■復活のジャンクリアニメイト
前回の記事の時点では「ドラゴンの迷路」から生まれた新しいアーキタイプは少なく、既存のアーキタイプがどのように強化されたかを紹介しました。赤単(タッチ緑)やジャンクリアニメイトなど見慣れたものが多かったかとは思います。現在は「ドラゴンの迷路」の発売から1ヶ月が経ったことでメタゲームにも若干の動きが見え始めており、今回はその変化に注目しつつ、「ドラゴンの迷路」以後に登場した新しいアーキタイプの活躍にも目を向けていきます。
まず、前回に紹介した赤単(タッチ緑)優位のメタゲームからの第1の変化は、ジャンクリアニメイトが支配的なアーキタイプとなったことでした。以前からも安定して強力なアーキタイプではあったものの、フィールドにジャンドミッドレンジやトリコミッドレンジが多くいた時期と比較するとやや落ち付いた印象がありました。
その印象から一躍流行の最先端へと躍り出たことにはいくつかの理由があり、まずはリストに目を通してからその説明に移ろうと思います。
4 《森》 4 《寺院の庭》 4 《草むした墓》 2 《神無き祭殿》 4 《森林の墓地》 3 《陽花弁の木立ち》 1 《孤立した礼拝堂》 1 《大天使の霊堂》 -土地(23)- 4 《アヴァシンの巡礼者》 4 《東屋のエルフ》 3 《悪鬼の狩人》 2 《罪の収集者》 4 《修復の天使》 3 《酸のスライム》 3 《スラーグ牙》 3 《静穏の天使》 -クリーチャー(26)- |
4 《忌まわしい回収》 3 《根囲い》 4 《堀葬の儀式》 -呪文(11)- |
4 《ケンタウルスの癒し手》 3 《死儀礼のシャーマン》 3 《花崗岩の凝視》 2 《罪の収集者》 2 《魂の洞窟》 1 《スラーグ牙》 -サイドボード(15)- |
やはり前回に紹介したように《修復の天使》がデッキの要となり、それとシナジーを形成する《酸のスライム》や《悪鬼の狩人》の枚数がしっかりと採用されているのが特徴的です。そして、この2種類のCIPクリーチャーこそが再びジャンクリアニメイトをメタゲームの中心へと押し上げることとなりました。
・<悪鬼の狩人>
これまでのジャンクリアニメイトはあらゆるアグロへの耐性がなく、代わりにすべてのミッドレンジに対して大きなエッジを持ったアーキタイプでした。しかし、赤単(タッチ緑)が流行したことがやや状況を変え、それに耐性のある構成が考案されたのです。その相性バランスの鍵を握っているのが《悪鬼の狩人》で、サイドボード後の《ケンタウルスの癒し手》と合わせて安定した序盤戦を演出してくれます。《流城の貴族》や《実験体》などの成長するクリーチャーに強く、横に並んだパワー2を止めるタフネスの高さも頼もしく思えます。
また、《悪鬼の狩人》はアグロだけに強いカードではなく、赤単(タッチ緑)を対策したナヤミッドレンジなどのアーキタイプにも有効な1枚です。メインボードで《ケンタウルスの癒し手》ではなく《悪鬼の狩人》が採用されているのは、アグロ以外のマッチアップを考慮しているためで、あくまでも環境後期のアプローチらしく「満遍なく丁寧な作り」が目指されています。
あくまでも対戦相手への干渉手段を《静穏の天使》に頼った構成を解消するために、小回りの利く除去呪文の1つとして採用されたオプションですが、アグロには劇的に機能し、その他にも悪くない働きが期待できることは大きな収穫です。
・<酸のスライム>
これも《悪鬼の狩人》と同様に《静穏の天使》以外の干渉手段という意味合いが強いのですが、《悪鬼の狩人》よりも目的意識の強い1枚となっています。《悪鬼の狩人》とは違いアグロとのマッチアップでは活躍を期待できない《酸のスライム》は、主にミッドレンジや同型への対策カードとして採用されています。
ミッドレンジには特殊地形を破壊できることや色事故を狙えることが強く、同型では不毛な《静穏の天使》を出しあうゲームを土地破壊によって拒否できるのです。これは「ギルド門侵犯」までの環境においてもサイドボード後の有力なテクニックとして重宝されていましたが、メインボードに《修復の天使》が居場所を見つけてからはお供でもある《酸のスライム》も2枚、そして3枚と数が増えています。
これを踏まえて同型では《ソンバーワルドの賢者》も見直されていますが、その他のマッチアップでは脆弱なため、「満遍なく丁寧な作り」を目指されている最近の環境においてはあまり枚数を確保できていないようです。
また、壊せるものが土地だけでないことは意外と便利で、サイドボード後の墓地対策(《地の封印》や《安らかなる眠り》)に無理せず触れることや、苦手な呪禁バントとのマッチアップを改善してくれます。
以上の2枚の参入が印象的で、GPグアダラハラではトップ8の内4名もがジャンクリアニメイトという活躍を収めました。オンラインでもその前後で一波の流行があり、赤単(タッチ緑)に強いミッドレンジも同時期に流行したことも相まって、ジャンクリアニメイトの立ち位置はよりよいところとなったのです。
再びの流行で快進撃を続けていたジャンクリアニメイトでしたが、役者の出揃ったメタゲームにおいて盛者は必ず叩かれます。赤単(タッチ緑)の数が落ち着き、ジャンクリアニメイトと緑系ミッドレンジが増え始めた頃、メタゲームは更なる変化を見せました。
■迫る影、4色リアニメイトとAct2
ナヤミッドレンジやジャンクリアニメイトが活躍した時期は数ヶ月前、ジャンドミッドレンジが安定した選択肢だと好まれて使われていた頃にありました。そして、そのようなミッドレンジ祭りのメタゲームを打開したのがアリストクラッツAct2や呪禁バント、赤単(タッチ緑)だったのです。
赤単(タッチ緑)は既に減少傾向にあったため、ジャンクリアニメイトを止めるべく数を増やしたのはアリストクラッツAct2でした。
2 《平地》 4 《聖なる鋳造所》 4 《血の墓所》 4 《神無き祭殿》 4 《孤立した礼拝堂》 4 《竜髑髏の山頂》 1 《魂の洞窟》 1 《大天使の霊堂》 -土地(24)- 4 《宿命の旅人》 4 《カルテルの貴種》 4 《血の芸術家》 4 《ボロスの反攻者》 4 《ファルケンラスの貴種》 -クリーチャー(20)- |
4 《悲劇的な過ち》 2 《オルゾフの魔除け》 4 《未練ある魂》 3 《冒涜の行動》 3 《イニストラードの君主、ソリン》 -呪文(16)- |
3 《無形の美徳》 3 《反逆の印》 2 《火柱》 2 《幽霊議員オブゼダート》 1 《電謀》 1 《摩耗+損耗》 1 《罪の収集者》 1 《軍勢の集結》 1 《魂の洞窟》 -サイドボード(15)- |
一時期は《罪の収集者》もテストされていましたが、確定で採用されるようなカードにはならず、サイドボードからの出番に落ち付いたようです。先手と後手の差があり不安定な《スカースダグの高僧》は抜けています。
やや防御的なアリストクラッツであるアリストクラッツAct2は、ボードに依存したミッドレンジに対して強く、多くの緑系ミッドレンジやジャンクリアニメイトの天敵でもあります。その相性差の鍵を握っているのは《血の芸術家》と《ボロスの反攻者》+《冒涜の行動》のコンボです。飛行に弱い傾向にある各ミッドレンジにとって《未練ある魂》と《ファルケンラスの貴種》も無視できないクロックであり、それの数点のダメージに加えて上記したコンボがごっそりと対戦相手のライフを奪っていきます。
先日のWMCQ名古屋予選においてはメインボードから《反逆の印》を採用したアリストクラッツAct2が優勝しており、緑系ミッドレンジのお供である《復活の声》や《スラーグ牙》への確実なヘイトを見せていました。
自分の速度で勝負するとめっぽう強いアリストクラッツAct2ですが、それよりも早いアグロ系全般やボードにクリーチャーを展開しないアーキタイプにはやや弱く、最近のAct2の隆盛も赤単(タッチ緑)やナヤブリッツの失速が後押ししている節はあります。《冒涜の行動》を使用する以上、相手の《ボロスの反攻者》は鬱陶しく、こちらの出足が遅いため単純に早いデッキを苦手にしているのです。
4 《踏み鳴らされる地》 3 《血の墓所》 3 《寺院の庭》 2 《神無き祭殿》 4 《根縛りの岩山》 3 《竜髑髏の山頂》 3 《陽花弁の木立ち》 1 《孤立した礼拝堂》 1 《魂の洞窟》 -土地(24)- 4 《ボロスの反攻者》 4 《スラーグ牙》 1 《狂気の種父》 4 《静穏の天使》 -クリーチャー(13)- |
2 《火柱》 4 《信仰無き物あさり》 4《忌まわしい回収》 4 《根囲い》 2 《轟く激震》 4 《堀葬の儀式》 3 《冒涜の行動》 -呪文(23)- |
2 《火柱》 2 《墓場の浄化》 2 《天啓の光》 2 《轟く激震》 2 《殺戮遊戯》 2 《酸のスライム》 2 《狂気の種父》 1 《魂の洞窟》 -サイドボード(15)- |
三原 槙仁(千葉)が考案したこの多色化したリアニメイトは、ジャンクリアニメイトのようにマナクリーチャーからの展開といった正攻法を全て省き、《堀葬の儀式》からのショートカットのみに全力を注いだ構成となっています。序盤から中盤を支える《ボロスの反攻者》や《轟く激震》は最低限に留め、《信仰無き物あさり》や《忌まわしい回収》などの墓地肥やしを最大限に採用していることが特徴的です。
このアーキタイプの強みは、《堀葬の儀式》からのリアニメート戦略に特化していることで、ジャンクリアニメイトやその他ミッドレンジに対して有利であることにあります。その代わりに、序盤戦が要となるマッチアップは4ターン目に《静穏の天使》を釣り上げられるか、あるいは《ボロスの反攻者》で相手がどれほど足踏みしてくれるかに左右されます。《轟く激震》を採用している形では、アグロへの苦手意識が和らいではいますが、そもそもの相性差がくつがえるほどの改善はされていません。
似たようなコンセプトやメタゲームの立ち位置にあるアーキタイプには「人間リアニメイト」がいるのですが、《血の芸術家》への耐性、個々のパーツの強さといった問題において4色リアニメイトが一般的な存在です。どちらもメタゲーム上の立ち位置は悪くなく、アリストクラッツAct2とアグロ以外には強力な有力な選択肢となっています。オンラインでは数回のPEで優勝をしたことでかなりの注目を集めていました。
主にこの2つのアーキタイプがジャンクリアニメイトを叩きはじめたことでメタゲームは少しずつ変化し、環境は次のステージへと移行しました。そのステージとは、ミッドレンジを中心としてより早くアプローチするアーキタイプ群と、より遅くを目指したアーキタイプ群が参入した状況です。
■新しいステージ
赤単(タッチ緑)の数が減少してからはミッドレンジ同士のバックの奪い合いが目立つ環境が続いていましたが、その戦いから一歩抜けだそうと考案されたものが、この節で紹介するアーキタイプたちです。ミッドレンジから一段早く、または一段遅くという速度を目指されたこれらのアーキタイプは、各パーツの選択やシステムの相性とは異なる部分の差による有利を狙って作られています。
まずは早いアプローチを取り入れたアーキタイプに触れ、その後に遅いアプローチからの戦いを挑んだアーキタイプを紹介しましょう。
☆早いアプローチ
4 《寺院の庭》 4 《草むした墓》 4 《神無き祭殿》 4 《森林の墓地》 4 《孤立した礼拝堂》 2 《陽花弁の木立ち》 2 《ガヴォニーの居住区》 -土地(24)- 4 《若き狼》 4 《宿命の旅人》 4 《血の芸術家》 4 《カルテルの貴種》 4 《復活の声》 4 《スカースダグの高僧》 3 《縞痕のヴァロルズ》 -クリーチャー(27)- |
4 《悲劇的な過ち》 1 《突然の衰微》 4 《未練ある魂》 -呪文(9)- |
4 《死儀礼のシャーマン》 3 《ひるまぬ勇気》 3 《罪の収集者》 2 《突然の衰微》 2 《幻月》 1 《天啓の光》 -サイドボード(15)- |
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黒赤白のアリストクラッツに足りなかった序盤からの強みを武器にした新規のアーキタイプです。《若き狼》まで採用したことで1マナ域が充実し、黒赤白では周囲のカードが重くて不便だった《スカースダグの高僧》が一躍キーカードとして働くような構成となっています。
話題の《復活の声》から生まれるトークンは大きく、数によってもサイズによっても安定してプレッシャーをかけられるようになっています。上のリストは軽すぎるくらいの構成で、《オブゼダートの大口》や《情け知らずのガラク》、《イニストラードの君主、ソリン》などがバックアップする形が一般的かもしれません。
《ボロスの反攻者》を使わないため、特殊地形を採用する余裕があることは強みの1つで、特にコンセプトを強化する《ガヴォニーの居住区》は言わずもがなの性能です。
黒赤白のものと比較すると軽量化によって手数や序盤戦が安定するようになったものの、勝利手段に関してはやや不安定になったことは否めません。特に《血の芸術家》への依存はやや深刻な問題で、このカードの枚数が勝負を左右するゲームが多く、なにかしらの枚数を維持する工夫は必要かもしれません。優秀なPWである《情け知らずのガラク》のサーチ能力や一撃必殺も狙える《不死の隷従》などが有力な候補でしょう。
2 《森》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《寺院の庭》 4 《聖なる鋳造所》 4 《根縛りの岩山》 4 《陽花弁の木立ち》 -土地(22)- 4 《実験体》 4 《ドライアドの闘士》 4 《復活の声》 4 《絡み根の霊》 4 《ボロスの反攻者》 4 《ロクソドンの強打者》 4 《ゴーア族の暴行者》 2 《地獄乗り》 -クリーチャー(30)- |
4 《灼熱の槍》 2 《ボロスの魔除け》 2 《怨恨》 -呪文(8)- |
3 《平和な心》 2 《電謀》 2 《セレズニアの魔除け》 2 《ボロスの魔除け》 2 《ミジウムの迫撃砲》 2 《火山の力》 2 《ワームの到来》 -サイドボード(15)- |
ナヤミッドレンジとは一線を画した前のめりなスタンスをとったものが、このナヤアグロです。これまでのナヤ系といえば《雷口のヘルカイト》や《ドムリ・ラーデ》を使用するグルールミッドレンジの延長線上にあるような構成が多く、グルールでは用意できない3マナ域を白いカードである《ボロスの反攻者》と《ロクソドンの強打者》に任せるものが主流でした。
マナクリーチャーである《アヴァシンの巡礼者》を引ければ強いがそうでないとやや動きが緩慢になること、1マナから5マナまでのパーマネントが混在しているため初手の内容がアンバランスな事がある。こんな問題点を抱えていたナヤミッドレンジでしたが、《実験体》からのビートダウンを採用することで解消されるようになりました。
また、これまでは手札でだぶつきやすかった3マナのカードを最高マナ域に据えることで、ゲームの中での行動の優先度をしっかりと設定することができるようになっています。デッキの中のクリーチャーの多くが攻防一体のもので占められていることもそれを後押ししていて、多くの状況にかかわらず手札のなかの重いカードから展開することが不正解になりにくい構成を目指しているのです。
2マナ域の《復活の声》と《絡み根の霊》は、どちらも除去耐性の高い優秀なメンバーで、守備的にもつかえる攻防の要になります。この色では一般的だった《火打ち蹄の猪》は不安定さから嫌われているようですが、呪文スロットを割いて2~3枚を採用してもいいかと思います。やはり速攻クリーチャーは貴重で、《火打ち蹄の猪》の場合は3/3というサイズにも価値を見いだせます。
☆遅いアプローチ
1 《島》 4 《神聖なる泉》 4 《聖なる鋳造所》 4 《蒸気孔》 4 《氷河の城砦》 4 《硫黄の滝》 3 《断崖の避難所》 2 《僻地の灯台》 -土地(26)- 4 《ボーラスの占い師》 1 《瞬唱の魔道士》 3 《修復の天使》 2 《霊異種》 -クリーチャー(10)- |
2 《火柱》 2 《灼熱の槍》 2 《変化+点火》 4 《アゾリウスの魔除け》 3 《熟慮》 3 《雲散霧消》 1 《中略》 3 《至高の評決》 1 《戦導者のらせん》 3 《スフィンクスの啓示》 -呪文(24)- |
3 《イゼットの静電術師》 3 《クローン》 1 《火柱》 1 《墓場の浄化》 1 《払拭》 1 《否認》 1 《雲散霧消》 1 《拘留の宝球》 1 《戦導者のらせん》 1 《記憶の熟達者、ジェイス》 1 《月の賢者タミヨウ》 -サイドボード(15)- |
やや懐かしい印象もありますが、最近では多くの注目を集めているトリコフラッシュです。しばらく前に一度復権したことがあったのですが、ちょうど記事の更新の合間であったため、取り上げることなく今日まできてしまいました。
かつては《魂の洞窟》や高速デッキの存在から「わざわざカウンター呪文を使いたくない」と避けられていた《雲散霧消》でした。ところが最近では《魂の洞窟》の枚数が落ち着くとともに、重いカードの応酬にスポットライトが当てられるようになったため、再びカウンター呪文が評価され始めています。
また、小回りの利く火力呪文も、《復活の声》や小型のクリーチャーが跋扈する現環境では便利なオプションとなっています。一方で《至高の評決》は、最近は除去耐性のあるクリーチャーが多いことからメインボードではやや不満のあるカードですが、サイドボードには必要なパーツではあるので依然として枠が割かれているようです。
《ボロスの反攻者》→《修復の天使》→《雷口のヘルカイト》→《戦導者オレリア》のようなパーマネント主体のミッドレンジも面白そうなので、それらの分岐も含めてこれからに期待がかかるアーキタイプです。
1 《平地》 1 《沼》 4 《神聖なる泉》 4 《湿った墓》 4 《神無き祭殿》 4 《水没した地下墓地》 4 《孤立した礼拝堂》 3 《氷河の城砦》 -土地(25)- 3 《ボーラスの占い師》 2 《吸血鬼の夜鷲》 2 《幽霊議員オブゼダート》 3 《静穏の天使》 -クリーチャー(10)- |
1 《究極の価格》 2 《遠隔+不在》 4 《禁忌の錬金術》 4 《未練ある魂》 4 《至高の評決》 3 《中略》 3 《堀葬の儀式》 1 《スフィンクスの啓示》 2 《ヴェールのリリアナ》 1 《イニストラードの君主、ソリン》 -呪文(25)- |
2 《墓場の浄化》 2 《強迫》 2 《死の重み》 2 《否認》 2 《究極の価格》 2 《邪悪な双子》 1 《殺害》 1 《拘留の宝球》 1 《スフィンクスの啓示》 -サイドボード(15)- |
先程はより遅く《堀葬の儀式》に特化したリアニメイトとして4色リアニメイトを紹介しましたが、かつては青リアニと呼ばれるリアニメイトの同型戦を意識した作りの青入りの構成が存在していたことがありました。それも基本的には《堀葬の儀式》に特化していたため、ジャンクリアニメイトに強かったのですが、色事故や速度、見た目の悪さなどの問題であまり流行はしませんでした。
そして、そのコンセプトをそのままに色を減らしてスリムアップしたものが上のエスパーフレアです。実は数カ月前からアイデア自体は出ていたものの、目立った成績を上げることなく消えそうで消えない微妙な立ち位置にいました。
しかし、《堀葬の儀式》に特化した同士がぶつかることが想定されている今、このエスパーフレアはある意味で多くの期待を寄せられています。それは、カウンターを採用しているリアニメイトだという点です。コンボデッキ同士で片方にだけカウンター呪文がはいっていれば勝負がどのように動くかは想像に難しくなく、最高の対抗手段だとさえ言えるでしょう。
カウンター呪文に、リセット呪文、リアニメイトシステムと、最近のアーキタイプにしては多くのオプションを持った構成をしており、柔軟性においては他の追随を許しません。細かい部分の調整にはまだ不安が残りますが、カードのクオリティとコンセプトは一級品のであるため、気軽に使ってもある程度の成績はついてきそうです。
4色リアニメイトの赤を青に変えたりと、エスパー(青白黒)以外の組み合わせでも同様のコンセプトは採用できそうです。リアニメイトの潰し合いの更なる先を目指す方は要注目のアーキタイプでしょう。
■まだまだ続くスタンダードシーズン
WMCQが終わり、一段落したように感じるスタンダードシーズンですが、PTQテーロスはまだ各地での予選を残していますし、8月末には一大イベントであるGP北九州が開催されます。「ドラゴンの迷路」が加わってから一層の白熱を見せるスタンダード環境からは目が離せません。
ジャンクリアニメイトが流行したことで動き始めたメタゲームはどこに落ち着くのでしょうか。それでは次回の記事で会いましょう。