『久遠の終端』で新デッキ構築!
新セット恒例企画「Hareruya Wayfinder」!
「Hareruya Wayfinder」とは、晴れる屋がスポンサードしている“Hareruya Pros”による新環境のデッキ紹介企画です!
今回は『久遠の終端』のカードを使ったデッキをたくさん紹介します!
松浦 拓海
緑青上陸(スタンダード)
前環境から活躍していた緑単上陸デッキでしたが、新カードの《遺伝子変異の成虫》や再録したショックランドを見て色を少し足してみました。
本体が飛行を持っていて自身も対象に取れるので、最低でも2マナ3/3飛行、《サッズのヒナチョコボ》や《ティファ・ロックハート》を3/3にすると打点が跳ね上がるのでかなり強そうです。
《氷耕しの探検家》と《寓話の小道》や《脱出トンネル》のどちらか1枚があると、すごい回数の「上陸」を誘発させることができるので、このカードと《旅するチョコボ》《ティファ・ロックハート》がそろうと、MTGでは考えられないほどのダメージを簡単に叩き出せます。
白単トークン(スタンダード)
新カード大量のトークンデッキです。
《コスモグランドの頂点》などで大量にトークンを生成して、自身の効果や《ルーメン級フリゲート艦》で全体強化して押し込みます。《光に導かれし者、ハリーヤ》で手札を補充したり、《喜びあふれる太陽生まれ》含めた「ワープ」持ちで《コスモグランドの頂点》が起動しやすくなっています。
白単色だと除去が弱めではあるので、環境次第ではショックランドや境界ランドを足して白黒にして除去を足したりするのもよさそうです。
再評価カード
《召喚:バハムート》や《召喚:ナイツオブラウンド》などの重いフィニッシャーカード
速攻を付与できる《不動の副司令官、タヌーク》と相性の良いカードですし、『ジャパンオープン』などで使用者が多かった《スピラの希望、ユウナ》デッキは、今回の「着陸船・トークン」を持ったカードたちで強化されている可能性もあります。
《新たな夜明け、ケトラモーズ》
《新たな夜明け、ケトラモーズ》はモダンでは活躍しているようですが、スタンダードではほとんど使われていなかったカードです。しかし、今回の『久遠の終端』では「ワープ」など追放する効果が多く、下環境と同じようにスタンダードでも暴れ出すかもしれません。
ピオトル・グロゴゥスキ
白黒サクリファイス(スタンダード)
《威名のソルジャー、セフィロス》を使ったサクリファイスデッキは、プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』の準備期間中に少し取り組んでいたデッキです。最終的には、イゼット果敢や《全知》コンボと渡り合うにはややパワー不足でしたが、こういった「あと一歩届かなかった」デッキを見直すには、ローテーション直後は絶好のタイミングです。
さらに、このデッキには新戦力も追加され、マナベースも改善されました。《神無き祭殿》の登場によって《ブリーチボーンの境界》がアンタップインしやすくなり、より使いやすくなったのは嬉しいポイントです。
《影の帯の盲信者》は自由度の高い生け贄要員であり、以前は《バルトロメ・デル・プレシディオ》しか選択肢がなかったため、非常にありがたい存在です。また、《影の帯の盲信者》の持つ「諜報」能力も侮れません。ドローの質を高めつつ、墓地を肥やすことができるのです。特に『久遠の終端』には、墓地に落ちて嬉しいクリーチャーが存在します。
《時系列の選別者》は、何度も場に戻ってくるクリーチャーであり、サクリファイス・エンジンを常に動かし続けてくれます。また、《威名のソルジャー、セフィロス》を変身させる際にも非常に役立ちます。1ターンに4体のクリーチャーを死亡させるのは簡単ではありませんが、《時系列の選別者》を何度も唱え直せるなら、その条件達成も現実的でしょう。
《無情な法執行者》は除去手段として使えます。《巨怪の怒り》が禁止となり、トランプルを持つクリーチャーが以前ほど多くなくなったため、このデッキの「チャンプブロック+シナジーのある除去で対処する」という戦術が、以前よりも機能しやすくなっています。
《威名のソルジャー、セフィロス》と《永劫の無垢》は、継続的なアドバンテージ源として機能します。《影の帯の盲信者》のパワーが3であるため、《永劫の無垢》の誘発条件を満たさないのは少し残念ですが、それでも無条件のサクリファイス手段としてのシナジーは十分にあります。《永劫の無垢》を追放除去から守るために、対応して生け贄にすることもできますし、1マナクリーチャーを生け贄にすることで、相手のターンごとに1枚ずつカードを引くことも可能です。
ピナクル親和(モダン)
『久遠の終端』は、モダンのアーティファクトデッキに多くの新しい風をもたらしました。
《生体工学の専門家》は、アーティファクト・シナジーとしては珍しい色のカードですが、生け贄手段と組み合わせることで大量のダメージを与えられる可能性があります。
オーソドックスな選択肢である《電結の荒廃者》はもちろん、《大いなるガルガドン》も生け贄手段の枚数を補うために採用できます。《大いなるガルガドン》の優れた点は、一度「待機」してしまえば対処が非常に困難であることです。《生体工学の専門家》を場に出したあとに、すべてのアーティファクトを生け贄に捧げるだけで勝負が決まることもあります。
《生体工学の専門家》のようなカードは、トークンでないパーマネントを参照する場合が多いですが、このカードはそうではありません。そこで、トークンを大量に生成できる新カード2枚の出番です。
《ピナクルの特使》は1ターン目に大量のドローン・トークンを出せる可能性があり、《バネ葉の太鼓》との相性も抜群です。このカードと《オパールのモックス》《バネ葉の太鼓》《彩色の星》がそろった初手なら、かなりのリソースを一気に展開できます。このデッキに限らず、《ピナクルの特使》はモダンにおける《オパールのモックス》系デッキの有力な選択肢になると思われます。
2枚目のトークン生成カードは《武器製造》で、これまでにないタイプのアーティファクト・トークンを生み出します。「弾薬」トークンはそれ単体では何もせず、ダメージを与えるためには生け贄に捧げる必要がありますが、《生体工学の専門家》がいるとダメージがさらに加速します。もちろん、単純に大量のダメージを相手に与え、《電結の荒廃者》のカウンターを《ピナクルの特使》のドローン・トークンに移してフィニッシュする動きも十分に狙えます。
《彩色の星》《胆液の水源》《屑鉄さらい》はリソースを増やし、手札が尽きないようにするためのカードです。特に《屑鉄さらい》で《オパールのモックス》を何度も回収する動きは、《クラーク族の鉄工所》を彷彿とさせる強力なエンジンであり、弾薬・トークンを量産し続けるのに適しています。《実験統合機》も採用候補として検討されましたが、残念ながらめくれた《大いなるガルガドン》をそのまま「待機」することはできません。
モダンにおける《オパールのモックス》系デッキ最大の天敵は《空の怒り》です。このデッキにとっても厄介であることは変わりませんが、《胆液の水源》や弾薬・トークンでダメージを生み出せるおかげで、全体除去を受けたときの損失はだいぶ抑えられるようになりました。
再評価カード
《溌剌の牧羊犬、フィリア》
《溌剌の牧羊犬、フィリア》と《ベイルマークの大主》の相性が良いのは、言うまでもなくモダンにおける強力なデッキの要です。『久遠の終端』では、《溌剌の牧羊犬、フィリア》と組み合わせることで、まるで「兆候」に近い挙動をする新メカニズム――「ワープ」が登場しました。
《喜びあふれる太陽生まれ》や《星原の番人》《量子の謎かけ屋》のようなカードは、ワープしたターンにブリンクしてくれと言わんばかりのデザインです。ワープクリーチャーの大きなメリットは、ブリンクされたあとも依然としてクリーチャーである点です。つまり、《儚い存在》でも能力を使いまわすことが可能なのです!
さらに《氷魔法の秘宝》も見逃せません。これは《溌剌の牧羊犬、フィリア》で攻撃するたびに手軽に2枚ドローできる、非常に優れたアーティファクトです。
平山 怜

【記事/X(Twitter)】
青黒コントロール(スタンダード)
新しい全体除去、《特異点の断裂》を勝ち筋に据えたコントロールです。《特異点の断裂》→《奔流川の記念碑》設置&「消尽」で相手のライブラリーをすべて切削することができます。隙なくライブラリの半分を切削できるようになったので、《奔流川の記念碑》は使いやすくなりました。
もう1枚の新規カードである《星間航路の助言》は、《衝動》にも《記憶の氾濫》にもなる柔軟なカードで、《推理》など強力なドローソースの多い今のスタンダード環境でも使われる可能性は高そうです。
《切り崩し》《喉首狙い》がともにローテーションで使えなくなるので、除去のラインナップは大きく変わっています。「後見」できれば破格スペックの《苛性の吐息》を使うために、ドラゴンを軸にデッキを組みました。
ドラゴン枠には《マラング川の執政》に加え、《破壊の嵐孵り》を採用しています。除去としては少し中途半端ですが、ドラゴンの枚数を担保しつつ、クリーチャー面は青黒カラーでは触りづらい置物を対処できます。《湿った墓》が使えるようになったことで、境界ランドで緑マナがタッチしやすくなったのもうれしいです。
コスモゴイフ(パイオニア)
『カルロフ邸殺人事件』のWayfinderで紹介した《人道に対する膿》デッキのアップデートしました(《コスモゴイフ》を入れただけ)。《失われた遺産》《悪魔の取り引き》で大量に自分のライブラリーからカードを追放し、《コスモゴイフ》《人道に対する膿》の大幅サイズアップを目指します。
従来の動きは3マナの追放するカード→《人道に対する膿》と動く必要があったため、《ラノワールのエルフ》が絡んでも殴りにいけるのは最速で4ターン目以降でした。しかし、《コスモゴイフ》→《失われた遺産》と動くことで最速3ターンキルが可能になりました。これは革命といわざるを得ない……
《コスモゴイフ》→《悪魔の取り引き》と動いた際に確実に相手を倒せるよう、《ティムールの激闘》のようなカードをいれておくのも面白いかもしれません。正直このデッキ自体はネタデッキの域を超えないとは思いますが、《コスモゴイフ》&《悪魔の取り引き》パッケージには可能性を感じています。
再評価カード
《古のもの》
新ギミックである宇宙船と惑星は、動き出すまでに大量のパワーを要求します。「配備」用に寝かせるならアタックできないデメリットは気にならないですし、低コストでパワーの高いクリーチャーの評価は上がりそうです。特に《ヴォイドの祭壇、ススール・セクンディ》は、そのままこのクリーチャーを生贄にすれば大量ドローに繋げられるため、相性が非常に良いと思います。
『タルキール:龍嵐録』のレア土地サイクル
『久遠の終端』ではショックランドが再録されます。基本地形タイプを持った2色土地が増えたことで、特定土地タイプをコントロールしているとアンタップインするこれらのランドは、使い勝手がよくなりそうです。境界ランドもあわせて使いやすくなり、3色以上のデッキのマナベースが大幅に改善されたことで見る機会も増えそうです。
マッティ・クイスマ

【記事/X(Twitter)】
緑白ミッドレンジ(スタンダード)
《輝晶の機械巨人》は極めて強力なカードであり、その天敵となるカードの多くはスタンダードで禁止にされたか、ローテーションで使用不可となった。現在では以前にも増して強力になっており、新たに『久遠の終端』から登場した《縫い目破り》や《堅光牢への封じ込め》といった、脅威に対する軽い対策カードをサーチできる点が大きい。
《惑星共生》は面白そうな新エンチャントであり、緑白のクリーチャーデッキがもともと採用したいカードと自然にシナジーする効果を持っている。《内なる空の管理人》のようなカードで繰り返し誘発させることができ、場合によっては《失われた十手》や《漁る軟泥》を使って対戦相手のターン中にも誘発させることが可能だ。
最も理想的なのは、大量のカウンターを一度に置いてたくさんドローすることであり、それは《混合成体、ダイアドライン》や《金脈のハイドラ》によって容易に達成できる。また、《金脈のハイドラ》は《輝晶の機械巨人》でサーチ可能だ。《棘を播く者、逆棘のビル》もカウンターを倍にする起動型能力によって同様の動きができる。
このデッキは、軽いカード、柔軟な対処手段、そして豊富なカードアドバンテージをバランスよく備えており、後半戦に強い構成となっている点が非常に魅力的である。ただし、マナ基盤にはもう1種類2色土地が欲しいところだ。
白黒サクリファイス(スタンダード)
白黒サクリファイスは、ローテーション前からすでに実用レベルに近いデッキであり、しかも今回のローテーションで一切の損失がないどころか、『久遠の終端』から強力な新戦力を獲得している。
《スーパーヴォイド、ソセラ》は、このようなデッキにおいて極めて強力なフィニッシャーであり、クリーチャーに依存したデッキにとっては、ほぼ対処不能なカードに見える。《勝利の楽士》はその完璧な相棒であり、死亡誘発用のトークンを生み出すと同時に、こちらのターン中に相手の干渉を防ぐ役割も果たす。
《悲劇の軌跡》は、このデッキにとって非常に効率の良い除去であり、サクリファイスシナジーによって-10/-10の効果すら安定して狙うことができる。ソーサリーである点は確かに欠点ではあるが、高コストの脅威と容易に交換できるため、このデッキでは間違いなく優秀な除去だと考えられる。
とはいえ、このタイプのデッキは可能な限り多くのクリーチャーを採用したいため、採用できる除去の枚数は制限される——ただし、それがクリーチャーの姿をしている場合は別である。そこで《無情な法執行者》や《サンスターの模範、ヴォンダム卿》の出番というわけだ。
多数の軽量クリーチャーとサクリファイスシナジーがあるため、《生存者探し》は対象にできるものが非常に多い。同系統のデッキでは以前から《過去立たせ》が使われていたが、《過去立たせ》は墓地が肥えているときに強力な効果を発揮する一方で、《生存者探し》はより軽いマナで唱えることができ、必要に応じて3マナ域のクリーチャーも戻すことができるうえ、+1/+1カウンターという有益なオマケもついてくる。
再評価カード
《輝晶の機械巨人》
最初に登場したときからすでにこのカードが大好きだったが、《全知》コンボや版図ランプとの相性が最悪で、抑え込まれていた(おそらくイゼット果敢も厳しかったと思うが、試したことはない)。しかし、それらが環境から姿を消した今こそ、《輝晶の機械巨人》が輝くときかもしれない。
《スピラの希望、ユウナ》
ローテーション直後の環境は常にやや遅くなり、アグロデッキの爆発力も抑えられる傾向がある。それによって、《スピラの希望、ユウナ》デッキが安定して動くための猶予が得られる可能性がある。
いざ、新環境へ!
競技シーンで活躍するHareruya Prosのメンバーにさまざまなデッキを構築してもらいました!
今週末はプレリリースが開催中なので全力で楽しんでください!今回紹介された新カードに一早く触れる機会でもあります。
それでは、新環境でお会いしましょう!
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