こんにちは!Hareruya Prosの津村 健志です!
先週末にアメリカ・ポートランドにて開催されたプロツアー『マジック2015』に参加してきました!
この度はプロツアーの簡易レポートをお届けしたいと思います♪
■スタンダード
僕のもっとも愛するフォーマットであるスタンダード!少し前のブログにも書いたように、主に「エスパー(青白黒)・コントロール」を調整していましたが、課題はサイド後のゲームでした。
《拘留の宝球》を割るカードを入れられるだけでも厳しい戦いを強いられますし、それ以外でもプレインズウォーカーや《強迫》などなど、こちらがサイドインするカードに比べ、対戦相手の対策カードが劇的であることが、「青白」系統のデッキの課題だと感じていました。
メタゲームの本命である「黒単信心」デッキが《ラノワールの荒原》の加入により、以前よりも《突然の衰微》をタッチした形が増えると予想できたこともまた、「青白」系統のデッキにとっては悪い知らせでした。
結局この課題はなかなか解決するに至らず、「青白」系統のデッキは断念することに。
なお後日談ではありますが、この度見事に殿堂入りを果たした三原(槙仁)さんは、《群れネズミ》、《夜帷の死霊》、《ヴィズコーパの血男爵》などを入れた、いわゆる「オフェンシブサイドボード」で軸をずらす構築をされていました。三原さんは8-1-1の好成績を残しており、この戦略の正当性を証明した結果となったのではないかと思います。
さて、そんなこんなで「青白」の調整が暗礁に乗り上げたため、現環境最強のデッキである「黒単信心タッチ緑」を試してみることに。
このデッキに関しては、グランプリ台北14を「黒単信心」で制した経験もあるなべ(渡辺 雄也)君が絶対の自信を持っていたので、素直にそのリストを使わせていただくことにしました。
6 《沼》 1 《森》 4 《草むした墓》 4 《ラノワールの荒原》 4 《疾病の神殿》 2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 4 《変わり谷》 -土地(25)- 4 《群れネズミ》 4 《生命散らしのゾンビ》 4 《冒涜の悪魔》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(16)- |
4 《思考囲い》 4 《突然の衰微》 1 《胆汁病》 1 《究極の価格》 1 《ゴルガリの魔除け》 4 《英雄の破滅》 4 《地下世界の人脈》 -呪文(19)- |
4 《強迫》 3 《漁る軟泥》 2 《破滅の刃》 2 《ゴルガリの魔除け》 2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》 1 《死者の神、エレボス》 1 《胆汁病》 -サイドボード(15)- |
調整を始める前から、各種ダメランも出たことですし、「黒単信心」系のデッキを使うのであれば、緑か白はタッチすると決めていました。色を足せば《突然の衰微》や《払拭の光》といったカードで《地下世界の人脈》に触ることができるようになるので、「黒単」に準ずるデッキ同士の対決においては、2色デッキの方に圧倒的な有利が付きますからね。
これは実際に練習をしてみて改めて実感した部分であり、この系統のデッキでいくのであれば、色を足すと固く決心して調整は佳境に入っていきました。緑と白の選択に関しては、行弘(賢)君のアイディアで試してみた《世界を目覚めさせる者、ニッサ》があまりにも強かったため、これが決定打となり2色目も決定。
■緑に決めた!新たなる風・《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
《世界を目覚めさせる者、ニッサ》の登場は、「黒単信心タッチ緑」にとっては朗報と言えるものでした。土地は無色のクリーチャーになるため、かつては苦戦を強いられた《ヴィズコーパの血男爵》すらも嘲笑うことができ、なおかつ緑系のミッドレンジや「青白」系のデッキに強いマスターピースと呼べる存在でした。調整を重ねるごとに、《世界を目覚めさせる者、ニッサ》への信頼は高まっていき、最終的には3枚へと増量されました。
他に緑を足す理由としては、《漁る軟泥》と《ゴルガリの魔除け》の存在が挙げられます。どちらもこのデッキが最も苦手とする速攻系のデッキに強く、前者は貴重なライフゲイン手段として、後者は-1/-1能力によって《悲哀まみれ》と同様の効果が期待できます。
《ゴルガリの魔除け》は「青白」系のデッキにも非常に強く、ある時は《拘留の宝球》を破壊したり、またある時は《至高の評決》から自軍を守ってくれたりと、その汎用性の高さはとても2マナとは思えないほどです。
調整がてらみんなで晴れる屋のスタンダード杯に参加したところ、6-0で優勝できたこともあり、デッキ選択は「黒単信心タッチ緑」で決まりました。
このあと同じデッキで参戦予定のなべ君と行弘君とで、「《生命散らしのゾンビ》か《夜帷の死霊》にすべきか」で議論を交わしたりもしましたが、僕となべ君は大きな変更を加えることもなく《生命散らしのゾンビ》のままで、行弘君はミラーマッチとビートダウンに強い《夜帷の死霊》を選択することにして調整は終了しました。
■ドラフト
ドラフトの調整は、前回に引き続き参加させていただいた『菊名合宿』でみっちりと、その後は晴れる屋で1日に1~2回というペースで行いました。基本セットと言えど非常に奥が深いフォーマットで、この環境で特に意識していた部分は以下の2点です。
1.クリーチャーは積極的にピック。理想は17体以上。
2.土地は18枚で。
この環境は毎ターン動き続けること、できればクリーチャーをキャストし続けることが最善の策だと思っています。そのため、それを実行すべく大量のクリーチャーをピックすること、土地が詰まらず円滑に展開を続けることが理想であるために18枚の土地を意識しています。
もちろん、ただ闇雲に土地を18枚入れるとマナフラッドに陥りやすいので、《研究助手》や《かき回すゴブリン》のような分かりやすいマナフラッド対策から、《密林の酋長》や《夜火の巨人》のようなマナの使い道、または《墓損ない》のような長期戦に強いカードを確保するように心がけています。
各色の強弱に関しては、黒が1番弱く、白と赤が強いというのが皆の共通見解でした。個人的には、遅い巡目で良いカードさえくれば黒を含むどの色であれ、そんなに差はないかなという印象を受けていました。ドラフトは2-1や3-0が多かったので、あまり深刻に考えず、構築の練習に精を出していましたね。
■プロツアー本戦
現地で最後の調整を繰り返し、いよいよ本番のスタートです。
構築に関しては、なべ君とサイドボードが1枚だけ違うリストを提出。《冒涜の悪魔》に強い《究極の価格》か、はたまた「青単信心」や「セレズニア(緑白)・ビートダウン」に強い《破滅の刃》かで意見が割れ、僕は最大勢力であろう「黒単信心」の《冒涜の悪魔》に耐性を付けるべく、《究極の価格》を採用しました。
6 《沼》 1 《森》 4 《草むした墓》 4 《ラノワールの荒原》 4 《疾病の神殿》 2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 4 《変わり谷》 -土地(25)- 4 《群れネズミ》 4 《生命散らしのゾンビ》 4 《冒涜の悪魔》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(16)- |
4 《思考囲い》 4 《突然の衰微》 2 《胆汁病》 1 《究極の価格》 4 《英雄の破滅》 4 《地下世界の人脈》 -呪文(19)- |
4 《強迫》 3 《漁る軟泥》 3 《ゴルガリの魔除け》 3 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》 1 《究極の価格》 1 《破滅の刃》 -サイドボード(15)- |
まずはドラフトラウンドからのスタートです。
「アンコモン最強の《火炎放射》が引きたいね」と(齋藤)友晴さんと話していると、そこには驚くべき結果が……!
10 《山》 8 《島》 -土地(18)- 1 《炉の小悪魔》 2 《国境地帯の匪賊》 2 《研究助手》 1 《天空のアジサシ》 1 《発生器の召使い》 1 《アルタクの求血者》 1 《炎の壁》 1 《かき回すゴブリン》 1 《地割れ潜み》 1 《ゴブリンの荒くれ乗り》 1 《巨大戦車》 2 《諸島の雨雲/Nimbus of the Isles》 1 《轟きの巨人》 1 《氷河の壊し屋》 -クリーチャー(17)- |
2 《予言》 3 《火炎放射》 -呪文(5)- | -サイドボード(0)- |
なんとなんと、驚異の<火炎放射>3枚デッキが完成!自分で2枚引いて、1枚は下家のJacob Wilsonからパスしてもらえました。
「さすがにこれは3-0できるんじゃないか」と淡い期待を抱いていざ、試合開始!
Round 1 vs 緑黒with《世界を目覚めさせる者、ニッサ》、《イニストラードの魂》 0-2
Round 2 vs 緑黒with《女王スズメバチ》 1-2
Round 3 vs 緑黒with nothing 2-0
が、結果はまさかの1-2;;
1回戦のJacob Wilsonのデッキは綺麗に協調してしまったツケもあってか完敗。1本目は土地が2枚で止まってしまったところに《世界を目覚めさせる者、ニッサ》が出てきてしまい、文字通り完膚無きまでに叩きのめされました。続く2本目も《エルフの神秘家》から《イニストラードの魂》→《世界を目覚めさせる者、ニッサ》と出てきて良いところなく負け。
2回戦はまたまた緑黒。1-1で迎えた3本目、《アルタクの求血者》と《轟きの巨人》で軽快にビートダウンを敢行していると、目の前に現れたのは《女王スズメバチ》!こちらの手札には《火炎放射》があったので、《女王スズメバチ》とお供の2体を除去して馬鹿でかくなった《アルタクの求血者》で攻勢を維持するものの、対戦相手が次に唱えたのはまさかまさかの《墓損ない》……。
こちらももう2枚目の《火炎放射》で対抗するものの、残ってしまった「昆虫・トークン」と後続の《包囲ワーム》たちに押し切られてしまいました。
最後の相手も緑黒でしたが、これまで当たった2人とは違ってサイズも小さかったので難なく勝利。デッキ的に緑のデカブツには苦戦しそうだと分かってはいたものの、悔しい結果となりました。毎回サイドインしていた《爆炎の稲妻》をメインボードにしなかったことが悔やまれます。
さて、お次はランチタイムを挟んでのスタンダードラウンド。2日目に進出するためには最低でも3-2以上、トップ8を目指すためにはそれ以上の成績が必要となります。
Round 4 vs 「エスパー(青白黒)・コントロール」 1-2
Round 5 vs 「エスパー(青白黒)・コントロール」 2-1
Round 6 vs 「黒単信心」 2-0
Round 7 vs 「《迷路の終わり》」 1-2
Round 8 vs 「ジャンド(緑黒赤)・プレインズウォーカーズ」 0-2
結果は2-3で初日落ち……。
「津村健志のプロツアー優勝記念セール」が開催できる日はまだまだ先になりそうです。
結果の方は残念でしたが、2日目は気を取り直してニコニコ生放送の解説のお手伝いをさせてもらいました。「津村健志のゴキゲン!MO生活」の甲斐もあってか、以前より少しは話上手になった気がします(;・∀・)
瀬畑さんトップ8おめでとうございます!
3日目は瀬畑さんの応援をしつつ、久しぶりに再会したRemi(PTバレンシア2007優勝)たちとチームドラフト。ドラフトに熱中していたらあっという間に会場が閉まったので、最後は外で青空マジック(笑)
どこでもマジック!
以上で僕のプロツアー『マジック2015』は終了です。
いざ!帰国!
と思いきや!
今回の旅はまだまだこれでは終わりません!今週末はチーム戦で行われるグランプリポートランド14に友晴さんとなべ君と参加してきます♪
今はそれに向けて、毎日練習に明け暮れております!
なべ君曰く、「下の写真を見れば僕らがどれほど本気か分かるだろう」とのこと!
ぺろぺろと書いてマジ
今週から新シーズンに切り替わったとのことで、気合を入れなおしてがんばってきます!
それでは、また次回のブログで♪
コガモ
ここまで見てしまった君は「けいおん!」を全話見なければならないゾ!!