どうも、井川です。
去る6月20日、《石鍛冶の神秘家》《精神を刻む者、ジェイス》のスタンダードでの禁止が発表されました。
しかし、他の環境ではまだまだ現役の彼ら。きっとこれからもエクステンデッドやレガシーで活躍してくれるでしょう。特に《精神を刻む者、ジェイス》はヴィンテージでもエース級なので、きっとマジックを続ける限りお世話になるか、もしくは目の敵にし続けるでしょうね。
1.名古屋方面から電波受信
今月上旬に行われたプロツアー名古屋。狭いカードプールと、《鍛えられた鋼》を軸にした白ウィニー最強の下馬評はありましたが、様々なアーキタイプが活躍。その中の一つに、残念レアだと思われていた《純鋼の聖騎士》を核にした白ウィニーがありました。
19 《平地》 4 《墨蛾の生息地》 -土地(23)- 4 《メムナイト》 4 《大霊堂のスカージ》 4 《きらめく鷹》 4 《純鋼の聖騎士》 2 《レオニンの遺物囲い》 4 《刃砦の英雄》 -クリーチャー(22)- |
4 《皮剥ぎの鞘》 4 《迫撃鞘》 4 《戦争と平和の剣》 2 《急送》 1 《オパールのモックス》 -呪文(15)- |
3 《ミラディンの十字軍》 3 《王の摂政、ケンバ》 2 《レオニンの遺物囲い》 2 《存在の破棄》 2 《四肢切断》 2 《白の太陽の頂点》 1 《平地》 -サイドボード(15)- |
僕は運良く当たりませんでしたが、この《純鋼の聖騎士》デッキについて、多数の友人から被害報告を受けました。
・そんなに数もいないし大丈夫だろうと思っていたら《純鋼の聖騎士》デッキに4連敗した
・「そんな強いわけがない」といって出て行った白単鋼が5分後血まみれで戻ってきた
・「《純鋼の聖騎士》さえ除去れば負けるわけがない」と出て行った赤単が《戦争と平和の剣》だけで負けて戻ってきた
・《純鋼の聖騎士》に泣かされる確率が150%。一度除去ってもまた出される確率が50%の意味。
・プロツアー名古屋における《純鋼の聖騎士》による被害者は1日平均120人、うち約20人が日本人。
…というのはほとんどフィクションですが、プロツアーでの大暴れっぷりは真実。YMG総裁のRob Doughertyが使用するくらいなので、デッキのポテンシャルは折り紙つき。そして、先週末に掲載された行弘くんの記事を読んでいたら、心奪われたばかりか、電波を受信してしまいました。僕は僕なりに、レガシーで《純鋼の聖騎士》デッキに挑戦してみたいと思います!
2.クレイジースロット
というわけで、早速ですが今回紹介するデッキはこちらです。
10 《平地》 4 《古えの居住地》 4 《ちらつき蛾の生息地》 4 《不毛の大地》 1 《Karakas》 -土地(23)- 4 《ルーンの母》 4 《純鋼の聖騎士》 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《戦隊の鷹》 4 《呪文滑り》 -クリーチャー(20)- |
4 《剣を鍬に》 4 《霊気の薬瓶》 1 《オパールのモックス》 1 《火と氷の剣》 1 《光と影の剣》 1 《肉体と精神の剣》 1 《饗宴と飢餓の剣》 1 《戦争と平和の剣》 1 《殴打頭蓋》 1 《梅澤の十手》 1 《万力鎖》 -呪文(17)- |
3 《流刑への道》 3 《エーテル宣誓会の法学者》 1 《トーモッドの墓所》 1 《太陽と月の輪》 1 《浄化の印章》 1 《沈黙のオーラ》 1 《忘却の輪》 1 《霊体の正義》 1 《レオニンのボーラ》 1 《迫撃鞘》 1 《悟りの教示者》 -サイドボード(15)- |
動きは至ってシンプル。クリーチャーを出す。装備品を出す。付けて殴る。これしかできません。まさにシンプルイズベスト。「装備品を出す」と「付けて殴る」という2点を達成することでアドバンテージが生まれるデッキなので、この辺がいかにスムーズに達成できるかに主眼を置くことにしました。本当にベストかどうかは分かりませんが、この際考えないことにしましょう。
・《純鋼の聖騎士》、《石鍛冶の神秘家》
このデッキの核と言える部分ですね。このデッキのクリーチャーの大部分は、彼ら自身を含めて《灰色熊》にも劣る貧弱軟弱たちなので、彼らの力は必要不可欠です。
・《ルーンの母》、《呪文滑り》
この2種は言うならば避雷針。もしくは生贄でしょうか。エースである《純鋼の聖騎士》《石鍛冶の神秘家》のためにその身を捧げましょう。勿論避雷針なので、基本的にすぐ死んでしまうのですが、生き残れば本命の2体が命の危機にさらされることはとても少ないでしょう。
《ルーンの母》は第二回・第四回に続き三回目の登場ですね。お母さん、いつもお世話になってます。
余談ですが、システムクリーチャーをベースにしたデッキを作る場合は、この2枚のカードを入れておくと、かなりデッキが回りやすくなると思います。
・《霊気の薬瓶》
レガシーの定番ですね。軽量クリーチャーをテンポ良く展開できます。《古えの居住地》と合わせて「金属術」をサポートしてくれるのも◎。
・《火と氷の剣》他装備品
このデッキのもう一つの核、それはこの多彩な装備品です。
歴代の優秀な装備品が1枚ずつ入っているので、《石鍛冶の神秘家》でその場にふさわしい物をサーチしましょう。装備コストは《純鋼の聖騎士》が0にしてくれるので、「場に出して即装備→攻撃」とテンポ良く動けます。
《石鍛冶の神秘家》がない場合でも、これだけの枚数が入っていると大体の場合は初手に何枚か装備品があるので安心ですね。どの装備品が手札に来るかは時の運。良くも悪くも「一期一会」「適材適所」という言葉の意味を実感できると思います。
なお、5種類の剣全てを場に揃えることができたら、きっと神の龍的な要素がどこからともなく現れて好きな願いを一つ叶えてくれるはず。大事なのは夢を持つことなのです。
・《霊体の正義》
《破滅的な行為》、《古えの遺恨》といった見るだけで泣きそうになるカードへのささやかな抵抗です。でもきっと、間に合わないことの方が多いでしょう。
・《レオニンのボーラ》
《大祖始》は《殴打頭蓋》でダメージレースできても、《引き裂かれし永劫、エムラクール》に滅殺されちゃうんだよね…。
そんなあなたの悩みもこれ一枚で解決!「MRD-DST-5DN」環境のリミテッドで大暴れしたカードが遂にデビュー!《石鍛冶の神秘家》からサーチして素敵なドヤ顔を決めましょう!
その他は、《戦隊の鷹》、《ちらつき蛾の生息地》、《不毛の大地》といった比較的定番のカードでまとめてみました。
サイドボードも追加の除去、コンボ対策、墓地対策、そしてそれらをサーチできる《悟りの教示者》と基本に沿った形といえるのではないでしょうか。
レガシー版《純鋼の聖騎士》デッキは新しい風を吹き込むことができるのでしょうか?それとも、ただ装備品がたくさん入っているだけの紙束で終わってしまうのでしょうか?
という訳でということで、毎度のことながらトーナメントに参加してきました。参加者13人のスイスドロー3回戦。
最強の五刀流で、3-0まで駆け抜けるッッッ!!!
3.その時、歴史が動いた。
R1:対黒タッチ青《悪疫》○○
R2:対親和 ×○○
R3:対チームアメリカ ○×○
遂に!遂にこの時が…!!
連載七回目にして、やっと3-0を達成することができました。
これまでの惜敗、完敗、ド圧敗も全てこの日のための「神様のレシピ」だったに違いありません。伊坂幸太郎先生ありがとう。
R2ではライフ1からの大逆転劇を決め、R3では《破滅的な行為》を擁する相手に勝てたので感動もひとしおです。
剣シリーズ5枚を場に揃えるという夢を叶えることはできませんでしたが、以下のような華々しい勝利を飾っておきました。
R1G2:事故気味なところに全力展開して、細菌トークンに《殴打頭蓋》、《火と氷の剣》、《戦争と平和の剣》付けて勝利!
R2G2:《石鍛冶の神秘家》に《梅澤の十手》、《火と氷の剣》、《殴打頭蓋》付けてライフ1から逆転勝利!
R3G1:相手が《墓忍び》、《精神を刻む者、ジェイス》(忠誠度2)の場で、《古えの居住地》出して《光と影の剣》と《オパールのモックス》プレイ→《純鋼の聖騎士》に装備してジェイス破壊して勝利!
と一通りやりたいことをできたので、万々歳です。
もう思い残すことはありません。真っ白に燃え尽きました。
記事を書くのはこのhappymtgが初めてであり、また慣れないレガシー環境ということもあり、文章や内容に至らない点・未熟な点が多数あったかと思います。
それでも多くの方に感想や励ましを頂いてここまでやってこれました。
これまで記事を読んでくださって、皆さん本当にありがとうございました!!
—————-井川先生の次回作にご期待くださいッッ!!——————-
「最終回じゃないのぞよ。もうちっとだけ続くんじゃ。」
ということで、次回以降も連載は続くことになりました。
これからもこんな感じでまったりMADに書いていくかとは思いますが、生暖かい目で応援していただけけたらと思います。
それでは、また再来週お会いしましょう!