レガシーMADデッキ開発室 vol.3 ~暇を持て余した神々の遊び~

井川 良彦

井川 良彦


4月に行われたGP神戸は皆さんどうでしたか?

僕はGP本戦は最終戦負けて初日落ち、翌日のレガシーも神様に見離されて0-3ドロップと、まさに「お疲れぃっ!!!」てな感じのGPでした。

余りにも不完全燃焼だったので、日曜の夜は朝の6時まで友人と4人でドラフトをしていました。負けても勝ってもマジック熱が上がるのは、マジックジャンキーの常ですね。
GPで勝てず非常に悔しい思いをしましたが、負けて落ち込んでばかりも居られないので、心機一転、次のプレミアイベントであるPT名古屋に向けて頑張っていきたいと思います。

さて皆さん、唐突なのですが、マジックには様々な勝利条件があることはご存じだと思います。
対戦相手のライフを0にする。対戦相手がライブラリー0の状態でドローさせる(俗に言うライブラリーアウト)。《機知の戦い》《忍耐の試練》などの特殊な勝利条件をクリアする。


機知の戦い忍耐の試練


デッキというのは、基本的にこれらの勝利条件を満たすために組まれているものです。たまに、メインボードに勝つ気がないデッキというのも存在するらしいのですが、そういう変態デッキのことを考えてしまうと話しが長くなってしまうので、とりあえず置いておきましょう。



1.マジックで勝つ、もっとも簡単な方法



マジックが規定する勝利条件を達成するのはとても大変です。簡単すぎてはゲームがつまらないですから当然です。ということは、一番簡単な勝利条件は、相手に投了して貰うこと。いい変えると、相手の心を折ることです。

「よろしくお願いします。」「よろしくお願いします。」「まだやりますか?」「負けました。」こだまですか?いいえ誰でも。
素晴らしい…。手を下すことなく勝つ。無血勝利。これこそまさに誰もが求める完全勝利といえるのではないでしょうか。

ここで、楽して対戦相手を投了に追い込みたい!!という貴方に実践的な方法を紹介しましょう。

まず、2~4ターン目など早いターンに、マナを少々(10マナ程度)絞り出して、大量のカードを引きます。そして、その後に15/15・飛行・滅殺6のクリーチャーを出しながら、追加ターンを得ます。そのあとは簡単で「まだやる?」と対戦相手に笑顔で聞いてみましょう。アドバンテージでも盤面でも圧勝。対戦相手の心を折り、投了に追い込むことができます。

どうでしょう。これなら誰にでも間単にできますね☆

え?そんなことが可能なのかって?できたら俺だってしているって?でもお高いんでしょう?
いえいえいえいえ。誰だってできますし、お高いなんてこともありません。これを可能にしてくれるのは、神々の力。人ではない、人を超えた存在による所業。彼らの力を借りることができれば、勝利は容易いのです。神は祈るためにあるのではありません。神は使役してこそ、その真価を発揮するのです。

という訳で、今回紹介するデッキはこちらです。



2.今・・見せよう・・新の姿を・・・神々たる変貌。後悔など遅い。





「The deck of the gods, by the gods, for the gods」

2《森》
1《島》
2《Tropical Island》
2《Savannah》
1《Tundra》
1《Taiga》
1《ドライアドの東屋》
4《霧深い雨林》
4《吹きさらしの荒野》
2《古えの墳墓》

-土地(20)-

4《極楽鳥》
4《貴族の教主》
4《花の壁》
4《帝国の徴募兵》
4《熟考漂い》
3《激情の共感者》
2《錯乱した隠遁者》
1《警備隊長》
1《霊気撃ち》
2《風見明神》
1《引き裂かれし永劫、エムラクール》

-クリーチャー(30)-
4《渦まく知識》
2《悟りの教示者》
4《食物連鎖》

-呪文(10)-
4《アメジストのとげ》
4《ザンティッドの大群》
4《自然の秩序》
1《大祖始》
1《ガドック・ティーグ》
1《トーモッドの墓所》

-サイドボード(15)-
hareruya




引き裂かれし永劫、エムラクール風見明神


一目見ただけでは分かりづらいですが、何とこのデッキは、最速で2ターン目に《風見明神》《引き裂かれし永劫、エムラクール》を“手札からプレイ”できる、まさに”The deck of the gods, by the gods, for the gods”なのです!




上の図を見てもらえば分かるように、全ては《食物連鎖》を場に出すところから始まります。

そして、そこからクリーチャーをプレイ→リムーブという過程を繰り返してマナを増やすと共にサーチやドローを進めていき、最終的に《引き裂かれし永劫、エムラクール》をプレイして勝利、というのが基本的な、そして唯一の動きです。

ここで活躍するのがポータル三国志が誇る高額アンコモンの一つ、《帝国の徴募兵》。「追加の《帝国の徴募兵》をサーチして自身をリムーブ」という行動を4回繰り返すと、4マナ増やしつつ、フィニッシャーサーチの《激情の共感者》やマナを5マナも増やしてくれる《錯乱した隠遁者》、ドローとマナブーストを兼ね備えた《熟考漂い》などデッキのほとんどのクリーチャーを手札に加えることができる、名実共にエースクリーチャーです。

デッキの動きがほぼ100%《食物連鎖》に依存している点は《Force of Will》《思考囲い》などの妨害を考えると大きなデメリットですが、《花の壁》《熟考漂い》《渦まく知識》《悟りの教示者》と、ドロー手段やサーチ手段が豊富なので、かなり安定して動くことができます。

そして何より、コンボスピードが速い上に回していて非常に楽しいので、コンボスキーの方にはたまらない一品だと思います。どんな手札なら2ターン目にコンボが決まるのか、1枚差しの《霊気撃ち》はどういう動きができるのかなど、パッと見では分かりにくい面もあるので、良かったら一度実際に組んで回してみてください。きっと病み付きになりますよ。

サイドボードには追加の勝ち手段として、3体目の神、すなわち《大祖始》《自然の秩序》コンボを搭載しました。


大祖始自然の秩序


元々緑のクリーチャーが多いデッキなので、安定して神を召喚することができます。相手のエンチャント破壊や《Karakas》《ファイレクシアの破棄者》などをあざ笑いながら相手を蹂躙しましょう。1ターン目マナクリーチャーからの2ターン目《古えの墳墓》《自然の秩序》はイージーウィン。さすが神。

豊富なドローによる安定した動き。キルターンの速さ。そして神々の競演。ここまで強さと美しさを兼ねたデッキが他にあるでしょうか?

ということで、このThe Deck of Godsでトーナメントに参加してきました。
参加者28人のスイスドロー3回戦。今回こそは3-0を約束されたも同然なので「駆け抜ける!!」なんて陳腐な台詞を使う必要もないですね。勝ったデッキが強いデッキなのではなく、強いデッキが勝つデッキだということを証明してみせましょう。

神の申し子、いざ出陣!!!















3.神降臨



R1:対Zoo ○○
R2:対白緑アグロ ○○
R3:対青黒マーフォーク ××

強いデッキ(笑)神のデッキ(笑)

R1、R2は相性が良いデッキを踏んでルンルン気分。サイド後では《自然の秩序》から《大祖始》、1パンした後に《食物連鎖》《大祖始》をリムーブして《引き裂かれし永劫、エムラクール》プレイ!なんてオーバーキルをしながら2-0することができました。

しかし、R3のマーフォークには《霊気の薬瓶》あり《Force of Will》ありの良い回りをされてしまい敗北を喫しました。G2では《ザンティッドの大群》の加護で《食物連鎖》が着地したのですが、核の生物たちを引けずにそのまま撲殺されるハメに。《アトランティスの王》の島渡りによりチャンプブロックすらできないのが厳しいですね。1枚だけでもサイドボードに《セファリッドの女帝ラワン》を採用していれば…。


セファリッドの女帝ラワン


このデッキは、普段あまり脚光を浴びないクリーチャー達が輝ける場所として、恰好の舞台です。試してみると面白そうなカードも結構あるので、是非試してみて下さい!


《刈り取りの王》
マナコストのカウントが10マナなので、実は《錯乱した隠遁者》から出すと、マナが6つもジャンプアップします。つまり《引き裂かれし永劫、エムラクール》にいきなり到達できると言うことです。《悟りの教示者》からサーチできるのも魅力の一つ。


《叫び大口》or《恨み唸り》
食物連鎖と相性抜群の想起クリーチャー。このデッキなら、マナを増やしながら、相手のクリーチャーに干渉できるという、謎の強力スペルに早変わりです。


《薄れ馬》or《鋳塊かじり》
引き続き想起クリーチャーシリーズ。特にサイドボード後は、《相殺》《エーテル宣誓会の法学者》など、危険な置物を排除しなければいけないので、サイドボードに詰む価値は十分にありますね。


《領土を滅ぼすもの》
これは、もう一度大会に出るなら、真っ先に入れようと思っているクリーチャーです。《激情の共感者》からサーチできる上に、土地を飛ばす能力にスタックでマナに変換してしまえば、土地は帰ってきません。《食物連鎖》が置いてある場では、基本的にこちらは土地がいらないので、相手だけ《ハルマゲドン》のようなものです。《Karakas》《聖遺の騎士》に対処できるカードなので、《引き裂かれし永劫、エムラクール》の露払いとしてはばっちりな存在。
色拘束がきついのが難点ですが、入れる価値のあるカードです。


《戦隊の鷹》
最近スタンダードのみならず、エクステンデッド、レガシーでも見かけるようになってきたこのカード。これも《帝国の徴募兵》と同じく、4マナジャンプアップを約束してくれるカードなので、デッキは動きやすくなります。
スロット圧迫が難点ですが、安定性を高めて、デッキの速度を高める方向に調整するなら、候補に挙がるカードだと思います。



ということで、第一回、第二回に続き、今回も2連勝から最後負けての2-1でした。中途半端極まりないですね。
圧勝も完敗もない、こんな微妙な成績ばっかりってのは連載的に大丈夫なんでしょうかね?打ち切りにならないか、今から心配です(笑)

“こんなデッキ/コンボ使ってみろよ!”とか”コンボは思いついたけど、デッキにするのが難しい”なんていう方がいらっしゃったら、是非コメント欄にてあなたのアイディアを教えて下さい!


次回は新エキスパンションである『新たなるファイレクシア』のカードに焦点を当てたデッキを紹介する予定です。ファイレクシアマナのような新要素やコンボの核になりそうなカードがたくさんあるので、このレガシーMADデッキ開発室にはピッタリのエキスパンションと言えそうです。

それでは、また再来週お会いしましょう!