USA Standard Express vol.14 -SCGO Nashville etc.-

Kenta Hiroki


皆さんこんにちは。

新セットの『神々の軍勢』がスタンダード解禁になって2週間近く経ちますが、皆さん好きなデッキは見つかりましたか?

残念な事にStarCityGames.com Open Series(SCGO) Somersetが悪天候によって中止になってしまったので、予定を変更して今回の記事ではSCGO Nashvilleとその同週末に行われたSuper Sunday Series Championship、先週末に筆者の地元のミシガンで開催されたTCGplayer Open 5K Flintの解説をしていきたいと思います。Super Sunday Series Championshipでは日本人プロプレイヤーの三原槙仁さんが準決勝という好成績を収めました。




SCGO Nashvilleトップ8 デッキアーキタイプ

2014年2月8日
1位 Mono Blue Devotion/青信心
2位 GR Monsters/赤緑怪物
3位 BW Midrange/白黒コントロール
4位 UWR Control/白青赤コントロール
5位 Mono Black Devotion/黒単
6位 BW Midrange/白黒コントロール
7位 Mono Blue Devotion/青信心
8位 GW Aggro/緑白ビートダウン

環境の序盤らしく、今大会のトップ8は多様なアーキタイプの入賞が目立ちました。そんな中優勝したのは新セットのカードが一切含まれていないMono Blue Devotionでした。プロツアー「テーロス」以来環境のトップメタとして活躍していたアーキタイプで新セットから特に得るものが見られなかった青単ですが、他のデッキが未だ試行錯誤段階の中前環境の時点で完成されていたアドバンテージを活かせたのが勝因のようです。

他にはMono Black DevotionやBW Midrange等黒いデッキは『神々の軍勢』から加入した優秀な除去スペルである《胆汁病》を早速採用していました。リリース前から『神々の軍勢』のトップレアとして注目されていた《オレスコスの王、ブリマーズ》もコントロールのサイドやGW Aggroの新戦力として採用されていました。再録カードで各種Godにも触れる《存在の破棄》も今回入賞していたUWR Control等白を含んだコントロールデッキやBW Midrangeで高い採用率を誇りました。



SCGO Nashville デッキ解説

「Mono Blue Devotion」「GR Monsters」「BW Midrange」「UWR Control」「GW Aggro」


Eric Gray 「Mono Blue Devotion」 SCGO Nashville (1位)
20 《島》
4 《変わり谷》
1 《ニクスの祭殿、ニクソス》

-土地(25)-

4 《雲ヒレの猛禽》
4 《審判官の使い魔》
4 《潮縛りの魔道士》
4 《凍結燃焼の奇魔》
4 《海の神、タッサ》
4 《夜帷の死霊》
4 《波使い》

-クリーチャー(28)-
1 《急速混成》
2 《家畜化》
2 《タッサの二叉槍》
2 《思考を築く者、ジェイス》

-呪文(7)-
3 《反論》
2 《否認》
2 《サイクロンの裂け目》
2 《家畜化》
1 《霊異種》
1 《急速混成》
1 《払拭》
1 《解消》
1 《タッサの二叉槍》
1 《記憶の熟達者、ジェイス》

-サイドボード(15)-
hareruya


前環境のトップメタのMono Blue Devotionは『神々の軍勢』のカードが1枚も採用されていません。固定パーツが多くリストは前環境の時点でほぼ完成されていたので無理に変える必要が無かったといった所でしょうか。

メインに採用されている《家畜化》は『神々の軍勢』のトップレアとして注目を集めている《オレスコスの王、ブリマーズ》のコントロールを得る事が可能です。《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》はUW Controlのサイドボードにも採用されていたので、今後はサイド後も1枚は残しておいても良さそうです。

雲ヒレの猛禽波使い家畜化






Kent Ketter 「GR Monsters」 SCGO Nashville (2位)
7 《森》
6 《山》
4 《踏み鳴らされる地》
4 《奔放の神殿》
1 《悪意の神殿》
2 《変わり谷》

-土地(24)-

4 《エルフの神秘家》
3 《森の女人像》
1 《漁る軟泥》
4 《クルフィックスの狩猟者》
4 《世界を喰らう者、ポルクラノス》
4 《ゴーア族の暴行者》
4 《嵐の息吹のドラゴン》
1 《歓楽の神、ゼナゴス》

-クリーチャー(25)-
4 《ミジウムの迫撃砲》
4 《ドムリ・ラーデ》
2 《歓楽者ゼナゴス》
1 《紅蓮の達人チャンドラ》

-呪文(11)-
4 《霧裂きのハイドラ》
2 《高木の巨人》
2 《自由なる者ルーリク・サー》
2 《垂直落下》
2 《霊気のほころび》
2 《ナイレアの弓》
1 《肉体+血流》

-サイドボード(15)-
hareruya

『神々の軍勢』から新戦力として使えそうなカードが数種類見られ、リリース以前から注目されていたGR Monsters。惜しくもMono Blue Devotionに決勝で敗れ優勝は成りませんでしたが、準優勝と前評判通り大健闘でした。

『神々の軍勢』からは《クルフィックスの狩猟者》《歓楽の神、ゼナゴス》《悪意の神殿》《霊気のほころび》が採用されています。《クルフィックスの狩猟者》は占術ランドや《ドムリ・ラーデ》《紅蓮の達人チャンドラ》と相性が良く巧く使えばカードアドバンテージを稼ぐことが可能です。多色Godである《歓楽の神、ゼナゴス》《嵐の息吹のドラゴン》《霧裂きのハイドラ》等のクリーチャーを強化し《ゴーア族の暴行者》と合わせればゲームを終わらせるほどの破壊力を秘めていますが、対象になるクリーチャーが場に居ないと役に立たないカードで2枚目以降が腐り易い為1枚だけの採用となっているようです。《霊気のほころび》《破壊的な享楽》と異なり破壊不能の各種Godを除外する事が可能です。破壊したり取り除いたりするわけでは無いので再度トップデッキされるリスクはありますが、それを差し引いても優秀な除去スペルです。

クルフィックスの狩猟者歓楽の神、ゼナゴス霊気のほころび






Dylan Harris 「BW Midrange」 SCGO Nashville (3位)
9 《沼》
1 《平地》
4 《神無き祭殿》
4 《静寂の神殿》
3 《オルゾフのギルド門》
4 《変わり谷》

-土地(25)-

4 《群れネズミ》
4 《冒涜の悪魔》
4 《ヴィズコーパの血男爵》
2 《幽霊議員オブゼダート》

-クリーチャー(14)-
4 《思考囲い》
3 《胆汁病》
3 《肉貪り》
1 《究極の価格》
4 《英雄の破滅》
3 《地下世界の人脈》
1 《エレボスの鞭》
2 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(21)-
4 《強迫》
4 《破滅の刃》
3 《生命散らしのゾンビ》
2 《闇の裏切り》
1 《死者の神、エレボス》
1 《無慈悲な追い立て》

-サイドボード(15)-
hareruya


Mono Black Devotionに白を足したバージョンで《アスフォデルの灰色商人》の代わりに《幽霊議員オブゼダート》《ヴィズコーパの血男爵》が5マナ域のクリーチャーとして採用されています。黒への信心を稼ぐ必要が無くなった為色拘束が強い《夜帷の死霊》も解雇されています。除去が多目に積まれており、PWの《太陽の勇者、エルズペス》も採用されるなどMono Blackと比べてコントロール寄りに構成されています。

《幽霊議員オブゼダート》はインスタント除去を多数搭載したMono Black Devotionにはあまり強くないクリーチャーですが、《拘留の宝球》《至高の評決》等ソーサリースピードの除去に頼ったUW Controlやクリーチャーを除去する手段が少ないGR Monstersとのマッチアップでは活躍が期待できます。特に《エレボスの鞭》《幽霊議員オブゼダート》はコントロールにとっては脅威になります。UW側も《宿命的報復》があるので過信は禁物ですが、7マナと重いスペルで採用されていても1-2枚程度ですので、ハンデスがあり《エレボスの鞭》で再利用できる分こちらが有利です。

サイドに採られている《生命散らしのゾンビ》はGR Monsterの手札から脅威を取り除きつつ、威嚇でPWに対しても安定して攻撃が通せます。《無慈悲な追い立て》は黒単色には触る事が難しかった各種Godを含めたエンチャントに対する回答になり、PWやクリーチャーを一掃する選択もあるので6マナと重い事が許容できれば無駄になり難いカードです。新セットの『神々の軍勢』からは優秀な除去として注目されていた《胆汁病》が採用されています。《夜帷の死霊》等タフネス3のクリーチャーの除去も容易になり《群れネズミ》も以前よりも捌き易くなりました。

ヴィズコーパの血男爵胆汁病無慈悲な追い立て






Chris Yarbrough 「UWR Control」 SCGO Nashville (4位)
2 《島》
2 《山》
2 《平地》
4 《神聖なる泉》
4 《聖なる鋳造所》
4 《蒸気孔》
4 《啓蒙の神殿》
4 《凱旋の神殿》

-土地(26)-

1 《霊異種》

-クリーチャー(1)-
1 《中略》
3 《ミジウムの迫撃砲》
2 《アゾリウスの魔除け》
2 《イゼットの魔除け》
1 《存在の破棄》
4 《スフィンクスの啓示》
3 《解消》
1 《対抗変転》
4 《至高の評決》
1 《宿命的報復》
4 《拘留の宝球》
2 《軍勢の集結》
2 《太陽の勇者、エルズペス》
3 《思考を築く者、ジェイス》

-呪文(33)-
3 《オレスコスの王、ブリマーズ》
3 《ギルドとの縁切り》
2 《嵐の息吹のドラゴン》
2 《神々の憤怒》
1 《摩耗+損耗》
1 《反論》
1 《否認》
1 《対抗変転》
1 《漸増爆弾》

-サイドボード(15)-
hareruya


《啓蒙の神殿》は青白系のコントロールデッキにとって待ちに待った青白の占術ランドです。今回入賞したChrisのリストは赤を足しています。赤を足すことにより、Mono Black Devotionにとって触り難い《軍勢の集結》や同系でのカウンター合戦を有利にする《対抗変転》、青白にとっては厄介なプロテクション白持ちの 《嵐の息吹のドラゴン》《ヴィズコーパの血男爵》を除去できる《ミジウムの迫撃砲》にアクセスが可能になりました。

《啓蒙の神殿》以外では『神々の軍勢』からはインスタントスピードでクリーチャーとPWを一掃する《宿命的報復》とエンチャント対策の《存在の破棄》、サイドボードに追加のクロックとして 《オレスコスの王、ブリマーズ》が採用されています。《宿命的報復》はクリーチャーとPWでプレッシャーをかけてくるGR Monstersに特に有効で、BW Midrangeの《幽霊議員オブゼダート》に対する数少ない回答にもなります。メインにも採用されている《存在の破棄》は各種Godや《タッサの二叉槍》《エレボスの鞭》《地下世界の人脈》等厄介なエンチャントが多数存在し、《クルフィックスの狩猟者》のようにクリーチャー兼エンチャントが存在する現在の環境では無駄になる場面の方が少ない優秀な除去です。《オレスコスの王、ブリマーズ》は3マナと軽くコントロール同系対決の追加のクロックとしては申し分ない性能で、タフネス4の警戒持ちで攻撃時もブロック時にもトークンを生みだす能力はビートダウン戦でも活躍が期待できそうです。

宿命的報復存在の破棄軍勢の集結






Kaleb Byrd 「GW Aggro」 SCGO Nashville (8位)
8 《森》
8 《平地》
4 《寺院の庭》
3 《豊潤の神殿》

-土地(23)-

4 《万神殿の兵士》
4 《実験体》
4 《羊毛鬣のライオン》
4 《復活の声》
4 《加護のサテュロス》
2 《オレスコスの王、ブリマーズ》
1 《放逐する僧侶》
1 《ロクソドンの強打者》

-クリーチャー(24)-
3 《神々の思し召し》
4 《セレズニアの魔除け》
4 《ワームの到来》
2 《群れの統率者アジャニ》

-呪文(13)-
3 《根生まれの防衛》
3 《ひるまぬ勇気》
2 《霧裂きのハイドラ》
2 《異端の輝き》
2 《存在の破棄》
1 《空殴り》
1 《放逐する僧侶》
1 《ドルイドの講話》

-サイドボード(15)-
hareruya


青白のサイドボードに採用されていた《オレスコスの王、ブリマーズ》《復活の声》等緑と白の優秀なクリーチャーでビートダウンしていくGW Aggroでも採用されています。伝説のクリーチャーな為手札に多数来ると無駄になり易いからか2枚の採用となっています。緑白の占術ランドの《豊潤の神殿》は地味ながらマナベースの強化に貢献しデッキの安定性を高めます。再録カードの《存在の破棄》はこのデッキにもサイドに採用されています。

オレスコスの王、ブリマーズ復活の声豊潤の神殿





Super Sunday Series Championship トップ8 デッキアーキタイプ

2014年2月9日
1位 Mono Black Devotion/黒単
2位 Esper Midrange/エスパー人間アグロ
3位 BW Midrange/白黒コントロール
4位 Mono Black Aggro/黒単
5位 UW Control/白青コントロール
6位 Bant Control/白青緑コントロール
7位 BW Midrange/白黒コントロール
8位 BW Midrange/白黒コントロール

トップ8はモダンマスターズのドラフトで競われましたが、予選ラウンドはスタンダードとテーロスブロックのドラフトでした。今回の記事ではトップ8入賞者の中でもスタンダード部門で優秀な成績を収めたデッキを紹介させて頂きます。



Super Sunday Series Championship デッキ解説

「Mono Black Devotion」「Esper Midrange」「UW Control」「Mono Black Aggro」


Owen Turtenwald 「Mono Black Devotion」 Super Sunday Series Championship
(スタンダード部門 4-1-1)
18 《沼》
4 《欺瞞の神殿》
4 《変わり谷》

-土地(26)-

4 《群れネズミ》
4 《夜帷の死霊》
4 《冒涜の悪魔》
4 《アスフォデルの灰色商人》

-クリーチャー(16)-
4 《思考囲い》
4 《胆汁病》
2 《肉貪り》
4 《英雄の破滅》
4 《地下世界の人脈》

-呪文(18)-
3 《生命散らしのゾンビ》
3 《強迫》
2 《闇の裏切り》
2 《死者の神、エレボス》
2 《肉貪り》
2 《悲哀まみれ》
1 《破滅の刃》

-サイドボード(15)-
hareruya


今大会の優勝者であり、昨年はプロツアートップ8やGP連続優勝等輝かしい成績を残したアメリカのトッププロのOwen Turtenwaldは、今大会でもスタンダード部門に得意のMono Black Devotionを持ち込みました。彼も『神々の軍勢』からの新戦力である《胆汁病》を採用しています。その枠の確保の為《ファリカの療法》が解雇され《肉貪り》が減量されています。

サイドには高速ビートダウン対策に 《悲哀まみれ》が採用されています。単体除去が中心で一度に数体のクリーチャーを並べてくる赤単等に対しても耐性が付きます。

冒涜の悪魔胆汁病悲哀まみれ






三原 槙仁 「Esper Midrange」 Super Sunday Series Championship
(スタンダード部門 4-2)
3 《平地》
1 《沼》
4 《神無き祭殿》
4 《神聖なる泉》
3 《湿った墓》
4 《啓蒙の神殿》
4 《静寂の神殿》
2 《変わり谷》

-土地(25)-

4 《万神殿の兵士》
4 《管区の隊長》
2 《威圧する君主》
4 《リーヴの空騎士》
3 《オレスコスの王、ブリマーズ》
3 《都市国家の神、エファラ》
1 《太陽の神、ヘリオッド》
3 《幽霊議員オブゼダート》

-クリーチャー(24)-
4 《拘留の宝球》
2 《遠隔+不在》
2 《ヘリオッドの槍》
2 《究極の価格》
1 《エレボスの鞭》

-呪文(11)-
3 《思考囲い》
3 《異端の輝き》
3 《破滅の刃》
2 《ヴィズコーパの血男爵》
2 《闇の裏切り》
1 《概念泥棒》
1 《至高の評決》

-サイドボード(15)-
hareruya


青白のGodの《都市国家の神、エファラ》が早速採用されています。GP静岡で準優勝を飾ったEsper Midrangeと異なり、色拘束の強い《管区の隊長》を採るなど信心に寄せた構成になっています。

新セットの『神々の軍勢』からも多くのカードが採用されています。《啓蒙の神殿》はこのデッキのマナ基盤の安定性の向上に貢献します。3マナ域の新戦力として《オレスコスの王、ブリマーズ》が採用されています。《オレスコスの王、ブリマーズ》のトークンを生みだす能力は《都市国家の神、エファラ》の能力と相性が良く、トークンを製造する能力を持つ白いGodの《太陽の神、ヘリオッド》も採用されていることから《都市国家の神、エファラ》のカードをドローする能力を活かせるように構築されています。《幽霊議員オブゼダート》《エレボスの鞭》も搭載しているのでコントロール相手に強い構成は健在です。




Chi Hoi Yim 「UW Control」 Super Sunday Series Championship
(スタンダード部門 4-1-1)
7 《島》
6 《平地》
4 《神聖なる泉》
4 《啓蒙の神殿》
2 《アゾリウスのギルド門》
3 《変わり谷》

-土地(26)-


-クリーチャー(0)-
3 《中略》
2 《急かし》
4 《アゾリウスの魔除け》
1 《存在の破棄》
4 《スフィンクスの啓示》
4 《解消》
2 《予言》
4 《至高の評決》
1 《宿命的報復》
4 《拘留の宝球》
1 《不死の霊薬》
1 《太陽の勇者、エルズペス》
3 《思考を築く者、ジェイス》

-呪文(34)-
3 《オレスコスの王、ブリマーズ》
3 《反論》
2 《テューンの大天使》
2 《払拭》
2 《今わの際》
1 《否認》
1 《心理のらせん》
1 《盲従》

-サイドボード(15)-
hareruya


SCGO Nashvilleで入賞していた赤を足していたバージョンと異なり、純正青白コントロールです。 《啓蒙の神殿》の加入は大きく色マナの合わない占術ランドを採用する必要がないのは嬉しい変更です。

Chi Hoi Yimのリストはメインのフィニッシャーは少な目で除去や妨害手段が多目に積まれています。《不死の霊薬》で使用済みのカードを補充しつつ 《スフィンクスの啓示》でアドバンテージを稼ぎ続ける気の長い戦略です。メインはクリーチャーレスでサイドから《オレスコスの王、ブリマーズ》《テューンの大天使》が導入されます。 《宿命的報復》以外にも 《急かし》からの《至高の評決》もあるので、他のコントロールよりも速攻持ちのクリーチャーや 《幽霊議員オブゼダート》に耐性があります。

スフィンクスの啓示不死の霊薬宿命的報復






Klaas Gruber 「Mono Black Aggro」 Super Sunday Series Championship
(スタンダード部門 4-1-1)
20 《沼》
4 《変わり谷》

-土地(24)-

4 《苛まれし英雄》
4 《ラクドスの哄笑者》
4 《群れネズミ》
3 《苦痛の予見者》
4 《責め苦の伝令》
3 《生命散らしのゾンビ》
2 《モーギスの匪賊》

-クリーチャー(24)-
4 《思考囲い》
3 《胆汁病》
1 《究極の価格》
4 《英雄の破滅》

-呪文(12)-
4 《闇の裏切り》
4 《強迫》
3 《死者の神、エレボス》
2 《肉貪り》
1 《生命散らしのゾンビ》
1 《胆汁病》

-サイドボード(15)-
hareruya


Mono Black Devotionと異なり《ラクドスの哄笑者》《苛まれし英雄》等1マナ域のクリーチャーを多数採用したビートダウン寄りの構成です。

『神々の軍勢』からは 《苦痛の予見者》《責め苦の伝令》が採用されています。《苦痛の予見者》の「神啓」の能力はこのデッキではおまけ程度に考えて良いと思います。《責め苦の伝令》は3マナ3/3飛行と良スペックで、+3+3飛行を与える授与はクリーチャーに回避能力を付けて強化するだけでなく除去を撃たれても《責め苦の伝令》が残るので攻め手が途切れないのも魅力です。《苦痛の予見者》あたりに付ければブロックされ難くなりカードアドバンテージを得られるチャンスも増えそうです。

苛まれし英雄苦痛の予見者責め苦の伝令





TCGplayer Open 5K Flint トップ8 デッキアーキタイプ

2014年2月15日
1位 Mono Blue Devotion/信心青単
2位 Mono Black Devotion/黒単
3位 BW Midrange/白黒コントロール
4位 BW Midrange/白黒コントロール
5位 UW Control/白青コントロール
6位 Mono Red Devotion/赤単
7位 GR Monsters/赤緑怪物
8位 UW Control/白青コントロール

筆者在住のアメリカ ミシガン州で行われたTCGplayer Open 5K Flint。賞金総額5000ドルというSCGOと同様の規模の大会で300人近い参加者を出しました。上位入賞者には副賞としてTCG Player.com主催の主催する招待制のイベントのTCGplayer Championshipの参加権が与えられます。
SCGO Nashvilleと同様に優勝はMono Blue Devotionでした。Mono Blue DevotionとMono Red Devotion以外にビートダウン系のデッキは見当たらずBW MidrangeやMono Black,RG,UW Control等中速デッキやコントロールが中心のメタでした。


James Newman 「UW Control」 TCGplayer Open 5K Flint (5位)
5 《島》
5 《平地》
4 《神聖なる泉》
4 《啓蒙の神殿》
4 《欺瞞の神殿》
2 《静寂の神殿》
3 《変わり谷》

-土地(27)-

4 《オレスコスの王、ブリマーズ》

-クリーチャー(4)-
3 《中略》
2 《アゾリウスの魔除け》
4 《スフィンクスの啓示》
4 《解消》
4 《至高の評決》
1 《宿命的報復》
4 《拘留の宝球》
4 《思考を築く者、ジェイス》
3 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(29)-
4 《万神殿の兵士》
3 《破滅の刃》
2 《存在の破棄》
2 《否認》
2 《記憶の熟達者、ジェイス》
1 《反論》
1 《真髄の針》

-サイドボード(15)-
hareruya


今回入賞したJames NewmanのリストはGP Vancouverを制したリストをベースに『神々の軍勢』のカードが数種類採用されています。

単体除去の《今わの際》とフィニッシャーの一枚の《霊異種》の代わりに、サイドに忍ばせてある事が多い《オレスコスの王、ブリマーズ》がメインにフル搭載されています。青白コントロールの魅力の一つがメイン戦で相手の除去を腐らせる事ができるところなので、青白にメインから除去耐性の低いクリーチャーを入れるのは躊躇われますが、黒系のデッキの《胆汁病》や同系の《今わの際》で除去されないのは強みです。《静寂の神殿》《欺瞞の神殿》から黒マナにアクセスできるのでGR Monsters等の大型クリーチャー対策に《破滅の刃》がサイドに採られています。

オレスコスの王、ブリマーズ至高の評決破滅の刃






Nicholas Price 「Mono Red Devotion」 TCGplayer Open 5K Flint (6位)
16 《山》
4 《ニクスの祭殿、ニクソス》
1 《変わり谷》

-土地(21)-

4 《灰の盲信者》
4 《炎樹族の使者》
4 《凍結燃焼の奇魔》
4 《ボロスの反攻者》
4 《モーギスの狂信者》
4 《ヴァルカスの災い魔》
4 《嵐の息吹のドラゴン》

-クリーチャー(28)-
4 《マグマの噴流》
4 《灼熱の血》
3 《紅蓮の達人チャンドラ》

-呪文(11)-
4 《ミジウムの迫撃砲》
4 《神々の憤怒》
4 《漸増爆弾》
3 《真髄の針》

-サイドボード(15)-
hareruya


赤系の信心デッキというと赤白や赤緑が良く見られますが、今回入賞したNicholas Priceのリストは単色です。色拘束の強い《ヴァルカスの災い魔》を追加の5マナ域のクリーチャーとして採用されています。

『神々の軍勢』からは《灼熱の血》が採用されています。GR Monstersに対して相手のマナクリーチャーを焼きつつPWにダメージを与える事が可能です。赤単色なので置物に触れない弱点を補うためにサイドには《漸増爆弾》が4枚採用されています。

ヴァルカスの災い魔灼熱の血漸増爆弾





総括

SCGO NashvilleはBW MidrangeやGR Monsters等中速デッキが多く上位に残りましたが、優勝は『神々の軍勢』のカードが一切採用されていないMono Blue Devotionでした。
TCGplayer Open 5K Flintを制したのもMono Blue Devotionでした。前環境の時点で完成されていた構成で安定感があり、流行りのGR Monstersに対しても主力の赤と緑のクリーチャーを封じる《潮縛りの魔道士》が採用されていることも大きかったようです。
環境の序盤は未だ見ぬテクニックが多数存在します。今後研究が進むにつれて環境がどのように変化していくのか目が離せません。

以上SCGO NashvilleとSUper Sunday Series Champuionship, TCGplayer Open 5K Flintの解説でした。

次回の記事ではSCGO St.LouisとSCGO Atlantaの解説を予定しています。

それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!