第10期統率者神挑戦者決定戦:メタゲームブレイクダウン

晴れる屋メディアチーム

メタゲームブレイクダウン

魔力の墓所宝石の睡蓮波止場の恐喝者有翼の叡智、ナドゥ

コミュニティを揺るがした9月の禁止改定から早2か月。マジック史上、もっとも多くのプレイヤーに影響したともいえる禁止改定は、当然競技志向の統率者戦にも大きな衝撃だった。

禁止改定後初となる統率者神決定戦のメタゲームブレイクダウンをお届けする。

統率者 カラーボード 使用者数
《眷者の神童、キナン》 GU 9
《織り手のティムナ》
《トリトンの英雄、トラシオス》
GWUB 8
《浄火の戦術家、デリーヴィー》 GWU 6
《激情の薬瓶砕き》
《鋭い目の航海士、マルコム》
UBR 5
《求道の達人、サイラス・レン》
《ロフガフフの息子、ログラクフ》
UBR 5
《虎の影、百合子》 UB 4
《ロフガフフの息子、ログラクフ》
《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット》
BR 4
《精霊の魂、アニマー》 GUR 4
《囚われの黒幕、オブ・ニクシリス》 BR 3
《秘密売り、ティヴィット》 WUB 3
《織り手のティムナ》
《鋭い目の航海士、マルコム》
WUB 3
《舞台座一家の料理人、ロッコ》 RGW 3
《奪い取り屋、サーダ・アデール》 U 2
《ヨーグモスの息子、ケリク》 B 2
《厚顔の無法者、マグダ》 R 2
《大いなる歪み、コジレック》 C 2
《開闢機関、勝利械》 WU 2
《ギトラグの怪物》 BG 2
《災厄の占い師、グラルブ》 BGU 2
《意志を縛る者、ディハーダ》 RWB 2
《偉大なる統一者、アトラクサ》 GWUB 2
《刃を咲かせる者、ナジーラ》 WUBRG 2
《ラト=ナムの創立者、ドラフナ》 U 1
《湖に潜む者、エムリー》 U 1
《抜け目ない潜り手、ニアディヴ》 U 1
《クラゲ追い、サイネッテ》 U 1
《最高工匠卿、ウルザ》 U 1
《原初の潮流、ネザール》 U 1
《汚らわしき者バルソー》 B 1
《狂気を操る者チェイナー》 B 1
《敏捷なこそ泥、ラガバン》 R 1
《ウラブラスク》 R 1
《鍛冶の神、パーフォロス》 R 1
《コスモスの門徒、アレクシオス》 R 1
《最深の力、オヘル・アショニル》 R 1
《山賊の頭、伍堂》 R 1
《野生の魂、アシャヤ》 G 1
《森の轟き、ルムラ》 G 1
《東の樹の木霊》
《ワイアウッドの呼び手、ギランラ》
G 1
《碑出告と開璃》 UB 1
《鋭い目の航海士、マルコム》
《鸚鵡の匪賊、フランシスコ》
UB 1
《エインジー・ファルケンラス》 BR 1
《用心棒、ラクドス》 BR 1
《船壊し、ダーゴ》
《肉体彫刻家、ケスキット》
BR 1
《時を超えた英雄、ミンスクとブー》 RG 1
《原初の征服者、エターリ》 RG 1
《収穫の手、サイシス》 GW 1
《サムワイズ・ギャムジー》 GW 1
《配役の監督、ギルウェイン》 GW 1
《大衆扇動者、ブリーナ》 WB 1
《華やかな支配者、テイサ》 WB 1
《アーボーグのラタドラビック》 WB 1
《ウェザーライトの艦長、ジョイラ》 UR 1
《パルン、ニヴ=ミゼット》 UR 1
《千の顔の逆嶋》
《親指なしのクラーク》
UR 1
《鋭い目の航海士、マルコム》
《ロフガフフの息子、ログラクフ》
UR 1
《リスの将軍、サワギバ》 BG 1
《エルフの刃、ラスリル》 BG 1
《見捨てられた人形、アラベラ》 RW 1
《知りたがりの学徒、タミヨウ》 GU 1
《トレストの密偵長、エドリック》 GU 1
《鋭い目の航海士、マルコム》
《トリトンの英雄、トラシオス》
GU 1
《策謀の予見者、ラフィーン》 WUB 1
《欲深き者、エヴリン》 UBR 1
《親指なしのクラーク》
《求道の達人、サイラス・レン》
UBR 1
《鸚鵡の匪賊、フランシスコ》
《ルーデヴィックの名作、クラム》
UBR 1
《求道の達人、サイラス・レン》
《ルーデヴィックの名作、クラム》
UBR 1
《焦熱団のユルロック》 BRG 1
《フェイに呪われた王、コルヴォルド》 BRG 1
《原初の災厄、ザカマ》 RGW 1
《バンブルフラワー夫人》 GWU 1
《伝承の語り部、チュレイン》 GWU 1
《光明の不可思議、タヤム》 WBG 1
《無限のエルシャ》 URW 1
《鋭い目の航海士、マルコム》
《粗野な牧人、ブルース・タール》
URW 1
《東の樹の木霊》
《織り手のティムナ》
WBG 1
《織り手のティムナ》
《ロフガフフの息子、ログラクフ》
RWB 1
《願いの頂点、イルーナ》 URG 1
《エーテリウム造物師、ブレイヤ》 WUBR 1
《織り手のティムナ》
《ルーデヴィックの名作、クラム》
WUBR 1
《織り手のティムナ》
《血を蒔く者、ターナ》
BRGW 1
《綱投げ、アキリ》
《トリトンの英雄、トラシオス》
RGWU 1
《Rose Noble》
《The Fourteenth Doctor》
RGWU 1
《樹の神、エシカ》 WUBRG 1
《ウェザーライトの艦長、シッセイ》 WUBRG 1
《統べるもの、ジョダー》 WUBRG 1
合計 141

《眷者の神童、キナン》 (使用者9名)

眷者の神童、キナン

《魔力の墓所》《波止場の恐喝者》を失い、マナ加速の代名詞が再び緑のものとなった。禁止改定後、プレイヤーはマナ・クリーチャーと《ガイアの揺籃の地》を強く使える統率者に目を向けたのだ。

玄武岩のモノリス

なかでも《眷者の神童、キナン》は禁止改定以前から活躍しており、相対的に強化されたといえる。《玄武岩のモノリス》との無限マナコンボが意識されがちだが、単純にマナクリーチャーから追加でマナが出る能力だけで無法のマナ加速を実現する。

献身のドルイド機械神の肖像船砕きの怪物

《献身のドルイド》のクリーチャーではないコピーとして出る《機械神の肖像》とのコンボや、《潮吹きの暴君》コンボもそなえ、そうしたパーツを青のアーティファクト・サーチ、緑のクリーチャー・サーチでそろえることも可能だ。

激情の後見

本体の2マナという軽さも大きい。最序盤に繰り出すことで《激情の後見》を構えることができ、より速いデッキを牽制することもできる。

サンプルリスト

デッキリストページ

《トリトンの英雄、トラシオス》&《織り手のティムナ》 (使用者8名)

トリトンの英雄、トラシオス織り手のティムナ

赤抜き4色の共闘デッキの台頭を見て《波止場の恐喝者》の退場を実感する。

《織り手のティムナ》の共闘といえば《ルーデヴィックの名作、クラム》という時代が長らく続いた。第9期統率者神である髙橋 龍司の愛機でもあったが、《波止場の恐喝者》《魔力の墓所》《宝石の睡蓮》が欠け、「スピード」と「4番手からまくりうる力」が減退した。今回の『挑戦者決定戦』でのティムナ&クラムの使用者は、わずか1人だ。

堂々たる撤廃者激情の後見吸血の教示者召喚の調べ

白の対話拒否、青の打ち消し、黒の万能サーチ、緑のクリーチャー・サーチ、そしてマナ加速。《トリトンの英雄、トラシオス》のおかげで構え損も起こりにくく、《織り手のティムナ》の能力で手札を整えていく。

コンボのパターンも実に多彩で、ありとあらゆる手段で勝利を狙うことができる。ティムナ&クラムが没落したいま、もっとも「丸い」選択肢のひとつといえるだろう。

《浄火の戦術家、デリーヴィー》 (使用者6名)

浄火の戦術家、デリーヴィー

《浄火の戦術家、デリーヴィー》もまた、禁止改定以前から存在感のある統率者だ。《有翼の叡智、ナドゥ》を失ったが、繰り返し《ガイアの揺籃の地》《フェイ庄の古老》をアンタップして膨大なマナを生み出すだけでなく、《放浪の吟遊詩人、イーサーン》《出産の殻》、さらには《一つの指輪》をアンタップする無法も可能。

放浪の吟遊詩人、イーサーン出産の殻一つの指輪

ここまで見てきた通り、青緑は非常に強力な組合せになっているが、そこに加えて《浄火の戦術家、デリーヴィー》《一つの指輪》をもっとも強く使える統率者といえる。

サンプルリスト

デッキリストページ

色の分布

採用デッキ数 採用率
W 55 39.29% (前回38.89%)
U 88 62.86% (前回69.05%)
B 75 53.57% (前回46.83%)
R 65 46.43% (前回56.00%)
G 66 47.14% (前回42.06%)
C 2 1.43% (前回1.59%)

禁止改定前に開催された前回大会と比較して、もっとも大きな変化があったのは赤の使用率。前回の56.00%から大きく下落、半分を割って46.43%となった。

波止場の恐喝者

《波止場の恐喝者》は「赤なら必須」なのはもちろん、赤を使う理由になっていたカードだ。《捨て身の儀式》と同じマナコストで大量の宝物・トークンを得ることができた。クリーチャーなので《破滅の終焉》などで探したり、《祝福されたエミエル》でブリンク、《幻影の像》でコピー、《再活性》も可能だった。

総括

禁止改定後、はじめての開催となった『統率者神決定戦』。多くのプレイヤーが予測していた通り、《ガイアの揺籃の地》を擁した青緑系のデッキを選択したプレイヤーが多数となった。

輪作まき散らす菌糸生物

《ガイアの揺籃の地》を探せる《輪作》を使用したプレイヤーは34名。それに加えて《まき散らす菌糸生物》を使用するプレイヤーもいた。唱えたときの誘発で《ガイアの揺籃の地》をアンタップ状態で出すことができ、実質フリースペルとして機能する場面もあり、そのうえマナに余裕があれば逆に対戦相手の《ガイアの揺籃の地》を追放することさえ可能なのだ。

浄火の戦術家、デリーヴィー秘密売り、ティヴィットフェイに呪われた王、コルヴォルド厚顔の無法者、マグダ

今回は青緑のデッキの隆盛が目覚ましいものとなったが、メタゲームが固まったわけではない。DAY2進出者のデッキを見てみると、《浄火の戦術家、デリーヴィー》が1位通過しているものの、ほかには《魔力の墓所》《宝石の睡蓮》を失って滅んだはずの《秘密売り、ティヴィット》が2名、《波止場の恐喝者》をもっとも強く使っていた《フェイに呪われた王、コルヴォルド》、ログラクフ系デッキ、さらには《厚顔の無法者、マグダ》など、禁止の影響を非常に強く受けたデッキが多数入賞している。

現環境の”解答”はまだ見つかっておらず、まだ見ぬ覇者が目覚めの時を待っているかもしれない。まずは明日のゲームに注目だ。

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