基本セット2012がいよいよ発売となり、発売日の翌日である7/16にはインテックス大阪で2011年度日本選手権が開催されます。また、7/17には同会場でレガシー選手権も開催されます。
基本セット2012ではレガシーでバリバリ現役の《思案》《渋面の溶岩使い》や、プレインズウォーカーも触れる万能除去《忘却の輪》などが再録され、スタンダード環境に多大な影響を与えそうです。
レガシー的観点で見てみても、《原初の狩人、ガラク》や《機を見た援軍》、《無限の日時計》など少数ながら可能性のありそうなカードが新規収録されているので、何か新しいデッキが生まれるかもしれませんね。
1.《衝合》ってなんぞ?
レガシーという環境はそのカードプールの定義ゆえ、新しいエキスパンションが出るたびに使えるカードが増え、環境のデッキが徐々に強くなっていきます。
近年ですと、アラーラブロックがレガシーに与えた影響は非常に大きいものでした。
一時は最強コンボの名を欲しいままにしたANT(むかつきストーム)のキーカードである《むかつき》。ZOOのデッキパワーを格段に引き上げた《野生のナカティル》、《クァーサルの群れ魔道士》、《流刑への道》。バントというアーキタイプを確立させた《貴族の教主》、《聖遺の騎士》、《ロウクスの戦修道士》。《自然の秩序》の価値を急上昇させた《大祖始》など、多数のカードがレガシーで活躍しています。
今挙げたカードのうち《貴族の教主》、《聖遺の騎士》、《流刑への道》、《大祖始》を輩出しているエキスパンション「コンフラックス」には、《衝合》というカードがあるのをご存知でしょうか。
「3白青黒赤緑」という異様なまでに重く厳しいコスト。その能力は5色全てのカードをサーチできるという、超「教示者」です。ちなみに、収録されているエキスパンションと同じ名前を持つ初めてのカードでもあります(別エキスパンションなら《Prophecy》、《黙示録》、《時のらせん》、《未来予知》、《朝明け》がありますね)。
クソ重い…失礼。非常に使いづらいけど効果が抜群に強力なこのカードは、一般的に《ドリーム・ホール》と組み合わせて使われています。
5 《島》 1 《沼》 3 《Underground Sea》 4 《汚染された三角州》 2 《沸騰する小湖》 4 《古えの墳墓》 -土地(19)- 2 《猿人の指導霊》 3 《大祖始》 -クリーチャー(5)- |
4 《思案》 4 《渦まく知識》 3 《直観》 4 《思考囲い》 4 《Force of Will》 4 《実物提示教育》 4 《ドリーム・ホール》 4 《衝合》 2 《残酷な根本原理》 3 《水蓮の花びら》 -呪文(36)- |
-サイドボード(0)- |
《ドリーム・ホール》を場に出して《衝合》をプレイ、サーチするのは複数の《残酷な根本原理》と追加の《衝合》。《残酷な根本原理》で相手を壊滅させつつ、最後に《大祖始》をプレイして勝ち。実質的に《ドリーム・ホール》《衝合》の2枚コンボなので、豊富なドローソースを使えば高い確率で揃えることが可能でしょう。
しかし、この《ドリーム・ホール》、《衝合》デッキには大きな弱点があります。そう、《ドリーム・ホール》がなければ《衝合》も《残酷な根本原理》もただの観賞用レアになってしまうのです。
もちろん、《実物提示教育》から《大祖始》を出して勝つこともできます。しかし、手札に来た金色のド派手なレアたちがこっちを見ているのに、《実物提示教育》に頼るなんてつまらない!やっぱ重いカードもマナを払ってプレイできてナンボでしょ!《残酷な根本原理》は7マナ払ってプレイしなければ、世の《残酷な根本原理》スキーに怒られちゃうに違いない!
なんてという妄想をしながら上記《ドリーム・ホール》デッキを僕が改造(×改良○改悪)したのが、今回紹介するデッキです。
2.勝ち手段トッピング
4 《島》 3 《Underground Sea》 1 《Volcanic Island》 4 《霧深い雨林》 4 《古えの墳墓》 4 《裏切り者の都》 -土地(20)- 4 《大祖始》 -クリーチャー(4)- |
4 《実物提示教育》 4 《ドリーム・ホール》 4 《魔力を持つペンダント》 4 《衝合》 4 《残酷な根本原理》 4 《渦まく知識》 1 《リム=ドゥールの櫃》 3 《Force of Will》 4 《師範の占い独楽》 1 《巻物棚》 3 《水蓮の花びら》 -呪文(36)- |
4 《防御の光網》 3 《残響する真実》 3 《トーモッドの墓所》 3 《腹黒い夢》 1 《うつろう爆発》 1 《ドラコ》 -サイドボード(15)- |
重くて手札で泣いているどうしようもないレア共を「マナを払ってプレイ」するために辿りついた(ウ)ソリューション。奇跡のようなブン回りを実現する魔法のカード。それがオデッセイのクソレア《魔力を持つペンダント》です。
手札で溜まって溜まって仕方がない《衝合》、《残酷な根本原理》、《大祖始》もこれで万事解決。《渦まく知識》、《師範の占い独楽》、《巻物棚》、《リム=ドゥールの櫃》でライブラリートップを操作して、《魔力を持つペンダント》で大量のマナを出して「マナを払ってプレイ」しちゃいましょう!
理想的に回れば、1T《古えの墳墓》から《師範の占い独楽》プレイ&起動。2T《裏切り者の都》から《魔力を持つペンダント》プレイ&起動。ライブラリートップから《残酷な根本原理》をめくって青青黒黒黒赤赤を出して、手札から《残酷な根本原理》をプレイ!なんてことが可能です。同様に2Tに《大祖始》プレイも可能。まさにミラクル!!
もちろん、ベースは普通の《ドリーム・ホール》デッキなので、早いターンに《実物提示教育》から《大祖始》で勝利することもありますし、《ドリーム・ホール》、《衝合》で勝利することもできます。多彩な勝ち手段で相手を翻弄しましょう。
ただ、これだけではまだまだ勝ち手段が足りません。環境にもよくある《実物提示教育》デッキと変わらないじゃんとは言わせません。今回はさらに2つの勝ち手段を用意してしまいました。
1つ目はこれまたクソレア、《分かち合う運命》。中島君よろしく「磯野ー。ライブラリー交換しようぜー。」って感じで相手と自分のドローが入れ替わります。相手が引くのはプレイできない《大祖始》、《衝合》、《残酷な根本原理》と、手札を参照するため何の役にも立たない《実物提示教育》、《ドリーム・ホール》。こちらが引くのは対戦相手の強いデッキ。ちなみに《魔力を持つペンダント》があれば、相手の使っているカードはほぼ全てプレイできるでしょう。《師範の占い独楽》で操作しなくても勝利は約束されたようなものですね。
2つ目はサイドボードに用意した《うつろう爆発》、《ドラコ》コンボ。このデッキはハンデスに弱いので、《腹黒い夢》から1枚で勝てるのは非常に魅力的です。《師範の占い独楽》でライブラリーに維持しておいて、4マナ溜まったらYou Win!!です。一見16点じゃ足りないように見えますが、《思考囲い》、《闇の腹心》や各種フェッチランド、《森の知恵》などで案外ライフは減るものです。16点以下になってくれるように念じましょう。「アップキープに《森の知恵》で4ペイします。」ニヤリ。能動的にライフルーズしてくれるデッキ相手に投入しましょう。
たくさんのコンボを搭載したこの《魔力を持つペンダント》、《ドリーム・ホール》デッキは、一人回しのように理想的な動きをしてくれるのでしょうか?
ということでいつも通りトーナメントに参加してきました。参加者21名のスイスドロー3回戦。
《残酷な根本原理》が、《衝合》が、、、俺を呼んでいるッッ!!
3.ペンダントは光らない。
R1:対青白石鍛冶 ×○×
R2:対発掘 ××
R3:対白緑アグロ ○○
連続3-0ならず!やはりレガシーMAD道は厳しい。
○R1
G1は先手を取るものの、《モックス・ダイアモンド》経由の1T《石鍛冶の神秘家》で《殴打頭蓋》。こちらの3Tに《Force of Will》持っている状態で《実物提示教育》をプレイしてみるとスタックで《ヴェンディリオン三人衆》された挙句《Force of Will》。まさに完敗。
G2は《翻弄する魔道士》で《実物提示教育》を指定された上に殴られ続けるが、《防御の光網》が通り、《ドリーム・ホール》からの《衝合》で勝ち。
G3は特殊地形とフェッチランドしか引かないところに《不毛の大地》×3、《もみ消し》、《呪文づまりのスプライト》×2でまたもや完封。《島》さえ引けていれば…
○R2
G1は後手1Tディスカードからの3キルで乙。
G2《大祖始》《残酷な根本原理》《衝合》含む合計マナコスト30オーバー(笑)の初手をマリガン。《トーモッドの墓所》を《渦まく知識》で引きこめたのでゲームをスローダウンさせて、《師範の占い独楽》+フェッチでライブラリーを掘るも、《実物提示教育》《古えの墳墓》《裏切り者の都》《魔力を持つペンダント》が1枚も見つからず土地4+手札に《ドリーム・ホール》《残酷な根本原理》《衝合》《Force of Will》みたいな感じになってしまい、相手に間に合われて負け。
○R3
G1またしても大祖始/Progenitus》《残酷な根本原理》《衝合》含む合計マナコスト30オーバー(笑)の初手をマリガン。「来たぞー!」って感じでこっちを見つめるのは止めて頂きたい。《衝合》3《ドリーム・ホール》《実物提示教育》《Underground Sea》を悩んだ末キープ。ファーストドローで《残酷な根本原理》がオイッス!で負けたかなと思うものの、先攻3Tに《裏切り者の都》を無事引けて3キル。
G2《エーテル宣誓会の法学者》で《ドリーム・ホール》を封じられるものの、3T《聖遺の騎士》4T《聖遺の騎士》だったので2体とも《残響する真実》でバウンスして時間稼ぎ。4マナ揃ったところでエンド前に《腹黒い夢》X=3で《実物提示教育》《うつろう爆発》《ドラコ》。《実物提示教育》で初手からあった《大祖始》を出し、次のターンでアタック10点+《うつろう爆発》《ドラコ》16点で勝ち!
という感じで、残念ながら1-2。しかし、《ドリーム・ホール》《衝合》、《実物提示教育》《大祖始》、《うつろう爆発》《ドラコ》とやりたいことがほぼできたので満足です。
え、《魔力を持つペンダント》はどうしたって??…ほとんど引かなかった上、枚数の都合上数枚サイドアウトすることが多かったので一回も活躍しませんでした。上であんだけ持ち上げといてすみません。やめて!石を投げないでー><
次回はM12のカードを使ってMADデッキを構築!…するかどうかはまだ未定です。
《無限の日時計》デッキが気になるところですが、はてさてどうなることやら。
それでは、また再来週!
日本選手権やレガシー選手権に出場される方は大阪でお会いしましょう!