4回戦目。ここにきていよいよすべてのプレイヤーがペアリングシートに名前を連ねることになる。
すなわち、119名の参加者の中でたった4人しかいない3bye持ちの猛者たちが、ついに出陣するのだ。
その1人。
渡辺 雄也から脈々と受け継がれ、今期で9代目となる「ミスターPWC」の称号を戴冠したのが、中道だ。
今期のPWCレース終盤では、ランキングトップだった簗瀬 要を最後の最後でドラマチックに大逆転し、見事ミスターをもぎとったという。
プロツアー「ニクスへの旅」のPTQも突破しており、関東の草の根では今最も注目すべきプレイヤーであろう。
対するは赤白バーンを駆り、1byeから2連勝とここまでは好調の山本。
黒単タッチ赤の「ミスターPWC」中道を、華麗に焼きつくすことができるか。
なおちなみに速報として、この2人とは全く関係ないが、1回戦目でフィーチャーしたPWCC2連覇の遠藤が、この時点で0-3からのbyeで3連覇が一瞬で闇に消えたことを付記しておく。
Game 1
《凱旋の神殿》に対し《静寂の神殿》と、両者ともにこの環境を象徴するかのような「占術」スタート。
山本が1ターン遅れの《ラクドスの哄笑者》から《灰の盲信者》と出すが、中道が《胆汁病》で押しとどめる。
だが山本、意に介さず戦闘後に2体目の《ラクドスの哄笑者》を展開。攻勢を緩めない。
返すターンに中道が《生命散らしのゾンビ》をプレイするが、露わになった山本の手札は、
《ボロスの魔除け》
《灼熱の血》
《聖なる鋳造所》
というもの。他の選択肢として《英雄の破滅》もあった中道だったが、完全に裏目を引いた格好。すなわち、《生命散らしのゾンビ》への《灼熱の血》でこのターン大ダメージをもらってしまう。
さらに《変わり谷》までセットされてしまうと、今さら《英雄の破滅》を撃ってみてもテンポロス甚だしい。
やがて《ボロスの魔除け》が中道を介錯したのだった。
中道 0-1 山本
Game 2
《漸増爆弾》を置く中道に対し、山本は《凱旋の神殿》を3枚並べて「占術」を続け、手札を整える。
動きがない山本を見るや、中道は5ターン目に《アスフォデルの灰色商人》をアタッカーとして送り出す。
しかし《頭蓋割り》があれば合わせそうなところだというのに、これに対しても山本の反応がない。
代わりに、ここでようやくエンド前に《マグマの噴流》を撃ちこむのだが、しかしこの「占術」も両方ライブラリーの下へ。
そして気がつけば山本、既に6枚もの土地を置いてしまっている。
さらに7枚目、8枚目と淡々とセットランドを続ける山本。バーンデッキからすれば完全なるマナフラッドである。
そしてそんな山本に、中道の必殺技が炸裂した。
X=6の《ラクドスの復活》!!
中道 1-1 山本
Game 3
先手2ターン目《火飲みのサテュロス》、3ターン目アップキープに《マグマの噴流》といういまいち噛み合わないスタートの山本に対して、中道がしっかり《肉貪り》を合わせる。
さらに返しに《強迫》を撃つと、
《チャンドラのフェニックス》
《岩への繋ぎ止め》
《ボロスの魔除け》
《ミジウムの迫撃砲》
《マグマの噴流》
という打点が不足気味の山本の手札内容から、一見不要牌である《岩への繋ぎ止め》を叩き落とす。
ということはつまり。
中道の《冒涜の悪魔》が降臨!
一気にゲームを決めにかかる。
仕方なく《ボロスの魔除け》を本体に撃ちこむ山本だが、中道のライフはまだ12。
続くターン、《チャンドラのフェニックス》をプレイしての2体アタックを《英雄の破滅》で削ぎつつ、《アスフォデルの灰色商人》で4点をドレイン。ライフは5対14、圧倒的に盤石か。
だが、山本の目はまだ死んでいない。
《冒涜の悪魔》を《マグマの噴流》と《ミジウムの迫撃砲》で処理し、残り手札は1枚。
ここで中道、山本のわずかな希望を摘み取るべく、意を決してライフを犠牲に《思考囲い》をプレイ!
だが、めくれたのはおよそダメージ源にならなさそうな《火飲みのサテュロス》。
そう、山本の希望は手札ではなく、「占術」で上に積まれたライブラリトップにあった。
返すターンにトップから《戦導者のらせん》を撃ちこむと、自身の延命を図りつつ中道のライフを6まで追い詰める。
こうなると一刻も早く山本を倒したい中道だが、手札に来るのは除去スペルばかり。
そして対する山本が、稼いだターンで引き込んだのは……
《稲妻の一撃》と《ボロスの魔除け》だった。
中道「《思考囲い》撃たない方が良かったかなー」
そう言いながらめくったライブラリトップは。
引いたらその場で勝っていたはずの、《ラクドスの復活》なのだった。
中道 1-2 山本