グランプリってなんですか? ~グランプリ静岡 主催者インタビュー~

晴れる屋

by Takamasa Sato

本戦だけで2000人近くのプレイヤーを集めたグランプリ静岡。
しかし、この記事をご覧の方の中には、
「そもそもグランプリってなんなの?」
という疑問をお持ちの方も多いのではないだろうか?

グランプリのことは、グランプリで一番偉い人に聞こう!
ということで、グランプリを主催するBIG MAGICを代表して、
ジャッジマネージャーである伊藤秀敏さんにお話を伺った。




――そもそも、グランプリってなんですか?

伊藤 「難しい質問ですが、一言でいえば『マジック・ザ・ギャザリングのお祭り』ですね。
 マジックの大会って色々あるじゃないですか。
 店舗での大会や、草の根の大会。それからプロツアー予選。
 色々な規模の大会がありますが、国内では最上級の物が、グランプリです。
 本戦はもちろん、多くのサイドイベントがありますから、
 マジックプレイヤーならどんな人が来ても楽しめます
 本当に規模が桁違いなので、プレイヤーの皆さんにとっては、
 世界が何倍にも広がるチャンスだと思います」
 
――なるほど。確かに巨大なイベントですよね。
  2000人以上が丸三日間、マジックを楽しむためだけに集まるわけですから。
  そんなお祭りを主催するBIG MAGICって、何をしているところなんですか?

伊藤 「トレーディングカードゲームを売っているショップです。
 全国に店舗がありまして、私は池袋店の店長をしています」

――そうだったんですね!?
  てっきりメーカーさんが主催しているのかと思っていました。

伊藤 「以前はそうだったんですが、最近になって、店舗が主催できるようになったんです。
 実は、BIG MAGICとしては以前から大きな大会を開きたかったんです。
 でも、どれだけ大きな大会を主催してもグランプリには敵わないので、
 正直諦めていました。
 ですから、店舗がグランプリを主催できるようことになった時、真っ先に手をあげました」

――大変じゃなかったですか?大きな大会を主催するには、それだけのノウハウが必要ですよね。

伊藤 「もちろん大変でした。私はもともとジャッジとして大会を手伝っていたので、
 どれだけ大変なことかもわかっていましたが、
 BIG MAGICの社訓は『楽しいを創造する』なんですよ。
 グランプリってすごく楽しいんです。
 社訓を護るためには、やらなければならないんですよね(笑)」

――素敵な社訓ですね。
  メーカーではなく、BIG MAGICが主催することで、プレイヤーにはどんな利点があるんでしょうか。

伊藤 「普段からお客様と直に接しているので、お客様目線での大会運営を心がけています。
 今回のグランプリ静岡では、グランプリ名古屋で主催させて頂いた際の反省を生かして、
 スタッフも多く投入していますし、会場も広く取っています。
 日本には現在、レベル2以上のジャッジは約40名いるんですが、
 今回のグランプリ名古屋では、そのうち36名が参加しているんです」

――高レベルジャッジの参加率、9割とは!どうしてそんなことが可能なのですか!?

伊藤 「私はもうジャッジになって十年以上経ちますので、その繋がりを最大限に活用しました。
 ジャッジが足りないと、それだけでプレイヤーの皆さんにストレスを与えてしまいますので。
 他にも会場中央にプロレスリング風のフィーチャーエリアを設けたり、
 開場からの生放送ブースを設けたりと、一目で『楽しい』と思えるように工夫をしています。
 意外と大会って待ち時間が長くて、暇ですからね。
 その時間も楽しいように、細かな工夫をしているつもりです」

――来ただけで楽しいって、最高のイベントですね。
  でも、参加者が楽しい分、裏方は大変じゃないですか?

伊藤 「それはもちろん大変です。
 大会での不戦勝を持った方のために、通常よりも遅い時間にエントリーすることができる、
 『スリープイン』という制度があるんですが、その調整だけでも徹夜仕事なんです。
 もちろん追加の料金もいただいていますので、そのコストに見合うサービスになるよう、工夫しています」

――なるほど。他の方とエントリー時間が異なるということは、手間が増えますからね。
  グランプリには、それだけのコストを払ってでも主催する価値はあるんですか?

伊藤 「正直、コストだけ見れば割に合わないのかもしれませんね。
 でも、たまにお客様が『良いイベントだったよ』とお声掛けくださることがあるんです。
 その瞬間が嬉しいので、これからももっと良いイベントにすべく精進するつもりです」

――貴重なお時間を頂きまして、ありがとうございました。

国内最大のマジックの祭典・グランプリ。
その裏には主催者の真摯な情熱があった。
グランプリにこれまで参加したことのない方も、
ぜひ会場を訪れて、この情熱に触れてほしい。