサリーに「フラッシュバック」を与えます。《瞬唱の魔道士》というよりは《戦慄衆の秘儀術師》のようなカードです。本体に瞬足がついているため唱える隙が少なく、コントロール系デッキの使いやすいフィニッシャーになるかもしれません。
《深淵の収穫者》
戦場に置いておける《犯行現場の再現》です。マナがかからないのでディスカード手段の選択肢が豊富になりますし、《苦難の収穫者》や《棘林のアルマジロ》のような自主的に墓地に遅れるクリーチャーと相性がいいです。また、軽いデーモンであるため《不浄な別室/祭儀室》用のクリーチャーにもなれます。
《血に飢えた征服者》
《永劫の不屈》や《星景の僧侶》と組み合わせると無限ドレインになります。新しい2枚コンボとして注目です。素のスペックも5/5飛行の疑似絆魂とそこまで悪くないのがいいですね。
《原初の飢え、ガルタ》
私が初めて出たプロツアーであるプロツアー『ドミナリア』で、見事私を初日落ちに導いた思い出のカードです。当時は《鉄葉のチャンピオン》との組み合わせでしたが、今のスタンダードなら《好戦的な槌頭》でしょうか?恐竜でデッキをまとめれば《イクサーリの伝承守り》も採用できるので、パイオニアのような実質《ラノワールのエルフ》8枚体制にできます。
評価が上がりそうなカード
3マナのカード
《ラノワールのエルフ》が再録されるため、3マナのカードは評価が上がります。特に緑単色のものはマナベースを気にしなくていいため要注目です。上記で紹介したゴルガリミッドレンジのカード以外だと、《好戦的な槌頭》や《ホーントウッドの金切り魔》あたりは使われるようになるかもしれません。
同族関連のカード
今回のセットでは、ゴブリンやエルフなど一部同族カードが多めに採用されています。ゴブリンの《ランドヴェルトの大群率い》や《葉冠の幻想家》は優秀なクリーチャーでありながらカードが足りずデッキにならなかったので、これらのカードには要注目です。
今回はこれで以上になります。
『ファウンデーションズ』は『ダスクモーン:戦慄の館』発売後すぐに出ましたが、次の『霊気走破』まではしばらく間があります。数か月はこの環境のスタンダードが続くので、この環境を突き詰めてみてはいかがでしょうか。
平山 怜(X)
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