ラスベガスで起きたヤバい出来事 タトゥー、ピザ、そして空港に置き去り

いってつ

ラスベガスのマジックはヤバイ

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Magic Con!!

それは世界最大級のマジックのイベント!84,402平方メートルものキャパシティーを持つラスベガス・コンベンションセンターで3日間にわたって開催されました。

ここでは世界各地の大会で優秀な成績を収めたトップ選手だけが参加できるプロツアーが行われます!ほかにも統率者戦をひたすら遊べるコマンドゾーン、たくさんのフライト式イベント、ステージイベント、カードショップやサプライメーカーのブース出店など、とっても広い会場にマジックがギッチリと詰まっていました!

……と、ここまで聞けば「ふーん、でっかめのプレイヤーズコンベンションってことね」と感じるかもしれませんが、そこはマジックの本場アメリカ。はっきり言って、日本でマジックを楽しむ私たちの常識では考えられないことがたくさん起きました!!

そこで今回は「Magic Conで起きたヤバい出来事」を通して、Magic Conのヤバさをレポートします!!

会場でかすぎ

いってつはこれが初の海外!経由地バンクーバーの空港の大きさやショップの多さを見て、大好きな映画『ターミナル』を思い出して興奮。

『ターミナル』2004年,アメリカ
ビクターがアメリカを訪れると、彼が飛行機に乗っている間に母国でクーデターが発生。パスポートが無効になり、アメリカに入国することも母国へ帰ることもできなくなってしまう。英語を話すこともできないビクターと、清掃員、警備員、CA、そして国境警備局ーーターミナルをゆきかう人々との日々がはじまる。果たしてビクターはターミナルを無事に出ることができるだろうか。

まだ着いてないのに!

しかし着いたら着いたで……

入場にはチケットが必要ですが、その入場の時点ですでにとんでもない人数。

途中、いってつは我慢できなくなり、トイレに行くためにホテルまで10分歩いて戻りました。

目に入る警備員や警察官全員に「一番近いトイレはどこ?」「そこに見えているトイレ使っていいか?」と聞く、貴重な経験ができてハッピー。結果、みんなと別のタイミングで入場することになるわ、僕のチケットがなぜか使用済みになっていて入れさせてもらえなくなりそうになったりしましたが、”Please!“でなんとかなりました。

そのあとも予約していたイベントが時間になっても始まらず、焦りまくって「このイベントを予約してるんだけど……」と聞きまくりましたが、これもなんとかなりました。(参加者多すぎて開始時間が遅れていただけでした)

かなりバタバタしていたので実感が追い付かなかったのですが、会場内は異次元の広さです。何の気なしに座ったテーブルの番号が「1711」番。2000番台もあったそうなので、サイドイベントで使うテーブルだけで4000人分以上が用意されていたことになります。

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この地図の「Ticketed Play」だけで4000人分以上のキャパシティがあるということに。
ひえ~~~~

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今回の会場ラスベガス・コンベンション・センターのサウスホールの面積は84,402平方メートル!「コミックマーケット」の開催地で知られる東京ビッグサイトの東ホールすべての合計の約1.27倍!マジで会場のハシからハシがかすんで見えません。

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ホール中央のエスカレーターからの展望。
この反対側にも同じくらいの空間があって、それが2フロアあるので、写っているのは全体の25%程度です。

ピザ食いながらマジックは実在した

会場ではピザやホットドッグ、フライドチキンなど、様々な軽食があちこちで販売されていました。どれも「軽食」というには量が多すぎるのですが……

16ドルのチキンとポテトの盛り合わせ

おなかがすいたら会場から出ずにその場で食べ物を買えます。うれしい!

会場内には広大なフリープレイエリアがあり、用途は文字通り「フリー」。統率者戦をプレイする人、ドラフトをする人、パックを開封する人……そして食事をとる人。

なかには文字通りピザを食べながらマジックをプレイする人も。いってつがシールドイベントに参加したところ、隣のプレイヤーがデッキ構築しながらピザを食べ始めたことに衝撃を受けました。周囲は特に驚く様子もなし。めちゃくちゃおいしそうでした……

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会場内で売られていたピザ。
これを食べながらデッキ構築してました

恐怖!白い《リスティックの研究》

いってつが参加していた「ミステリー」イベントはフォーマット不明のイベント。海外の友人に「超おすすめ!」と言われたので申し込んでみましたが……

果たしてその内容は『タルキール:龍嵐録』3パック、『Mystery Booster 2』3パックのシールドでした!これに加えて追加ルールとして、固有色を無視して伝説のクリーチャー1体を統率者に指定できる、ブロールのような構築ルールでした。

『Mystery Booster 2』は再録カードが中心のパックですが、1パックに1枚「プレイテストカード」と呼ばれる、「ウィザーズ・オブ・ザ・コーストがマジックのセットを作成する際に内部で使用するプロトタイプ版のカードを再現したもの」が封入されています。これに加えて、この日限定の「追加のテストカード」パックが配られました。

コピー用紙に印刷されたカードを実際のマジックのカードに糊で張り付けただけのシンプルなつくり。本物のテストカードもこんなかんじなのかも。

なかでも驚きだったのは《White Rhystic Study》です。

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マナ・コストが2Wになった《リスティックの研究》です。こんなもんテストすんな!!

せっかくなので使ってみましたが、統率者に指定した《神出鬼没の狩人、スーラク》も相まって手札が尽きることはありませんでした。(っていうかスーラクで引きすぎて対戦相手が諦め気味に引かせてくれました)

ティムナ&クラムやティヴィットが《紅蓮破》の当たらない《リスティックの研究》を2枚使えるようになるのは嫌なので刷らないでください!!

プロツアー

行弘 賢選手の劇的な勝利で幕を閉じたプロツアーも同じ会場内で行われました。決勝戦も間近で観戦することができます!

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優勝の瞬間

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サイン!

有名選手がそこら中にいるので、サインや撮影を求める人も。

普段なかなか会えない海外のHareruya Prosにもにもインタビューできました!ぜひ動画もご覧ください!

このトロフィーですが、晴れる屋トーナメントセンター東京で展示中!撮影も可能です!お立ち寄りの際はぜひご覧ください。

サプライブースで

カードショップやサプライメーカーが多数ブース出展していました。限定品の販売が人気でしたが、なかでも目を引いていたのはこちら!

アルティメットガードさんのブースのデッキケースに名前とイベントロゴを入れてもらえるサービスです!

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かっこいい!

デッキケースそのものは日本でも買える一般流通品ですが、焼き印が入ったことで「この日の限定品」に!名前も入れてもらえて、世界にひとつの記念品になります!

交流

日本のプレイヤーズコンベンションでも「友達に会いに来た!」「有名人に会いに来た!」という方がいますが、Magic Conともなればその規模は圧倒的です。

マジックのアーティスト

プレイヤーズコンベンションなどでも国内外のアーティストがサインサービスや物販を行っていますが、さすがにMagic Conの規模は違いました。

「Art of Magic」エリアでは62名ものアーティストがブース出展。それぞれのブースでサインサービスやアーティストプルーフ、オリジナルグッズの販売を行っていました。

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これぜんぶアーティストのブース!

(文字通り)一生の思い出にしましょう!ということで「Target Permanent Tattoos」と銘打ってタトゥーアーティストもブース出展しており、マジックのロゴなどをその場で彫っていました!

※さすがに撮影できませんでしたがマジです。

友人と

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Lua Stardust

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Bandit

知り合いのLua Stardust(左)とBandit(右)と話せたのはとてもいい思い出になりました。彼らとはよく統率者戦について話しているのですが、これまでオンラインでしかやりとりしていなかったので、こうして顔合わせできたのは本当にうれしかったです。

参加者の中には、ふだんMagic Online上でしかやりとりをしない(よくマッチングしてお互いを知っているだけ)という間柄でも「お前があの〇〇か!!」と既知との遭遇を喜ぶ人もいたそうです。

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マジックの主席デザイナーであるGavin Verheyとも縁あって挨拶することができました。

会場内を10分ほど散歩しながら、前日に発表されたばかりのピック2ドラフトやMagic Conの壮大さについて話したのですが、すれ違う人たちのほとんどが彼を知っていて、多くの人たちが彼に敬意を持って挨拶をしていたのが印象的でした。最後に一緒に《バスターソード》を持って記念撮影してもらい、「これが僕のマジック人生の頂点かもな」と少し泣きそうになりました。

余談

と思ったら翌月にふらっと東京に遊びに来てくれたので本当に人生はわからないものです。連絡をもらった日はお休み。トーナメントセンター東京で統率者戦を夢中で遊んでいて、Gavinからのメッセージを完全に無視。飲み物を買おうと席をたったらGavinがいてマジでビビりました。人生わからなすぎるだろ。

知らない人と

会場ではプロツアー本戦や、次回のプロツアーの予選、リミテッドやスタンダードほか各フォーマットのサイドイベントも開催されていましたが、特に活気があったのはコマンドゾーン!

コマンドゾーンは参加費無料で、日本のプレイヤーズコンベンションでの同名イベントのように、フライト式でどんどんゲームをプレイする形式でした。ブラケットを用いたマッチングが行われ、スムーズに次々とゲームが組まれて行きました。

もはや会場の外でもマジック

マジックコン会期中は、近隣のホテルのロビーで大勢の人がマジックを楽しんでいました。パックを開けるとかそんな程度ではなく、ガッツリと統率者戦やキューブドラフトを遊んでいるのです。”Lobby Con“と呼ばれるこの文化はアメリカではマジックコンならではの風景だそうで、人によっては複数のホテルを渡り歩いて一晩中遊ぶこともあるのだとか……

日本で「ホテルのロビー」というと静かで落ち着いた空間というイメージがありますが、ラスベガスのホテルはどこもロビーにゲームマシンがあったりバンドの演奏があったりとかなり賑やかで、みんな思い思いに過ごしているという印象でした。

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日本人の私たちにはかなり面食らう光景でしたが、「郷に入れば郷に従え」の精神にのっとってロビーで統率者戦をプレイしていると、たくさんの人に話しかけられます!私たちも英語が堪能なわけではありませんが、マジックの話題なのでなんとなく通じます!

2日目の晩に一行でホテルのラウンジで食事していると、「お前らマジックやるんだろ?いまから統率者戦をやらないか?」とお誘いがあり、いってつはそのままラウンジで午前2時30分まで遊んで部屋に戻りました。やばすぎ!

僕自身も英語が堪能ではありませんが、マジックで遊んでいる間は不思議な一体感を感じました。言葉が違って、多少通じなかったとしても、総合ルールは世界共通なのでどうとでもなります。

いってつカナダ残留。

楽しかったイベントも終わって帰路へーー朝5時にフロントに集合し、空港へ向かいます。

成田からラスベガスへは直行便がないので、途中カナダのバンクーバーを経由します。別の鉄道会社の路線へ乗り換えるときのように、2枚のチケットを使って乗り換えをするのですが、なぜか僕だけ乗り換えエリアへの改札を抜けることができません。

Q.僕以外は全員抜けられたのになぜ?

推理

それではシンキングタイムです。

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A.ライアンさんのチケットだったから(??????)

なんとラスベガスの空港で航空会社のスタッフに渡されたチケットはまったく無関係の別人「ライアン」のもので、便も違えば行先も違うチケットだったのです!なるほど~!

は?

こうしていってつはバンクーバーから成田までの便のチケットを失ったのです。(というかそもそももらえていなかった)(ちゃんと確認しろ)

「よかったじゃん、『ターミナル』みたいにここで住めるよ!」と爆笑する同僚たち。明日からまた仕事なんですが……

偶然居合わせた、カナダ留学経験のある常盤ゆいさんも「カナダもいいとこなんで……(笑)」と慰めるフリをして爆笑。

「じゃあ一緒に残ってくれませんか?」と聞いたら断られました。

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岩田社長にサーモンバーガーを食べよう!と誘われますが、とてもそんな気分になれず断る始末。「でも、しばらくここにいるかもしれないんだから食べておいたほうがいいよ」と妙に具体的で怖いアドバイスをもらい、喫食。おいしかったです。写真を撮る余裕はありませんでした。

残された手段は航空会社の職員に事情を説明してチケットを再発行してもらうこと。もしそれができなければ、チケットを取り直し。それもいつの便をとれるやら……

肝心の航空会社のスタッフも搭乗手続きが始まるまで現れず、不安な時間が続きます。

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無事帰国!!航空会社のスタッフに正しいチケットを発行してもらい、無事搭乗できました。ありがとうカナダエア。機内食もおいしかったです。みなさんはチケットをしっかり確認してから受け取ってください。

Magic Conへ行こう!

そんなMagic Conですが、次回の開催地はアメリカ、アトランタ!

国外のイベントに参加したことがない人は尻込みするかもしれませんが、間違いなく一生の思い出になります。パスポートとデッキ、飛行機のチケットさえ持っていれば大丈夫です!!でもいつか日本でも開催してほしいですね!!

それではみなさん、マジックのイベントでお会いしましょう!

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いってつ 晴れる屋メディアライターです。最近の悩みは記事執筆と動画出演で忙しくて統率者戦が1日2回くらいしか遊べないこと。Commander Format Panel メンバー。 いってつの記事はこちら