はじめに
種族ランキングへようこそ!
この記事では、1つの種族にスポットを当て、晴れる屋の「販売価格」と「売上枚数」ランキングを見ながら、ランクインしたカードについて紹介していきます。
今回の種族は「マーフォーク」!果たして、どんなマーフォークがランクインしているのか!?
マーフォークとは?
マーフォークは、人魚や半魚人を含む、水棲の人型種族です。マジックでは青の代表的なクリーチャー・タイプのひとつとして認知されており、一部の古参プレイヤーからは「フィッシュ」の愛称で呼ばれることもあります。
魚のような下半身を持つものは完全水棲型となりますが、二本足で歩行する水陸両棲型のマーフォークも存在します。
ちなみに、マジック初のカードセットである『リミテッド・エディション』において、ロードと共に登場した種族はマーフォークとゴブリンとゾンビだけであり、とても由緒があるクリーチャー・タイプといえるでしょう。
マジック初のマーフォークは《真珠三叉矛の人魚》で、2007年9月のサブタイプ変更により、《アトランティスの王》のクリーチャー・タイプがロードからマーフォークに変更されるまでは、『アルファ版』から存在する唯一のマーフォークでした。
海・湖・河川から人間が暮らす都市のなかまで、さまざまな場所に存在するマーフォーク。人気カードとしてはどんなものがあるでしょうか。
まずは「販売価格」ランキングから見ていきましょう!
販売価格ランキング トップ5 (2025年3月時点)
※第6位 《真の名の宿敵》 22,000円 『バトルボンド』日本語・Foil
クリーチャー ― マーフォーク・ならず者
真の名の宿敵が戦場に出るに際し、プレイヤーを1人選ぶ。
真の名の宿敵はプロテクション(その選ばれたプレイヤー)を持つ。(このクリーチャーは選ばれたプレイヤーがコントロールしているものによって、ブロックされず、対象にならず、ダメージを与えられず、エンチャントされない。)
(※なぜ6位から紹介するのかというと、執筆後に値段が変動してランキング順位が変わってしまったからです。せっかくなので紹介させてください!)
第6位は《真の名の宿敵》でした。『統率者2013』で初登場したマーフォークですが、このセットにはFoilが存在しない(大判カードは除く)ため、当時は《真の名の宿敵》のFoil化を望んだプレイヤーは多かったのではないでしょうか。
そして、5年の時を経た2018年、双頭巨人戦リミテッド用の特殊セット『バトルボンド』にて待望のFoil化を果たしました。その価格、22,000円。
統率者戦や双頭巨人戦を想定したデザインのため、ユニークなプロテクション能力を持っています。
多人数フォーマットでは選んだプレイヤー以外からの除去で簡単に倒されてしまうため、本来はそこまで脅威となる能力ではありませんでしたが、レガシーのようなエターナルフォーマットにおいてほぼ無敵ともいえる性能のクリーチャーで、一時期は《真の名の宿敵》をフィニッシャーに据えたデッキが猛威を振るうこともありました。
現状は『バトルボンド』および『時のらせんリマスター』のタイムシフト枠からしかFoil版が手に入らず、とりわけ日本語のものが人気となり、高値で取引されているようです。
第5位 《タッサの神託者》 24,000円 『Mystery Booster 2』「未来予知」フレーム・Foil
クリーチャー ― マーフォーク・ウィザード
タッサの神託者が戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上からX枚のカードを見る。Xはあなたの青への信心に等しい。そのうち最大1枚をあなたのライブラリーの一番上に置き、残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。Xの値があなたのライブラリーにあるカードの枚数以上であるなら、あなたはこのゲームに勝利する。
《タッサの神託者》は統率者戦やレガシーなど、エターナルフォーマットの勝ち手段として大人気のマーフォークです。
比較的新しいマーフォークではあるのですが、初登場となった『テーロス還魂記』以外では『Mystery Booster 2』と『Secret Lair Series』という特殊セットでの収録があるぐらいで、貴重なFoilともなると、結構な人気カードとなります。
統率者戦における《Demonic Consultation》とのコンボは有名で、ディミーアカラーのもっともメジャーな勝ち手段といっても過言ではないでしょう。
レガシーやヴィンテージなどでは「The Spy」「ドゥームズデイ」といったコンボデッキのフィニッシャーとして採用されています。
第4位 《湖に潜む者、エムリー》 40,000円 『ダブルレインボウ・Foil』
伝説のクリーチャー ― マーフォーク・ウィザード
この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールしているアーティファクト1つにつき
少なくなる。
湖に潜む者、エムリーが戦場に出たとき、カード4枚を切削する。
:あなたの墓地にあるアーティファクト・カード1枚を対象とする。このターン、あなたはそのカードを唱えてもよい。(そのコストは支払う必要がある。タイミングのルールも適用される。)
第4位はモダンの「脱出基地」や「親和」などでおなじみ、《湖に潜む者、エムリー》の「多元宇宙の伝説」カード、ダブルレインボウ・Foil版です。
ダブルレインボウ・Foilのカードは、いわゆる限定生産の「シリアル番号付き」カードです。セットによって限定される枚数は異なりますが、《湖に潜む者、エムリー》のダブルレインボウ・Foilは『機械兵団の進軍』のボーナスシート、「多元宇宙の伝説」として収録され、500枚限定のカードとなります。その価格、40,000円。
コントロールしているアーティファクト1つにつき、マナ・コストが少なくなるため、0マナのアーティファクトとはとても相性がよいクリーチャーです。モダン以下のフォーマットでは、1ターン目に登場することも珍しくありません。
戦場へ出たときにカード4枚を切削し、墓地にあるアーティファクトを唱えられるようにする起動型能力を持つため、《研磨基地》など特定のアーティファクトがコンボパーツとなるデッキでは重宝します。
第3位 《真珠三叉矛の人魚》 90,000円 『Gen Con配布プロモ』
第3位となったのは、世界に295枚しか存在しないカード、『Gen Con配布プロモ』の《真珠三叉矛の人魚》です。
『Gen Con』は北米最大の卓上ゲームコンベンションです。2023年の『Gen Con』にはマジックも参加し、パネルディスカッションなどを行いました。
そのときに295枚限定で配布されたのが、こちらのプロモカード、《真珠三叉矛の人魚》 です。サマーマジックには及びませんが、希少度はとても高いカードといえるでしょう。
ちなみに、マジックで1マナ1/1バニラのカードは全部で9枚存在しますが、そのなかでは一番高額なカードと考えられます。
第2位 《ティシャーナの潮縛り》 120,000円 『ジャパンスタンダードカップ』プロモ 日本語・Foil
クリーチャー ― マーフォーク・ウィザード
瞬速
ティシャーナの潮縛りが戦場に出たとき、起動型能力や誘発型能力である能力最大1つを対象とする。それを打ち消す。これによりアーティファクトやクリーチャーやプレインズウォーカーの能力が打ち消されたなら、ティシャーナの潮縛りが戦場にあり続けるかぎり、そのパーマネントはすべての能力を失う。(マナ能力は対象にできない。)
第2位は《ティシャーナの潮縛り》でした!
こちらは『プレイヤーズコンベンション千葉2025』で行われた『ジャパンスタンダードカップ:『霊気走破』発売記念スペシャル』にて、上位賞として配布されたプロモになります。
Foil版かつアーティスト・萩谷 薫(@hagiya_k)氏による美麗なイラストということもあり、大人気となっているようです。
スタンダードだけでなくさまざまなフォーマットで使われているマーフォークで、戦場に出たときに起動型や誘発型である能力を打ち消すことができるという、いわば《もみ消し》内蔵型のクリーチャーです。しかも、打ち消したのが指定のパーマネントであれば、その能力を失わせることができます。
スタンダードでは《魂の洞窟》経由で戦場に出る《偉大なる統一者、アトラクサ》など、さまざまな凶悪クリーチャーの誘発型能力を止めるのに役立ちました。
打ち消しを封じられた状況で登場する《ティシャーナの潮縛り》はなんとも頼りになりますね!
また、クリーチャー・タイプがマーフォークに加えてウィザードであることも強みで、モダンではイゼットウィザードなどに採用されています。
第1位 《アトランティスの王》 450,000円 『サマー・マジック』
クリーチャー ― マーフォーク
これでないすべてのマーフォークは+1/+1の修正を受け島渡りを持つ。
販売価格ランキング1位は《アトランティスの王》!ものすごく希少な『サマー・マジック』版、その価格はなんと450,000円です!
(※『サマー・マジック』とは?)
9. マジックには、公式に販売に至らなかった基本セットの版が2つ存在する
1994年の『リバイズド』にはいくつもの問題があった。色が多少褪せていた。《セレンディブのイフリート》のアートや枠が間違っていた。さらに、黒のカード数枚のイメージに関してウィザーズは神経質になっていた。そこで、新しく印刷し直すという決定がくだされた。その新しい版は「エドガー/Edgar」というコードネームが与えられたが、一般には「サマー・マジック」と呼ばれている。一番有名なのは《ハリケーン》の、青のカード枠になっているという印刷ミスだろう。カードの色は濃かった。ウィザーズはそれを破棄することを決定し、箱も破棄された。一部(40箱程度だと思われる)は誤って販売され、マジック史上もっとも希少な収集品の1つとなっている。
『公式記事:続・マジックに関する25の雑多な話』より引用
敵・味方は関係なく、マーフォークすべてに+1/+1修正と島渡りを与える、まさしくマーフォークの王と呼べるカードです。のちに後継者となる、自軍のマーフォークだけを強化するカードがたくさん登場しています。
余談ですが、1994年8月に『ザ・ダーク』が発売されるまでは《真珠三叉矛の人魚》以外にマーフォークは存在せず、《アトランティスの王》は「《真珠三叉矛の人魚》を強化する専用のロード」でした。
もちろん、今ではとても多くのマーフォークがいますので、全体強化のしがいがありますね!
マーフォーク豆知識①
マジックの世界にアトランティスという地名は存在せず、エトラン・シースが人間により訛って伝えられた。
真の1位 《Keeper of the Secret Lair》 2,250,000円 『Heroes of the Realm』
伝説のクリーチャー ― マーフォーク・ならず者
瞬速
あなたはSecret Lairである呪文を瞬速を持つかのように唱えてもよい。
あなたがSecret Lairである呪文を唱えるためのコストは
少なくなる。
2,250,000円!!!???????
衝撃の販売価格ですが、なぜこんなに高いのかといいますと『Heroes of the Realm』というWotCの従業員にのみ配布される超レア物だからです。このシリーズのカードは2016年から製作されており、《Keeper of the Secret Lair》は2019年のカードになります。

また裏面も特殊なデザインとなっており、公式のフォーマットでは使用できません。
強烈な価格に加えて、能力もかなり優秀です。『Secret Lair』呪文に瞬速を付与しつつコストを軽減と、『Secret Lair』デッキであればぜひとも採用したいカードですね(そんなデッキがあるかはさておき)。
売上枚数ランキング トップ5 (2024年集計)
第5位 《陥没穴の偵察》 1,569枚
売上ランキング5位は《陥没穴の偵察》!1マナでありながら出るだけで「探検」できるので、序盤のクロックまたはアドバンテージを得られる優秀なマーフォークです。
パイオニアやモダンのマーフォークデッキにはもちろん、最近では墓地を肥やせるクリーチャーということでスタンダードの「ゴルガリ切削」にも採用されています。
プロツアー『霊気走破』でトップ8にも入賞した実績のあるデッキですので、なかなか侮れませんよ!
第4位 《フラッドピットの溺れさせ》 1,798枚
スタンダードの青黒系デッキでおなじみな《フラッドピットの溺れさせ》が第4位に!
瞬速で麻痺カウンターを置けるので実質インスタント除去として機能し、《黙示録、シェオルドレッド》などの常在型能力が強力なクリーチャーに対しても、自身の能力でライブラリーに返せます。
青いカードで除去性能のあるクリーチャーはなかなか珍しく、種族も優秀なのでヴィンテージの「フィッシュ」でも採用されるほどなのです
第3位 《名もなき都市の歩哨》 1,980枚
売上ランキング第3位は《名もなき都市の歩哨》でした。そう!緑にもマーフォークはいます!
3マナ警戒3/4というスタッツ自体は強力なれど、現在のスタンダードでは並といったところでしょうか。しかし、戦場に出たときと攻撃時に生成する地図・トークンが偉いです!
地図・トークンは単にリソース獲得手段にもなりますが、それだけじゃありません。「雄姿」を誘発させたり、《生命ある象形》で5/4クリーチャーに変えたり、親和(アーティファクト)の助けにするのも良いですね!
このマーフォーク、まだまだ味がしますよ!
第2位 《ティシャーナの潮縛り》 2,865枚
売上ランキング第2位は《ティシャーナの潮縛り》でした!
販売価格ランキングでもランクインしており、能力の汎用性の高さから各フォーマットでひっぱりだこなので、この順位なのも納得です。
第1位 《海の先駆け》 3,060枚
売上ランキング第1位!2024年、もっとも売れたマーフォークは『モダンホライゾン3』で登場した《海の先駆け》でした!
「基本でないすべての土地を島にする」というシンプルな能力を持ったマーフォークで、《血染めの月》や《月の大魔術師》のような特殊地形に対する強力なアンチカードとなります。
《海の先駆け》が戦場に出れば《ウルザの物語》は即座に墓地に置かれますし、《古えの墳墓》や《裏切り者の都》といった強力な2マナ土地を封じ込めることができるんですね!
2024年は『モダンホライゾン3』の発売によってモダン・レガシーでエルドラージが大ブレイクしました。《海の先駆け》がエルドラージの猛攻を食い止める……とまではいかなかったのですが、それなりに期待された結果、マーフォークでは一番の売り上げを記録しています。
モダンやレガシーのマーフォークデッキではもちろん、ディミーア眼魔やディミーアリアニメイトのサイドボードなどにも採用されている注目カードです。
おまけ:伝説のマーフォーク紹介
現在マーフォークには35体の伝説のクリーチャーが存在しています。
なかでも《トリトンの英雄、トラシオス》は、競技統率者でよく見かける「共闘」持ちのマーフォークです。先日の『第11期統率者神決定戦』でも、共闘相手に《織り手のティムナ》を指定した”ティムトラ”が使用率上位にいました。
ほかにも第9期では、相手のライブラリーからアーティファクトを奪い取る《奪い取り屋、サーダ・アデール》がトップ12に入賞し、話題となりました。
純粋なマーフォークの統率者デッキでいえば、比較的最近登場した《うねる魂のハクバル》が有名です。戦闘開始時にマーフォークの数だけ「探検」できるので、追加ターン系のカードと相性抜群!
さらに自身が攻撃するとドローできるため、「追加ターン呪文が見つかるまで大量に探検してドロー」→「その追加ターン呪文を唱えて、また探検で追加ターン呪文を探す」といわゆる「ずっと俺のターン!」ができる統率者なのです!
2つのランキングを通してマーフォークを紹介してきましたが、おなじみのマーフォークから、珍しいマーフォークまでいろいろと登場して楽しめたのではないでしょうか?
次回はまた新たな種族ランキングでお会いしましょう!
前回の種族ランキング
- 2025/01/20
- 30万円のゴブリンが存在する!?種族ランキング:ゴブリン編!
- 晴れる屋メディアチーム