スタンダードの最新大会結果!
こんにちは。晴れる屋メディアの紳さんです。
先週はMOの大型大会、『Standard Showcase Challenge』が開催されました。最新の『Standard Challenge』の結果と合わせてチェックしていきましょう!
11/22(金)『Standard Showcase Challenge』
11/22(金)に開催された『Standard Showcase Challenge』には349名とたくさんの方が参加しました。
この大型大会は、《叫ぶ宿敵》4枚採用の赤単が優勝という結果になりました。
また、《永遠の策謀家、ズアー》4枚採用のオーバーロードが準優勝&3位入賞と好成績を残しています。
赤単
こちらが優勝したデッキです。ほとんどのカードが4枚採用で奇抜なカードはなく、洗練されたリストといえるでしょう。
メイン3枚採用の《魔女跡追いの激情》は注目ポイントの1つです。《稲妻の一撃》や《噴出の稲妻》のように、いざとなればプレイヤー本体を対象にできる《ショック》の方がより攻撃的ですが、現メタゲーム的には5点火力が欲しい場面が多々あります。
5点火力であれば、アゾリウス眼魔の主要クリーチャー2種と天敵である《跳ねる春、ベーザ》《黙示録、シェオルドレッド》が倒せます。
《ドロスの魔神》や《不浄な別室》が生成する6/6デーモンは倒せませんが、赤単の全軍突撃に対してデーモンがブロックに参加しないわけにもいかず、結局は《魔女跡追いの激情》で討ち取れるケースがほとんどでしょう。
また、今回の優勝したリストではメイン4枚採用の《叫ぶ宿敵》に加え、サイドボードに《陽背骨のオオヤマネコ》が3枚採用されるなど、かなりライフ回復を咎める意図が見れます。
現スタンダードの赤単はカードパワーが高く、「ライフ回復」さえ封じれば勝ちきれることが多いようです。この快進撃はどこまで続くでしょうか。
それにしても、赤単と対戦する側にとっては「ライフ回復」こそがアグロ対策である面はかなり大きいのですが、その対策を根本的に封じられるのは厳しいですね。
オーバーロード
こちらが準優勝したデッキのリストです。
各種オーバーロード(大主)は「兆候」によって3マナ-4マナでプレイしながら、《豆の木をのぼれ》でドローする動きが強力です。
戦場に兆候状態のオーバーロードが並んだら、《永遠の策謀家、ズアー》によってクリーチャー化して攻撃するという奇襲要素もあります。
序盤に除去としてプレイした《力線の束縛》でさえも、6/6接死・絆魂・呪禁を持ったクリーチャーとして攻撃に参加できるのは破格ですね。ちなみに《永遠の策謀家、ズアー》が除去されると呪禁などの能力は失うものの、クリーチャー化が解けるわけではありません。
オーバーロードたちが動き始めれば、一気に盤面をひっくり返すパワーがあるデッキです。しかし、多色デッキであるためタップイン土地も多く、序盤の動きは緩慢になりがちなのが明確な弱点といえるでしょう。
そのため、サイドボードはかなりアグロデッキを意識しているようです。
今回のリストでは《領事の権限》が4枚フル投入されています。《ウラブラスクの溶鉱炉》を完全に封殺できますし、赤系アグロデッキの速攻を全般的に止めることができるなど、1マナながら強力なカードです。
メインから採用している《別行動》とも相性が良く、《領事の権限》をフル採用するなら、合わせて《別行動》の枚数を増やしてもいいかもしれませんね。
アグロデッキを完全に克服したとき、オーバーロードは最強のデッキとして君臨することになりそうです。
11/23(土)『Standard Challenge 32』
つづいて、11/23(土)に開催された『Standard Challenge 32』の結果です。81名が参加しました。
開催日:2024年11月23日
優勝 赤単
準優勝 ディミーアミッドレンジ
3位 アゾリウスアグロ
4位 ティムール果敢
5位 グルール果敢
6位 ディミーアミッドレンジ
7位 グルール果敢
8位 ゴルガリミッドレンジ
ここでも優勝は赤単でした。勢いが止まりません。
準優勝は《悪夢滅ぼし、魁渡》を採用したディミーアミッドレンジ。これも最近、人気のアーキタイプですね。
ここでは3位に入賞したアゾリウスアグロを紹介したいと思います。
アゾリウスアグロ
こちらが3位に入賞したデッキです。《永劫の無垢》との相性を踏まえた結果でしょうか。以前のアゾリウスアグロでは定番だった《生命ある象形》が不採用となっています。
主力となるアタッカーは《威厳あるバニコーン》で、《マネドリ》でコピーすることで2マナとは思えないほど、巨大なサイズの飛行クリーチャーが誕生します。
《威厳あるバニコーン》が対処されても、将来的に飛行を持つ《内なる空の管理人》を含め、軽量の飛行クリーチャーで堅実にライフを詰めにいけるデッキです。
これら小型クリーチャー展開しつつ、《永劫の無垢》でドローを重ねていくことでアグロデッキの弱点である息切れを防止します。
《幽霊による庇護》で除去をしながら、エンチャント先のクリーチャーに絆魂を付与する動きも強力です。特に赤系のアグロデッキには《威厳あるバニコーン》に《幽霊による庇護》をエンチャントするだけでライフレースを捲れるほどのインパクトがあります。
メインから4枚フル投入された《喝破》に加え、サイドボードの《否認》など打ち消しによって全体除去をケアできるのも強みで、2マナさえ残せるなら、気兼ねなくクリーチャーを展開することができます。
《威厳あるバニコーン》を強く使うために、全体除去を恐れていては始まりません。
「アグロに強いアグロデッキ」という考え方もできますが、やはり気になるのは《叫ぶ宿敵》でしょうか。
《威厳あるバニコーン》に《幽霊による庇護》という必殺ムーブも、《叫ぶ宿敵》の能力を先に誘発されると厳しくなります。できるだけ《喝破》で対処したいところですが、赤系アグロの猛攻を2マナ残しながら捌くのは至難の業といえるでしょう。
現在、ほとんどのデッキが頭を抱える《叫ぶ宿敵》の対処方法ですが、良いアイディアが見つかればアゾリウスアグロは「赤単キラー」となりえるポテンシャルを秘めています。
今後の発展が楽しみなデッキですね。
11/24(日)『Standard Challenge 32』
それでは最後に、11/24(土)に開催された『Standard Challenge 32』の結果です。76名が参加しました。
開催日:2024年11月24日
優勝 赤単
準優勝 ゴルガリミッドレンジ
3位 ディミーアミッドレンジ
4位 ディミーアミッドレンジ
5位 ゴルガリミッドレンジ
6位 赤単
7位 オルゾフミッドレンジ
8位 赤単タッチ緑
なんと、ここでも優勝は赤単という結果になりました。優勝を含めTOP8に赤単が3名と、支配的な強さです。
ここでは7位に入賞したオルゾフミッドレンジに注目したいと思います。
オルゾフミッドレンジ
こちらが7位に入賞したデッキです。「絆魂」を持つクリーチャーが15枚も採用されています。
《叫ぶ宿敵》さえどうにかできれば、赤単とのマッチアップはかなり有利な展開が望めることでしょう。
《ファイレクシアの肉体喰らい》は「試作」(3マナ)でプレイして《魅力的な王子》でブリンクする動きを狙っているようです。《魅力的な王子》は出た時能力で3点ライフゲインを選ぶこともでき、徹底的にアグロをメタっています。
おなじみのデーモンシナジーセットも採用し、ゲームを終わらせにいく力も備えています。フェアデッキ相手には地上を絆魂クリーチャーで止めて、空から攻撃する戦略が有効でしょう。
ちなみに、《ドロスの魔神》を《悪夢滅ぼし、魁渡》でタップさせられ、モジモジしている間に自爆といった苦い経験をした方もたくさんいらっしゃると思います。このデッキならば《魅力的な王子》でブリンクできますよ。
アグロを強く意識したあまり、ティムール果敢のようなコンボデッキや、オーバーロードのようなランプデッキに対する耐性は少なめです。サイドボード後は《強迫》を4枚フル投入することになるでしょうか。
ところで、サイドボードに《腐食の荒馬》を4枚採用しているのは少し珍しい構築です。騎乗して攻撃することで《ファイレクシアの肉体喰らい》や《不浄な別室/祭儀室》がめくれたときに大ダメージが狙えるということかもしれません。
また、ライフには余裕が生まれそうなデッキなので、騎乗せずともガンガン攻撃できる、ということも考えているのでしょうか。アグロデッキ相手に使用する余裕がないからサイドボードにいるのでしょう。
また、《薄暮の聖人、エレンダ》で4/4相当のクリーチャーをブロックしたとき、絆魂によるライフ回復で初期ライフを越えた場合、即座に5/5になるため、一方的に戦闘に勝つということを覚えておきましょう。相打ちになりそうな雰囲気がありますが、なりません。
私はこのことを失念し、先日、《薄暮の聖人、エレンダ》に向かって《跳ねる春、ベーザ》を突っ込ませてしまいました。くれぐれもご注意を。
というわけで、絆魂モリモリのオルゾフミッドレンジの紹介でした。どうしても赤単に勝てないとお悩みの方、ぜひ、お試しください。
おわりに
赤単強し!
これだけメタられたにも関わらず、連続して優勝しています。《叫ぶ宿敵》がメタを乗り越えているのが凄いです。
このまま赤単が支配的なメタゲームを形成するのか、それとも攻略するデッキが登場するのか。ライフ回復せずに赤単を倒すという路線でデッキを考え直すのも良いかもしれません。
次回の大会結果もお楽しみに!それではまた。