Round5でフィーチャーテーブルに呼ばれたのは、出たがりミスターこと渡辺雄也と、日本の復興を担う就活生、高橋純也。
二人は常日頃からじゃんけんの修業を行っているらしく、腕前には相当の自身があるとか無いとか。後半戦におけるチョキの有効性等の高尚な理論を互いに披露しあっていたが、先手後手はダイスロールで決めるらしい。
Game 1
先手高橋が《戦隊の鷹》でゲームが始まる。
渡辺は《石鍛冶の神秘家》で《迫撃鞘》を持ってくる。どうやらエスパーカラーのコントロールデッキだ。
渡辺の《石鍛冶の神秘家》を《稲妻》で除去しながら、《石鍛冶の神秘家》を合わせて、サーチしてくるは青森県こと《肉体と精神の剣》。
高橋の手札にある《肉体と精神の剣》とは渡辺には公開されているので、普通に考えれば、渡辺は除去を持っている。ここで構えていても渡辺の意のままになってしまうと覚悟を決めたのか、意を決して《戦隊の鷹》に対して、《石鍛冶の神秘家》の能力を起動して場に出した《肉体と精神の剣》を装備して、レッドゾーンへと送り込む。が、待ってましたとばかりに、《喉首狙い》が飛んでくる。これは高橋も織り込み済み。まったくめげない。
渡辺は土地を置き、《迫撃鞘》を戦場に加えてターン終了。
相変わらず、渡辺の場には2マナが立っている。が、このターンも果敢に《石鍛冶の神秘家》に《肉体と精神の剣》を纏わせてアタックする。
しかし、PWC初代ミスターは2枚目の《喉首狙い》を落ち着いてプレイ。
高橋 「え、これさっきのターンぶっこんだ意味なくない?」
渡辺 「ある!あるよ!意味ないなんてことない!」
そして、渡辺の戦場に舞い降りるは、《ギデオン・ジュラ》。
高橋 「うわー。いきなり終盤を迎えたなぁ……。」
渡辺 「いや、まだ5ターン目だから!らっしゅならいける!絶対いける!はいいけた!」
高橋はかなり絶望的な状況に追い込まれる。
それでもめげることなく、アタックを続ける高橋。《ギデオン・ジュラ》を打ち取って、さらに《戦隊の鷹》を戦線に加えようとするが、手札を増やしてしまうこのクリーチャーは《マナ漏出》で弾かれる。代わりに、《ステップのオオヤマネコ》だけを加えてターンを返す。
《ギデオン・ジュラ》を打ち取られた渡辺だが、《刃砦の英雄》を場にだし、《迫撃鞘》を装備させてターンを返す。
高橋は長考の末、《肉体と精神の剣》を携えた《ゴブリンの先達》のみでアタックする。渡辺は大きく悩んで、ライフを守るために《刃砦の英雄》でブロックをするが、ここはしっかりと《稲妻》を引き込んでいた高橋が、一方的に《刃砦の英雄》を打ち取って見せる。《迫撃鞘》の能力で《ステップのオオヤマネコ》は巻き添えに。
2体目の《戦隊の鷹》は通り、4枚目の鷹をライブラリーから持ってくる高橋。さらに《ステップのオオヤマネコ》を追加し、追加戦力の供給の手が全く緩まない。
渡辺も、《精神を刻む者、ジェイス》経由で3枚目の《喉首狙い》を手札へと引き込み、致命傷は回避するものの、高橋の盤面には後続が供給され続け、ジリ貧の様相を呈し始める。
《ギデオン・ジュラ》も、こうなってしまうと5マナのフォグにしかならず、きっちりと土地を引き込んで、《ステップのオオヤマネコ》が上陸を果たして、致死量のクロックがあることを確認すると渡辺は呟いた。
渡辺 「はいいかれた!」
渡辺 0-1 高橋
Game 2
後手の高橋はマリガン。
先手渡辺の《コジレックの審問》が、高橋の手札を覗き見ると、《未達への旅》2枚と《戦隊の鷹》に土地が3枚。
《戦隊の鷹》が手札から落とされてしまうと、なんだかよくわからない手札になってしまった高橋。今後のプランを立てることすらままならない。
渡辺の《迫撃鞘》から現れた細菌トークンに、冗談ぽく、《未達への旅》をプレイするふりをする高橋に対して、渡辺はニヤリと笑いながら言う。
渡辺 「いや、やったほうがいいかもよ?」
《饗宴と飢餓の剣》を見せ、0/1クリーチャーが強力な剣を携える前にと、やむなく《未達への旅》を使わざるを得なくなってしまう。
眼前の脅威を取り除いた高橋だったが、その後、《精神を刻む者、ジェイス》から《石鍛冶の神秘家》、《戦隊の鷹》と完璧なドローを見せる渡辺に対して、高橋は呟いた。
高橋 「ネクストゲーム!ネクストゲーム!」
渡辺 1-1 高橋
Game 3
ファーストアクションは高橋の《戦隊の鷹》。1ターン目タップインの渡辺は2ターン目も《定業》と、Game1,2とは打って変わって緩慢な動き。さらに《定業》を重ねて手札を整えていく。
だが、高橋が2体目の《戦隊の鷹》、《石鍛冶の神秘家》と戦線に加えたところで50分が経過。まだGame3は序盤戦だが、エクストラ5ターンに突入。両者のデッキの構造的にも、盤面的にも勝負が決することは無い。
現状、1敗の二人が引き分けてしまうとTOP8への目がなくなってしまう。
高橋「まぁ、今回はこのくらいにしといてやるよ。」
高橋は、共倒れになってしまうのはナンセンスと、ジャッジにルール上問題が無いかを確認取ったうえで、投了をした。
渡辺 2-1 高橋
ここからは俺の手札強い選手権。
高橋の《石鍛冶の神秘家》に装備された《饗宴と飢餓の剣》に渡辺が《神への捧げ物》をプレイすると、《神への捧げ物》を渡辺が打つと、高橋も《神への捧げ物》をノータイムでプレイ。もちろん対象は自分の《饗宴と飢餓の剣》。
だが、渡辺もここで引き下がるわけには行かず、《戦隊の鷹》へと《糾弾》をプレイ。しかし高橋は茶番の手を一向に緩めない。この《糾弾》にスタックで《稲妻》をプレイ。言わずもがな、対象は自分の《戦隊の鷹》だ。
こうして、高橋は驚異の2:4交換を取って見せ、渡辺へとターンを返す。
渡辺にターンがやってきたものの、すでにエクストラターンは2ターン目。渡辺が出来ることと言えば、手札の《ギデオン・ジュラ》を展開することのみ。
高橋の最終ターン、場に残っていた2体の《戦隊の鷹》をそれぞれ《未達への旅》で盤外にと追放し、奇跡の0:4交換をとって、ギャラリーを沸かせる。
最後に渡辺が、手札の《ギデオン・ジュラ》をプレイし、対消滅させるという、時間さえあれば、Game1を超えるような熱戦を繰り広げたであろう手札を披露しきったのだった。