皆さんこんにちは!
いよいよ今月末には『タルキール龍紀伝』がリリースされますね。【スポイラーも続々と公開】されています。
さて、今回の記事では【SCG Premier IQ Baltimore】の結果を見ていきたいと思います。
SCG Premier IQ Baltimore ~Tier 2デッキが多数入賞。優勝はPainter~
2015年3月1日
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1位 Painter/【ペインター】
2位 Lands/【土地単】
3位 Maverick/【アグロロック】
4位 Lands/【土地単】
5位 Elves/【エルフ】
6位 Metalworker/【茶単】
7位 Dredge/【発掘】
8位 Sultai Delver/【青黒緑アグロ】
PainterやLands、Metalworker、Dredgeなどどちらかというとマイナーなポジションのデッキの活躍が目立った【SCG Premier IQ Baltimore】。最近のレガシーの大会では珍しく、上位に青が少なかったのも印象的です。
SCG Premier IQ Baltimore デッキ解説
「Painter」「Lands」「Maverick」「Metalworker」「Dredge」
4 《山》 2 《Plateau》 3 《血染めのぬかるみ》 2 《樹木茂る山麓》 1 《大焼炉》 4 《古えの墳墓》 3 《裏切り者の都》 -土地(24)- 3 《ゴブリンの溶接工》 4 《絵描きの召使い》 1 《ファイレクシアの破棄者》 4 《帝国の徴募兵》 2 《猿人の指導霊》 1 《特務魔道士ヤヤ・バラード》 1 《月の大魔術師》 -クリーチャー(27)- |
3 《赤霊破》 4 《紅蓮破》 2 《悟りの教示者》 3 《水蓮の花びら》 2 《師範の占い独楽》 2 《罠の橋》 4 《丸砥石》 1 《仕組まれた爆薬》 4 《血染めの月》 -呪文(9)- |
4 《炎の稲妻》 2 《槌のコス》 1 《エーテル宣誓会の法学者》 1 《悟りの教示者》 1 《罠の橋》 1 《アメジストのとげ》 1 《トーモッドの墓所》 1 《三なる宝球》 1 《安らかなる眠り》 1 《法の領域》 -サイドボード(15)- |
常に一定数存在するPainter。デッキ名にもなっている 《絵描きの召使い》と《丸砥石》とのコンボによる瞬殺が主な勝利手段で、相手によってはメインからフル搭載されている《血染めの月》を場に出すだけでほぼ勝ちです。
《血染めの月》の他にもアンチ青の《紅蓮破》や《赤霊破》、《特務魔道士ヤヤ・バラード》など特定のデッキに刺さるカードがメインに多く見られ、メタデッキ的な側面もあります。メインから多数採用されているアンチ青カードは《絵描きの召使い》との組み合わせで青くないデッキに対しても有効です。
サイド後はMiraclesのように基本地形が多く入っており《血染めの月》の効果が薄い相手に対する追加の勝ち手段として《槌のコス》が採られています。4マナなため《相殺》されにくく、コントロールにとっては触りにくいPWなのが強みです。
1 《森》 2 《Taiga》 1 《霧深い雨林》 1 《新緑の地下墓地》 1 《吹きさらしの荒野》 1 《樹木茂る山麓》 4 《燃え柳の木立ち》 1 《ボジューカの沼》 3 《暗黒の深部》 1 《Glacial Chasm》 4 《リシャーダの港》 4 《演劇の舞台》 1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 2 《平穏な茂み》 3 《Maze of Ith》 4 《不毛の大地》 -土地(34)- -クリーチャー(0)- |
4 《輪作》 4 《ギャンブル》 4 《壌土からの生命》 4 《罰する火》 4 《モックス・ダイアモンド》 4 《踏査》 2 《マナ結合》 -呪文(26)- |
4 《クローサの掌握》 4 《抵抗の宝球》 2 《アメジストのとげ》 2 《突撃の地鳴り》 1 《Karakas》 1 《暗黒の深部》 1 《虚空の杯》 -サイドボード(15)- |
David Longは今年1月に開催された【SCGO Philadelphia】でも同デッキでトップ4に入賞していた強豪プレイヤーです。サイドに追加の勝ち手段として 《突撃の地鳴り》を採用していたのが特徴的でしたが、今大会でも続けて採用されており、青対策の《窒息》に代わって2枚目が採られています。
どちらのカードも青相手に通れば勝利に大きく近づきますが、《突撃の地鳴り》の方が即効性があり、ゲーム展開が遅いこのタイプのデッキにとっては重要なファクターとなるようです。
1 《森》 1 《平地》 2 《Bayou》 2 《Savannah》 1 《Scrubland》 3 《新緑の地下墓地》 4 《吹きさらしの荒野》 2 《地平線の梢》 1 《ドライアドの東屋》 1 《ガイアの揺籃の地》 1 《Karakas》 4 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《ルーンの母》 3 《死儀礼のシャーマン》 2 《貴族の教主》 2 《クァーサルの群れ魔道士》 2 《石鍛冶の神秘家》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《漁る軟泥》 1 《スクリブのレインジャー》 3 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《聖遺の騎士》 1 《鷺群れのシガルダ》 -クリーチャー(24)- |
2 《突然の衰微》 4 《緑の太陽の頂点》 1 《森の知恵》 4 《剣を鍬に》 1 《梅澤の十手》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(13)- |
4 《思考囲い》 2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《盲信的迫害》 1 《ボジューカの沼》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《漁る軟泥》 1 《森を護る者》 1 《突然の衰微》 1 《壌土からの生命》 1 《火と氷の剣》 -サイドボード(15)- |
Maverickタッチ黒。Dark Marverickとも呼ばれています。ハンデス、 《Karakas》や《ボジューカの沼》などを探せる《聖遺の騎士》、各種ヘイトベアーの存在もあり、非青デッキでありながら(Belcherなど1ターン目に瞬殺してくるようなデッキ以外の)コンボに強いデッキです。
メインに1枚だけ採用されている《鷺群れのシガルダ》は禁止改定後に復権を果たしたSultaiなどが使う《ヴェールのリリアナ》の「-2」能力を無効化し、自身も禁呪持ちと除去耐性が高いです。《Green Sun’s Zenith》でサーチしてくることができ、回避能力やその除去耐性から装備品とも相性がよいので、コンボに対して遅いことを除けば非常に優秀なクリーチャーと言えます。
4 《古えの墳墓》 3 《魂の洞窟》 4 《雲上の座》 2 《裏切り者の都》 4 《微光地》 4 《ヴェズーヴァ》 2 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《金属細工師》 4 《磁石のゴーレム》 4 《カルドーサの鍛冶場主》 3 《ワームとぐろエンジン》 1 《白金の天使》 2 《隔離するタイタン》 1 《白金の帝像》 1 《荒廃鋼の巨像》 -クリーチャー(20)- |
4 《虚空の杯》 4 《厳かなモノリス》 1 《稲妻のすね当て》 3 《三なる宝球》 1 《威圧の杖》 2 《スランの発電機》 2 《精霊龍、ウギン》 -呪文(17)- |
2 《ファイレクシアの破棄者》 2 《全ては塵》 2 《トーモッドの墓所》 2 《罠の橋》 2 《漸増爆弾》 1 《映し身人形》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 1 《世界のるつぼ》 1 《鋼のヘルカイト》 1 《ニンの杖》 -サイドボード(15)- |
《虚空の杯》や《三なる宝球》で相手の行動に制限をかけつつマナ加速からパワーカードを連打するデッキで、《魂の洞窟》の存在もあり、軽いスペルを多用するDelver系を含む青いデッキに強いデッキです。
スタンダードのコントロールデッキや、モダンのトロンなどで使われている『運命再編』からのプレインズウォーカー《精霊龍、ウギン》が採用されています。盤面の制圧力に優れ、土地とアーティファクトでまとめられたこのデッキでは「-X」能力による被害は皆無で相手側の場のみ一方的に平らにします。
4 《セファリッドの円形競技場》 2 《真鍮の都》 3 《宝石鉱山》 4 《マナの合流点》 -土地(13)- 3 《朽ちゆくインプ》 4 《ナルコメーバ》 3 《ゴルガリの凶漢》 4 《臭い草のインプ》 4 《イチョリッド》 4 《ゴルガリの墓トロール》 -クリーチャー(22)- |
4 《陰謀団式療法》 4 《入念な研究》 4 《信仰無き物あさり》 4 《打開》 1 《戦慄の復活》 4 《黄泉からの橋》 4 《ライオンの瞳のダイアモンド》 -呪文(25)- |
4 《自然の要求》 4 《炎の嵐》 1 《宝石鉱山》 1 《炎の血族の盲信者》 1 《エメリアの盾、イオナ》 1 《蒸気の連鎖》 1 《暗黒破》 1 《古えの遺恨》 1 《戦慄の復活》 -サイドボード(15)- |
最近は各デッキのサイドボードから墓地対策が減少傾向にあり、以前と比べるとDredgeのように墓地を活用するデッキにもチャンスがやってきたようです。土地が15枚で《炎の血族の盲信者》がサイドに落とされているところを見ると、瞬殺するよりも安定性を優先しているようです。
サイドには《Nature’s Claim》、《古えの遺恨》、《蒸気の連鎖》など墓地対策に対抗する手段が多めに採られており、《炎の嵐》がサイドにフル搭載されていることから、クリーチャーデッキ対策にも力を入れているのが分かります。特に最近は《死儀礼のシャーマン》、《漁る軟泥》、《封じ込める僧侶》など妨害能力を内蔵したクリーチャーも多く存在するので重要です。
ボーナストピック
4 《Underground Sea》 2 《Bayou》 1 《Tropical Island》 4 《霧深い雨林》 4 《汚染された三角州》 1 《新緑の地下墓地》 4 《不毛の大地》 -土地(20)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《秘密を掘り下げる者》 2 《闇の腹心》 4 《タルモゴイフ》 -クリーチャー(14)- |
4 《突然の衰微》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 2 《思考囲い》 4 《目くらまし》 3 《Hymn to Tourach》 3 《Force of Will》 2 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(26)- |
3 《見栄え損ない》 2 《ゴルガリの魔除け》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《外科的摘出》 1 《Hymn to Tourach》 1 《Force of Will》 1 《森の知恵》 1 《墓掘りの檻》 1 《真髄の針》 1 《無のロッド》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 1 《ヴェールのリリアナ》 -サイドボード(15)- |
【Channel Fireball】のサイトのライターで前環境を支配したUR Delverの制作者のBob Huangは、禁止改定後の環境では以前から得意としていたSultai Delverを使用しています。惜しくもトップ8入賞は成りませんでしたが、トップ16入賞でした。
最近のSultai Delverでよく見かける《黄金牙、タシグル》は不採用で《闇の腹心》が採用されています。カードアドバンテージを稼ぎ、軽いクロックにもなる《闇の腹心》はコンボやコントロールに強く、【SCGO Indianapolis】を制したJim Davisもメインから採用していました。
【SCGO Indianapolis】のリストと異なり《もみ消し》は不採用で、以前から存在したハンデスや《ヴェールのリリアナ》が採用された形となっています。
4 《溢れかえる岸辺》 1 《霧深い雨林》 4 《汚染された三角州》 4 《Tundra》 3 《Volcanic Island》 4 《不毛の大地》 -土地(20)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《石鍛冶の神秘家》 2 《真の名の宿敵》 -クリーチャー(10)- |
4 《思案》 4 《渦まく知識》 4 《稲妻》 3 《呪文貫き》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 2 《時を越えた探索》 1 《梅澤の十手》 3 《剣を鍬に》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(30)- |
2 《翻弄する魔道士》 2 《赤霊破》 2 《安らかなる眠り》 1 《真の名の宿敵》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《狼狽の嵐》 1 《紅蓮破》 1 《摩耗+損耗》 1 《墓掘りの檻》 1 《真髄の針》 1 《饗宴と飢餓の剣》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
MOのレガシーデイリーで勝ちまくっているjacetmsstは一貫してJeskaiカラーのDelverを使い続けています。このタイプのデッキでよく見かける《ギタクシア派の調査》は不採用なのが印象的です。元々装備品と《真の名の宿敵》のおかげでTemur Delverと比べると中盤以降のゲームにも強かったJeskai Delverですが、探査スペルの《時を越えた探索》のおかげでロングゲームに更に強くなったようです。
jacetmsstというアカウント名通り《精神を刻む者、ジェイス》もサイドに採られています。ロングゲームになりやすいコントロールとのマッチアップで勝ち手段兼アドバンテージ獲得手段として重宝します。
2 《島》 1 《平地》 1 《沼》 3 《Tundra》 2 《Underground Sea》 1 《Scrubland》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 1 《沸騰する小湖》 1 《忍び寄るタール坑》 1 《アカデミーの廃墟》 -土地(21)- 3 《石鍛冶の神秘家》 2 《瞬唱の魔道士》 2 《僧院の導師》 -クリーチャー(7)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 2 《呪文貫き》 2 《思考囲い》 1 《コジレックの審問》 1 《対抗呪文》 2 《未練ある魂》 4 《Force of Will》 2 《時を越えた探索》 1 《梅澤の十手》 4 《剣を鍬に》 1 《殴打頭蓋》 1 《仕組まれた爆薬》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(32)- |
3 《墓掘りの檻》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《狼狽の嵐》 2 《至高の評決》 1 《エーテル宣誓会の法学者》 1 《概念泥棒》 1 《コジレックの審問》 1 《盲信的迫害》 1 《議会の採決》 1 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード(15)- |
EsperカラーのStoneblade。《真の名の宿敵》だった枠には【モダン神挑戦者決定戦】での活躍の記憶も新しい《僧院の導師》が採用されており、軽い非クリーチャースペルを多数採用しているこのデッキにフィットしています。
《真の名の宿敵》のような除去耐性はないものの、トークン生成能力は装備品と相性がよくクリーチャーが並ぶので《ヴェールのリリアナ》にも耐性が付きます。
総括
【SCG Premier IQ Baltimore】はShow and Tell系、Delver、Miraclesなどの定番のデッキよりも、PainterやLandsなど全体的にマイナーなデッキの活躍が目立ちました。今大会よりも2週間前に開催された【SCG Premier IQ Houston】でもFood Chainのようなローグデッキが勝つなど、SCG Premier IQが開催されるようになってから入賞デッキにも若干変化が見られるようになってきました。
これはSCGOが2日制になり、安定した成績が期待できる青いフェアデッキなどを選択する傾向にある競技志向のプレイヤーの多くが2日目に参加していることから、メタが変化しているのだと思われます。SCGOよりも優先してSCG Premier IQに参加する層はレガシーのみをプレイするプレイヤーも多く、同フォーマットにおいて特定の戦略に精通しているプレイヤーも多く参加していたことが予想できます。
以上で今回の解説を終わります。
次回の記事ではSCG Premier IQ Dallasの結果を見ていきたいと思います。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいレガシーを!
※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『StarCityGames.com』
http://www.starcitygames.com/index.php