マジックというゲームは勝つか負けるか二つに一つ。
グランプリで二日目に勝ち残るプレイヤーがいるのなら、その裏には初日落ちしてしまう、負けてしまうプレイヤーが必ず存在する。
そんな不運にも脱落することになってしまった人たちに敗因を聞いてみることにしよう。
・行弘賢に何があったのか
若手と呼ばれたのももはや数年前、今となっては少なくなってしまった日本人プロプレイヤーの一人、それが行弘賢だ。
プロツアーを継続参戦し続けること自体がなかなかに大変なご時世で、今なお一線で戦っている。
最近の実績では、ちょうど一年近く前、ラブニカへの回帰リミテッドで競われたグランプリシンガポールでの戴冠が記憶に新しいところだ。
さて青白コントロールを調整してきたという行弘。
事前に予想していたメタゲームでは青単信心、黒単信心、青白コントロールだったのだが、直前GPTでは赤単タッチ白信心、赤単タッチ緑信心等のデッキが増えてしまっていたとのこと。
元々青白コントロールというデッキ、古典的なコントロールカラーそのままにゆっくりしたゲーム展開には滅法強い構成になっている。
《至高の評決》然り、《思考を築く者、ジェイス》《スフィンクスの啓示》然り。
そういうアドバンテージを獲得する手段には事欠かないわけなのだが、反面その代償として早いゲーム展開に滅法弱い。
前環境の《ボーラスの占い師》のようなカードが無いのも玉に瑕、環境のゲームスピード次第のデッキになってしまう。
そこで行弘、メインボードの大幅な改革を行った。
そして変更後に出てみたGPTでは感触が良かったため、そのままグランプリ本戦を迎えることになる。
・・・・しかし現実は無情だ。
3バイからの3連敗によるドロップ。
ということで負けたてほやほやの行弘に敗因を聞いてみた。
行弘 「いや、単純についてなかったですね」
–「それではデッキに不満があるわけではない?」
行弘 「そうですね、色事故を避けるために2色を選んだのに色事故を起こしたり、相手がぶん回ったり。最近グランプリベスト8に何度も残っているから、まあこんなこともありますよね」
–「直前GPTの感触から変更した部分を教えてください」
行弘 「このデッキの場合《嵐の息吹のドラゴン》がネックになるので、《拘留の宝球》をすべて抜き、《至高の評決》を減らし、そのスペースを《天界のほとばしり》4枚やカウンターに割きました。サイドボード後の《霧裂きのハイドラ》にも対応出来るので、このカードはやりますよ」
–「ドロップ直後に聞くのもなんですが、明日のご予定は?」
行弘 「SSS(スーパーサンデーシリーズ)に出る予定です。とりあえずは8人トーナメントでプレイマットでももらってきますよ。」
まずはエスパーコントロールとの長期戦を制し~ここで勝ったらプレイマットという勝負所、当たったのが何とびっくり呪禁ナヤ!
まさかの行弘、運気を溜めていたのか。
行弘 「完全についてましたね(笑)」
さすが行弘、プロプレイヤーは一味違う。
有言実行で見事一発目の8人トーナメントからプレイマットをゲット!
–「さて見事にミッション成功といったところですが、明日またグランプリがあったら何のデッキで出たいと思ってますでしょうか」
行弘 「調整する時間が十分に取れるのであれば、赤単+何かのデッキを考えたいところです。まあ時間が無いなら、今のままの青白でまた出るんじゃないかな」
明日のSSS(スーパーサンデーシリーズ)にも期待したいところだ。
8 《平地》 8 《島》 4 《神聖なる泉》 4 《アゾリウスのギルド門》 3 《変わり谷》 -土地(27)- 1 《予知するスフィンクス》 1 《霊異種》 -クリーチャー(2)- |
2 《ギルドとの縁切り》 4 《今わの際》 4 《天界のほとばしり》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 4 《解消》 4 《中略》 4 《思考を築く者、ジェイス》 2 《アゾリウスの魔除け》 4 《スフィンクスの啓示》 2 《至高の評決》 -呪文(31)- |
1 《変わり谷》 4 《万神殿の兵士》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 1 《盲従》 2 《否認》 4 《反論》 1 《予知するスフィンクス》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |